no matter what …
「no」の /oʊ/ は二重母音で、日本語の「オ」よりも口を丸めて発音し、最後に「ウ」の音を加えるイメージです。「matter」の /æ/ は、日本語の「ア」と「エ」の中間のような音で、口を大きく開けて発音します。「what」の /wʌt/ は、まず唇を丸めて突き出し、すぐに「ア」の音に移るように発音します。各単語の強勢にも注意しましょう。
何があっても
どんな状況や障害があろうとも、結果や行動が変わらないことを強調する。強い決意や譲らない姿勢を示す際に用いられる。
I will always be there for you, no matter what happens.
何があっても、僕はいつも君のそばにいるよ。
※ 大切な人が困っていたり、悩んでいたりする時に、心から寄り添う気持ちを伝える場面です。「no matter what happens」は「何が起ころうとも」という意味で、強い決意や変わらない気持ちを表します。友だちや家族に安心感を与えたい時によく使われます。
She practiced hard every day, no matter what the weather was like.
彼女は、どんな天気でも毎日一生懸命練習しました。
※ スポーツ選手や習い事を頑張る人が、雨の日も風の日も休まず努力を続けている様子が目に浮かびます。「no matter what the weather was like」は「天気がどんなであっても」という意味です。目標に向かって、どんな困難や状況にも負けずに努力する姿勢を表す時によく使われます。
We must keep trying to solve the problem, no matter what challenges we face.
どんな困難に直面しても、私たちはその問題を解決し続けなければなりません。
※ チームやグループが、難しい課題に直面しながらも、粘り強く解決策を探し続けている真剣な場面です。「no matter what challenges we face」は「どんな課題に直面しようとも」という意味で、ビジネスやプロジェクトなど、困難な状況でも諦めずに取り組む決意を示す時に使われます。少しフォーマルな響きもありますが、日常でも使える表現です。
たとえ何が〜でも
後に続く節の内容が、前の節の内容に関わらず成立することを表す。譲歩や無条件の許容を示すニュアンス。
I will always support you, no matter what happens.
たとえ何が起こっても、私はいつもあなたを応援するよ。
※ 友達が落ち込んでいる時、強い絆や応援の気持ちを伝える場面です。「no matter what happens」は「何が起こっても」「どんなことがあっても」という、未来の不確実なことに対する揺るぎない気持ちを表す時に使います。とても心強い励ましの言葉ですね。
He goes for a run every morning, no matter what the weather is like.
彼は、たとえどんな天気でも、毎朝ランニングに出かけます。
※ 雨の日も風の日も、どんな状況でも習慣を続ける人の様子を描いています。「no matter what the weather is like」で「どんな天気であっても」という意味になります。何かを継続する強い意志や、揺るがない日課を表現するのにぴったりのフレーズです。
We will finish this project on time, no matter what challenges we face.
たとえどんな困難に直面しても、私たちはこのプロジェクトを期限内に終えます。
※ チームで目標に向かって努力し、困難を乗り越える強い決意を示す場面です。「no matter what challenges we face」は「どんな困難に直面しても」という意味で、ビジネスやチームでの目標達成、あるいは個人的な課題解決によく使われます。強い意志が伝わりますね。
コロケーション
何が起ころうとも
※ 最も基本的で汎用性の高い表現です。文字通り『どんなことが起ころうとも』という意味で、あらゆる状況に対する決意や覚悟を示す際に使われます。日常会話からビジネスシーンまで幅広く使用されます。類似表現に『whatever happens』がありますが、『no matter what happens』の方がややフォーマルで、強い意志が感じられます。
あなたが何をしようとも
※ 相手の行動や選択に関わらず、自分の態度や立場は変わらないことを示す表現です。例えば、『あなたが何をしようとも、私はあなたを信じている』のように使います。親しい間柄で使われることが多いですが、ビジネスシーンでも、例えば顧客に対して『どのようなご要望にもお応えします』といったニュアンスで使うことができます。
どんな犠牲を払っても、どんな費用がかかっても
※ 目標達成のためには、費用や労力を惜しまないという強い決意を示す表現です。ビジネスシーンでは、プロジェクトの成功を誓う場面などで使われます。また、個人の決意表明としても使われ、例えば『no matter what the cost, I will achieve my dream』のように使います。費用は金銭的なものだけでなく、時間や努力なども含まれます。
誰が何と言おうと
※ 他人の意見や批判に左右されず、自分の信念を貫くことを強調する表現です。周囲の反対意見を押し切って何かを成し遂げようとする際に使われます。例えば、『no matter what anyone says, I believe in this project』のように使います。強い意志を示すため、フォーマルな場面でも使用可能です。
どんな手段を使っても、何が必要であろうとも
※ 目標達成のためには、あらゆる手段を講じる覚悟を示す表現です。やや強めの表現で、緊急時や困難な状況で使われることが多いです。例えば、『no matter what it takes, we must save them』のように使います。手段を選ばないニュアンスを含むため、使用場面には注意が必要です。
明日何が起ころうとも
※ 未来に対する不確実性を受け入れつつ、覚悟を決めるニュアンスを含む表現です。明日の結果に関わらず、今できることを精一杯やる、というような決意を示す際に使われます。例えば、大きなプレゼンテーションや試験の前日に『No matter what happens tomorrow, I'll be proud of the effort I put in.』のように使用されます。
理由が何であれ
※ 特定の理由に関わらず、一律の対応や判断を行うことを示す表現です。例えば、『No matter what the reason, late submissions will not be accepted.(理由が何であれ、提出期限後の提出は受け付けません)』のように、規則やポリシーを明確に伝える際に使われます。ビジネスシーンや公式な場面でよく使用されます。
使用シーン
学術論文や研究発表で、ある条件や状況に関わらず結果が変わらないことを強調する際に用いられます。例えば、「No matter what parameters are used, the model consistently shows a similar pattern.(どのようなパラメータを使用しても、モデルは一貫して同様のパターンを示す。)」のように、実験結果の普遍性を示す文脈で使われます。フォーマルな文体で使用されます。
ビジネスシーンでは、契約書や業務指示書などのフォーマルな文書で、義務や責任の範囲を明確にする際に使われることがあります。例えば、「No matter what the circumstances, the contractor is responsible for delivering the project on time.(いかなる状況であっても、契約者はプロジェクトを期日までに納品する責任を負う。)」のように、責任の所在を明確にする目的で使用されます。日常的な会話よりは、書面でのやり取りで用いられることが多いです。
日常会話では、決意や覚悟を示す際に使われることがあります。例えば、「No matter what happens, I will support you.(何が起ころうとも、私はあなたを応援するよ。)」のように、親しい間柄での励ましの言葉として使われることがあります。ただし、やや強い表現なので、頻繁には使われません。ニュースやドキュメンタリーでは、「No matter what challenges they face, they never give up.(どんな困難に直面しても、彼らは決して諦めない。)」のように、困難な状況を乗り越える様子を描写する際に使われることがあります。
関連語
類義語
- regardless of what...
"...に関わらず"という意味で、結果や状況に影響されないことを表す。フォーマルな場面や書き言葉でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】"no matter what..."よりもやや客観的で、感情的なニュアンスが少ない。ビジネス文書や契約書など、客観性が求められる場面に適している。 【混同しやすい点】"regardless of"は前置詞句であり、後に名詞句が続く必要がある。文法構造の違いを理解する必要がある(例: regardless of the cost)。"no matter what"は節を導く。
- whatever...
"何が~であろうとも"という意味で、譲歩や無関心を表す。日常会話で頻繁に使われ、ややカジュアルな印象を与える。 【ニュアンスの違い】"no matter what..."よりも話し言葉的で、しばしば感情的なニュアンス(諦め、無関心、苛立ちなど)を伴う。文脈によっては相手に不快感を与える可能性がある。 【混同しやすい点】"whatever"は名詞節、形容詞節、副詞節を導くことができ、文脈によって意味が異なる。意味の範囲が広いため、誤解を避けるためには文脈を考慮する必要がある。(例: Whatever happens, I'll be there. / Give me whatever you have.)
- come what may...
"何が起ころうとも"という意味で、困難や障害にも立ち向かう決意を表す。文学的、あるいはやや古風な表現。 【ニュアンスの違い】"no matter what..."よりも強い決意や覚悟を示す。困難な状況を乗り越えようとする強い意志が感じられる。日常会話ではあまり使われない。 【混同しやすい点】この表現は固定的なイディオムであり、語順を変えることはできない。また、日常会話での使用頻度は低いため、使い慣れていないと不自然に聞こえる可能性がある。
- at all costs...
"どんな犠牲を払っても"という意味で、目標達成のためには手段を選ばないという強い決意を示す。非常にフォーマルな表現で、しばしば深刻な状況で用いられる。 【ニュアンスの違い】"no matter what..."よりも強い意志と、場合によっては倫理的な問題を伴う可能性を示唆する。ビジネスや政治など、重要な目標達成を強調する場面で使用される。 【混同しやすい点】この表現は、倫理的に問題のある行為を正当化するニュアンスを含む可能性があるため、使用する際には注意が必要。また、日常会話では大げさに聞こえることがある。
- by any means...
"どんな手段を使っても"という意味で、目標達成のためにはあらゆる方法を試みるという決意を示す。中立的な表現で、フォーマルな場面でも使用可能。 【ニュアンスの違い】"no matter what..."と似ているが、より具体的な手段を伴うニュアンスがある。目標達成のために積極的に行動することを強調する。 【混同しやすい点】"by any means necessary"という表現は、マルコムXによって広められ、政治的な意味合いを持つことがある。文脈によっては、暴力的な手段も辞さないというニュアンスを含む可能性がある。
- irrespective of...
"~に関係なく"という意味で、何かの影響を受けないことを表す。非常にフォーマルな場面や法律文書などで用いられる。 【ニュアンスの違い】"regardless of"とほぼ同義だが、さらに客観的で、感情的なニュアンスが全くない。法律、契約、統計データなど、客観性が最も重要な場面に適している。 【混同しやすい点】"irrespective of"は前置詞句であり、後に名詞句が続く必要がある。文法構造の違いを理解する必要がある(例: irrespective of age)。日常会話ではほとんど使われない。
派生語
『何が~であろうとも』という意味の代名詞・副詞。元々は『what ever』と分離して使われ、強調の意味合いがあった。口語で頻繁に使われ、軽蔑や無関心を示すニュアンスを含むこともある。
『誰が~であろうとも』という意味の代名詞。関係代名詞『who』に強調の『ever』が付加され、条件や制限がないことを示す。フォーマルな場面や、法的な文脈でも使用される。
『どのように~であろうとも』という意味の副詞。譲歩を表す接続副詞としても使われ、『しかしながら』という意味になる。フォーマルな文章や議論で頻繁に使われる。
反意語
『具体的に』『明確に』という意味の副詞。『no matter what』があいまいさや無条件性を示すのに対し、これは特定の条件や範囲を限定する。ビジネスや学術論文で、詳細を述べるときに用いられる。
『条件付きで』という意味の副詞。『no matter what』が無条件であるのに対し、特定の条件が満たされた場合にのみ有効であることを示す。契約書や科学的な実験結果の記述でよく用いられる。
語源
"no matter what"は、それぞれの単語が持つ意味が組み合わさってできた表現です。「no」は否定、「matter」はここでは「問題、重要性」という意味を持ち、「what」は「何が」を意味します。直訳すると「何が問題となっても…ない」となり、つまり「何が起ころうとも関係なく」という意味合いになります。この表現は、特定の語源に遡るというより、英語の日常的な語彙が組み合わさって生まれた比較的新しいイディオムと捉えることができます。類似の表現としては、"regardless of what"(何が起ころうとも関わらず)などがあり、こちらも同様に、各単語の意味から全体の意味を推測することができます。日本語で例えるなら、「何があっても」という決意表明のようなニュアンスで、困難な状況でも目標を達成しようとする強い意志を示す際に用いられます。
暗記法
「何があっても」— この言葉は、自由を求める魂の叫び。アメリカ独立、奴隷解放、公民権運動…困難に立ち向かう人々が、不屈の精神を誓う場面で響き渡りました。文学や映画では、運命に抗い、信念を貫く主人公たちの心の支えに。「No matter what…」は、個人の尊厳と自己決定を重んじる、希望を胸に前進する普遍的なメッセージとして、今も息づいています。
混同しやすい単語
『no matter what』の『matter』自体が、名詞(物質、事柄)や動詞(重要である)として使われるため、文脈によっては混同しやすい。ここでは『問題』という意味合いの名詞。日本人学習者は、文脈から意味を判断する必要がある。
『matter』と『water』は、どちらも2音節で、最初の音が似ているため、聞き取りにくい場合がある。『water』は『水』という意味で、まったく異なる概念を表す。特に早口で話されると混同しやすいので、注意が必要。
『no matter what』と『whether』は、意味もスペルも発音も異なるが、文章の構造によっては混同されることがある。『whether』は『〜かどうか』という意味で、二つの可能性を示す際に使われる接続詞。文法的な役割が全く異なる。
『whether』と『weather』は発音が非常に似ており、文脈によっては聞き間違えやすい。『weather』は『天気』という意味の名詞。発音記号を意識して区別することが重要。また、スペルも似ているため、注意が必要。
『no matter what』と『whatever』は、どちらも『何が〜であろうとも』という意味合いを持つが、『whatever』はより口語的な表現で、しばしば軽蔑的なニュアンスを含む。『no matter what』はよりフォーマルで、断固とした決意を表すことが多い。使用する場面を考慮する必要がある。
『matter』と『wander』は、スペルと発音が部分的に似ているため、特に初学者にとっては混乱しやすい。『wander』は『歩き回る』『さまよう』という意味の動詞で、意味も文法的な役割も大きく異なる。語源的には、『wander』はゲルマン祖語の『wandeln(方向を変える)』に由来し、空間的な移動を示唆する。
誤用例
「no matter what」は「何が〜しようとも」という譲歩の意味合いが強く、強い意志や決意を示す文脈で用いられます。この例文のように、単に「彼が何を言ったとしても」という意味で、過去の事実を述べる場合には「whatever」がより適切です。日本人は「〜に関わらず」という日本語に引きずられ、「no matter what」を安易に使いがちですが、英語ではよりフォーマルで強調的な響きがあります。
「no matter what」は節を導き、後に主語と動詞を伴うことが多いです。価格のように名詞句が続く場合は、「regardless of」を使う方が自然です。日本人は「どんな〜でも」という日本語を直訳しがちですが、「no matter what」は後に続く要素によって不自然になることがあります。また、「regardless of」はより客観的で冷静なニュアンスを持ち、大人の会話に適しています。
「no matter what」は文字通りには「何があっても」という意味ですが、感謝の言葉を述べる文脈ではやや大げさで不自然に聞こえます。ここでは「とにかく」「いずれにせよ」という意味合いで「in any case」を用いる方が、より自然で丁寧な印象を与えます。日本人は「どんな状況でも」という日本語に囚われがちですが、英語では状況によって適切な表現を選ぶ必要があります。感謝の気持ちを伝える際は、相手に失礼のないよう、より丁寧な表現を心がけましょう。
文化的背景
「No matter what…」は、英語圏において「何があっても」「どんなことが起ころうとも」という強い決意や不屈の精神を表す際に用いられ、個人の意志の強さや自己決定の尊重という価値観を反映しています。このフレーズは、困難な状況に直面しても目標を達成しようとする、一種のロマンチックな響きを帯びていることもあります。
この表現は、アメリカ独立宣言や、自由と権利を求める歴史的なスピーチなど、困難な状況下で戦う人々の強い意志を示す場面でしばしば見られます。例えば、奴隷解放運動における指導者たちの演説や、公民権運動におけるマーチン・ルーサー・キング・ジュニアの「I have a dream」のような有名なスピーチにも、同様の精神が込められています。「No matter what…」は、個人の尊厳を守り、不当な権力に抵抗するという、アメリカの歴史に深く根ざした価値観と結びついていると言えるでしょう。
また、このフレーズは、文学作品や映画の中で、主人公が逆境に立ち向かう場面で頻繁に登場します。例えば、運命に翻弄されながらも愛を貫こうとする登場人物や、社会的な偏見や差別と闘いながらも自分の信念を曲げない登場人物などが、「No matter what…」という言葉を心の中で繰り返しながら、困難を乗り越えていく姿が描かれます。このような物語を通して、「No matter what…」は、希望を失わずに前進することの重要性を私たちに教えてくれます。
現代においては、「No matter what…」は、ビジネスシーンや日常生活においても、目標達成へのコミットメントを示す言葉として広く使われています。プロジェクトの成功や個人の成長のために、困難を乗り越えていく決意を表明する際に、このフレーズは力強いメッセージとなります。自己啓発セミナーなどでも、「No matter what…」の精神は、目標達成のための重要な要素として強調されることがあります。このように、「No matter what…」は、英語圏において、個人の意志の強さや自己決定の尊重という価値観を象徴する、普遍的なフレーズとして定着していると言えるでしょう。
試験傾向
- 出題形式: 主に長文読解、稀に語彙問題やライティング(条件英作文)
- 頻度と級・パート: 準1級以上で頻出。1級でより高度な文脈理解が求められる
- 文脈・例題の特徴: 幅広いトピックで出題。エッセイ形式の文章や物語文など多様。
- 学習者への注意点・アドバイス: "whatever happens"や"no matter how"など類似表現との区別。文法構造(譲歩構文)の理解が重要。
- 出題形式: Part 5 (短文穴埋め問題), Part 7 (長文読解)
- 頻度と級・パート: Part 5では稀に出題。Part 7で読解のキーワードとして登場
- 文脈・例題の特徴: ビジネスシーンが中心。契約、人事、マーケティングなどの文書。
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する練習。類似表現 (regardless of what) との置き換え可能性を意識。
- 出題形式: リーディングセクション
- 頻度と級・パート: リーディングセクションで頻出
- 文脈・例題の特徴: アカデミックな内容(科学、歴史、社会学など)。論理的な展開の中で重要な役割を果たす。
- 学習者への注意点・アドバイス: パラフレーズ(言い換え)に注意。文章全体の論理構造の中で「譲歩」の意味を捉える。
- 出題形式: 長文読解、和訳問題、英作文
- 頻度と級・パート: 難関大学で頻出。標準的な大学でも読解のポイントとなる
- 文脈・例題の特徴: 評論文、物語文、科学的な文章など多様。
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から正確な意味を把握する練習。構文解析の能力も必要。英作文では、効果的に使用することで高得点につながる。