英単語学習ラボ

tricky

/ˈtrɪki/(トゥリィキィ)

第1音節にアクセントがあります。母音 /ɪ/ は日本語の『イ』よりも口を左右に少し開き、短く発音します。/r/ は舌をどこにもつけずに発音する巻き舌の音で、日本語のラ行とは異なります。最後の /i/ は、日本語の『イ』よりも緊張を緩めて、やや弱く発音するとより自然です。

形容詞

扱いにくい

物事が複雑で、解決や理解が難しい状態を指す。問題、質問、状況など、様々な対象に使える。単純な間違いというよりは、巧妙に仕組まれた、あるいは予期せぬ困難を含むニュアンス。

My little brother sighed because the puzzle was really tricky to finish.

私の幼い弟は、そのパズルが本当に完成させるのが難しかったので、ため息をついた。

目の前にあるパズルが複雑で、なかなか解けない状況を表しています。子供がため息をつく様子から、その「扱いにくさ」や「難しさ」が伝わってきますね。「tricky to finish」のように、「to + 動詞」を続けて「~するのが扱いにくい/難しい」という意味でよく使われます。

Driving on this narrow mountain road is tricky, so please be careful.

この狭い山道を運転するのは扱いにくい(難しい)ので、気をつけてください。

曲がりくねった山道や、道幅が狭い場所など、運転しにくい状況を表現しています。誰かに「気をつけて」と伝えることで、その道の難しさや、運転のしにくさが強調されます。状況そのものが「扱いにくい」場合によく用いられる典型的な例です。

I couldn't figure out how to use my new coffee maker; it was quite tricky.

新しいコーヒーメーカーの使い方が分かりませんでした。かなり扱いにくかったです。

新しく買った家電製品や機械の操作が複雑で、なかなか使いこなせない状況を表しています。説明書を読んでも、ボタンが多くて戸惑うような場面ですね。「quite tricky」は「かなり扱いにくい」というニュアンスを強めます。物や道具の操作が難しい場合によく使われます。

形容詞

油断ならない

人や状況が予測不可能で、注意が必要な様子。特に、一見すると安全に見えても、潜在的な危険やリスクを孕んでいる場合に使う。相手を欺く意図がある場合にも用いられる。

The math problem looked simple, but it was really tricky.

その数学の問題は簡単そうに見えたけど、実はすごく油断ならなかった(=難しかった)。

この例文は、「見た目とは違う難しさ」を表現する『tricky』の典型的な使い方です。シンプルな問題に見えても、いざ解こうとすると意外な落とし穴があったり、複雑な思考が必要だったりする状況を想像してみてください。宿題に頭を悩ませる学生の姿が目に浮かびますね。

Learning to play this new video game can be tricky at first.

この新しいビデオゲームを覚えるのは、最初は油断ならない(=難しい)かもしれません。

新しいゲームの操作方法やルールが複雑で、慣れるまでは戸惑う状況を表しています。コントローラーを握りしめ、画面を凝視しながらも、なかなか思った通りにキャラクターが動かせず、少しイライラしている人の姿が目に浮かぶでしょう。『at first』は「最初は」という意味で、時間の経過とともに慣れていくニュアンスも含まれています。

It's tricky to explain complex ideas in simple words.

複雑な考えを簡単な言葉で説明するのは、油断ならない(=難しい)ことです。

この例文は、コミュニケーションの難しさを表現する際に非常によく使われます。相手に理解してもらうために、どう言葉を選び、どう順序立てて話せばよいか、慎重に考えなければならない状況です。説明者が言葉を探し、聞き手の顔色を伺っているような情景が想像できますね。『It's tricky to do something』は「〜するのは油断ならない/難しい」という一般的な表現です。

形容詞

器用

手先が器用、または、ずる賢い、抜け目がない。ネガティブな意味合いを含む場合もある。

Putting together the tiny model airplane was tricky, but he finished it perfectly.

その小さな模型飛行機を組み立てるのは器用さが必要でしたが、彼は完璧に仕上げました。

この例文は、指先の細かい作業や精密な操作が求められる状況を描写しています。「tricky」はここでは「繊細な、巧みな操作が必要な」という意味合いで使われており、それをこなすには「器用さ」が求められる、という典型的な場面です。集中して小さな部品を組み立てる様子を想像してみてください。

The chess master made a tricky move that surprised everyone and won the game.

そのチェスの達人は、皆を驚かせた器用な(=巧妙な)一手でゲームに勝ちました。

この例文では、ゲームやスポーツにおける「巧妙な」「一筋縄ではいかない」動きや戦略を指しています。相手の裏をかくような、頭脳的な「器用さ」が光る一手、というニュアンスです。緊迫したチェス盤の前で、達人が鮮やかな手を打つ瞬間をイメージしてみましょう。

This old camera is tricky to use, but my grandpa takes amazing photos with it.

この古いカメラは操作が難しい(=器用さを要する)けれど、私のおじいちゃんはそれで素晴らしい写真を撮ります。

ここでは、操作が複雑で、ある程度の「コツ」や「熟練」が必要な道具に対して「tricky」が使われています。それを「器用」に使いこなす人がいる、という文脈で理解すると、日本語の「器用」という言葉のイメージに繋がります。おじいちゃんが古いカメラを構え、シャッターチャンスを待つ姿を思い浮かべてみてください。

コロケーション

a tricky question

答えにくい質問、巧妙に仕組まれた質問

単に難しいだけでなく、答え方によって相手を不快にさせたり、自分の立場が悪くなったりする可能性のある質問を指します。政治家へのインタビューや法廷での尋問など、慎重な対応が求められる場面でよく使われます。'a difficult question'よりも、裏に何か意図が隠されているニュアンスを含みます。構文は adjective + noun です。

a tricky situation

扱いにくい状況、デリケートな状況

問題解決が容易ではなく、注意深く対応する必要がある状況を指します。人間関係のトラブル、ビジネス上の交渉、倫理的なジレンマなど、様々な場面で使われます。'a difficult situation'よりも、状況を悪化させないために慎重な判断が求められるニュアンスが強いです。構文は adjective + noun です。

tricky to handle

扱いが難しい、対応が難しい

人、物、状況など、様々な対象に対して使えます。例えば、'This software is tricky to handle.'(このソフトウェアは扱いが難しい)のように使います。単に難しいだけでなく、コツや経験が必要であることを示唆します。'difficult to handle'よりも、予期せぬ問題が発生しやすいニュアンスを含みます。構文は adjective + to infinitive です。

tricky maneuver

巧妙な策略、危険な操作

特に運転やスポーツ、ビジネスなど、高度な技術や判断力を要する操作や策略を指します。'a tricky driving maneuver'(危険な運転操作)のように使われます。失敗すると大きなリスクを伴うため、慎重さが求められます。'difficult maneuver'よりも、成功すれば大きな利益が得られる可能性があるニュアンスを含みます。構文は adjective + noun です。

a tricky balance

微妙なバランス、保つのが難しい均衡

複数の要素間の調整が難しく、少しのずれで全体が崩れてしまうような状況を指します。例えば、'striking a tricky balance between work and family'(仕事と家庭の微妙なバランスを取る)のように使われます。'delicate balance'と似ていますが、より積極的に調整する必要があるニュアンスを含みます。構文は adjective + noun です。

tricky business

厄介な仕事、危険な商売

単に難しいだけでなく、リスクや不正行為が伴う可能性のある仕事や商売を指します。'That sounds like tricky business.'(それは厄介な仕事のようだ)のように使われます。'difficult business'よりも、法的な問題や倫理的な問題に発展する可能性があるニュアンスを含みます。構文は adjective + noun です。

tricky customer

扱いにくい客、気難しい客

要求が多かったり、文句を言ったり、不当な要求をしたりする客を指します。'We have some tricky customers to deal with today.'(今日、対応しなければならない気難しい客が何人かいる)のように使われます。'difficult customer'よりも、感情的な対応が必要になることが多いニュアンスを含みます。構文は adjective + noun です。

使用シーン

アカデミック

学術論文や研究発表で、データや実験結果の解釈が複雑で注意を要する場合に使われます。例えば、「この統計モデルは一見シンプルだが、解釈にはtrickyな側面がある」のように、研究者がデータの扱いの難しさや落とし穴について議論する際に用いられます。

ビジネス

ビジネスシーンでは、契約書や交渉、プロジェクト管理など、誤解や混乱を招きやすい状況を説明する際に使われます。例えば、「この契約条項はtrickyなので、弁護士に確認してもらう必要がある」のように、リスクを伴う状況を指摘する際に用いられます。フォーマルな会議や文書で使用されることが多いです。

日常会話

日常会話では、パズルやゲーム、あるいは人間関係など、一筋縄ではいかない状況を表現する際に使われます。例えば、「このクロスワードパズルはtrickyだね」のように、少し難しい、あるいは意地悪な問題に対して使われます。また、「彼女の質問はいつもtrickyだ」のように、相手の意図を測りかねる場合にも使われます。

関連語

類義語

  • 人を欺くような性質を持つ、見かけと中身が異なるような状況を指す。ビジネスや法律、政治など、深刻な状況で使われることが多い。 【ニュアンスの違い】"tricky"よりも意図的な欺瞞のニュアンスが強く、よりフォーマルな印象を与える。人の性格や行動を批判的に評価する際に使われる。 【混同しやすい点】"tricky"は問題や状況が複雑で解決が難しいことを指すのに対し、"deceptive"は意図的に人を欺くことを意味する。日本語の「巧妙な」「見せかけの」といった訳語が当てはまる場合がある。

  • 複雑で理解したり扱ったりするのが難しい状態。技術的な問題、人間関係、手続きなど、多岐にわたる状況で使用される。 【ニュアンスの違い】"tricky"は解決に工夫や注意が必要なニュアンスを含むのに対し、"complicated"は単に複雑で理解が難しい状態を表す。感情的な意味合いは薄い。 【混同しやすい点】"complicated"は物事の構造や要素が複雑であることを指し、"tricky"は解決策を見つけるのが難しい、あるいは誤解を招きやすいというニュアンスを含む。例えば、"a complicated machine"(複雑な機械)は言えるが、"a tricky machine"とは通常言わない。

  • 達成、理解、対処するのが難しいこと全般を指す。日常会話から学術的な文脈まで幅広く使われる。 【ニュアンスの違い】"tricky"は特定のスキルや注意が必要な難しさを含むのに対し、"difficult"は単に難易度が高いことを示す。より客観的な表現。 【混同しやすい点】"difficult"は一般的な難しさを表し、具体的な解決策やアプローチが不明な場合に使われることが多い。一方、"tricky"は特定の落とし穴や注意点があるため、慎重な対応が必要な状況を指す。例えば、"a difficult exam"(難しい試験)は、単に内容が難しいことを意味するが、"a tricky exam"は、ひっかけ問題が多いなど、注意が必要な試験を意味する。

  • 壊れやすい、傷つきやすい、あるいは微妙な状況を指す。人間関係、健康状態、美術品など、慎重な扱いが必要なものに対して使われる。 【ニュアンスの違い】"tricky"はある種のずる賢さや欺瞞性を含むことがあるのに対し、"delicate"は繊細さや慎重さを必要とすることを示す。感情的な配慮が必要な状況で使われることが多い。 【混同しやすい点】"delicate"は物理的な脆弱性や感情的な繊細さを表すのに対し、"tricky"は状況の複雑さや扱いの難しさを表す。例えば、"a delicate negotiation"(デリケートな交渉)は、交渉がうまくいかない可能性があることを示唆するが、"a tricky negotiation"は、相手が狡猾である可能性があることを示唆する。

  • 非常に複雑で詳細な構造やデザインを持つことを指す。芸術、科学、技術など、細部にまで注意が払われている状況で使用される。 【ニュアンスの違い】"tricky"は解決や理解が難しいという意味合いが強いのに対し、"intricate"は構造の複雑さや精巧さを強調する。美的な要素を含むことが多い。 【混同しやすい点】"intricate"は物理的な構造やデザインの複雑さを表すのに対し、"tricky"は問題解決や状況判断の難しさを表す。例えば、"an intricate clockwork"(精巧な時計仕掛け)は言えるが、"a tricky clockwork"とは通常言わない。

  • slippery

    文字通りには滑りやすいことを指すが、比喩的には信頼できない、捕まえにくい、あるいは扱いが難しい状況や人を指す。政治、ビジネス、人間関係など、不安定な状況で使用される。 【ニュアンスの違い】"tricky"は問題解決の難しさや欺瞞性を含むのに対し、"slippery"は状況の不安定さや信頼性の低さを強調する。道徳的な問題を含むことが多い。 【混同しやすい点】"slippery"は状況や人物が予測不可能で信頼できないことを表すのに対し、"tricky"は問題解決の難しさや欺瞞性を含む。例えば、"a slippery slope"(滑りやすい坂)は、ある行動が予期せぬ結果につながる可能性を示唆するが、"a tricky situation"は、慎重な対応が必要な状況を意味する。

派生語

  • trickster

    『トリックスター』。人を騙したり、いたずらを仕掛けたりする人物を指す名詞。『trick』に人を表す接尾辞『-ster』が付いた形。神話や物語に登場するキャラクターを指すことが多い。日常会話でも、ずる賢い人を指して使われることがある。

  • trickery

    『策略』、『ごまかし』を意味する名詞。『trick』に名詞化の接尾辞『-ery』が付いた形。不正な手段や策略を用いる行為を指す。ビジネスシーンやニュース記事で、詐欺や不正行為を説明する際に用いられる。

  • trickle

    『滴り落ちる』、『少しずつ流れ出る』という意味の動詞。また、その名詞形としても使われる。『trick』とは直接的な語源関係はないものの、『trickle』は『少しずつ』という意味合いを持ち、『tricky』な状況が徐々に明らかになる様子を比喩的に表すことがある。ニュースや経済記事で、情報や資金などが徐々に浸透していく様子を表現する際に使われる。

反意語

  • 『率直な』、『単純明快な』という意味の形容詞。『tricky』が複雑で理解しにくい状況や人を指すのに対し、『straightforward』は、明確で誤解の余地がない状態を表す。問題解決やコミュニケーションにおいて、複雑さを避け、直接的なアプローチを推奨する場合に使われる。日常会話、ビジネス文書など幅広い場面で用いられる。

  • 『正直な』、『誠実な』という意味の形容詞。『tricky』が人を欺くようなニュアンスを含むのに対し、『honest』は、真実を語り、不正な行為をしないことを意味する。人間関係やビジネスにおいて、信頼を築く上で重要な性質とされる。日常会話、ニュース記事など、幅広い場面で使用頻度が高い。

  • 『単純な』、『簡単な』という意味の形容詞。『tricky』が複雑で扱いにくい状況を指すのに対し、『simple』は、構造や手順が単純で理解しやすい状態を表す。問題解決やタスク管理において、複雑さを排除し、効率的なアプローチを重視する場合に使われる。日常会話や技術文書など、多様な文脈で用いられる。

語源

"Tricky」は、もともと中英語の「trik」に由来し、これは「だます、欺く」という意味の動詞でした。さらに遡ると、古フランス語の「trichier(ごまかす、だます)」に行き着きます。この「trichier」の起源は定かではありませんが、おそらくゲルマン祖語に遡ると考えられています。重要なのは、「tricky」が単に「難しい」という意味だけでなく、「人を欺くような巧妙さ」を含むニュアンスを持っている点です。例えば、日本の伝統的な「狐」のイメージを思い浮かべると、そのずる賢さやいたずらっぽさが「tricky」の持つ本質的な意味合いと重なります。つまり、「tricky」は、単に技術的に難しいだけでなく、相手を惑わせるような、一筋縄ではいかない状況や性質を表す言葉なのです。

暗記法

「tricky」は単に巧妙なだけでなく、人を欺くずる賢さや、扱いに注意を要する繊細さを秘めた言葉。その背景には、神話のトリックスターの影がちらつきます。秩序を混乱させ、知恵とずる賢さで困難を乗り越える存在。社会の矛盾や権威への反抗を表現し、ユーモアと教訓を与えるトリックスターの精神が、「tricky」に潜んでいます。状況が複雑で慎重な扱いを要する時、高度な技術で相手を惑わせる時、この言葉は、単なる難しさ以上の意味を帯びるのです。

混同しやすい単語

『tricky』と語頭の音が似ており、特に早口で発音された場合に聞き間違えやすいです。綴りも『tr』で始まる点が共通しており、視覚的な混同も起こり得ます。『track』は『追跡する』『軌道』などの意味を持ち、品詞も動詞・名詞と幅広いため、文脈で判断する必要があります。日本語の『トラック』というカタカナ語の影響で意味を誤解しやすい点にも注意が必要です。

『tricky』と語源が同じで、スペルも非常に似ています。『trick』は名詞で『いたずら』『策略』、動詞で『だます』という意味です。『tricky』は形容詞で『扱いにくい』『油断のならない』という意味なので、品詞と意味が異なります。注意点として、名詞の『trick』は可算名詞であるのに対し、『tricky』は形容詞であるため、文法的な使い方が大きく異なります。

『tricky』と母音の音が若干似ており、特にアメリカ英語では曖昧母音化しやすいため混同される可能性があります。綴りは全く異なります。『treat』は『もてなす』『治療する』などの意味を持つ動詞で、名詞としては『ごちそう』『もてなし』という意味になります。発音記号を意識して、/iː/と/ɪ/の違いを明確にすることが重要です。

『tricky』と語頭の音が似ているだけでなく、日本語のカタカナ発音では『ツリー』と発音するため、さらに混同しやすくなります。『tree』は『木』という意味で、名詞です。LとRの発音区別が苦手な日本人学習者は、特に注意が必要です。英語では『tree』は舌を巻かずに発音します。

『tricky』と語尾の音が似ており、さらに形容詞という品詞も共通しているため、意味も混同しやすいです。『sticky』は『粘着性のある』という意味で、『tricky』の『扱いにくい』とは異なります。視覚的にも'icky'の部分が共通しているため、スペルのチェックを怠らないようにしましょう。

『tricky』と発音が似ており、特に母音部分の音が曖昧になりやすいです。意味は『(困難な)旅行』『トレッキング』で、名詞または動詞として使われます。スペルも短い単語なので覚えやすいですが、発音の類似性から混同しないように注意が必要です。

誤用例

✖ 誤用: This problem is very tricky, so I can't understand it at all.
✅ 正用: This problem is quite tricky, so I'm having some difficulty understanding it.

日本人は「tricky」を「非常に難しい」という意味で捉えがちですが、ネイティブスピーカーは「tricky」に「巧妙で一筋縄ではいかない」「(見た目ほど簡単ではなく)裏がある」というニュアンスを感じます。そのため、問題が難解であることを強調したい場合は"difficult"や"complex"が適切です。また、"can't understand it at all"は直接的すぎるため、"having some difficulty"のように控えめな表現を使う方が、大人の会話ではより洗練された印象を与えます。日本語の「全く理解できない」を直訳すると、相手に失礼な印象を与える可能性があるため注意が必要です。

✖ 誤用: He is a tricky person, so you should be careful when dealing with him.
✅ 正用: He is a bit of a slippery character, so you should be careful when dealing with him.

"tricky"を人に対して使う場合、日本語の「ずる賢い」に近い意味合いになりますが、やや直接的でネガティブな響きがあります。より婉曲的に表現したい場合は、"slippery character"(掴みどころのない人、油断のならない人)を使う方が適切です。英語では、直接的な批判を避け、間接的な表現を用いることで、相手への配慮を示す文化があります。日本語の「彼はトリッキーな人だ」をそのまま英語にすると、相手に強い不快感を与える可能性があることを理解しておきましょう。

✖ 誤用: The tricky part of the negotiation was agreeing on the price.
✅ 正用: The delicate part of the negotiation was agreeing on the price.

"tricky"は、技術的に難しい、あるいは策略が必要な状況を指すことが多いです。交渉事における「デリケートな部分」「扱いが難しい部分」を指す場合は、"delicate"の方が適切です。"tricky"を使うと、価格交渉に何らかの策略や不正があったかのような印象を与えてしまう可能性があります。日本語の「トリッキーな部分」という表現は、様々な意味合いで使われますが、英語では文脈によって適切な単語を選ぶ必要があります。

文化的背景

「tricky」は、単に「巧妙な」という意味を超え、人を欺くようなずる賢さ、あるいは扱いに注意を要する繊細さを内包する言葉です。特に、社会的な駆け引きや、一筋縄ではいかない人間関係において、その真価を発揮します。

「tricky」が持つ「欺瞞性」のニュアンスは、中世のトリックスター(trickster)という概念にそのルーツを見出すことができます。トリックスターは、神話や民話に登場する、いたずら好きで予測不可能な存在であり、秩序を混乱させ、既存の価値観を覆す役割を担います。例えば、北米先住民の神話に登場するコヨーテや、西アフリカの神話に登場するアナンシ(蜘蛛)などが代表的です。彼らは知恵とずる賢さを駆使して、困難を乗り越え、時には神々さえも出し抜きます。このようなトリックスターの物語は、社会の矛盾や権威への反抗を表現し、人々にユーモアと教訓を与えてきました。「tricky」という言葉には、こうしたトリックスターの精神が、かすかに残響しているのです。

また、「tricky」は、状況や問題が複雑で、慎重な扱いを要する状況を表すのにも用いられます。例えば、「tricky situation(厄介な状況)」や「tricky question(答えにくい質問)」といった表現は、問題を解決するためには、単なる知識や技術だけでなく、機転や洞察力が必要であることを示唆します。ビジネスシーンにおいては、「tricky negotiation(駆け引きの必要な交渉)」のように、相手の意図を読み解き、戦略的に対応する必要がある場面で用いられます。この場合、「tricky」は、単なる「難しい」という意味を超え、相手を出し抜く可能性、あるいは自分が出し抜かれる可能性を暗示し、注意を喚起する役割を果たします。

さらに、「tricky」は、技術や技能が高度で、習得が難しいことを表す場合もあります。例えば、「tricky move(高度な技)」や「tricky dance(難しいダンス)」といった表現は、熟練した技術と集中力を要することを意味します。スポーツの世界では、「tricky shot(トリッキーなショット)」のように、予測不可能な動きや角度で相手を惑わせる技術を指すこともあります。このように、「tricky」は、単に「難しい」だけでなく、熟練した技術と創造性を駆使して、相手を出し抜く要素を含む場合に用いられ、その背景には、高度な技術を習得するための努力や、相手を打ち負かすための戦略が隠されています。そのため、「tricky」という言葉を使う際には、単に技術的な難しさだけでなく、その背後にある戦略性や創造性にも目を向けることが重要です。

試験傾向

英検

1. 出題形式: 語彙問題、長文読解、リスニング。2. 頻度と級・パート: 準1級以上で頻出。特に1級の長文読解で重要。3. 文脈・例題の特徴: 社会問題、科学技術、歴史など幅広いトピック。4. 学習者への注意点・アドバイス: 形容詞としての意味(扱いにくい、巧妙な)だけでなく、動詞としての意味(だます)も重要。同義語のdeceptive, cunningなども覚えておくと良い。

TOEIC

1. 出題形式: Part 5(短文穴埋め)、Part 7(長文読解)。2. 頻度と級・パート: Part 5で比較的頻出。Part 7でも契約書やビジネスレターなどで見られる。3. 文脈・例題の特徴: ビジネスシーン(交渉、契約、プロジェクト管理など)。4. 学習者への注意点・アドバイス: 主に「扱いにくい」「厄介な」という意味で使用されることが多い。文脈から意味を判断する必要がある。類似語のchallenging, complexとのニュアンスの違いを理解しておく。

TOEFL

1. 出題形式: リーディングセクション。2. 頻度と級・パート: アカデミックな文章で頻出。3. 文脈・例題の特徴: 科学、歴史、社会科学など、学術的な内容。4. 学習者への注意点・アドバイス: 「巧妙な」「見かけ倒しの」といった意味で、批判的なニュアンスを含む場合がある。文脈全体を理解し、筆者の意図を把握することが重要。関連語句のsubtle, deceptiveと合わせて学習すると効果的。

大学受験

1. 出題形式: 長文読解、文法・語彙問題(稀)。2. 頻度と級・パート: 難関大学の長文で頻出。3. 文脈・例題の特徴: 社会問題、科学技術、文化など幅広いテーマ。論説文や評論文に多い。4. 学習者への注意点・アドバイス: 文脈によって様々な意味合いを持つため、前後の文脈から正確な意味を推測する練習が必要。「巧妙な」「扱いにくい」などの基本的な意味に加え、比喩的な用法も理解しておくことが望ましい。

免責事項

英単語学習ラボは生成AIで機械的に意味や英語表現を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。

このページについて

作成:英単語学習ラボ
生成支援:Google Gemini
最終更新:2025年7月18日

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