pesticide
第1音節にアクセント(´)があります。/ɛ/ は日本語の「エ」よりも少し口を横に開いて発音します。/ɪ/ は「イ」と「エ」の中間のような音で、短く発音しましょう。最後の /d/ は、舌先を上の歯茎につけて、息を止めるように発音するとよりネイティブらしく聞こえます。
専門的な内容に関するご注意
このページには、健康、金融、法律など、専門的な知識を必要とする内容が含まれている可能性があります。本サイトの情報は学習目的で提供されており、専門家による助言の代わりとなるものではありません。重要な判断を行う際には、必ず資格を持つ専門家にご相談ください。
農薬
作物や家畜を害する昆虫、雑草、病原菌などを防除するために用いられる化学物質の総称。特定の種類の害虫のみを対象とするものから、広範囲の生物に影響を与えるものまである。
The farmer carefully sprayed pesticide on his young crops.
その農家は、若い作物に注意深く農薬を散布しました。
※ 広大な畑で、農夫が成長途中の作物に、害虫から守るために農薬を噴霧している情景が目に浮かびます。これが「pesticide」の最も典型的で基本的な使い方の一つです。「spray A on B」で「AをBにスプレーする」という動詞の使い方も一緒に覚えましょう。
She always washes her apples thoroughly to remove any pesticide.
彼女は、農薬を落とすためにいつもリンゴを念入りに洗います。
※ 台所で、健康を気にする人が、買ってきたリンゴを水で丁寧に洗っている様子が想像できます。食品についた農薬を取り除くという、私たちの日常にも近い場面です。「remove any pesticide」で「どんな農薬も取り除く」というニュアンスが伝わります。
Many people worry that using too much pesticide can harm the environment.
多くの人々が、農薬の使いすぎが環境に害を与えかねないと心配しています。
※ ニュースやドキュメンタリーで、農薬が川や土壌に与える影響について議論されている場面を思い浮かべてください。これは「pesticide」が環境問題の文脈で使われる典型的な例です。「harm the environment」で「環境に害を与える」という重要なフレーズも学べます。
コロケーション
残留農薬
※ 農薬が使用された作物や食品に残存する農薬成分のこと。食品安全の文脈で頻繁に使われ、消費者保護の観点から規制の対象となります。'residue' は「残りかす」「残留物」という意味で、化学物質や汚染物質が残っている状態を表す一般的な語です。例えば、'drug residue'(薬物残留)のように使われます。
農薬散布、農薬の適用
※ 農薬を特定の場所や作物に散布・適用する行為。農業分野で広く使用される表現で、具体的な散布方法(aerial application: 空中散布など)や対象作物(foliar application: 葉面散布など)と共に用いられることが多いです。'application' は「適用」「応用」という意味の他、「塗布」「散布」といった意味も持ちます。文脈によって意味が異なるため注意が必要です。
農薬抵抗性
※ 害虫や雑草が農薬に対して耐性を獲得し、農薬の効果が低下する現象。生物学的な進化の過程で起こり、農業生産における大きな課題となっています。'resistance' は「抵抗」「耐性」という意味で、医学分野(antibiotic resistance: 抗生物質耐性)などでもよく使われます。農薬抵抗性の発達は、より強力な農薬の使用を招き、環境への負荷を高める悪循環につながる可能性があります。
広域スペクトル農薬
※ 広範囲の害虫や雑草に対して効果を発揮する農薬。特定の害虫だけでなく、様々な種類の害虫を一度に駆除できる利点がありますが、同時に益虫や環境への影響も大きくなる可能性があります。'broad-spectrum' は「広範囲に効果がある」という意味で、農薬以外にも、抗生物質(broad-spectrum antibiotic)など、様々な分野で用いられます。
農薬中毒
※ 農薬への曝露によって引き起こされる中毒症状。農薬の誤飲や不適切な使用、または意図的な摂取によって起こり、深刻な健康被害をもたらす可能性があります。'poisoning' は「中毒」という意味で、原因物質を特定して 'food poisoning'(食中毒)、'carbon monoxide poisoning'(一酸化炭素中毒)のように使います。農薬中毒は、特に農作業従事者にとって重要な健康リスクとなります。
農薬を禁止する
※ 特定の農薬の使用を法的に禁止すること。環境保護や健康被害の防止を目的として行われます。'ban' は「禁止する」という意味の動詞で、'ban smoking'(禁煙にする)、'ban the import'(輸入を禁止する)のように使われます。農薬禁止の決定は、農業生産に大きな影響を与えるため、慎重な検討が必要です。
農薬の流出
※ 農薬が雨水などによって農地から河川や地下水に流れ出す現象。水質汚染の原因となり、生態系や人間の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。'runoff' は「流出」という意味で、農業分野以外にも、都市部での雨水流出(urban runoff)など、様々な文脈で使用されます。農薬の流出を防ぐためには、適切な使用方法や排水管理が重要です。
使用シーン
農学、生物学、環境科学などの分野の研究論文や学会発表で頻繁に使用されます。例えば、農薬の環境への影響を評価する研究や、特定の農薬に対する害虫の抵抗性メカニズムを解明する研究などで使われます。文語的で、客観的なデータや分析結果を示す際に用いられます。
農業関連企業や食品メーカーの報告書、プレゼンテーション資料、契約書などで使用されます。例えば、農薬の販売戦略、規制遵守、安全性に関する情報を伝える際に用いられます。フォーマルな文体で、正確性と信頼性が求められる場面で使われます。
ニュース記事、ドキュメンタリー番組、環境問題に関する議論などで見かけることがあります。例えば、食品の安全性や環境保護に関する話題で、農薬の残留基準や健康への影響について言及されることがあります。一般的には、専門的な内容を伝える文脈で使用されます。
関連語
類義語
- insecticide
昆虫を殺すための薬剤。農業、家庭菜園、公衆衛生など、昆虫による被害を防ぐ必要がある場面で用いられます。学術的な文脈や、専門的な議論でよく使用されます。 【ニュアンスの違い】"pesticide"がより広い範囲の害虫(昆虫、雑草、げっ歯類など)を対象とするのに対し、"insecticide"は昆虫のみに特化しています。より限定的な意味合いを持ちます。 【混同しやすい点】日本語ではどちらも「殺虫剤」と訳されることが多いですが、英語では対象とする害虫の種類が異なります。"pesticide"はより包括的な用語として使われることを覚えておきましょう。
雑草を枯らすための薬剤。農業、庭の手入れ、道路の維持管理など、不要な植物の除去が必要な場面で用いられます。学術的な文脈や、専門的な議論でよく使用されます。 【ニュアンスの違い】"pesticide"が害虫全般を指すのに対し、"herbicide"は植物(雑草)のみを対象とします。特定の種類の害虫に焦点を当てたい場合に適しています。 【混同しやすい点】日本語では「除草剤」と訳されます。"pesticide"と異なり、昆虫などの動物は対象としません。対象生物の違いを意識しましょう。
- fungicide
真菌(カビ、キノコなど)を殺すための薬剤。農業、食品保存、医療など、真菌による被害を防ぐ必要がある場面で用いられます。学術的な文脈や、専門的な議論でよく使用されます。 【ニュアンスの違い】"pesticide"が害虫全般を指すのに対し、"fungicide"は真菌のみを対象とします。特定の種類の害虫に焦点を当てたい場合に適しています。 【混同しやすい点】日本語では「殺菌剤」や「防カビ剤」と訳されます。"pesticide"と異なり、昆虫などの動物や植物は対象としません。対象生物の違いを意識しましょう。
- biocide
生物を殺すための薬剤全般を指す、非常に広範な用語です。消毒剤、殺虫剤、防腐剤など、様々な種類の薬剤が含まれます。学術的な文脈や、専門的な議論でよく使用されます。 【ニュアンスの違い】"pesticide"が農業や家庭での害虫駆除を主な目的とするのに対し、"biocide"はより広範な目的で使用されます。例えば、病院での消毒や、工業製品の防腐処理などにも用いられます。 【混同しやすい点】"biocide"は非常に一般的な用語であり、具体的な薬剤の種類を特定するものではありません。特定の害虫を対象とする場合は、より具体的な用語(insecticide, herbicideなど)を使用する方が適切です。
- weedkiller
雑草を枯らすための薬剤。特に、家庭菜園や庭の手入れなど、比較的カジュアルな場面で用いられます。日常会話でも使用頻度が高いです。 【ニュアンスの違い】"herbicide"とほぼ同義ですが、より口語的な表現です。学術的な文脈や、フォーマルな場面では"herbicide"を使用する方が適切です。また、特定のブランド名や製品名を指す場合もあります。 【混同しやすい点】"herbicide"よりもカジュアルな表現であるため、フォーマルな文書や学術論文などでの使用は避けるべきです。日常会話での使用に適しています。
- rodenticide
げっ歯類(ネズミなど)を殺すための薬剤。農業、倉庫、家庭など、げっ歯類による被害を防ぐ必要がある場面で用いられます。学術的な文脈や、専門的な議論でよく使用されます。 【ニュアンスの違い】"pesticide"が害虫全般を指すのに対し、"rodenticide"はげっ歯類のみを対象とします。特定の種類の害虫に焦点を当てたい場合に適しています。 【混同しやすい点】日本語では「殺鼠剤」と訳されます。"pesticide"と異なり、昆虫などの動物や植物は対象としません。対象生物の違いを意識しましょう。
派生語
『害虫』を意味する名詞。『pesticide』から『-cide(殺す)』を取り除いた語幹。もともとは『疫病』を意味するラテン語『pestis』に由来し、それが転じて『害虫』の意味になった。日常会話でも使われる。
- infestation
『大量発生』を意味する名詞。『in-(中に)』+『pest(害虫)』+『-ation(名詞化)』で構成され、『害虫が中に大量に発生すること』を示す。農業、医学、建築などの分野で、害虫や寄生虫が問題となる状況を説明する際に用いられる。
『除草剤』を意味する名詞。『herb(草)』+『-cide(殺す)』で構成され、『草を殺すもの』を示す。『pesticide』と同様の構成を持つ。農業分野で頻繁に使用される。
反意語
- natural pesticide
『天然農薬』を意味する。化学合成された農薬である『pesticide』に対し、自然由来の成分を用いた農薬を指す。環境保護や有機農業の文脈で用いられ、安全性を強調する際に使用される。
- biological control
『生物的防除』を意味する。農薬を使用せずに、天敵や微生物を利用して害虫を駆除する方法を指す。『pesticide』による化学的な防除とは対照的に、生態系への影響を考慮した持続可能な方法として注目されている。学術論文や環境保護に関する議論でよく用いられる。
語源
「pesticide(農薬)」は、ラテン語に由来する複合語です。前半の「pesti-」は、「pestis(疫病、害虫)」から来ており、これは「疫病」や「害虫」といった、作物を害するものを指します。後半の「-cide」は、「caedere(殺す)」という動詞から派生した接尾辞で、「殺すもの」という意味を持ちます。つまり、「pesticide」は直訳すると「害虫を殺すもの」となり、作物を害する虫や菌などを駆除するための薬剤、つまり「農薬」を意味するようになったのです。日本語の「殺虫剤」や「除草剤」といった言葉の構成と似ていると考えると、理解しやすいでしょう。
暗記法
殺虫剤「pesticide」は、食糧増産を支える一方で、環境汚染という影を落とす言葉。『沈黙の春』は、その負の側面を社会に告発し、環境保護運動の狼煙となりました。文学では、自然への人間の傲慢さを象徴し、現代アートでは大量消費社会への批判として表現されることも。食卓を支えながらも、環境問題と健康リスクを突きつける、文明の複雑な縮図、それが「pesticide」なのです。
混同しやすい単語
『pesticide』と語尾の '-cide' と '-site' が似ているため、スペルミスや発音の混同が起こりやすい。意味も『寄生生物』と『殺虫剤』で関連性はあるものの異なるため、文脈で判断する必要がある。特に、アクセントの位置が異なる(pesticide はペ、parasite はパ)点に注意。
『pesticide』と同様に語尾が '-cide' で共通しており、どちらも『〜剤』という意味合いを持つため混同しやすい。ただし、『herbicide』は『除草剤』を意味し、殺す対象が異なる。農薬に関連する単語としてセットで覚えるのが効果的だが、意味の違いを明確に意識する必要がある。
『pesticide』と最初の 'pest-' の部分が共通しているため、スペルを見たときに混同しやすい。しかし、『pasture』は『牧草地』という意味で、農薬とは直接的な関連性はない。発音も異なるため(pasture はパスチャー)、スペルと発音をセットで覚えることが重要。
語頭の 'pre-' と語尾の音の響きが『pesticide』と似ているため、特に発音を聞き間違えやすい。『prestige』は『名声』や『威信』という意味で、農薬とは全く関係がない。発音もアクセントの位置も異なる(prestige は プレスティージ、pesticide は ペスティサイド)ため、注意が必要。
スペルの一部が似ており、特に 'cise' の部分が共通しているため、スペルミスしやすい。『precise』は『正確な』という意味で、形容詞として使われる。発音も異なる(precise は プリサイス)ため、スペルだけでなく発音も意識して区別することが重要。
語頭の 'per-' の部分が『pesticide』と似ており、スペルを見たときに混同しやすい。『persist』は『持続する』という意味の動詞で、農薬とは意味が全く異なる。発音もアクセントの位置も異なる(persist は パーシスト)ため、注意が必要。語源的には、'per-' は「〜を通して」という意味合いがあり、'sist' は「立つ」という意味合いがある。
誤用例
日本語の「〜のために」という表現を直訳すると "for" を使いがちですが、ここでは文脈が不自然です。pesticide(殺虫剤)は通常、健康を害する可能性があるため、「子供の健康のために殺虫剤を使う」という発想は英語話者には理解しづらいでしょう。正しくは「子供の健康を守るために殺虫剤の使用を避けた」のように、pesticideの負の側面を考慮した表現にする必要があります。文化的背景として、環境保護や健康への意識が高い欧米では、農薬の使用は慎重に扱われるべきという価値観が根付いています。
"strong" や "big effect" は日常会話では問題ありませんが、pesticide の効果を説明する文脈ではやや口語的すぎます。よりフォーマルで専門的な印象を与えるには、"potent" (強力な) や "highly effective" (非常に効果的な) を使う方が適切です。日本語では「効果が大きい」という表現が一般的ですが、英語では効果の程度をより洗練された語彙で表現することで、文章全体の質を高めることができます。また、"for killing insects" よりも "at killing insects" の方が、より自然な前置詞の選択です。
"problem" や "situation" は汎用的な単語ですが、pesticide に関する深刻さを強調するには、より強い語感を持つ "issue" (問題) や "threat" (脅威) を使う方が適切です。"dangerous situation" はやや直接的すぎる表現であり、代わりに "poses a significant threat" (重大な脅威をもたらす) のように、間接的かつ客観的な言い方をすることで、より洗練された印象を与えられます。日本語の「〜問題」という表現に引きずられず、文脈に合った適切な語彙を選択することが重要です。
文化的背景
「pesticide(殺虫剤)」は、現代社会において食糧生産を支える一方で、環境汚染や健康被害といった負の側面を内包する、複雑な象徴性を帯びた言葉です。その誕生と普及の歴史は、農業の工業化、科学技術への過信、そして環境保護意識の高まりと深く結びついています。
20世紀初頭、農業技術の進歩とともに、作物を害虫から守るための化学物質が開発され始めました。初期の殺虫剤は、砒素や鉛といった毒性の強い物質を含むものが多く、効果は絶大でしたが、同時に人体や環境への深刻な影響をもたらしました。レイチェル・カーソンの著書『沈黙の春』(1962)は、DDTという殺虫剤の環境破壊を告発し、社会に大きな衝撃を与えました。この本は、環境保護運動のきっかけとなり、「pesticide」という言葉に、単なる農業資材以上の、負のイメージを強く付与することになりました。
文学作品においても、殺虫剤はしばしば文明の傲慢さや、自然に対する人間の支配欲を象徴する存在として描かれます。例えば、あるディストピア小説では、食糧増産のために過剰に使用された殺虫剤が、生態系を破壊し、人類の存続を脅かす要因として登場します。また、現代アートの世界では、殺虫剤のボトルやラベルが、大量消費社会の象徴として、批判的な文脈で用いられることもあります。
現代社会において、「pesticide」は、必要悪としての側面も持ち合わせています。食糧の安定供給のためには、ある程度の殺虫剤の使用は避けられないという現実があります。しかし、有機農業の推進や、より安全な殺虫剤の開発など、環境負荷を低減するための努力も続けられています。「pesticide」という言葉は、私たちの食卓を支える一方で、環境問題や健康リスクといった課題を突きつける、複雑な現代文明の縮図なのです。
試験傾向
- 出題形式: 主に長文読解問題、稀に語彙問題
- 頻度と級・パート: 準1級以上で比較的頻出。1級でも出題の可能性あり。
- 文脈・例題の特徴: 環境問題、農業、健康に関するアカデミックな文章で登場しやすい。
- 学習者への注意点・アドバイス: 「殺虫剤」「農薬」の意味に加え、環境への影響に関する知識も合わせて学習すると良い。関連語彙(herbicide, insecticideなど)との区別も重要。
- 出題形式: 長文読解問題(Part 7)
- 頻度と級・パート: TOEIC全体で見ると頻度は高くないが、環境問題や企業の取り組みに関する文章で稀に出題される。
- 文脈・例題の特徴: 企業の環境対策、農業関連のニュース記事、報告書などで見られる。
- 学習者への注意点・アドバイス: ビジネスの文脈で出てくる可能性を考慮し、環境問題に関する語彙と合わせて覚えておくと良い。選択肢に紛らわしい単語が含まれる場合もあるので注意。
- 出題形式: リーディングセクション
- 頻度と級・パート: アカデミックな文章で頻出。特に環境科学、生物学、農業に関する文章。
- 文脈・例題の特徴: 論文や学術記事で、環境への影響や生態系への影響について議論する際に使われる。
- 学習者への注意点・アドバイス: TOEFLでは、類義語や言い換え表現を理解しているかが問われることが多い。pesticideの定義や使用に関する詳細な知識も必要。
- 出題形式: 長文読解問題
- 頻度と級・パート: 難関大学を中心に、環境問題や科学技術に関する文章で出題される可能性がある。
- 文脈・例題の特徴: 科学的な論文の一部、ニュース記事、評論などで登場する。
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する能力が重要。また、pesticideが文章全体のテーマとどのように関連しているかを理解する必要がある。記述問題で説明を求められる可能性も考慮。