insurmountable
強勢は「マ」にあります。最初の 'in-' は弱く発音されるため、「イン」というより「ン」に近い音になります。'mount' の部分は、日本語の「マウント」よりも、口を大きく開けて「ア」に近い音を意識するとより自然です。語尾の '-able' は曖昧母音(シュワ)になりやすく、軽く「アブル」と発音します。全体を通して、リズムを意識して発音するとより英語らしくなります。
乗り越えられない
文字通りには「乗り越えることができない」という意味だが、単に物理的な障害だけでなく、精神的、感情的な困難に対しても使われる。しばしば問題や困難が非常に大きく、解決や克服が不可能であるという絶望感や圧倒される感覚を伴う。
The mountain climber stared at the giant rock wall, which seemed insurmountable.
登山家は巨大な岩壁を見つめ、それは乗り越えられないように見えた。
※ この文では、目の前にある物理的な壁が「insurmountable(乗り越えられない)」と感じられる様子を描写しています。目標が大きすぎて、とても達成できないと感じる時によく使われる表現です。「seem」と一緒に使うことで、「~のように見える」という客観的な困難さを表現できます。
When he saw the pile of papers, the task felt completely insurmountable.
彼が書類の山を見たとき、その仕事は完全に乗り越えられないと感じた。
※ ここでは、仕事や課題の量が多すぎて、とても終わらせられないと感じる状況を表しています。「insurmountable」は、物理的なものだけでなく、精神的な負担や抽象的な困難にも使われます。「feel」と一緒に使うことで、本人が「~だと感じる」という感情を表すことができます。
After losing the game, the team felt their goal of winning the championship was insurmountable.
試合に負けた後、チームは優勝するという目標が乗り越えられないと感じた。
※ スポーツで目標を失いかけたり、夢が遠のいたりするような、絶望感に近い状況で使われる例です。一度失敗して「もう無理だ」と感じる時にピッタリの表現です。「goal (目標)」や「dream (夢)」など、達成したいことに対して使われることが多いです。
打ち破れない
困難、障壁、挑戦などが、非常に強固で、いかなる努力や試みをもってしても克服できない状態を表す。戦略、計画、あるいは個人の能力の限界を示唆するニュアンスを含む。
The tired climber looked up at the steep mountain, which seemed insurmountable.
疲れた登山家は、目の前の険しい山を見上げ、それは乗り越えられないように思えた。
※ 疲れた登山家が、目の前の険しい山を見て「とても登りきれない」と感じている場面です。物理的な大きな障害物や困難な目標に対して「insurmountable」を使う典型的な例です。ここでは「which seemed insurmountable(それが乗り越えられないように見えた)」と、山がそう見えたことを表しています。
When the student saw the huge pile of homework, it felt insurmountable.
その生徒は山積みの宿題を見たとき、それは乗り越えられないと感じた。
※ 生徒が山積みの宿題を前にして、「こんなにたくさん、とても終わらない」と感じている場面です。目標や課題が「達成不可能」に思える時に「insurmountable」が使われます。ここでは「it felt insurmountable(それが乗り越えられないように感じられた)」と、宿題がそう感じられたことを表しています。
After his big failure, the feeling of despair seemed almost insurmountable.
大きな失敗の後、彼の絶望感はほとんど乗り越えられないように思えた。
※ 大きな失敗の後、その人が絶望感に打ちひしがれ、希望が見出せないと感じている場面です。感情や心理的な困難、たとえば深い悲しみや絶望が「乗り越えられない」と感じられる時に「insurmountable」を使うことができます。「almost」は「ほとんど」という意味で、「完全にではないが、それに近いほど」というニュアンスを加えます。
コロケーション
乗り越えられない障害、克服不可能な困難
※ 最も一般的で文字通りのコロケーションです。物理的な障害だけでなく、経済的な問題、人間関係の壁など、抽象的な困難にも使えます。ビジネスシーンやニュース記事でも頻繁に見られます。例えば、『The project faced insurmountable obstacles due to lack of funding.(そのプロジェクトは資金不足により乗り越えられない障害に直面した)』のように使います。単に『difficult obstacle』と言うよりも、絶望感や深刻さを強調するニュアンスがあります。
克服不可能な挑戦、太刀打ちできない難題
※ obstacleとほぼ同義ですが、challengeはより積極的に立ち向かうべき対象というニュアンスを含みます。スポーツ、ビジネス、個人的な目標など、達成困難な目標に対して使われます。『He saw the task as an insurmountable challenge.(彼はその仕事を克服不可能な難題だと捉えた)』のように、主観的な認識を表す場合もあります。似た表現に『daunting challenge』がありますが、insurmountableはより悲観的なニュアンスが強くなります。
乗り越えられないように見える、克服不可能に思える
※ この構文は、困難が主観的にどう感じられるかを表します。客観的に見て必ずしも不可能ではない場合でも、心理的な負担や絶望感が強調されます。『At first, the task seemed insurmountable.(最初は、その仕事は乗り越えられないように思えた)』のように、過去のある時点での感情を表すことが多いです。『appear insurmountable』も同様の意味で使えます。
結局乗り越えられないと判明する、克服不可能であることが証明される
※ seem insurmountableとは対照的に、prove insurmountableは、試みた結果、実際に克服不可能だったという客観的な事実を示します。『Despite their best efforts, the problems proved insurmountable.(彼らの最善の努力にもかかわらず、問題は結局乗り越えられないと判明した)』のように、努力が無駄に終わったという残念な結果を表すことが多いです。ビジネスや政治の文脈でよく使われます。
返済不可能な借金、どうにもならない負債
※ 経済的な困難を表す具体的な例です。個人だけでなく、国家レベルの財政危機にも使われます。『The country was burdened with insurmountable debt.(その国は返済不可能な借金に苦しんでいた)』のように、経済的な絶望感や将来への不安を伴う状況を示します。この表現は、単に「大きな借金」というだけでなく、解決策が見えない深刻な状況を示唆します。
乗り越えられない障壁、突破不可能な壁
※ obstacleと似ていますが、barrierはより具体的な、物理的な障壁を連想させる場合があります。しかし、人種差別、性差別、社会的な偏見など、目に見えない障壁にも使われます。『She faced insurmountable barriers in her career.(彼女はキャリアにおいて乗り越えられない障壁に直面した)』のように、社会的な構造によって個人の努力が阻まれる状況を表すのに適しています。
見たところ覆せないリード
※ スポーツや選挙などで、対戦相手やライバルが圧倒的な差をつけてリードしている状況を指します。 “apparently” を加えることで、客観的に見て勝敗が決まったように見える状況を表しますが、完全に希望がないわけではない、というニュアンスを含ませることもできます。例えば、「The team had an apparently insurmountable lead in the final quarter. (そのチームは最終クォーターで見たところ覆せないリードを奪っていた)」のように使われます。
使用シーン
学術論文や研究発表で、困難な問題や課題を説明する際に用いられます。例えば、「The insurmountable challenges in quantum computing research are...(量子コンピュータ研究における克服困難な課題は…)」のように、研究の障壁の大きさを強調する文脈で使用されます。文語的な表現です。
ビジネス文書やプレゼンテーションで、目標達成の困難さや競争の激しさを表現する際に使われます。例えば、「The insurmountable competition in the tech industry requires innovative strategies.(テクノロジー業界における乗り越えられない競争は、革新的な戦略を必要とする)」のように、状況の厳しさを伝えるために用いられます。フォーマルな場面での使用が想定されます。
日常会話ではあまり使いませんが、ニュース記事やドキュメンタリー番組などで、困難な状況や克服できない問題を説明する際に使われることがあります。例えば、「The refugees faced insurmountable barriers to resettlement.(難民たちは再定住への乗り越えられない障壁に直面した)」のように、深刻な状況を伝える文脈で用いられます。どちらかというと、書き言葉に近い表現です。
関連語
類義語
文字通り『不可能』を意味し、達成できないこと全般を指します。日常会話、ビジネス、学術など、あらゆる場面で使用されます。 【ニュアンスの違い】"insurmountable"が乗り越えられない困難を指すのに対し、"impossible"は物理的、論理的な不可能性も含む、より広い概念です。感情的なニュアンスは薄いです。 【混同しやすい点】"insurmountable"は困難だが挑戦する余地があるニュアンスを残すのに対し、"impossible"は完全に手詰まりの状態を示唆することがあります。日本語の『絶対不可能』に近いニュアンスです。
『耐えられない』という意味で、苦痛、悲しみ、プレッシャーなどが極限に達し、精神的に耐えられない状況を表します。主に感情的な苦痛について使われます。 【ニュアンスの違い】"insurmountable"が客観的な困難を指すのに対し、"unbearable"は主観的な感情に焦点を当てています。困難そのものではなく、困難によって引き起こされる感情が耐え難いという意味合いです。 【混同しやすい点】"insurmountable"は問題解決の文脈で使われることが多いですが、"unbearable"は感情的なサポートや逃避を求める文脈で使われることが多いです。解決策があるかどうかは問題ではなく、感情的な負荷に耐えられないことが重要です。
『圧倒的な』という意味で、量、力、感情などが非常に大きく、対応しきれない、または感情的に圧倒される状況を表します。良い意味でも悪い意味でも使われます。 【ニュアンスの違い】"insurmountable"が乗り越えられない困難を指すのに対し、"overwhelming"は困難の大きさ、または困難によって引き起こされる感情的な反応の大きさを強調します。必ずしも解決不可能とは限りません。 【混同しやすい点】"insurmountable"は困難自体に焦点を当てますが、"overwhelming"は困難が人に与える影響に焦点を当てます。例えば、"overwhelming support"(圧倒的な支持)のように、ポジティブな状況でも使われます。
- unconquerable
『征服できない』という意味で、軍事的な意味合いや、精神的な強さ、抵抗力などを指すことがあります。主に、敵、国、または精神的な障害など、打ち負かすことが非常に難しい対象に使われます。 【ニュアンスの違い】"insurmountable"が困難そのものを指すのに対し、"unconquerable"は打ち負かす対象、またはその対象が持つ抵抗力に焦点を当てます。より挑戦的な、英雄的なニュアンスがあります。 【混同しやすい点】"insurmountable"は、解決策がない困難を指すことが多いですが、"unconquerable"は、困難だが挑戦する価値がある、または挑戦し続けるべきだというニュアンスを含むことがあります。歴史的な文脈や文学的な表現でよく見られます。
- insuperable
"insurmountable"とほぼ同義で、『乗り越えられない』という意味を持ちます。フォーマルな文脈や、やや文学的な表現で使われることが多いです。 【ニュアンスの違い】"insurmountable"と非常に近い意味ですが、"insuperable"の方がよりフォーマルで、日常会話ではあまり使われません。また、若干古風な印象を与えることもあります。 【混同しやすい点】意味はほぼ同じですが、使用頻度が異なります。日常会話では"insurmountable"の方が一般的です。また、"insuperable"は、より抽象的な概念や困難に対して使われる傾向があります。
- undoable
『実行不可能』という意味で、カジュアルな表現です。計画やタスクが現実的でない、または達成できないと判断された場合に使われます。 【ニュアンスの違い】"insurmountable"がより深刻で、困難の度合いが高いことを示唆するのに対し、"undoable"は比較的軽いニュアンスで、単に非現実的であることを意味します。日常会話でよく使われます。 【混同しやすい点】"insurmountable"は、困難を乗り越えるための努力が不可能であることを示唆するのに対し、"undoable"は、最初から実行する価値がない、または実行する意欲がないことを示唆することがあります。フォーマルな場面には不適切です。
派生語
『登る』『立ち上がる』という意味の動詞で、ラテン語の『mons(山)』に由来。比喩的に『増大する』という意味にもなり、日常会話からビジネスまで幅広く使われる。名詞としては『山』を意味する。
『山』を意味する名詞。比喩的に『山のような』という意味で困難や課題を表すことがある。日常会話でもよく用いられる。
『最高の』『主要な』という意味の形容詞。『para-(〜に匹敵する)』と『mount(山)』が組み合わさり、『山に匹敵するほど重要な』という意味合いを持つ。ビジネスや政治の文脈で、最重要事項を指す際に用いられる。
反意語
- surmountable
接頭辞『in-(否定)』が取れた形で『乗り越えられる』という意味の形容詞。困難や障害が克服可能であることを示す。insurmountableが『絶望的な困難』を指すのに対し、surmountableは『努力すれば解決できる問題』というニュアンスで使用される。
『達成可能な』という意味の形容詞。insurmountableが文字通り『乗り越えられない』困難を指すのに対し、achievableは目標や計画が実現可能であることを強調する。ビジネスシーンで、現実的な目標設定を表す際によく用いられる。
語源
「insurmountable」は、「乗り越えられない」という意味ですが、その語源はラテン語に遡ります。この単語は、接頭辞「in-」(否定の意味)、「sur-」(上に、超えて)、「mount」(山、登る)、「-able」(~できる)という要素から構成されています。つまり、文字通りには「登ることができない」という意味合いです。「mount」は、山を意味するだけでなく、「馬に乗る」という意味も持ち、そこから「立ち向かう」「対処する」というニュアンスも派生しました。したがって、「insurmountable」は、文字通り山のように高く、乗り越えることができない、対処することが非常に困難な状況を指すようになったのです。例えば、日本のことわざで「太刀打ちできない」という表現がありますが、これと似たようなイメージで捉えることができます。
暗記法
「insurmountable」は、英雄を阻む神話の試練、カフカ作品の官僚制度の壁、ギリシャ悲劇の宿命など、人が抗えぬ巨大な障壁を象徴します。それは単なる物理的な障害に留まらず、社会構造に根ざす不正や差別をも指し示す言葉として、文化的な深みを持っています。個人の努力では到底打ち破れない壁。この言葉は、人間の無力さ、運命の残酷さ、社会の不条理を映し出し、困難に立ち向かう勇気と、より良い社会への希望を喚起するのです。
混同しやすい単語
接頭辞 un- が共通しており、スペルも似ているため混同しやすい。'insurmountable' は『乗り越えられない』という意味だが、'unaccountable' は『説明のつかない』『責任を負わない』という意味で、文脈が大きく異なる。日本人学習者は、接頭辞の有無と意味の違いに注意する必要がある。語源的には、'account'(説明する)に否定の 'un-' がついている。
'insurmountable' と同様に、接頭辞 in- が共通し、'support' という語幹が含まれるためスペルが似ている。'insurmountable' が物理的・比喩的に『乗り越えられない』という意味であるのに対し、'insupportable' は『支持できない』『耐えられない』という意味を持つ。文脈によって意味が大きく異なるため、注意が必要。接頭辞 in- は否定的な意味合いを付加することが多い。
接頭辞 un- と語尾の -able が共通しており、'mount' という動詞が含まれるため、スペルと意味の両面で混同しやすい。'insurmountable' は『乗り越えられない』という意味合いが強いが、'unmountable' は単純に『設置できない』『取り外せない』といった意味になる。例えば、「このソフトウェアは unmountable だ」のように使う。日本人学習者は、'sur-' の有無が意味に与える影響に注意する必要がある。
接頭辞 un- と語尾の -able が共通しており、語幹部分のスペルも似ているため、視覚的に混同しやすい。'insurmountable' は『乗り越えられない』という意味だが、'unremarkable' は『注目に値しない』『平凡な』という意味で、全く異なる。日本人学習者は、単語全体を注意深く見て、意味の違いを意識する必要がある。'remarkable' は 'mark'(印)に関連しており、『注目すべき印がついている』というイメージ。
接頭辞 in- が共通しており、音の響きも一部似ているため、特にリスニング時に混同しやすい。'insurmountable' は形容詞だが、'insulting' は形容詞または動詞 'insult' の現在分詞形であり、品詞も異なる。'insurmountable' が『乗り越えられない』という意味であるのに対し、'insulting' は『侮辱的な』という意味で、意味も大きく異なる。日本人学習者は、語尾の発音と意味の違いに注意する必要がある。
これは 'insurmountable' を分解した形に似ているため、誤ってスペースを入れてしまう可能性がある。'insurmountable' は一つの単語であり、'in superable' という表現は一般的ではない。『乗り越えられない』という意味を表す場合は、必ず 'insurmountable' という一語で記述する必要がある。日本人学習者は、複合語や派生語のスペルを正確に覚えることが重要。
誤用例
日本語の『乗り越えられない』という言葉から直訳すると、すぐに諦めるという結論に結びつけがちですが、英語では『insurmountable』は非常に強い言葉であり、完全に解決不可能であることを示唆します。英語圏では、問題が非常に困難であっても、すぐに諦めるのではなく、可能な限り解決策を探る姿勢が重要視されます。したがって、より慎重な表現を選び、解決への努力を示すべきです。"seems"(〜のように見える)を加えることで、問題の深刻さを認めつつも、可能性を模索するニュアンスが加わります。
『insurmountable』は物理的、または抽象的な『乗り越えられない壁』を指しますが、人間関係における障壁に対して使用すると、大げさで不自然に聞こえる場合があります。人間関係は複雑であり、完全に修復不可能ということは稀です。より適切なのは、『significant(重大な)』や『substantial(かなりの)』といった言葉で、障壁の大きさを表現しつつ、改善の余地を残すニュアンスです。日本人は、人間関係のトラブルを大げさに表現することを避ける傾向がありますが、英語ではより直接的に表現することが多いため、注意が必要です。
『insurmountable』は、文字通り『乗り越えられない』という意味合いが強く、美しさの形容には適していません。日本語の『圧倒的な美しさ』という表現から類推して使用してしまうミスです。美しい風景に対しては、『breathtaking(息をのむような)』や『stunning(見事な)』といった言葉が適切です。英語では、感情や感覚を表現する際に、より直接的で具体的な言葉を選ぶことが好まれます。また、『insurmountable』はネガティブな状況で使用されることが多いため、ポジティブな文脈で使用すると違和感があります。
文化的背景
「insurmountable(乗り越えられない)」という言葉は、西洋文化において、人間の努力や意志の限界を試すような、巨大で圧倒的な障壁を象徴します。それは、神話における英雄の試練、文学作品における主人公の葛藤、そして現実社会における不条理な苦難など、古来より人々が直面してきた、いかんともしがたい運命や状況を表現するために用いられてきました。
この言葉が持つ重みは、単なる物理的な障害物にとどまりません。例えば、フランツ・カフカの作品に登場する主人公たちは、官僚制度という名の「insurmountable」な壁に阻まれ、個人の尊厳や自由を奪われていきます。また、ギリシャ悲劇においては、登場人物たちは神託によって定められた「insurmountable」な運命に翻弄され、悲劇的な結末を迎えます。これらの物語は、「insurmountable」という言葉が、人間の力ではどうすることもできない、巨大な力やシステム、あるいは運命そのものを指し示すことを示唆しています。
さらに、「insurmountable」は、社会的な不正や差別といった、構造的な問題に対しても用いられます。例えば、貧困、人種差別、ジェンダー不平等といった問題は、個人の努力だけでは容易に解決できない、「insurmountable」な障壁として存在し続けています。これらの問題に立ち向かう人々は、「insurmountable」な壁を打ち破るために、社会全体の意識改革や制度改革を訴え、粘り強く戦い続けています。
このように、「insurmountable」という言葉は、単に「乗り越えられない」という意味以上の、文化的な深みを持っています。それは、人間の無力さ、運命の残酷さ、社会の不条理といった、普遍的なテーマを想起させ、私たちに、困難に立ち向かう勇気や、より良い社会を築くための努力を促す力を持っているのです。
試験傾向
主に長文読解、稀に語彙問題。
準1級以上でまれに出題。1級でより頻出。
アカデミックな話題、社会問題、環境問題など、硬めの文章で使われることが多い。
「insurmountable difficulties(乗り越えられない困難)」のようなコロケーションで覚えるのが効果的。類義語の「overwhelming」とのニュアンスの違いに注意。
主に長文読解(Part 7)。
TOEIC全体としては出題頻度は高くない。
ビジネス文書、レポート、契約書などで、問題や課題を説明する際に使われることがある。
ビジネスシーンで使われる可能性を考慮し、文脈から意味を推測する練習が必要。同義語の「unmanageable」なども覚えておくと役立つ。
リーディングセクションで頻出。
TOEFL iBTのリーディングセクションで頻繁に出題される語彙の一つ。
学術的な文章、特に歴史、社会科学、自然科学など、抽象的な概念を扱う文章でよく見られる。
語源(surmount: 乗り越える)から意味を推測する練習をすると良い。また、文脈におけるニュアンスを正確に把握することが重要。
長文読解問題、和訳問題、空欄補充問題など。
難関大学の入試問題で出題される可能性がある。特に記述式の問題で問われることがある。
社会問題、科学技術、哲学など、論理的な文章で使われることが多い。
文脈から意味を判断する練習が重要。また、文章全体の内容を理解する上で、この単語がどのような役割を果たしているかを意識することが大切。