英単語学習ラボ

ebb

/ɛb/(エブ)

母音 /e/ は日本語の「エ」とほぼ同じですが、より口を左右に開くことを意識すると、より自然な発音になります。語尾の /b/ は有声両唇破裂音で、唇を閉じてから息を破裂させるように発音します。日本語の「ブ」よりも、唇を閉じることを意識しましょう。

動詞

引いていく

潮が引くように、勢いや水位、感情などが徐々に減少・衰退していく様子。希望、熱意、体力などが徐々に失われていく状況で使われることが多いです。

We watched the ocean tide ebb slowly from the beach.

私たちはビーチから、海の潮がゆっくりと引いていくのを見ました。

【情景】太陽が輝くビーチで、波打ち際が少しずつ遠ざかっていく様子を想像してください。静かに海を眺めている、そんな穏やかな時間が伝わります。 【なぜ典型的?】「ebb」は「潮が引く」という意味で最もよく使われる単語です。海辺での会話や物語によく登場します。 【ヒント】「tide(潮)」は「ebb」と非常によく一緒に使われます。

The floodwaters started to ebb after the long, heavy rain.

長く激しい雨の後、洪水が引き始めました。

【情景】激しい雨が降り止み、水浸しになった道路や地面から、ゆっくりと水が引いていく様子が目に浮かびます。危険な状況が少しずつ改善されていく、安堵の気持ちが感じられるでしょう。 【なぜ典型的?】災害や天候のニュースなどで、「水が引く」「水位が下がる」という状況を伝える際によく使われます。人々の生活に直結する重要な場面です。 【ヒント】「floodwaters(洪水)」は複数形で使われることが多いです。「start to ebb」で「引き始める」という変化を表しています。

As night fell, the last light began to ebb from the sky.

夜が更けるにつれて、最後の光が空から引いていきました。

【情景】夕暮れ時、空に残っていたわずかな光がだんだんと弱まり、やがて闇に包まれていく、そんな静かで少し寂しい情景を思い描いてみてください。一日の終わりを感じさせる瞬間です。 【なぜ典型的?】「ebb」は物理的なものが「徐々に減少する」「消えていく」という比喩的な意味でも使われます。この例文では、光が「引いていく」ように消えていく様子を表現しており、詩的な表現としても自然です。 【ヒント】「As ...」は「~するにつれて」という意味で、時間の経過を表すときによく使われます。「begin to ebb」で「引き始める」という動作の始まりを示します。

名詞

引き潮

潮が引く状態、または引き潮の時間帯。比喩的に、衰退期や減少傾向を指すこともあります。

The ebb left many seashells on the sand, shining under the morning sun.

引き潮が引いた後、砂浜にはたくさんの貝殻が残り、朝日にきらめいていました。

この例文は、引き潮が去った後の砂浜の様子を描いています。潮が引くと、普段は水の下に隠れている貝殻などが現れるので、子供たちが夢中になって拾う情景が目に浮かびます。「ebb」が「引き潮」という現象自体を指す名詞として自然に使われています。

We waited for the ebb to safely explore the tide pools near the rocks.

私たちは、岩の近くの潮だまりを安全に探索するために、引き潮を待ちました。

この例文は、引き潮のタイミングに合わせて行動する様子を表しています。潮が引くと、岩場にできた小さな水たまり(潮だまり)に海の生き物が見られることがあります。潮の満ち引きが人々の活動に影響を与える、非常に典型的なシチュエーションです。「wait for the ebb」はよく使う表現です。

After the ebb, the ancient shipwreck became visible on the shallow seabed.

引き潮の後、古い難破船が浅い海底に姿を現しました。

この例文では、引き潮によって普段は見えないものが現れる、というドラマチックな情景を描いています。歴史的な発見や、自然の力がもたらす変化を感じさせます。「After the ebb, ...」のように、時間の経過や結果を説明する際に使われる典型的な文脈です。想像力をかき立てられるような場面ですね。

コロケーション

the ebb and flow

盛衰、変動、上がり下がり

文字通りには「引き潮と満ち潮」を意味し、そこから転じて、物事の絶え間ない変化、特に勢いや人気、運などの変動を表します。政治、経済、人間関係など、あらゆる分野における浮き沈みを表現するのに適しています。例えば、"the ebb and flow of public opinion"(世論の変動)、"the ebb and flow of the stock market"(株式市場の変動)のように使われます。潮の満ち引きという自然現象に根ざしているため、避けられない、自然な変化というニュアンスを含みます。口語、ビジネス、文学など、幅広い場面で使用されます。

ebb tide

引き潮

"ebb"に"tide"を組み合わせることで、文字通り「引き潮」を意味します。比喩的な意味合いは薄く、主に実際の海の状況や、潮汐に関する科学的な文脈で使用されます。ただし、比喩的に「衰退期」「減少期」を意味する場合もあります。例えば、"the ebb tide of his career"(彼のキャリアの衰退期)のように使われます。"low tide"も同様の意味ですが、"ebb tide"は、潮が引いていく過程に焦点を当てるニュアンスがあります。

spirits ebb

気持ちが沈む、意気消沈する

"spirits"は「精神」「気分」を意味し、それが"ebb"(引く)するということは、気持ちが沈んでいく様子を表します。困難な状況に直面したり、失望したりしたときに、徐々に元気がなくなっていく状態を表現するのに適しています。例えば、"My spirits began to ebb as the rain continued to fall."(雨が降り続くにつれて、私の気持ちは沈んでいった。)のように使われます。"spirits sink"も同様の意味ですが、"spirits ebb"は、徐々に、静かに気持ちが沈んでいくニュアンスがあります。

strength ebbs

力が衰える、体力が落ちる

"strength"(力、体力)が"ebb"(引く)するということは、体力や気力が徐々に衰えていく様子を表します。病気、疲労、高齢などによって、徐々に力がなくなっていく状態を表現するのに適しています。例えば、"As the disease progressed, his strength began to ebb."(病気が進行するにつれて、彼の力は衰え始めた。)のように使われます。"strength fails"も同様の意味ですが、"strength ebbs"は、徐々に、静かに力が衰えていくニュアンスがあります。

the ebb of life

人生の終焉、晩年

"life"(人生)が"ebb"(引く)するということは、人生が終わりに近づいている状態、つまり晩年を表します。直接的な表現を避け、婉曲的に死や晩年について語る際に用いられます。文学的な文脈でよく見られ、人生の終わりを穏やかな引き潮に例えることで、静かで自然な終わりを暗示します。例えば、"He was nearing the ebb of life."(彼は人生の終わりに近づいていた。)のように使われます。やや古風な表現であり、日常会話ではあまり使われません。

confidence ebbs away

自信が徐々に失われる

"confidence"(自信)が"ebb away"(徐々に引いていく)ということは、自信が少しずつ失われていく様子を表します。失敗が続いたり、批判を受けたりすることで、徐々に自信を失っていく状態を表現するのに適しています。"ebb away"とすることで、徐々に、そして不可避的に自信が失われていくニュアンスが強調されます。例えば、"As the deadline approached and the project fell behind schedule, her confidence began to ebb away."(締め切りが近づき、プロジェクトが遅れるにつれて、彼女の自信は徐々に失われていった。)のように使われます。

使用シーン

アカデミック

学術論文や専門書で、抽象的な概念や現象の減少、衰退を比喩的に表現する際に用いられます。例えば、経済学の研究で「投資家の信頼感が一時的に減退した(the investor confidence ebbed)」と記述したり、社会学の研究で「社会運動の勢いが衰えた(the social movement ebbed)」と分析したりする際に使われます。文語的な表現です。

ビジネス

ビジネスシーンでは、市場の動向、顧客の関心、またはプロジェクトの勢いなどが徐々に弱まる状況を説明する際に、ややフォーマルな文脈で使用されます。例えば、市場分析レポートで「新製品への関心が徐々に薄れている(Interest in the new product is ebbing)」と記述したり、プロジェクト会議で「初期の熱意が薄れてきている(The initial enthusiasm is ebbing)」と報告したりする場面が考えられます。日常会話よりは、文書やプレゼンテーションで使われることが多いでしょう。

日常会話

日常会話で「ebb」が使われることは稀ですが、ニュース記事や自然に関するドキュメンタリー番組などで、文字通り「引き潮」を意味する名詞として使われることがあります。例えば、「干潮時に海岸が現れる(The beach appears at ebb)」といった表現です。比喩的な意味で使われる場合は、例えば誰かの気分が沈んでいる様子を「彼の元気は少しずつ引いているようだ(His energy seems to be ebbing away)」のように表現することがありますが、これはやや文学的な言い回しです。

関連語

類義語

  • 後退する、引く、遠ざかるという意味で、水、感情、問題などが徐々に減少または消えていく状況を表します。物理的な後退だけでなく、抽象的な概念にも使われます。日常会話、ニュース、学術的な文脈で使用されます。 【ニュアンスの違い】"ebb"と比べて、より一般的な表現で、潮の満ち引きだけでなく、広範囲な後退現象に使われます。感情や問題の後退を表す場合、"ebb"よりも直接的で、感情的な強さは弱いです。 【混同しやすい点】"recede"は自動詞としても他動詞としても使えますが、他動詞として使う場合は目的語が必要です。また、物理的な後退だけでなく、抽象的な概念にも使える点が"ebb"と異なります。

  • (月が)欠ける、衰える、減退するという意味で、力、影響力、人気、月などが徐々に減少していく様子を表します。文学的な表現や、やや古風な言い回しとして使われることがあります。 【ニュアンスの違い】"ebb"よりも衰退のニュアンスが強く、特に徐々に弱まっていく状態を表すのに適しています。また、"wane"は比喩的な意味合いが強く、物理的な現象よりも抽象的な概念に使われることが多いです。 【混同しやすい点】"wane"は自動詞であり、他動詞としては使えません。また、日常会話ではあまり使われず、文学的な表現や古風な言い回しとして使われることが多い点に注意が必要です。

  • 減少する、小さくなる、弱まるという意味で、数量、重要性、明るさなどが徐々に減少していく状況を表します。ビジネス、学術、日常会話など、幅広い場面で使用されます。 【ニュアンスの違い】"ebb"よりも一般的な表現で、減少の程度や範囲が広いです。感情や勢いが弱まる場合にも使えますが、"ebb"のような潮の満ち引きのイメージはありません。 【混同しやすい点】"diminish"は自動詞としても他動詞としても使えます。また、物理的な減少だけでなく、抽象的な概念にも使える点が"ebb"と異なります。数量的な減少を表す場合に特に適しています。

  • 鎮まる、静まる、収まるという意味で、嵐、騒ぎ、痛み、感情などが静まる、または弱まる状況を表します。ニュース、医療、日常会話など、幅広い場面で使用されます。 【ニュアンスの違い】"ebb"とは異なり、一時的な激しさや高まりがあったものが落ち着くニュアンスがあります。感情や痛みが和らぐ場合に使われ、徐々に減少していくというよりも、ピークを過ぎて落ち着くイメージです。 【混同しやすい点】"subside"は自動詞であり、他動詞としては使えません。また、問題や感情が静まるという意味合いが強く、物理的な現象にはあまり使われません。洪水が引く、などの状況にも使えます。

  • 衰退する、減少する、低下するという意味で、経済、健康、人気、道徳などが徐々に悪化、または減少していく状況を表します。ビジネス、学術、ニュースなど、フォーマルな場面でよく使われます。 【ニュアンスの違い】"ebb"よりもネガティブなニュアンスが強く、良い状態から悪い状態へと徐々に変化していく様子を表します。また、抽象的な概念に使われることが多く、物理的な現象にはあまり使われません。 【混同しやすい点】"decline"は自動詞としても他動詞としても使えます。また、"decline"は名詞としても使われ、「衰退」「減少」「辞退」などの意味を持ちます。ビジネスシーンで「辞退する」という意味で使う頻度が高いです。

  • 減少させる、軽減するという意味で、痛み、負担、影響などを減らす、または小さくする状況を表します。日常会話、ビジネス、学術など、幅広い場面で使用されます。他動詞として使われることが多い。 【ニュアンスの違い】"ebb"が自動詞的なニュアンスが強いのに対し、"lessen"は他動詞として使われることが多く、何かの作用によって減少させるというニュアンスがあります。また、抽象的な概念に使われることが多く、物理的な現象にはあまり使われません。 【混同しやすい点】"lessen"は主に他動詞として使われますが、自動詞として使われることもあります。また、"lessen"は減少の対象が具体的で、数値化できるものに対して使われることが多いです。

派生語

  • abate

    『(勢いが)弱まる、減る』という意味の動詞。『ab-(離れて)』+『bate(打つ、叩く)』が組み合わさり、元々は『打ち払われる』イメージ。潮が引くように、苦痛や騒ぎが静まる様子を表す。法律用語としても使われ、訴訟などが『中止される』意味も持つ。使用頻度はebbより高い。

  • abatement

    『減少、軽減』という意味の名詞。動詞abateから派生し、抽象的な概念を表す。税金の軽減措置(tax abatement)など、ビジネスや法律関連の文書でよく見られる。潮の引きを表すebb tideよりもフォーマルな文脈で使用される。

  • ebb tide

    文字通り『引き潮』を意味する複合名詞。ebbが直接的に使われている。比喩的に、勢いや活力が衰退する時期を表す際にも用いられる。日常会話でも使われるが、専門的な文脈でも用いられる。

反意語

  • 『洪水』という意味の名詞だが、『(感情などが)溢れる』という意味の動詞としても使われる。ebbが潮の引きを表すのに対し、floodは潮の満ち、水かさが増す状態を表す。比喩的には、感情や情報が押し寄せる状況を指す。日常会話からニュース報道まで幅広く使われる。

  • 『(波などが)押し寄せる、急増する』という意味の動詞・名詞。ebbが徐々に引いていくのに対し、surgeは急激に押し寄せるイメージ。電力のサージ(surge)や、需要の急増(surge in demand)など、様々な文脈で使用される。ビジネスや科学技術分野でも頻出。

  • 『(月が)満ちる、大きくなる』という意味の動詞。ebbが潮の満ち引きという自然現象に由来するのに対し、waxは月の満ち欠けという別の自然現象に関連する。比喩的に、力や影響力が増大する様子を表す。文学的な表現や、歴史的な記述に用いられることが多い。

語源

「ebb」の語源は、古英語の「ebba」に遡ります。これは「後退する潮」や「衰退」といった意味を持っていました。さらに遡ると、ゲルマン祖語の「*abjanan」(離れる、去る)に由来すると考えられています。この語根は、例えば「away」(離れて)という単語にも痕跡を残しており、何かから離れていく、減退していくというイメージを共有しています。日本語で例えるなら、潮が「引く」という動作そのものが、「ebb」の持つ本質的な意味合いを捉えていると言えるでしょう。潮が引くように、何かが徐々に減少していく、勢いを失っていく様子を表す言葉として、「ebb」は使われています。

暗記法

「ebb(潮が引く)」は、文学や文化で衰退の象徴として深く根付いています。シェイクスピアは人の運命を潮の満ち引きに例え、チャンスの到来と喪失を描写しました。愛や希望の「ebb」は、感情の減退や活力の喪失を表現します。景気や政治的影響力の「ebb」は、社会や経済の衰退を意味します。潮の満ち引きのように、社会も繁栄と衰退を繰り返す。この周期的な変化は、歴史を学び未来を予測する手がかりとなるでしょう。

混同しやすい単語

『ebb』と『flow』は対義語の関係にあり、文脈によってはセットで登場するため、意味を混同しやすい。『ebb』は潮が引く、衰退するという意味ですが、『flow』は潮が満ちる、流れるという意味です。発音も母音部分が似ているため注意が必要です。特に、抽象的な意味で『ebb and flow(盛衰)』という表現を使う場合に、それぞれの意味を正確に理解しておく必要があります。

『ebb』と『web』はどちらも短い単語で、子音と母音の組み合わせが似ているため、発音を聞き間違えたり、スペルを書き間違えたりすることがあります。『web』は『クモの巣』や『インターネット』といった意味で使われます。特にIT関連の文脈では頻出するため、混同しないように注意しましょう。また、発音記号を確認し、/e/と/ɛ/の違いを意識すると良いでしょう。

abs

『ebb』と『abs』は、どちらも短い単語で、子音で始まり子音で終わるという構造が似ています。『abs』は『abdominal muscles(腹筋)』の略語として使われます。特にフィットネス関連の文脈でよく見かけるため、混同しないようにしましょう。また、『ebb』が動詞として使われるのに対し、『abs』は名詞である点も異なります。

bib

『ebb』と『bib』は、どちらも3文字の短い単語で、語尾が同じ『b』で終わるため、スペルを混同しやすいことがあります。『bib』は『よだれかけ』という意味です。特に幼児向けの製品や育児に関する文脈で使われることが多い単語です。発音も似ているため、文脈から判断することが重要です。

elf

『ebb』と『elf』は、どちらも短い単語で、語尾が子音で終わるという点が共通しています。発音も母音部分がやや似ているため、聞き間違いやすいことがあります。『elf』は『妖精』という意味で、ファンタジー関連の文脈でよく登場します。特に物語やゲームなどの文脈では頻出するため、混同しないように注意が必要です。

Ed

『ebb』と『Ed』は文字数が少なく、母音字『e』で始まるという共通点から、スペルを混同する可能性があります。『Ed』は男性の名前『エドワード』の愛称として一般的です。人名として使われる場合と、潮の満ち引きを表す『ebb』とでは、文脈が大きく異なるため、注意が必要です。

誤用例

✖ 誤用: The company's profits ebbed due to the economic crisis, but they will ebb again soon when the market recovers.
✅ 正用: The company's profits ebbed due to the economic crisis, but they will rebound/recover soon when the market recovers.

『ebb』は基本的に『引いていく』一方的な減少を表し、再び増加するというニュアンスは含みません。日本語の『潮が引く』という表現から、一時的な減少と捉え、すぐに回復するという期待を込めて使ってしまう誤りが見られます。しかし、英語では回復には『rebound』や『recover』といった語を用いるのが自然です。経済状況の回復を『ebb again』と表現すると、再び悪化するという意味合いになり、意図と反する可能性があります。英語では、一度減少したものが再び増える場合は、明確に異なる動詞を使うことが重要です。

✖ 誤用: His anger ebbed after she apologized, but I could still see the ebb in his eyes.
✅ 正用: His anger subsided after she apologized, but I could still see the lingering resentment in his eyes.

『ebb』は感情や抽象的な概念の減少にも使えますが、可視的な『引き』のイメージが強く、感情のニュアンスを表現するにはやや不自然です。特に『目に見えるebb』という表現はぎこちなく、感情の残滓を表すには適していません。より自然な英語では、感情が『subside(静まる)』や『linger(残る)』といった動詞を使用し、感情の具体的な種類(resentment:恨み)を名詞で表現することで、より繊細な感情の機微を伝えることができます。日本人が感情を直接的に表現することを避け、間接的な比喩表現に頼ろうとする際に、『ebb』のような語が安易に選ばれる傾向があります。

✖ 誤用: The tension in the room ebbed as soon as the CEO entered, and everyone felt relieved.
✅ 正用: The tension in the room dissipated as soon as the CEO entered, and everyone felt relieved.

『ebb』は徐々に減少していくイメージですが、緊張感や雰囲気などが急激に消え去る場合には、必ずしも最適な表現ではありません。日本語の『(緊張が)引いていく』という表現から直訳的に『ebb』を選んでしまうことが考えられます。しかし、英語では、緊張感が突然消える場合は『dissipate(消散する)』や『vanish(消える)』といった語がより適切です。『ebb』は、例えば潮の満ち引きのように、緩やかな変化を表す場合に適しています。ビジネスシーンなど、フォーマルな文脈では、より正確な意味を持つ語を選ぶことが重要です。

文化的背景

「ebb(潮が引く)」という言葉は、単なる自然現象の描写を超え、人間の運命、感情、そして社会の盛衰といった、不可逆的な変化や衰退の象徴として、文学や文化の中で深く根付いています。まるで生命の鼓動のように、満ち引きを繰り返す潮の流れは、私たち自身の内面や社会の変動を映し出す鏡として、古くから人々の心を捉えてきました。

「ebb」が持つ文化的な重みを最も鮮やかに示すのは、おそらく文学作品でしょう。シェイクスピアの悲劇『ジュリアス・シーザー』において、ブルータスの運命が潮の満ち引きにたとえられる場面は、その好例です。「There is a tide in the affairs of men, Which, taken at the flood, leads on to fortune; Omitted, all the voyage of their life Is bound in shallows and in miseries. On such a full sea are we now afloat, And we must take the current when it serves, Or lose our ventures.(人の世には潮の流れというものがある。満潮の時に乗じれば幸運に至るが、逸すれば生涯は浅瀬と悲惨に縛られる。我々は今、満ち潮に乗っている。流れに乗るべき時に乗らねば、冒険は水泡に帰すだろう)」この言葉は、チャンスの到来と喪失、そしてそれらが人生に及ぼす影響を、「ebb and flow(潮の満ち引き)」のイメージを通して見事に表現しています。満ち潮に乗るか、引き潮に飲み込まれるかという選択は、個人の運命だけでなく、国家や文明の盛衰にも当てはまる普遍的なテーマなのです。

また、「ebb」はしばしば、感情の減退や活力の喪失といった、内面的な変化を表す比喩としても用いられます。例えば、愛の「ebb」は、かつて情熱的だった関係が冷めていく様子を、痛切に描写します。希望の「ebb」は、困難な状況に直面した際に、失意や絶望が徐々に押し寄せてくる感覚を表現します。このように、「ebb」は目に見えない感情や精神的な状態を、具体的なイメージとして捉えやすくする力を持っているのです。潮が引いた後の静寂は、喪失感や虚無感といった、言葉では表現しにくい感情を、より深く理解するための手がかりとなります。

さらに、社会や経済の変動を語る際にも、「ebb」は重要な役割を果たします。景気の「ebb」は、好況から不況への移行、つまり経済的な衰退を意味します。政治的な影響力の「ebb」は、かつて強大だった勢力が弱体化していく過程を指し示します。このように、「ebb」は単なる自然現象の描写を超え、社会の構造や権力の変遷といった、より複雑な概念を理解するためのレンズとして機能するのです。潮の満ち引きが繰り返されるように、社会もまた、繁栄と衰退のサイクルを繰り返します。この周期的な変化を認識することは、歴史を学び、未来を予測するための重要な手がかりとなるでしょう。

試験傾向

英検

準1級・1級の長文読解で出題される可能性あり。主に、比喩的な意味合いで「衰退」「減退」といった意味で使われることが多い。語彙問題として直接問われることは比較的少ないが、文章全体の理解を左右する重要な単語。

TOEIC

Part 7(長文読解)で、景気やビジネスの状況を表す文脈で登場することがある。「減少」「衰退」といった意味合いで、売り上げや利益の減少を表現する際に使われる。Part 5(短文穴埋め)で直接問われる可能性は低い。

TOEFL

アカデミックな文章で、抽象的な概念や社会現象の衰退を表す際に用いられる。例えば、文化の衰退、影響力の減退など。読解問題で、パラフレーズされた表現を選ぶ問題で出題される可能性がある。名詞形・動詞形両方の意味を理解しておく必要がある。

大学受験

難関大学の長文読解で出題される可能性が高い。経済、社会、歴史など、幅広いテーマで「衰退」「減退」といった意味で使用される。文脈から意味を推測する能力が求められる。記述問題で類義語(declineなど)を使って言い換える問題も考えられる。

免責事項

英単語学習ラボは生成AIで機械的に意味や英語表現を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。

このページについて

作成:英単語学習ラボ
生成支援:Google Gemini
最終更新:2025年7月18日

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