rim
母音 /ɪ/ は日本語の「イ」よりも口を少しだけ開き、短く発音します。「rim」の場合、唇を左右に軽く引きながら「リ」と発音し、すぐに口の力を抜いて「ィ」に近い音を出すイメージです。最後の /m/ は、口を閉じて鼻から息を出すように意識しましょう。日本語の「ム」のように母音を伴わないように注意してください。
ふち
円形またはそれに近い形状のものの、外側の縁の部分を指す。コップのふち、メガネのふち、バスケットボールのリングなど。境界線や端という意味合いも含む。
A little tea spilled over the rim of the cup.
カップの縁から少しお茶がこぼれた。
※ 飲み物がコップの「縁(ふち)」からあふれてしまう、日常でよくある状況です。こぼれたお茶と、それに少し慌てる様子が目に浮かびますね。「spill over the rim」は、液体が容器の縁を越えてこぼれる典型的な言い方です。
His glasses had a thick, black rim.
彼の眼鏡は太い黒い縁(フレーム)だった。
※ 眼鏡の「フレーム」や「ふち」を指す際にも「rim」がよく使われます。この例文では、太くて黒い眼鏡をかけた人の顔が目に浮かびます。眼鏡の見た目を通じて、その人の個性や雰囲気を伝える典型的な表現です。
The basketball bounced off the rim and didn't go in.
バスケットボールはリングの縁に当たって入らなかった。
※ バスケットボールのシュートが、ゴールリングの「縁」に当たって惜しくも入らない場面です。ボールが「rim」に当たって跳ね返る様子と、選手や観客の「あぁ…」という残念な気持ちが伝わってきます。スポーツのニュースや会話で頻繁に聞かれる、非常に自然な使い方です。
縁をつける
物の周りにふち飾りや縁取りを施すこと。例えば、帽子にリボンで縁をつけたり、皿の縁に金箔を施したりする場合に使う。
The chef carefully rimmed the dessert plate with chocolate sauce.
シェフはデザート皿の縁にチョコレートソースを丁寧に施した。
※ シェフがデザートを美しく見せるために、お皿の周りにチョコレートソースで飾り付けをする様子です。「rim」は、このように「何か(多くの場合、丸いものの縁)に沿って何かをつける」という動詞として使われます。料理や飲み物のデコレーションによく使われる表現です。
She decided to rim her old mirror with small, colorful beads.
彼女は古い鏡の縁に、小さくてカラフルなビーズをつけることにした。
※ 古い鏡を自分好みにデコレーションしようとする気持ちが伝わってきますね。「rim」は、装飾として物の縁を飾ったり、縁取りをしたりする際にもよく使われます。例えば、写真立てや額縁の周りに何かを飾るイメージです。
The bright moon started to rim the dark clouds with a silver light.
明るい月が、暗い雲の縁を銀色の光で縁取り始めた。
※ 夜空に月が輝き、雲の輪郭が銀色に浮かび上がる美しい情景が目に浮かびます。「rim」は、光などが物の縁を照らして際立たせる様子を表すこともできます。詩的な表現や、自然の描写で使われることがあります。
コロケーション
グラスの縁
※ 文字通り、グラスやカップの飲み口の縁を指します。カクテルを作る際に塩や砂糖を付ける場所としてもお馴染みです。例えば、「She ran her finger around the rim of the glass. (彼女はグラスの縁に沿って指をなぞった)」のように使われます。日常会話で頻繁に使われる表現ですが、単に'edge'と言うよりも、丸みを帯びた容器の縁というニュアンスがより強く伝わります。
グランドキャニオンの縁
※ 広大な地形、特に峡谷やクレーターなどの縁を指す場合に使われます。観光地などで、安全柵が設置されている場所を想像すると分かりやすいでしょう。「We stood at the rim of the Grand Canyon, gazing in awe. (私たちはグランドキャニオンの縁に立ち、畏敬の念を抱いて見つめた)」のように、壮大な景色を表現する際に用いられます。'edge'よりも、より広がりや奥行きを感じさせる表現です。
(カクテルグラスなどの)縁に霜をつける
※ カクテルを作る際のテクニックで、グラスの縁をレモンやライムで湿らせてから、塩や砂糖を付けて飾り付けることを指します。「The recipe says to frost the rim with salt before pouring the margarita. (レシピには、マルガリータを注ぐ前にグラスの縁を塩で覆うと書いてある)」のように使われます。バーテンダーやカクテル愛好家にとっては必須の表現です。
外縁、外周部
※ 円形のもの、例えば惑星のリングや、銀河の外側の部分を指す際に使われます。また、比喩的に「社会の周辺部」を意味することもあります。「The outer rim of the galaxy is less densely populated with stars. (銀河の外縁部は星の密度が低い)」のように使われます。科学的な文脈や、社会構造について議論する際に用いられることが多いでしょう。
~の瀬戸際で、~の間際で
※ 物理的な縁だけでなく、比喩的に「ある状態の瀬戸際」を表すことがあります。「He was on the rim of bankruptcy. (彼は破産の瀬戸際にいた)」のように、危機的な状況を表現する際に用いられます。'on the verge of'と似た意味ですが、より切迫したニュアンスを含みます。
リムライト、逆光照明
※ 写真や映像の撮影技法で、被写体の輪郭を光で縁取るように照らすことを指します。立体感を強調したり、ドラマチックな効果を演出したりするために用いられます。「The photographer used rim lighting to create a dramatic effect in the portrait. (写真家はポートレートでドラマチックな効果を出すためにリムライトを使用した)」のように使われます。写真や映像制作に関わる人にとっては馴染み深い表現です。
使用シーン
学術論文(工学、物理学など)で、円形またはそれに近い物体の「縁」や「外周」を指す場合に用いられる。「半導体ウェハーのリム部分の構造解析」「ブラックホールの事象の地平面のリムにおける特異点」のように、専門的な文脈で使われることが多い。
製品デザインや製造に関する文書で、製品の「ふち」や「縁」を説明する際に使用される。「新製品のカップのリム部分の耐久性向上」「自動車ホイールのリムの設計変更」など、技術的な仕様を伝える場面で使われる。
日常会話ではあまり使われないが、自転車や自動車の話題で「リム」という言葉が出てくることがある。「自転車のリムが歪んでしまった」「車のホイールリムを交換したい」のように、特定の趣味や関心事に関連する文脈で使われる。
関連語
類義語
一般的に『縁』や『端』を意味し、物理的なものの端に使われることが多い。また、比喩的に危険な状況や優位性などを表すこともある。日常会話からフォーマルな場面まで幅広く使用される。 【ニュアンスの違い】『rim』が円形やカーブしたものの縁を指すことが多いのに対し、『edge』は直線的な縁にも使われる。また、『edge』は『優位性』や『瀬戸際』といった抽象的な意味合いを持つ。 【混同しやすい点】『edge』は名詞だけでなく動詞としても使われ、『縁を付ける』『少しずつ進む』という意味になる。『rim』は基本的に名詞として使われるため、動詞としての用法はない。
容器の『ふち』や『へり』を指し、特に液体が『縁いっぱい』まで入っている状態を表すことが多い。帽子などのつばを指すこともある。日常会話で使われる。 【ニュアンスの違い】『rim』が単に縁を指すのに対し、『brim』は『満ち溢れる』というニュアンスを含む。感情が溢れる様子を表す際にも使われる。 【混同しやすい点】『brim』は動詞としても使われ、『縁まで満たす』という意味になる。『rim』は基本的に名詞として使われる。
『境界線』や『国境』を意味し、地理的な境界や区切りを表す。また、装飾的な縁取りを指すこともある。フォーマルな場面や報道などでよく使われる。 【ニュアンスの違い】『rim』が物の端の物理的な部分を指すのに対し、『border』は境界線という概念的な意味合いが強い。また、『border』は国境などの政治的な意味合いを含む。 【混同しやすい点】『border』は動詞としても使われ、『接する』『縁取る』という意味になる。『rim』は基本的に名詞として使われる。
『余白』や『差』を意味し、紙の余白や利益の差などを表す。また、余裕や猶予を意味することもある。ビジネスや学術的な場面でよく使われる。 【ニュアンスの違い】『rim』が物理的な縁を指すのに対し、『margin』は抽象的な意味合いが強い。また、『margin』は数量的な概念を含む。 【混同しやすい点】『margin』は株取引や会計などの専門用語としても使われるため、文脈によって意味が大きく異なる点に注意が必要。
容器の『ふち』や『縁』を意味し、特に口をつける部分を指すことが多い。また、崖の縁などを指すこともある。日常会話で使われる。 【ニュアンスの違い】『rim』よりも限定的な意味合いを持ち、特に口をつける部分や、やや突き出た縁を指す。また、人の唇を意味することもある。 【混同しやすい点】『lip』はスラングで『口答え』や『生意気な態度』という意味を持つことがあるため、文脈によっては注意が必要。
- circumference
円や球の『円周』や『外周』を意味し、数学や幾何学などの分野で使われる。日常会話ではあまり使われない。 【ニュアンスの違い】『rim』が単に縁を指すのに対し、『circumference』は円周全体の長さを指す。より専門的な用語であり、具体的な測定を伴う。 【混同しやすい点】『circumference』は可算名詞であり、具体的な数値を伴うことが多い。『rim』は必ずしも数値を伴わない。
派生語
- rimless
『縁なしの』という意味の形容詞。『rim(縁)』に『-less(〜がない)』が付いた形。眼鏡やカップなどの縁がない状態を指す。日常会話でも使われるが、製品の説明などでより頻繁に見られる。
- rimmed
『縁のある』という意味の形容詞。『rim(縁)』に過去分詞を作る『-ed』が付いた形。縁取りされた、または縁がある状態を示す。食器や容器、特に装飾的な要素を説明する際に用いられる。
- overrim
(稀)『縁を越える』という意味の動詞。通常は名詞として使われる『rim』に、接頭辞『over-(〜を超える)』が付いた形。比喩的に、限界や境界線を越える意味合いで使われることがある。ただし、一般的な語彙ではない。
反意語
『中心』という意味の名詞。『rim(縁)』が外側の境界を指すのに対し、『center』は内側の中心点を指す。例えば、円形の物体の縁と中心という対比で使われる。比喩的には、重要性の中心、関心の中心という意味でも対比される。
『中間』という意味の名詞。『rim(縁)』が最外縁を指すのに対し、『middle』はその中間の部分を指す。例えば、円形の物体の縁と中心ではなく、縁とその中心の間にある領域を指す。抽象的な意味では、両極端の中間点を示す。
『核』や『中心』という意味の名詞。『rim(縁)』が最外縁を指すのに対し、『core』は最も内側の本質的な部分を指す。例えば、リンゴの皮(rim)と芯(core)のように対比される。比喩的には、組織や問題の中核となる部分を指す。
語源
"rim"の語源は、古英語の"rima"(縁、端、境界)に遡ります。これはさらに、ゲルマン祖語の"*rimon-"(縁、端)に由来すると考えられています。この語根は「囲む」「区切る」といった概念を含んでおり、現代英語の"frame"(フレーム、枠)や"ream"(リーム、紙の単位。元々は紙を束ねる枠のこと)といった単語とも関連があるとされています。日本語で例えるなら、茶碗の「ふち」や、眼鏡の「フレーム」といった、何かを囲み、区切る役割を持つ部分をイメージすると理解しやすいでしょう。このように、"rim"は、古くから「境界」「縁」といった基本的な概念を表す言葉として存在し、現代に至るまでその意味を保ち続けています。
暗記法
「rim」は境界にして限界。車輪のリムは移動の自由を、陶器の縁は生命維持の限界を示す。文学では世界の果て、意識の境界線として登場し、自己変革の場所となる。西部劇の荒野の縁は、文明との境界。現代では技術革新の最前線であり、環境問題における限界点でもある。常に変化する社会と環境における、境界線、限界点、そして未来への可能性を象徴する。
混同しやすい単語
『rim』と『brim』は、最初の子音字が異なるだけで、発音とスペルが非常に似ているため混同しやすいです。『brim』は帽子のつばや、コップなどの縁の「ふち」を意味します。意味も似ているため、文脈で判断する必要があります。発音記号を確認し、意識的に発音を区別することが重要です。
『rim』と『ream』は、母音字が異なりますが、どちらも短母音で、かつ日本語の「イ」と「エ」の中間のような音であるため、日本人学習者には区別が難しい場合があります。『ream』は紙の単位(500枚)や、動詞で「(穴などを)広げる」という意味です。スペルと意味が大きく異なるため、注意が必要です。
『rim』と『rhyme』は、発音は全く異なりますが、スペルが似ているため混同されることがあります。『rhyme』は「韻を踏む」という意味で、詩や歌で使われます。 'rh' という綴りは、英語では珍しく、発音しない 'h' が含まれているため、注意が必要です。
『rim』と『grim』は、最初の子音字が異なるだけで、発音もスペルも似ているため混同しやすいです。『grim』は「厳しい」「陰険な」という意味で、ネガティブなニュアンスを持ちます。意味が全く異なるため、文脈で判断することが重要です。発音記号を確認し、意識的に発音を区別することが重要です。
『rim』と『ram』は、母音字が異なりますが、どちらも短母音であるため、日本人学習者には区別が難しい場合があります。『ram』は雄羊、またはコンピューターのRAM(Random Access Memory)を意味します。スペルと意味が異なるため、注意が必要です。
『rim』とは発音が大きく異なりますが、文字の並びが似ており、特に手書きの場合などには混同しやすい可能性があります。『writhe』は「身をよじる」「苦悶する」という意味で、身体的な苦痛を表す動詞です。古英語起源の単語で、現代英語ではあまり頻繁には使われません。
誤用例
『rim』は、コップや帽子の『縁』など、円形またはそれに近い形状の物の外周部分を指します。眼鏡の場合、レンズを支える枠全体は『frame』と表現するのが自然です。日本人が『縁』という言葉から直訳的に『rim』を選んでしまうのは、日本語の『縁』が持つ意味の広さ(例:眼鏡の縁)に引きずられているためです。英語では、眼鏡の『縁』は構造的な一部として捉えられ、『frame(枠)』という語が適切です。
『rim』は文字通り『縁』を意味し、『〜の瀬戸際』という比喩的な意味合いでは通常使用されません。『〜の瀬戸際』を表すには、『verge』や『brink』が適切です。日本人が『rim』を『瀬戸際』の意味で誤用するのは、『崖っぷち』のようなイメージから、物理的な『縁』を連想し、そこから比喩的に状況を捉えようとするためと考えられます。しかし、英語では『verge』や『brink』が、より一般的かつ自然な表現です。
『rim』は『縁』に沿って何かを施す場合に使うことが多いです(例:カクテルのグラスの縁に塩をつける)。コーヒーに砂糖を加える場合は、量を示す『spoonful(スプーン一杯)』などを使うのが自然です。日本人が『rim』を使ってしまう背景には、「ちょっとだけ」というニュアンスを『縁』という言葉から表現しようとする意図があるかもしれません。しかし、英語では具体的な量を伝える方が、より明確で誤解を招きにくい表現となります。
文化的背景
「rim」は、境界、限界、そして見えざる世界の縁を象徴する言葉です。物理的な縁だけでなく、抽象的な概念の境界線をも示唆し、文化的な文脈においては、危険や未知への入り口、あるいは安全な領域との区切りとして機能してきました。
古くは、車輪の縁(リム)が、文明の進歩と移動の自由を象徴しました。車輪は、定住生活から移動生活への移行を可能にし、人々の活動範囲を広げました。リムは、その車輪の最も外側の部分であり、物理的な限界を示すとともに、その限界を超えて移動を可能にするための重要な役割を担っていました。また、陶器の縁は、貴重な水を貯える器の限界を示し、生命維持に不可欠な資源の重要性を強調しました。
文学作品においては、「rim」はしばしば世界の果て、あるいは意識の境界線として登場します。例えば、海や崖の縁は、未知の世界への入り口であり、主人公が自己変革を遂げる場所として描かれることがあります。映画では、惑星の縁を舞台にしたシーンは、人類の探求心と未知への挑戦を象徴的に表現します。西部劇では、荒野の「rim」は文明社会との境界線であり、無法者や開拓者たちの自由と危険に満ちた生活を象徴する場所として描かれます。また、「on the rim」という表現は、破滅の淵に立っている状態を表し、人生の危機的状況における人間の脆弱性を示唆します。
現代社会においては、「rim」は、技術革新の最前線や、環境問題における限界点といった意味合いを持つこともあります。例えば、テクノロジーの「leading edge(最先端)」は、技術的な可能性の「rim」と解釈できます。また、地球温暖化による氷河の融解は、地球環境の限界点、つまり「rim」が崩れつつあることを示唆します。このように、「rim」は、常に変化し続ける社会や環境における境界線、限界点、そして未来への可能性を象徴する言葉として、私たちの意識に深く根付いています。
試験傾向
この単語が直接問われることは少ないですが、準1級以上の長文読解で、専門的な話題(例えば天文学で惑星の輪(rim)など)で出てくる可能性があります。その場合、文脈から意味を推測する必要があります。語彙問題での直接的な出題は稀です。
TOEICでは、rimは出題頻度は低い単語です。しかし、製造業や製品に関する文章で「縁」や「ふち」の意味で使われる可能性はあります。Part 7の読解問題で、製品の仕様などを説明する際に登場するかもしれません。ビジネスの文脈では、タイヤのリムなど、具体的な製品の一部を指すことが多いです。
TOEFLでは、rimは学術的な文章で使われる可能性があります。例えば、地形学で火山の噴火口の縁(rim)を説明する際や、天文学で惑星の輪(rim)を説明する際に登場する可能性があります。読解問題で、文脈から意味を推測する能力が問われるでしょう。抽象的な意味で使用されることは少ないです。
rimは大学受験の標準的な単語帳には掲載されていないことが多いですが、難関大学の長文読解で、科学や地理に関する文章で出てくる可能性があります。文脈から意味を類推する能力が求められます。直接的な語彙問題での出題は少ないと考えられます。