lateral
第1音節にアクセントがあります。/æ/ は日本語の「ア」と「エ」の中間のような音で、口を少し大きく開けて発音します。「タ」は舌先を歯茎につけて発音する破裂音で、息を強く出すのがポイント。「ロゥ」の/əl/は、舌先を上の歯茎につけたまま、曖昧母音を発音するイメージです。日本語の「ル」のように母音を強く発音しないように注意しましょう。
専門的な内容に関するご注意
このページには、健康、金融、法律など、専門的な知識を必要とする内容が含まれている可能性があります。本サイトの情報は学習目的で提供されており、専門家による助言の代わりとなるものではありません。重要な判断を行う際には、必ず資格を持つ専門家にご相談ください。
横の
中心から離れた、脇にあるイメージ。本筋から少し外れた話題や、補助的な役割を指す場合にも使われる。身体の側面や、サッカーなどのスポーツで横方向への動きを表す際にも用いられる。
The dancer took a careful lateral step across the stage.
ダンサーは舞台を横切るように、慎重に横向きの一歩を踏み出しました。
※ 舞台でダンサーが優雅に、あるいは慎重に横に動く様子が目に浮かびます。「lateral step」はダンスやスポーツなど、身体の特定の方向への動きを表現する際によく使われる典型的な表現です。このように「lateral」は「横の」という意味の形容詞で、「step」(一歩)を修飾して使われます。
The doctor asked me to lie on my lateral side for the X-ray.
医者は私に、レントゲンのために横向きになるように頼みました。
※ 病院で医師が患者に、レントゲン撮影のために「横向きになってください」と指示する具体的な場面です。「lateral side」は、体の「横側」や「側面」を指す際によく使われ、特に医療現場や解剖学的な文脈で頻出します。「lie on my lateral side」で「横向きに寝る」という意味になります。
The old house had a beautiful lateral garden on its right side.
その古い家には、右横に美しい庭がありました。
※ 古い家のすぐ「横」に、美しい庭が広がっている情景が目に浮かびます。「lateral garden」は、建物の「横」に位置する庭を指す際に使われ、不動産や建築の文脈でよく見られます。ここでは「lateral」が「garden」(庭)という名詞を修飾し、「横にある庭」という意味を表しています。
間接的な
直接的ではなく、回りくどい、または間接的なつながりを示す。交渉や議論において、正面からのアプローチではない、別の角度からの働きかけを意味することがある。
When the direct method failed, we tried a lateral approach to fix the broken machine.
直接的な方法がうまくいかなかったので、私たちは壊れた機械を直すために間接的なアプローチを試みました。
※ 目の前で機械が動かず、あれこれ試してもダメ。そこで「ちょっと違うやり方でやってみようか」と、発想を転換して試している場面です。「lateral approach」は「間接的な、横道にそれたアプローチ」という意味で、直接的な解決策が難しい時に別の角度から試みる様子を表します。
Her decision to change the schedule had a lateral impact on other team members.
彼女のスケジュール変更の決定は、他のチームメンバーに間接的な影響を与えました。
※ 一人の人が決めたことが、直接関係ないように見えて、実は他の人たちにも影響が及んでいる、というオフィスでの一幕です。「lateral impact」は「間接的な影響」を意味し、ある行動や決定が、直接の対象ではない別の部分に波及効果をもたらす状況で使われます。
I heard the news through a lateral channel, not directly from the manager.
そのニュースは、マネージャーから直接ではなく、間接的な経路で耳にしました。
※ オフィスで、公式発表ではないけれど、誰かからこっそり、あるいは人づてに情報が伝わってくる、そんな内緒話を聞いている場面です。「lateral channel」は「間接的な経路」や「横からの情報源」という意味で、公式なルートではないけれど、情報が伝わってきたことを表します。
脇腹
身体の側面、特に腹部の両側を指す。医学的な文脈や、身体的な特徴を説明する際に用いられる。
He felt a sudden, sharp pain in his lateral after he twisted his body.
彼は体をひねった後、脇腹に突然鋭い痛みを感じました。
※ スポーツや急な動作で体をひねった際に、脇腹を痛めることはよくあります。この文は、まさにそんな「痛い!」と感じる瞬間の情景を具体的に描いています。特に「sharp pain」は、痛みがどれくらい強いかを伝えています。
The doctor gently pressed on her lateral to check for any tenderness.
医者は痛みの有無を確認するため、彼女の脇腹を優しく押しました。
※ 健康診断や診察の際、医師が体の特定の部位を触って異常がないか確認する場面はごく一般的です。この文は、医療現場で「lateral」(脇腹)がどのように使われるかを示し、患者さんが少し緊張しながらも、優しく触診されている様子が目に浮かびます。
She lay on her side, feeling the soft blanket against her lateral.
彼女は横向きに寝て、脇腹に柔らかい毛布が触れるのを感じていました。
※ この文は、日常のリラックスした場面を描いています。横向きに寝る時、脇腹はベッドや毛布に直接触れることが多いですよね。五感(触覚)に訴えかけることで、学習者が情景をより鮮明にイメージし、単語を体感として覚える手助けをします。
コロケーション
水平思考、固定観念にとらわれない発想
※ 「lateral thinking」は、既成概念や論理的な思考だけでは解決できない問題に対して、多角的な視点や創造的な発想を用いて解決策を探る思考法です。心理学者エドワード・デボノによって提唱されました。従来の垂直思考(vertical thinking)が論理的な深掘りを重視するのに対し、水平思考は問題の周辺領域を広げ、新しい視点や可能性を見出すことを目指します。ビジネスシーンで、革新的なアイデアを生み出すためによく用いられます。例えば、既存の製品の改善ではなく、全く新しいコンセプトの商品を開発する際に、この思考法が役立ちます。フォーマルな場面、特にビジネスや教育の文脈で使用頻度が高い表現です。
水平移動、配置転換
※ 「lateral movement」は、文字通りには「横方向への動き」を意味しますが、ビジネスやスポーツの文脈では、組織内での配置転換や、スポーツにおける横方向への動きを指します。ビジネスにおける配置転換は、昇進や降格を伴わない異動を指し、従業員のスキルアップやキャリアパスの多様化を目的として行われます。スポーツでは、サッカーやバスケットボールなどで、選手が相手をかわしたり、守備範囲を広げたりするために横方向に移動することを指します。文脈によって意味合いが異なるため注意が必要です。ビジネスシーンでは、人事戦略や組織論に関連する議論でよく登場します。
側面からの支援、連携
※ 「lateral support」は、直接的な指揮命令系統とは異なる、横のつながりからの支援や連携を意味します。組織論においては、部署間やチーム間の協力体制を指し、プロジェクトの成功や組織全体の効率化に不可欠です。例えば、あるプロジェクトチームが技術的な問題に直面した際に、他の部署の専門家が助けを提供する場合などが該当します。また、医療現場では、患者の精神的なケアや生活支援など、多職種が連携して行う支援を指すこともあります。組織運営やプロジェクト管理において重要な概念であり、協調性を重視する文脈でよく用いられます。
側枝、分枝
※ "lateral branch"は、植物学においては、主となる幹や枝から横方向に伸びる枝のことを指します。比喩的に、組織やシステムにおいて、主要なルートから派生する二次的な経路や部門を指すことがあります。たとえば、企業の本社から派生した支社や、プロジェクトの主要なタスクから派生したサブタスクなどが該当します。科学技術や組織構造に関する議論で用いられることが多く、口語的な表現ではありません。
横パス
※ スポーツ、特にアメリカンフットボールやラグビーにおいて、「lateral pass」は、ボールを後方または横方向にパスすることを指します。前方にパス(forward pass)することが制限されているため、攻撃を継続するために重要な戦術となります。この表現は、スポーツ中継や解説で頻繁に使用され、スポーツファンにとっては馴染み深い言葉です。比喩的に、組織やプロジェクトにおいて、責任や権限を他のメンバーやチームに委譲することを指すこともあります。ただし、この比喩的な用法は、スポーツほど一般的ではありません。
外側上顆炎(テニス肘)
※ "lateral epicondylitis"は、肘の外側にある上顆という部分に炎症が起こる症状で、一般的には「テニス肘」として知られています。テニスなどのラケットスポーツで繰り返し手首を動かすことで発症しやすいですが、必ずしもスポーツが原因とは限りません。家事や仕事で手首を酷使する人も発症することがあります。医学用語であり、医療現場や医学関連の記事で使用されます。一般の会話では「テニス肘」という言葉を使う方が伝わりやすいでしょう。
使用シーン
学術論文や専門書で、「側方」「横方向」といった意味で使用されます。例えば、解剖学の論文で「lateral branch(側枝)」という言葉が使われたり、心理学の研究で「lateral thinking(水平思考)」の概念を説明する際に用いられます。文語的な表現です。
ビジネスシーンでは、直接的な解決策ではなく「間接的な」「迂回的な」手段を指す際に使われることがあります。例えば、「lateral move(異動)」は昇進を伴わない部署異動を意味し、人事評価やキャリアプランニングの文脈で登場します。また、問題解決のアプローチとして「lateral thinking(水平思考)」が研修などで紹介されることもあります。フォーマルな文書やプレゼンテーションで使われる傾向があります。
日常会話で「lateral」という単語が使われることは稀です。ニュース記事やドキュメンタリー番組などで、スポーツの場面(例えば、ラグビーの「lateral pass(横パス)」)や、医学的な説明(例えば、「lateral epicondylitis(外側上顆炎、テニス肘)」)などで耳にする程度でしょう。一般的には、より平易な言葉で言い換えられることが多いです。
関連語
類義語
- sideways
"横向きに"、"横へ"という意味の副詞または形容詞。方向や動きを表す日常的な表現。 【ニュアンスの違い】"lateral"がより専門的・抽象的な文脈で使われるのに対し、"sideways"は物理的な方向や動きを直接的に示す。フォーマルな響きは持たない。 【混同しやすい点】"lateral"が名詞(側面、横方向への動き)や形容詞(横の、側面の)として使われるのに対し、"sideways"は主に副詞として使われる。また、"sideways"は比喩的な意味合いで使用されることは少ない。
担保、副次的な、付随的なという意味を持つ。ビジネスや法律の文脈でよく使われる。 【ニュアンスの違い】"lateral"が文字通りまたは比喩的に「横」や「側面」を意味するのに対し、"collateral"は「付随的」や「担保」といった意味合いを持つ。直接的な関連性はあるものの、意味の焦点が異なる。 【混同しやすい点】スペルが似ているため混同しやすいが、意味は大きく異なる。"collateral"は金融や法律の専門用語として使われることが多く、日常会話ではあまり使われない。
- flanking
側面を固める、側面攻撃をする、という意味の動詞または形容詞。軍事やスポーツの文脈で使われることが多い。 【ニュアンスの違い】"lateral"が単に「横」の位置関係を示すのに対し、"flanking"は戦略的な意味合いを持つ。「側面を保護する」「側面から攻撃する」といった具体的な行動を伴う。 【混同しやすい点】"lateral"は位置関係を表す静的な表現であるのに対し、"flanking"は動的な行為を表す。また、"flanking"は軍事的な文脈で使われることが多いため、日常会話ではあまり使われない。
隣接した、近接したという意味の形容詞。地理的な位置関係や、抽象的な概念の近さを表す。 【ニュアンスの違い】"lateral"が必ずしも接触している必要がない「横」を意味するのに対し、"adjacent"は「隣り合っている」「接している」というニュアンスが強い。 【混同しやすい点】"lateral"は「横方向への広がり」を示す場合があるが、"adjacent"はあくまで「隣り合っている」という関係性を示す。また、"adjacent"は物理的な距離だけでなく、概念的な近さも表すことができる。
周辺的な、重要でないという意味の形容詞。中心から離れた位置や、主要な関心事から外れた事柄を指す。 【ニュアンスの違い】"lateral"が単に「横」の位置関係を示すのに対し、"peripheral"は「中心から離れている」「重要度が低い」というニュアンスを含む。ネガティブな意味合いを持つ場合もある。 【混同しやすい点】"lateral"は中立的な表現であるのに対し、"peripheral"は重要度の低いものを指す。ビジネスや政治の文脈で、重要でない問題や情報を示す際に使われることが多い。
- transverse
横断的な、横切るという意味の形容詞。何かを横方向に通過することを示す、やや専門的な語。 【ニュアンスの違い】"lateral"が一般的な「横」の位置関係を示すのに対し、"transverse"は「横切る」「横断する」という動作や方向性を含む。医学や工学の分野でよく使われる。 【混同しやすい点】"lateral"は静的な位置関係を示すのに対し、"transverse"は動的な動作や方向性を示す。また、"transverse"は専門的な文脈で使用されることが多く、日常会話ではあまり使われない。
派生語
『側面の』という意味合いから転じて『担保』という意味の名詞。もともとは『付帯的な』という意味の形容詞だったものが、金融取引において『貸付の安全を担保するもの』という意味に特化。ビジネスや金融の文脈で頻繁に使われる。
- laterality
『側性』『片側性』という意味の名詞。脳科学や医学の分野で、脳の左右どちらかの半球が特定の機能をより強く担っている状態を指す。抽象的な概念を扱う学術論文でよく見られる。
接頭辞『bi-(二つの)』がついて『二国間の』『両側の』という意味の形容詞。外交交渉や医学など、対象が二つであることを示す文脈で広く使われる。
反意語
『中心的な』という意味。lateral(側面の)が中心から外れた位置を示すのに対し、centralは最も重要な部分、あるいは中心部に位置することを意味する。組織構造や地理的配置など、あらゆる文脈で対比される。
接頭辞『uni-(一つの)』がついて『一方的な』という意味。lateralが複数の関係者や側面を暗示するのに対し、unilateralはある主体が単独で行動することを強調する。外交やビジネスの場面で、合意形成の有無を区別する際に用いられる。
- frontal
『正面の』という意味。lateralが側面からの視点やアプローチを示すのに対し、frontalは直接的、あるいは主要な方向からのアプローチを意味する。特に医学(前頭葉など)や軍事作戦において、対立する概念として用いられる。
語源
「lateral」は、ラテン語の「latus」(側面、脇腹)に由来します。これは「横の」「側面の」という意味の中核をなしています。接尾辞「-al」は、「〜に関する」という意味合いを付け加える形容詞を作る接尾辞です。したがって、「lateral」は文字通りには「側面に関する」という意味になります。たとえば、建物の「側面」や、スポーツで「横方向へのパス」を指す際に使われます。比喩的には、「間接的な」という意味合いも持ちます。これは、正面突破ではなく、横から回り込むようなイメージです。日本語で例えるなら、「本筋から少し外れた」「間接的なアプローチ」といったニュアンスに近いでしょう。このように、「lateral」は、文字通りの意味から派生して、幅広い状況で使用されるようになりました。
暗記法
「ラテラル」は単なる側面ではない。組織では水平な繋がりを意味し、創造性を促す。対義語「バーティカル」が垂直的な階層構造を示すのに対し、ラテラルは水平思考で変化に対応する。異動はキャリアの停滞ではなく、成長の機会。政治の中途採用は、既存体制への挑戦だ。権威や慣習に挑み、多様性を重視する現代社会の精神を象徴する言葉、それが「ラテラル」。
混同しやすい単語
『latter』は『後者』という意味で、発音が非常に似ています。スペルも 'a' と 'e' の違いのみで、注意が必要です。『lateral』は『側面の』という意味なので、文脈で判断する必要があります。特に、複数の選択肢を比較する際に『latter』が使われることが多いです。
『ladder』は『はしご』という意味で、発音もスペルも似ています。特に語尾の 'er' の部分が曖昧になりやすいです。意味は全く異なるため、文脈から判断しましょう。語源的には、ladder は古英語の hlæder に由来し、登るための段々とした構造物を指します。
『literal』は『文字通りの』という意味で、発音もスペルも似ているため、混同しやすいです。形容詞である点も共通しています。『lateral』が『側面の』という意味であるのに対し、『literal』は『比喩表現を含まない、字義通りの』という意味で使用されます。例えば、『literal translation(直訳)』のように使われます。
『bilateral』は『二国間の』という意味で、『lateral』に接頭辞 'bi-' がついた形です。発音もスペルも似ており、意味も関連があるため、混同しやすいです。ただし、『bilateral』は通常、二者間(特に国家間)の関係を表す際に使われます。例えば、『bilateral agreement(二国間協定)』のように使われます。
『latte』はコーヒーの一種で、カタカナ英語としても普及していますが、発音が似ています。スペルも似ているため、特に聞き取りの際に注意が必要です。『lateral』は形容詞ですが、『latte』は名詞です。イタリア語の 'latte' (牛乳) が語源です。
『lethal』は『致命的な』という意味で、発音の最初の部分が似ています。スペルも 'l' で始まり、母音字が続く点が共通しています。意味は全く異なり、『lateral』が位置や方向を表すのに対し、『lethal』は生命に関わる危険な状態を表します。例えば、『lethal dose(致死量)』のように使われます。
誤用例
『lateral』は『横の』『側面の』という意味合いが強く、組織構造における異動や、補助的な決定を表す際に用いられます。CEOの解任のような、会社全体の方向性を左右する重要な決断を指す場合は、『strategic(戦略的な)』が適切です。日本人が『横から見て』というニュアンスで安易に『lateral』を使ってしまうのは、日本語の『側面から』という表現が、重要でない、あるいは非公式な決定というニュアンスを含むため、その影響を受けていると考えられます。英語では、重要な決定は正面から、つまり戦略的に行われるという考え方が根底にあります。
『lateral move』は、一般的に昇進・昇給を伴わない異動を指します。昇進を目的とする場合、その意図を明確に伝える必要があります。日本人は『lateral』を『横展開』のような意味で捉え、キャリアアップの手段と解釈しがちですが、英語ではあくまで現状維持の異動です。この誤解は、日本企業における『部署異動』が、必ずしも降格を意味せず、むしろキャリアの幅を広げる機会と捉えられる文化に起因する可能性があります。英語圏では、部署異動は専門性を深めるというより、現状維持や視野を広げる意味合いが強いことを理解する必要があります。
『lateral』は『間接的な』という意味を持つこともありますが、この文脈では『型破りな』や『異例の』という意味で使いたいと考えられます。『lateral』はあくまで、直接的な方法ではない、という程度の意味合いです。より強いニュアンスで、従来のやり方にとらわれない捜査手法を表現したい場合は、『unconventional』や『unorthodox』が適切です。日本人が『横から攻める』という表現を、既成概念にとらわれない斬新なアプローチと捉えがちなため、安易に『lateral』を使ってしまうと考えられます。英語では、『lateral』はあくまで間接的な手段であり、斬新さや革新性を強調する言葉ではないことを意識する必要があります。
文化的背景
「lateral(ラテラル)」という言葉は、単に「側面」を意味するだけでなく、組織や社会において、伝統的な階層構造を迂回し、水平方向のつながりや思考を重視する姿勢を象徴します。これは、創造性やイノベーションを促進しようとする現代的な組織文化において、特に重要な意味を持つようになりました。
「lateral」が持つ文化的意義は、その対義語である「vertical(垂直)」との比較によってより鮮明になります。伝統的な組織構造は、垂直的な階層によって特徴づけられ、トップダウンの意思決定や厳格な指揮系統を重視します。しかし、情報技術の発展やグローバル化が進むにつれて、このような垂直的な構造は、変化への対応が遅く、硬直的であるという批判を受けるようになりました。そこで、「lateral thinking(水平思考)」という概念が登場し、既存の枠組みにとらわれず、多角的な視点から問題解決を図るアプローチが重視されるようになったのです。この「lateral thinking」は、エドワード・デボノによって提唱され、ビジネスの世界を中心に広く普及しました。
「lateral」という言葉は、しばしば、既存の権威や慣習に対する挑戦を意味することがあります。例えば、企業における「lateral move(異動)」は、昇進を伴わない部署異動を指しますが、これは、必ずしもキャリアの停滞を意味するものではありません。むしろ、新たなスキルや経験を獲得し、自己成長を促す機会と捉えられることもあります。また、政治の世界においては、「lateral entry(中途採用)」という言葉が、専門的な知識や経験を持つ人材を、従来の官僚機構を経由せずに政府の要職に登用することを指すことがあります。これは、既存の政治体制に対する批判的な視点や、新しい発想を導入しようとする意図の表れと解釈できます。
このように、「lateral」という言葉は、単なる方向を示す言葉ではなく、組織や社会における権力構造、思考様式、価値観の変化を反映する鏡のような存在と言えるでしょう。それは、創造性、多様性、そして変化への適応力を重視する現代社会の精神を象徴しているのです。
試験傾向
準1級、1級の長文読解で出題される可能性あり。1級の語彙問題で問われることも。文脈から意味を推測する問題が多い。類義語(side, sideways)との区別を意識。
Part 7の長文読解で、ビジネスシーンに関する記事やメールで登場する可能性がある。直接的な語彙問題としては出題されにくいが、文脈理解に影響する。類義語や関連語句(horizontal, vertical)との識別が重要。
リーディングセクションで、学術的な文章の中で見られることがある。特に、科学、社会科学などの分野で、抽象的な概念を説明する際に用いられる。名詞、形容詞としての用法を理解し、文脈から正確な意味を把握する必要がある。
難関大学の長文読解で出題される可能性あり。文脈の中で意味を推測させる問題や、内容一致問題で間接的に問われることが多い。比喩的な意味合いで用いられる場合もあるため、注意が必要。