squirm
最初の 's' は無声音で、息を吐き出すように発音します。続く 'kw' は、日本語の『ク』よりも唇を丸めて発音し、'w' の音を意識してください。母音 /ɜː/ は、日本語の『アー』よりも喉の奥から出すような音で、口を少し開けて発音します。最後の 'rm' は、舌を丸めるようにして発音するとよりネイティブに近い音になります。全体として、日本語の『スクワーム』よりも各音を意識し、特に母音と 'r' の音に注意すると、より正確な発音になります。
もじもじする
恥ずかしさ、不安、居心地の悪さなどから、体をเล็กく動かしたり、落ち着きなく動いたりする様子。公の場でのスピーチ前や、気まずい状況で使われることが多い。
The little boy started to squirm in his seat during the long meeting.
幼い男の子は、長い会議の間、席でもじもじし始めました。
※ この例文は、子供が退屈や不快感からじっとしていられず、体を小さく動かす様子を描写しています。長時間の拘束や退屈な状況で、子供が「もじもじする」のはよくある光景ですね。大人でも、居心地の悪い状況で無意識に体を動かしてしまうことがあります。
When her parents praised her in front of guests, she began to squirm.
両親が客人の前で彼女を褒めると、彼女はもじもじし始めました。
※ ここでは、褒められて恥ずかしかったり、注目されて居心地が悪かったりする気持ちから、体が落ち着かない様子を表しています。特に、人前で恥ずかしい思いをしたときに、思わず「もじもじしてしまう」感情が伝わる典型的な使い方です。
The fish squirmed in the net, trying hard to escape to the water.
魚は網の中でもがき、一生懸命水へ逃げようとしていました。
※ この例文では、「squirm」が物理的な拘束からの脱出を試みて「もがく」様子を表しています。魚が網にかかって必死に体をくねらせる情景が目に浮かびますね。動物や虫が捕らえられたり、狭い場所から出ようとしたりする際にも使われることがあります。
うごめく
虫や蛇などが身をよじって進む様子。または、不快感や苦痛のために、のたうち回る様子。比喩的に、人が集まってざわめく様子にも使われる。
When a tiny spider crawled on my arm, I started to squirm.
小さなクモが腕を這った時、私はうごめき始めました。
※ この例文は、予期せぬ小さな生き物が体に触れた時の、ゾワッとする不快感から体が思わずもぞもぞ動いてしまう様子を描いています。「squirm」は、このように嫌悪感や不快感から体が自然に動いてしまう場面でよく使われます。「start to do」は「~し始める」という意味です。
He began to squirm when everyone looked at him during the presentation.
プレゼンテーション中、みんなが彼を見た時、彼はもじもじし始めました。
※ この例文は、多くの人の注目を集めて恥ずかしい、あるいは居心地が悪いと感じた時に、体が落ち着かなく動く様子を表しています。物理的な不快感だけでなく、精神的な気まずさや恥ずかしさからくる「うごめき」にも「squirm」が使われる典型的な例です。「begin to do」も「~し始める」という意味で、「start to do」とほぼ同じように使えます。
The little boy couldn't sit still and began to squirm in his seat.
その幼い男の子はじっとしていられず、座席でもぞもぞし始めました。
※ この例文は、特に子供が退屈したり、我慢できなくなったりして、椅子の上で落ち着きなく体を動かす様子を鮮やかに描写しています。「couldn't sit still」は「じっとしていられない」という、日常会話でもよく使われるフレーズです。「squirm in one's seat」は「座席でもぞもぞする」という典型的な表現です。
もじもじ
動詞の「もじもじする」に対応する名詞。落ち着かない様子、気まずさを表す。
The little boy started to squirm when his mom asked about the broken vase.
お母さんが割れた花瓶について尋ねると、その小さな男の子はもじもじし始めた。
※ この例文では、子供が何か悪いことをして、お母さんに問い詰められて恥ずかしかったり、気まずかったりする気持ちから「もじもじする」様子が伝わります。叱られている時や、注目されて居心地が悪い時に人が見せる、典型的な体の動きです。
He tried to squirm out of the tight ropes, but it was no use.
彼はきつく縛られたロープから身をよじって逃れようとしたが、無駄だった。
※ ここでは、「squirm」が物理的に「身をよじる」動きを表しています。何かから抜け出そうと、体を小さく動かしたり、ねじったりする様子を想像できます。特に「squirm out of ~(~から身をよじって抜け出す)」は、狭い場所や拘束された状態から脱出しようとする際によく使われる表現です。
The puppy began to squirm with excitement when it saw its owner.
子犬は飼い主を見ると、興奮してもじもじし始めた。
※ この例文では、「squirm」が喜びや興奮でじっとしていられない様子を表しています。特に子供や動物が、嬉しさのあまり体をくねらせたり、小さく動かしたりする場面でよく使われます。「with excitement(興奮して)」と一緒に使うと、感情がより鮮明に伝わります。
コロケーション
恥ずかしさで身もだえする
※ 文字通りには『恥ずかしさで体をよじる』という意味ですが、実際には、非常に恥ずかしい思いをしたときに、落ち着かない様子や、その場から逃げ出したい気持ちを表します。身体的な動きを伴うほどの強い感情を表現する際に用いられます。たとえば、公の場で失態を演じた後などに使われます。類似表現として 'cringe' がありますが、'squirm' はより身体的な反応を伴うニュアンスがあります。
座席で身をよじる
※ 退屈、不快感、または落ち着かない気持ちから、座席で体を動かす様子を表します。たとえば、長時間の会議や授業中、または居心地の悪い状況で、じっとしていられない気持ちを表現する際に使われます。子供が退屈してソワソワしている様子にも使えます。この表現は、物理的な行動を通して内面の感情を表す点で、非常に視覚的です。
人を居心地悪くさせる、困らせる
※ 誰かを質問攻めにしたり、不快な状況に置いたりして、その人を落ち着かなくさせることを意味します。例えば、厳しい尋問や、答えにくい質問をすることで、相手を困らせる状況を指します。この表現は、相手に精神的な圧力をかける行為を示唆しており、しばしば意図的なものとして用いられます。ビジネスシーンや政治的なインタビューなどで見られることがあります。
(義務や責任などから)何とかして逃れる
※ 狡猾な手段や言い訳を使って、困難な状況や責任から逃れることを意味します。例えば、約束を破ったり、困難な仕事から逃げたりする際に使われます。この表現は、しばしばネガティブな意味合いを持ち、責任感の欠如や不誠実さを示唆することがあります。類似表現として 'weasel out of' がありますが、'squirm out of' はより身をよじるような、必死な様子を表します。
うごめく塊
※ 多くのものが密集して、不快な様子で蠢いている状態を表します。例えば、虫の群れや、混雑した場所で人々が押し合う様子などを表現する際に使われます。この表現は、視覚的で感情的なインパクトが強く、しばしば嫌悪感や不快感を伴います。ホラー小説やニュース記事などで、群衆のパニック状態を描写する際にも用いられます。
不快感で身もだえする
※ 肉体的、精神的な不快感によって、体を落ち着きなく動かす様子を表します。たとえば、体調が悪い時や、精神的に動揺している時などに使われます。'squirm with embarrassment' と似ていますが、こちらはより広範な不快感に使えます。この表現は、内面の苦痛が身体的な反応として現れることを強調します。
使用シーン
学術論文や教科書で、動物の行動や人間の心理状態を記述する際に用いられます。例えば、動物実験の観察記録で「被験体が刺激に対して身をよじった(squirmed)」と記述したり、心理学の研究で「被験者が不快感から身をよじる傾向が見られた」と報告したりする際に使用されます。フォーマルな文体で、客観的な観察結果を伝えるために使われることが多いです。
ビジネスシーンでは、プレゼンテーションや会議での報告など、改まった場面で、相手の反応や状況を間接的に表現する際に用いられることがあります。例えば、「顧客は価格交渉の段階で少し身をよじっていた(squirmed a little)」のように、相手の微妙な反応を伝えることで、状況のニュアンスを伝えるのに役立ちます。ただし、直接的な表現は避けられる傾向があるため、比喩的な意味合いで使用されることが多いです。
日常会話では、子供が落ち着きなく動く様子や、気まずい状況で人がもじもじする様子を表現する際に使われることがあります。例えば、「子供が退屈で椅子の上でもじもじしていた(The child was squirming in his seat because he was bored)」のように使います。また、ニュース記事やドキュメンタリーなどで、政治家が質問に答えにくい状況を表現する際に「政治家は質問をかわすために身をよじった(The politician squirmed to avoid the question)」のように使われることもあります。
関連語
類義語
- writhe
苦痛、恥ずかしさ、あるいは制御不能な感情によって、体をねじったりもがいたりする動作を表します。文学的な表現や、非常に不快な状況を強調する際に用いられることが多いです。 【ニュアンスの違い】"Squirm"よりも激しく、より制御不能な動きを示唆します。また、比喩的に強い苦痛や屈辱を表すのにも使われます。よりフォーマルな語彙です。 【混同しやすい点】"Squirm"は比較的日常的な状況で使われるのに対し、"writhe"はより劇的で、稀な状況で用いられます。また、感情的な苦痛を伴うことが多いです。
- wriggle
体をくねらせたり、小さく震わせたりする動きを指します。虫や動物の動きを表す際によく使われ、人間に対しても、特に子供が遊びで体を動かす様子や、狭い場所から抜け出そうとする様子に使われます。日常会話でよく用いられます。 【ニュアンスの違い】"Squirm"が不快感や落ち着きのなさを伴うことが多いのに対し、"wriggle"は必ずしもそうではありません。より遊び心のある、または単に移動を目的とした動きを表すことがあります。 "Wriggle"は"squirm"よりも軽いニュアンスです。 【混同しやすい点】"Squirm"は感情的な要素を含むことが多いですが、"wriggle"は物理的な動きに焦点があたります。また、"wriggle"は他動詞としても使えます(例: wriggle your toes)。
- fidget
落ち着きなく、そわそわと体を動かすことを指します。特に退屈、神経質、または落ち着かない気持ちを表す際に使われます。会議中や授業中など、じっとしていなければならない状況でよく見られます。日常会話で頻繁に使われます。 【ニュアンスの違い】"Squirm"が比較的大きな動きであるのに対し、"fidget"はより小さく、無意識的な動きであることが多いです。また、"fidget"は必ずしも不快感や恥ずかしさを伴うとは限りません。 【混同しやすい点】"Squirm"は体全体を動かすイメージですが、"fidget"は手や足など、体の一部をそわそわと動かすイメージです。また、"fidget"は名詞としても使えます(例: He has the fidgets)。
筋肉が不随意にピクピクと痙攣することを指します。ストレス、疲労、または特定の病状によって引き起こされることがあります。医学的な文脈や、身体的な症状を説明する際に用いられます。 【ニュアンスの違い】"Squirm"が意識的な動きであるのに対し、"twitch"は完全に無意識的な動きです。また、"twitch"は感情的な要素よりも、生理的な現象を指します。 【混同しやすい点】"Squirm"は感情や状況に対する反応であるのに対し、"twitch"は身体的な状態の結果です。また、"twitch"は名詞としても使えます(例: an eye twitch)。
- cringe
恐怖、嫌悪感、または恥ずかしさから身をすくめることを指します。他人の行動や発言に対する反応としてよく用いられ、共感的な恥ずかしさや不快感を表現する際に使われます。日常会話でよく用いられます。 【ニュアンスの違い】"Squirm"が不快感から体を動かすことを表すのに対し、"cringe"は不快感から身を縮こまらせることを表します。また、"cringe"は他者の行動に対する反応であることが多いです。 【混同しやすい点】"Squirm"は自分の状態に対する反応であるのに対し、"cringe"は他者の行動に対する反応であることが多いです。また、"cringe"は比喩的に、非常に不快な状況を指すこともあります(例: The thought makes me cringe)。
- recoil
恐怖、嫌悪感、または驚きから、急に後ろに退くことを指します。危険な状況や不快なものから身を守るための反射的な行動です。物理的な状況だけでなく、比喩的に感情的な反発を表すのにも使われます。フォーマルな場面でも使用可能です。 【ニュアンスの違い】"Squirm"は不快感から体をくねらせることを表すのに対し、"recoil"は不快感から体を素早く後ろに引くことを表します。より強い感情的な反応を示すことが多いです。 【混同しやすい点】"Squirm"は比較的ゆっくりとした動きであるのに対し、"recoil"は非常に素早い動きです。また、"recoil"は比喩的に、嫌悪感や反発を表すのにも使われます(例: She recoiled at the suggestion)。
派生語
『もじもじするような』『落ち着きのない』という意味の形容詞。squirmに形容詞を作る接尾辞『-y』が付いた形。子供が落ち着きなく動き回る様子や、気まずい状況で人がそわそわする様子を表すのに使われる。日常会話でよく用いられ、squirmの直接的な性質を強調する。
- squirming
squirmの現在分詞形であり、形容詞としても使われる。『もじもじしている』『身をよじっている』という意味。具体的な動作や状況を描写する際に用いられ、例えば『squirming child(もじもじしている子供)』のように使われる。日常的な場面で比較的よく見られる。
- squirmed
squirmの過去形・過去分詞形。比喩的に『〜から逃れようとした』という意味で使われることもある。例えば、『He squirmed out of the responsibility.(彼は責任から逃れようとした)』のように、直接的な身体的な動きだけでなく、抽象的な状況でも用いられる。
反意語
- stand still
『じっと立つ』という意味。squirmが示す『身をよじる、もじもじする』といった動きとは対照的に、静止している状態を表す。特に子供に対して『Stand still!(じっとして!)』のように命令形で使われることが多い。
- remain calm
『冷静を保つ』という意味。squirmが示す不安や気まずさからくる落ち着きのなさと対照的に、精神的な安定を表す。プレゼンテーションや試験など、緊張する場面で『Remain calm.(冷静を保て)』のように使われる。比喩的な意味合いも含む。
- be still
『静かにしている』という意味。squirmが示す動きや落ち着きのなさ全般に対する直接的な反対の意味を持つ。身体的な静止だけでなく、精神的な静けさも含むニュアンスがある。瞑想やリラックスする状況で使われる。
語源
"Squirm」の語源ははっきりとは特定されていませんが、ゲルマン祖語に遡ると考えられています。古英語の「*kwirmaz」や古ノルド語の「kvirmast」(うごめく、もじもじする)といった言葉が関連している可能性があります。これらの言葉は、身体をねじったり、落ち着きなく動いたりする様子を表しており、「squirm」が持つ「もじもじする」「うごめく」といった意味合いと一致します。語源が不明確であるため、接頭辞や接尾辞による分解はできませんが、音の響きからも、何か小さなものがくねくねと動いているようなイメージが伝わってきます。日本語で例えるなら、ミミズが土の中で「うごめく」様子や、子供が恥ずかしさで「もじもじ」する様子を思い浮かべると、単語のニュアンスが掴みやすいでしょう。
暗記法
「squirm」は、罪悪感や不快感から身をよじる様。中世の罪人は苦悶の姿で神に許しを請い、拷問の場面では弱者が権力に屈する姿を示した。文学では『緋文字』のヒロインが苦悩に身をよじる。現代では政治家の曖昧な態度も「squirm」と表現され、不正に対する嫌悪感を象徴する。単なる動きを超え、内面の葛藤や社会の不正を映す言葉。
混同しやすい単語
発音が非常に似ており、特に語尾の 'm' の有無に注意が必要です。'squirm' は身をよじるという意味ですが、'worm' はミミズなどの虫を指します。スペルも 'squ-' があるかないかの違いなので、注意深く区別する必要があります。日本語の『うねる』と『虫』のように、意味の関連性もありません。
発音が似ており、特に 'sw' の音の後に続く母音が曖昧になりやすい点が混同の原因です。'swarm' は(昆虫などの)群れ、大群という意味で、名詞としても動詞としても使われます。'squirm' の『身をよじる』という意味とは全く異なるため、文脈で判断することが重要です。また、'squirm' は通常、不快感や恥ずかしさから身をよじる様子を表しますが、'swarm' はそうした感情とは結びつきません。
語尾の子音字が異なるものの、母音と先頭の子音字が同じであるため、発音を聞き間違える可能性があります。'skim' は液体の上澄みをすくう、ざっと読む、などの意味を持ちます。'squirm' のように身体的な動きを表すわけではないため、意味の違いを意識することが大切です。また、'squirm' の方がやや長く、複雑な発音であることも区別のポイントです。
'scor-'というスペルが共通しており、視覚的に混同しやすい単語です。発音も前半部分は似ていますが、語尾が異なります。'scorn' は軽蔑するという意味で、名詞としても動詞としても使われます。'squirm' が自身の不快感を表すのに対し、'scorn' は他人に対する感情を表すため、意味の方向性が異なります。
語尾の 'irm' の部分が発音的に似ているため、混同される可能性があります。'firm' は会社や企業、または固い、しっかりしたという意味です。'squirm' のように動きを表す言葉ではなく、状態や組織を表すため、文脈で容易に区別できます。ただし、発音練習の際には、'squ-' の部分を意識して区別するようにしましょう。
特に会話の中で、早口で発音された場合などに、語尾の音が似ているため聞き間違える可能性があります。'term' は期間、学期、用語などの意味を持つ単語です。'squirm' とは意味的な関連性は全くありませんが、発音の類似性から注意が必要です。また、'squirm' の方が発音する際に口の動きが大きくなるため、意識的に発音すると区別しやすくなります。
誤用例
日本語の『もじもじする』という感情から『squirm』を使おうとするケースですが、これは物理的に身をよじるイメージが強く、不適切です。英語では、精神的な居心地の悪さや恥ずかしさを表すには 'awkward' や 'embarrassed' がより自然です。また、'squirm' は相手に不快感を与えるような行為(嘘をついてごまかすなど)を婉曲的に表現する際にも使われます。日本人が持つ『謙譲の美徳』からくる『もじもじ感』は、英語ではストレートに感情を表現する方が誤解を避けられます。直接的な表現を避ける日本語の習慣が、結果的に不自然な英語表現につながることがあります。
『squirm』は、比喩的に『(質問などを)はぐらかす』という意味合いでも使えますが、この例文では少しカジュアルすぎる印象を与えます。フォーマルな場面や報道においては、より硬い語である『prevaricate』(言葉を濁す、ごまかす)を使用する方が適切です。日本人は、英語学習において、どうしても単語の意味だけを覚えがちですが、単語が持つ『レジスター』(フォーマルさの度合い)を意識することも重要です。特に、政治やビジネスの場では、言葉遣いが重要になるため、適切なレジスターの単語を選ぶように心がけましょう。
『squirm』は、嫌なことや不快なことを想像して『身をよじる』という意味合いで使われることもありますが、この文脈では少し大げさな印象を与えます。より自然な表現としては、『dread』(ひどく嫌がる、恐れる)を使用する方が適切です。日本人は、『squirm』を『嫌な気持ち』全般に使えると考えがちですが、実際には、身体的な反応を伴うような強い嫌悪感を表す場合に限られます。英語では、感情の強さや種類によって、適切な単語を選ぶ必要があります。日本語の『嫌だ』という言葉は、様々な感情を含んでいるため、英語に翻訳する際には注意が必要です。
文化的背景
「Squirm」は、不快感や罪悪感から身をよじる様子を表し、しばしば権力に対する弱者の抵抗や、良心の呵責に苦しむ姿を象徴します。この単語は、単なる身体的な動きを超え、内面の葛藤や社会的な圧力を反映する文化的なニュアンスを帯びています。
「Squirm」が持つ文化的背景を理解するには、まず中世ヨーロッパにおける宗教的な罪の意識に目を向ける必要があります。当時の人々は、罪を犯した際に文字通り身をよじって苦悶する姿をさらけ出すことで、神への許しを請いました。この身体的な表現は、内面の苦しみを目に見える形で示す手段であり、「squirm」という言葉が持つ不快感や罪悪感のイメージの源泉となっています。また、中世の拷問の場面でも、罪人が苦痛に身をよじる様子が記録されており、「squirm」は権力によって抑圧された人々の苦悶を象徴する言葉としても使われてきました。
文学作品においても、「squirm」は登場人物の内面を深く掘り下げるための重要なツールとして活用されています。例えば、ナサニエル・ホーソーンの『緋文字』では、罪を犯したヘスター・プリンが、社会的な非難と自己嫌悪に苛まれ、苦悩に身をよじる姿が描かれています。また、現代文学においても、「squirm」は、権力構造の中で翻弄される人々の葛藤や、自己欺瞞に苦しむ人々の内面を描写するために用いられます。映画の世界でも、尋問シーンや法廷シーンで、追い詰められた人物が「squirm」する様子は、観客に緊張感と共感を与える効果的な演出として多用されています。
現代社会においては、「squirm」は、政治的な不正や企業の倫理違反など、社会的な不正義に対する人々の不快感や嫌悪感を表現するためにも用いられます。例えば、政治家がスキャンダルについて質問された際に、曖昧な返答を繰り返したり、居心地悪そうに身をよじったりする様子は、「squirm」という言葉で的確に表現されます。このように、「squirm」は、単なる身体的な動きを表すだけでなく、社会的な不正義に対する人々の意識や感情を反映する、文化的にも重要な意味を持つ単語と言えるでしょう。
試験傾向
- 出題形式: 主に長文読解、稀に語彙問題。
- 頻度と級・パート: 準1級以上でまれに出題。1級でやや頻度があがる。
- 文脈・例題の特徴: 心理描写、動物の行動、社会問題などを扱った文章で、「もじもじする」「身をよじる」といった意味で使われる。
- 学習者への注意点・アドバイス: 比喩的な意味合いで使われることが多い。「体を動かす」という物理的な意味だけでなく、「不快感で落ち着かない」といった心理状態を表す場合もある。動詞としての用法を重点的に学習すると良い。
- 出題形式: 長文読解(Part 7)で稀に出題。
- 頻度と級・パート: TOEIC全体での出題頻度は低め。
- 文脈・例題の特徴: ビジネスシーンでの使用は限定的。どちらかというと、社内報やニュース記事のような、一般的な内容の英文で使われる可能性がある。
- 学習者への注意点・アドバイス: TOEIC対策としては優先順位は低い。ただし、一般的な語彙力強化の一環として覚えておくと良い。類義語の「wriggle」と意味の違いを理解しておくと役立つ。
- 出題形式: 読解問題でまれに出題。
- 頻度と級・パート: TOEFL iBTの読解セクションで、難易度の高い文章で登場する可能性がある。
- 文脈・例題の特徴: 学術的な文章で、比喩表現として使われることが多い。例えば、データや証拠が「squirm under scrutiny(精査に耐えられない)」のように使われる。
- 学習者への注意点・アドバイス: TOEFL対策としては必須ではないが、高度な読解力をつけるためには覚えておきたい単語。文脈から意味を推測する練習をしておくと良い。
- 出題形式: 長文読解問題で稀に出題。
- 頻度と級・パート: 難関大学の入試問題で、まれに見られる。
- 文脈・例題の特徴: 評論や小説など、幅広いジャンルの文章で使われる可能性がある。比喩表現として使われることが多い。
- 学習者への注意点・アドバイス: 大学受験対策としては、他の基本的な単語を優先的に学習すべき。ただし、難関大学を目指す場合は、語彙力を高めるために覚えておくと有利。