英単語学習ラボ

conscience

/ˈkɒnʃəns/(カーンシャンス)

第一音節に強勢があります。母音 /ɑː/ は日本語の「ア」よりも口を大きく開けて発音します。「sci」の部分は「シ」ではなく、/ʃ/の音(「シュ」に近い音)になることに注意してください。最後の /əns/ は曖昧母音で、力を抜いて発音するとより自然です。

専門的な内容に関するご注意

このページには、健康、金融、法律など、専門的な知識を必要とする内容が含まれている可能性があります。本サイトの情報は学習目的で提供されており、専門家による助言の代わりとなるものではありません。重要な判断を行う際には、必ず資格を持つ専門家にご相談ください。

名詞

良心

善悪を判断する心の声。正しい行いをしようとする気持ち。道徳的な判断基準となる内なる感覚。

His conscience bothered him after he took the last cookie without asking.

彼は聞かずに最後のクッキーを取ってしまった後、良心がとがめた。

この例文は、内緒で何かをしてしまい、後から「悪いことしちゃったな」と心がチクチクするような場面を描いています。「bothered him」は「彼を悩ませた」という意味で、「良心がとがめる」という罪悪感や後悔の気持ちを表すのに非常によく使われる表現です。子供から大人まで、誰にでも起こりうる心の動きを想像しやすいでしょう。

She decided to tell the truth, following her conscience, even though it was difficult.

難しかったけれど、彼女は良心に従って真実を話すことにした。

正直になることが怖かったり、不利になったりする状況でも、「やっぱり正しいことをしよう」と決断する心の葛藤と行動を示しています。「following her conscience」は「良心に従う」という、自分の倫理観や正しいと思う気持ちに基づいて行動する様子を表す典型的なフレーズです。道徳的な選択をする場面でよく使われます。

The teacher asked the students to think about their conscience before cheating on the test.

先生は生徒たちに、テストでカンニングする前に良心について考えるよう求めた。

この例文は、何か不正な行動をする前に、一度立ち止まって「これは正しいことかな?」と自分に問いかけるよう促す場面です。「think about their conscience」は「良心について考える」という意味で、自分の行動が倫理的に正しいか熟考するよう促す際によく用いられます。学校や社会生活における道徳的な判断を問う状況で使われます。

名詞

良心の呵責

悪いことをした、あるいは悪いことをしようとした時に感じる心の痛みや罪悪感。良心が痛む状態。

He couldn't sleep well because his conscience bothered him after he lied.

彼は嘘をついた後、良心の呵責に苛まれてよく眠れませんでした。

この例文では、何か悪いことをした後に「良心が心を悩ませる」という、まさに「良心の呵責」の中心的な感覚が描かれています。夜、ベッドで寝返りを打つ彼の姿が目に浮かびませんか? 'bother' は「〜を悩ませる、困らせる」という意味で、良心が心に重くのしかかる様子を自然に表現できます。

Her conscience told her not to cheat on the important exam.

彼女の良心が、大切な試験でカンニングしないように告げました。

この例文は、悪いことをしようとした時に「良心がストップをかける」という状況を描いています。試験中に誘惑にかられるものの、内なる声(良心)がそれを押しとどめる、という誰もが経験しうる葛藤の場面です。'tell + 人 + not to do' の形で「〜しないように言う」と、良心からのメッセージを表現できます。

He showed no conscience even after breaking his promise to his friend.

彼は友達との約束を破った後も、少しも良心の呵責を見せませんでした。

この例文は、「良心の呵責を感じない、良心がない」という状況を表しています。通常は罪悪感を感じるような状況でも、全く動じない人の様子が伝わってきます。'show no conscience' や 'feel no conscience' は、「良心の呵責がない」という状態を表現する典型的なフレーズです。この表現を学ぶことで、「良心の呵責」がどのようなものかをより深く理解できます。

名詞

道義心

社会的な規範や倫理観に基づいて行動しようとする心の持ちよう。単なる個人的な良心を超え、社会全体への責任感を含む。

He wanted to take the candy, but his conscience told him it was wrong.

彼はお菓子を取りたかったけれど、良心がそれは間違っていると彼に告げた。

この例文は、子どもがお店でお菓子に手を伸ばしかけたけれど、心の中で「これはダメだ」という声がして思いとどまった、という場面を描いています。何か悪いことをしようとしたときに、内なる声がそれを止める、という「良心」の最も基本的な働きを表しています。このように、`conscience` は「~に…するように言う」という意味の `tell` と組み合わせて使われることがよくあります。

When she saw the old man drop his bag, her conscience made her help him.

彼女がおじいさんがバッグを落とすのを見た時、良心が彼女に彼を助けさせた。

道で、お年寄りが荷物を落として困っているのを見かけ、思わず「助けなければ」と感じて行動に移す、そんな場面をイメージしてください。困っている人を見たときに、助けるべきだと感じる「良心」の働きを表しています。`make + 人 + 動詞の原形` は「(人)に…させる」という意味で、ここでは良心が彼女の行動を強く促した様子が伝わります。

Despite the pressure, he spoke the truth, listening to his conscience.

プレッシャーにもかかわらず、彼は良心に耳を傾け、真実を話した。

この例文は、会議などで周りから都合のいい嘘を言うように求められるような、難しい状況を想像してみてください。それでも自分の心に従い、正直に真実を語る彼の姿が描かれています。困難な状況やプレッシャーの中で、正しいこと(真実)を選ぶ「良心」の働きを示しています。`listen to one's conscience` は「良心に従う」「良心の声を聞く」という、非常によく使われる表現です。

コロケーション

a guilty conscience

後ろめたい気持ち、罪悪感

「guilty(罪のある)」という形容詞が「conscience(良心)」を修飾し、罪悪感や良心の呵責がある状態を表します。何か悪いことをした、あるいはすべきことをしなかった場合に生じる感情です。例えば、「He had a guilty conscience about lying to his friend.(彼は友人に嘘をついたことを後ろめたく思っていた)」のように使われます。日常会話でもビジネスシーンでも頻繁に使われます。

a clear conscience

良心の呵責がないこと、潔白であること

「clear(澄んだ、 পরিষ্কার)」という形容詞が「conscience」を修飾し、後ろめたいことが何もない、潔白な状態を表します。これは「a guilty conscience」の対義語であり、自分の行動に自信を持っており、倫理的に正しいと信じている状態を示します。例えば、「She has a clear conscience because she always tries to do the right thing.(彼女はいつも正しいことをしようとするので、良心の呵責がない)」のように使われます。

search one's conscience

良心に問いかける、自問自答する

「search(探す)」という動詞が「conscience」を目的語にとり、自分の良心と向き合い、深く考えることを意味します。重要な決断をする前や、自分の行動を反省する際に用いられます。「良心の奥底を探る」というニュアンスで、より内省的な行為を表します。例えば、「Before making a decision, he searched his conscience to ensure he was doing the right thing.(決断を下す前に、彼は正しいことをしているか確認するために良心に問いかけた)」のように使われます。

prick someone's conscience

人の良心をチクリと刺す、罪悪感を抱かせる

「prick(チクリと刺す)」という動詞が「conscience」を目的語にとり、誰かに罪悪感や良心の呵責を抱かせることを意味します。直接的に非難するのではなく、間接的に相手の良心に訴えかけるような状況で使われます。例えば、チャリティ団体の広告が人々の良心を刺激し、寄付を促すような場合に使われます。「The advertisement pricked my conscience, and I donated to the charity.(その広告は私の良心を刺激し、私はその慈善団体に寄付した)」のように使われます。

a matter of conscience

良心の問題、倫理的な問題

「matter(問題)」が「conscience」と結びつき、単なる好き嫌いや個人的な意見ではなく、倫理観や道徳観に基づいて判断されるべき問題を指します。例えば、兵役拒否や特定の政治的立場などが「a matter of conscience」として扱われることがあります。「For him, refusing to participate in the war was a matter of conscience.(彼にとって、戦争への参加を拒否することは良心の問題だった)」のように使われます。

against one's conscience

良心に反して、本意ではない

「against(〜に反して)」という前置詞が「conscience」と結びつき、自分の倫理観や道徳観に反する行動をすることを意味します。何かをすることが自分の信念に反する場合に使われます。「I voted against my conscience.(私は本意ではない投票をした)」のように使われます。ビジネスシーンや政治的な文脈でよく使われます。

in all conscience

良心的に考えて、どうしても

「in all conscience」は、良心に照らして考えると、どうしても〜できない、あるいは〜せざるを得ない、という強いニュアンスを表します。何かを許可したり、行ったりする際に、倫理的に問題がないことを強調するために使われます。「I couldn't in all conscience refuse to help.(良心的に考えて、どうしても助けを拒否できなかった)」のように使われます。

使用シーン

アカデミック

倫理学、心理学、法学などの分野で、人間の道徳的判断や行動原理を議論する際に用いられます。例えば、「良心の自由」や「良心的な兵役拒否」といった概念を論じる論文や教科書で登場します。文語的な表現が中心です。

ビジネス

企業倫理やコンプライアンスに関する議論で使われることがあります。例えば、「企業の良心」や「良心的な経営」といった文脈で、企業の社会的責任を強調する際に用いられます。フォーマルな報告書やプレゼンテーションで使われることが多いです。

日常会話

日常会話ではあまり使われませんが、ニュースやドキュメンタリーなどで、倫理的な問題や個人的な葛藤を描写する際に使われることがあります。例えば、「良心の呵責に苛まれる」といった表現で、罪悪感や後悔の念を表す際に用いられます。

関連語

類義語

  • moral sense

    道徳的な感覚や判断力を指し、何が正しく何が間違っているかを理解する能力を表します。学術的な文脈や倫理的な議論でよく用いられます。 【ニュアンスの違い】"Conscience"が個人の内面的な良心に基づいて行動するのに対し、"moral sense"はより客観的な道徳基準に基づいているというニュアンスがあります。また、"moral sense"は社会的な規範や価値観との関連性が強いです。 【混同しやすい点】"Conscience"は具体的な行動に対する罪悪感や良心の呵責を伴うことが多いですが、"moral sense"はより抽象的な道徳的判断を指すため、感情的な要素が薄い場合があります。

  • scruples

    道徳的または倫理的な理由から、特定の行動をためらう気持ちを表します。しばしば複数形で用いられ、良心の呵責やためらいの気持ちを示唆します。文学作品やフォーマルな会話で使われることがあります。 【ニュアンスの違い】"Conscience"が一般的な道徳的判断を指すのに対し、"scruples"は特定の行動に対する倫理的な疑念や躊躇を表します。より個人的で具体的な状況に関連付けられます。 【混同しやすい点】"Scruples"は通常、行動を起こす前の迷いを指しますが、"conscience"は行動後にも罪悪感として現れることがあります。また、"scruples"は「〜するのをためらう」という文脈で使われることが多いです(例: have scruples about doing something)。

  • principles

    個人や組織が持つ基本的な信念や価値観を表します。行動や判断の指針となるもので、倫理的な文脈だけでなく、ビジネスや政治など幅広い分野で使用されます。 【ニュアンスの違い】"Conscience"が内面的な良心に基づいた判断を指すのに対し、"principles"はより明文化された、あるいは意識的な信念体系に基づいています。そのため、一貫性や客観性が強調される傾向があります。 【混同しやすい点】"Conscience"は状況に応じて変化することがありますが、"principles"はより普遍的で不変なものとして認識されることが多いです。また、"principles"は複数形で使われることが一般的です。

  • sense of right and wrong

    何が正しく何が間違っているかを判断する能力を指します。日常会話からフォーマルな場面まで幅広く使用され、道徳的な判断の基礎となる概念です。 【ニュアンスの違い】"Conscience"が内面的な良心の声として働くのに対し、"sense of right and wrong"はより一般的な道徳的感覚を指します。そのため、感情的な要素が薄く、客観的な判断に近いニュアンスがあります。 【混同しやすい点】"Conscience"は罪悪感や良心の呵責を伴うことが多いですが、"sense of right and wrong"は必ずしも感情的な反応を伴いません。例えば、「それは間違っていると分かっている」という場合に使われます。

  • moral compass

    道徳的な指針となる内なる感覚や価値観を指します。比喩的な表現で、正しい道を示す羅針盤のように、行動や判断を導くものを意味します。主に日常会話や文学的な表現で用いられます。 【ニュアンスの違い】"Conscience"が個人の内面的な良心に基づいているのに対し、"moral compass"はより広い意味での道徳的な方向感覚を指します。社会的な規範や倫理観を含む、より包括的な概念です。 【混同しやすい点】"Moral compass"は比喩的な表現であり、具体的な行動に対する良心の呵責よりも、人生の方向性や価値観に関連付けられることが多いです。また、"moral compass"は「自分の道徳的な羅針盤に従う」というように使われます。

  • 高潔さ、誠実さ、道徳的な一貫性を意味します。ビジネス、政治、倫理など幅広い分野で使用され、信頼性や倫理的な強さを表す重要な概念です。 【ニュアンスの違い】"Conscience"が個々の行動に対する良心の判断を指すのに対し、"integrity"は人格全体としての道徳的な一貫性を表します。より包括的で長期的な視点が含まれます。 【混同しやすい点】"Conscience"は特定の状況における罪悪感や良心の呵責を伴うことが多いですが、"integrity"は日々の行動や決断を通じて築き上げられる人格的な特徴です。また、"integrity"は「〜を持つ」という文脈で使われることが多いです(例: have integrity)。

派生語

  • 『良心的な』『誠実な』という意味の形容詞。名詞である『conscience(良心)』に、『~を持つ』という意味合いの接尾辞『-ious』が付加され、良心を持つ性質を表すようになった。ビジネス文書や推薦状など、人の性格や行動を評価する文脈でよく用いられる。日常会話でも、人の真面目さを褒める際に使用される。

  • unconscionable

    『良心的でない』『不当な』という意味の形容詞。接頭辞『un-(否定)』が『conscionable(良心的な、妥当な)』に付加され、意味を反転させている。法律や倫理の文脈で、特に不当な契約や行為を非難する際に用いられる。日常会話では、道徳的に許されない行為を批判する際に使われる。

  • consciously

    『意識的に』『自覚して』という意味の副詞。『conscious(意識的な)』に副詞化の接尾辞『-ly』が付いた形。心理学や哲学の議論、あるいは自己啓発関連の書籍など、人が何かを認識して行動する様子を説明する際に頻繁に登場する。日常会話でも、意図的な行動を強調する際に使われる。

反意語

  • amorality

    『道徳観念の欠如』『非道徳性』という意味の名詞。『a-(否定)』+『moral(道徳的な)』+『-ity(名詞化)』で構成され、『道徳がない状態』を指す。哲学、倫理学、社会学などの学術的な文脈で、個人の行動や社会現象を分析する際に用いられる。『conscience(良心)』が内面の道徳的指針を意味するのに対し、『amorality』は道徳的基準そのものが欠如している状態を指す点で対照的である。

  • 『無慈悲』『冷酷』という意味の名詞。『ruthless(無慈悲な)』に名詞化の接尾辞『-ness』が付いた形。『conscience』が良心に基づく行動を促すのに対し、『ruthlessness』は良心の呵責なしに行動することを意味する。ビジネスや政治の文脈で、目的達成のために手段を選ばない姿勢を批判的に表現する際に用いられることが多い。

語源

"Conscience(良心)"は、ラテン語の"conscientia"に由来します。これは"con-"(共に、完全に)と"scientia"(知識)が組み合わさった言葉です。つまり、文字通りには「共に知っていること」を意味します。この「共に知る」とは、自分自身と、道徳的な基準や価値観を「共に知っている」状態を指し、それが転じて「良心」という意味になりました。日本語で例えるなら、「自覚」という言葉が近いかもしれません。自分の行動や思考を客観的に認識し、それが正しいかどうかを判断する能力、それが良心です。"Scientia"(知識)は、英語の"science"(科学)の語源でもあり、知識や認識といった意味合いが、良心という概念の根底にあることを示しています。

暗記法

「良心」は西洋文化の羅針盤。神の声、魂の導きとして文学に登場し、ハムレットを苦悩させ、ラスコーリニコフを苛む。アダムとイブの物語は良心の目覚めを象徴。中世では神の意志とされ、ルネサンス以降は個人の倫理観へ。現代では企業倫理や政治にも影響するが、多様な価値観の中で判断は困難に。それでも良心は、人が本質的な問題と向き合うための重要な概念であり続ける。

混同しやすい単語

『conscience』と『conscious』は、スペルが非常に似ており、発音も最初の部分が同じであるため、混同しやすい単語です。『conscious』は『意識のある』『自覚している』という意味の形容詞であり、『conscience』(良心)とは品詞も意味も異なります。特に、語尾の '-science' と '-scious' の違いを意識することが重要です。また、発音も『-scious』は『シャス』のように発音される点に注意が必要です。

『conscience』と『conscientious』は、スペルが似ており、意味も関連があるため、混同しやすいです。『conscientious』は『良心的な』『誠実な』という意味の形容詞で、『conscience』(良心)から派生した単語です。スペルミスを防ぐためには、形容詞化された際の語尾の変化(-tious)を意識すると良いでしょう。

『conscience』の語尾にある『-science』は、名詞の語尾としてよく使われますが、『science』(科学)という独立した単語としても存在します。スペルの一部が共通しているため、混同しやすいですが、意味は全く異なります。他の単語の語尾にある『-science』に惑わされず、単語全体を見て意味を判断するようにしましょう。

『conscience』と『consent』は、最初の部分のスペルと発音が似ているため、混同しやすいです。『consent』は『同意』という意味の名詞または動詞であり、『conscience』(良心)とは意味が異なります。発音記号を確認し、それぞれの単語の発音を正確に区別することが重要です。特に、語頭の母音の発音に注意しましょう。

『conscience』と『confidence』は、スペルの一部(-fidence, -science)が似ているため、視覚的に混同しやすいです。『confidence』は『自信』という意味の名詞で、『conscience』(良心)とは意味が異なります。単語全体を注意深く見て、スペルの違いを認識することが重要です。

『conscience』と『census』は、語頭の発音が似ており、スペルも一部共通しているため、混同しやすいです。『census』は『国勢調査』という意味の名詞であり、『conscience』(良心)とは意味が異なります。特に、発音の微妙な違い(/ˈkɒnʃəns/ vs. /ˈsɛnsəs/)を意識し、文脈から意味を判断するようにしましょう。

誤用例

✖ 誤用: My conscience tells me to donate more money, so I must become rich quickly.
✅ 正用: My conscience tells me to donate more money, but I know I can only give what I can afford.

日本語の『良心』という言葉から、conscienceを『〜すべき』という義務感や願望の根拠として安易に使う誤用です。 Conscienceは、本来、道徳的な善悪の判断に基づいた『心の声』であり、行動の動機というよりは、むしろ行動の抑制や反省を促すニュアンスが強いです。この誤用は、日本語の『良心』が持つ、やや積極的な意味合いに引きずられていると考えられます。英語では、行動の動機を説明する際には、'sense of duty'や'moral obligation'など、より直接的な表現が適切です。

✖ 誤用: He has a big conscience, so he always apologizes profusely even for small mistakes.
✅ 正用: He has a strong sense of guilt, so he always apologizes profusely even for small mistakes.

ここでの誤用は、conscienceを『罪悪感』と混同していることに起因します。 Conscienceは、あくまで善悪の判断能力を指し、その判断の結果生じる感情である『罪悪感』(guilt)とは異なります。 日本語の『良心が痛む』という表現を文字通り英語にしようとすると、このような誤りが起こりやすいです。英語では、罪悪感を表現する際には、'sense of guilt'や'remorse'といった語彙を用いるのが適切です。また、文化的背景として、日本人は謝罪を重視する傾向があり、それがconscienceと罪悪感の混同を助長している可能性も考えられます。

✖ 誤用: The company's conscience is to maximize profit for shareholders.
✅ 正用: The company's guiding principle is to maximize profit for shareholders.

Conscienceは、通常、個人に対して用いられる概念であり、組織や企業などの集団に対して使うのは不自然です。 企業が掲げるべきものは、conscience(良心)ではなく、guiding principle(行動原理)やmission statement(使命)などです。 日本語では、企業理念を『企業の良心』と表現することがありますが、これは比喩的な表現であり、英語に直訳すると誤解を招きます。 英語では、企業倫理や社会的責任を強調する際には、'corporate ethics'や'social responsibility'といった表現を用いるのが一般的です。

文化的背景

「良心(conscience)」は、西洋文化において、個人の道徳的な羅針盤であり、社会の規範と個人の内なる価値観との間で葛藤する人間の本質を象徴する言葉です。古くは、神の声や魂の導きとされ、文学や哲学において、主人公を苦悩させ、成長を促す重要な要素として描かれてきました。

良心は、特にキリスト教文化において重要な意味を持ちます。アダムとイブが禁断の果実を食べた後、善悪の知識を得て自らの罪を意識したという創世記の物語は、良心の目覚めを象徴的に表しています。中世ヨーロッパでは、良心は神の意志を反映するものとされ、教会は人々の良心を導く役割を担っていました。しかし、ルネサンス以降、個人の自由や理性が重視されるようになると、良心は神の教えだけでなく、個人の内なる声、倫理観に基づく判断として捉えられるようになりました。

文学作品における良心の葛藤は、数多くの名作のテーマとなっています。例えば、シェイクスピアの『ハムレット』では、主人公ハムレットが父の復讐を果たすべきか否か、良心と義務の間で苦悩する姿が描かれています。また、ドストエフスキーの『罪と罰』では、貧困にあえぐ学生ラスコーリニコフが、高利貸しの老婆を殺害した後、良心の呵責に苛まれる様子が克明に描かれています。これらの作品は、良心が単なる道徳的な規範ではなく、人間の心理や行動に深く影響を与える力であることを示しています。

現代社会においても、良心は企業倫理や政治家の行動規範など、様々な場面で重要な役割を果たしています。しかし、グローバル化や情報化が進む現代においては、多様な価値観が存在し、何が正しいのか判断することが難しい場面も増えています。そのため、良心は、単なる道徳的な規範に従うだけでなく、自ら考え、判断する力として、より重要性を増していると言えるでしょう。良心という言葉は、時代や社会の変化とともにその意味合いを変えながらも、常に人間の本質的な問題と向き合うための重要な概念であり続けているのです。

試験傾向

英検

準1級・1級の語彙問題や長文読解で出題される可能性があります。**出題形式:** 語彙選択問題、長文読解の内容一致問題。**頻度と級・パート:** 準1級以上で比較的まれ。**文脈・例題の特徴:** 社会問題、倫理観、道徳観に関するテーマで登場しやすい。**学習者への注意点・アドバイス:** 'a matter of conscience' (良心の問題) のようなイディオムも覚えておきましょう。発音にも注意が必要です。

TOEIC

TOEICでは比較的出題頻度は低めです。**出題形式:** 長文読解(Part 7)。**頻度と級・パート:** あまり高くありません。**文脈・例題の特徴:** 企業倫理やCSR(企業の社会的責任)に関する記事で稀に使われる程度。**学習者への注意点・アドバイス:** TOEIC対策としては優先順位は低いですが、意味を知っておくに越したことはありません。

TOEFL

TOEFL iBTのリーディングセクションで、アカデミックな文章中に出てくることがあります。**出題形式:** 長文読解の内容一致問題、語彙問題。**頻度と級・パート:** 中程度の頻度。**文脈・例題の特徴:** 哲学、心理学、社会学など、倫理や道徳に関連する学術的な文脈で登場しやすい。**学習者への注意点・アドバイス:** 抽象的な概念を扱う文章で使われるため、文脈を正確に把握することが重要です。

大学受験

難関大学の入試で、長文読解のテーマとして扱われることがあります。**出題形式:** 長文読解の内容一致問題、空欄補充問題、和訳問題。**頻度と級・パート:** 大学によって大きく異なる。難関大学ほど出題可能性が高い。**文脈・例題の特徴:** 倫理、哲学、社会問題など、議論を呼ぶテーマで使われやすい。**学習者への注意点・アドバイス:** 文脈から意味を推測する能力が重要です。関連語句(ethical, moralなど)も一緒に覚えておきましょう。

免責事項

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このページについて

作成:英単語学習ラボ
生成支援:Google Gemini
最終更新:2025年7月18日

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