coherence
第一音節の /koʊ/ は二重母音で、日本語の「オ」から「ウ」へスムーズに変化させます。強勢は第二音節にあり、/ˈhɪr/ の部分を意識して強く発音しましょう。最後の /əns/ は曖昧母音を含むため、力を抜いて軽く発音するのがコツです。/r/ の音は舌を丸めるように意識すると、よりネイティブに近い発音になります。
一貫性
全体を通して首尾一貫していること。論理的な整合性や、言動・行動が矛盾しない状態を指す。文章、議論、計画など、様々な対象に用いられる。
Her presentation had strong coherence, so everyone understood her ideas clearly.
彼女のプレゼンテーションは強い一貫性があったので、誰もが彼女の考えをはっきりと理解しました。
※ この例文は、会議室で自信を持ってプレゼンする女性と、内容をすんなり理解する聞き手の様子を描写しています。「coherence」は、このように「話や文章の筋が通っていること」を表すのにぴったりです。プレゼンテーションやレポートなど、人前で何かを説明する場面でよく使われます。
The new project plan lacked coherence, confusing the team about the next steps.
新しいプロジェクト計画には一貫性がなく、チームは次のステップについて混乱しました。
※ この例文は、会議室で新しい計画書を読んで困惑するチームメンバーの情景を示しています。「lack coherence」で「一貫性が欠けている」という意味になります。計画や方針、議論などが論理的にまとまっていないときに使われる典型的な表現です。
After a long, confused argument, he finally found coherence in his thoughts.
長く混乱した議論の後、彼はついに自分の考えに一貫性を見出しました。
※ この例文は、激しい議論の後、混乱していた思考が整理され、納得する男性の内面的な変化を描いています。「find coherence in one's thoughts」は、「考えに一貫性を見出す」「考えがまとまる」という意味で、思考が整理される様子を表します。混乱した状態から、明確な理解に至る心理的な変化を伝えることができます。
まとまり
複数の要素が調和し、全体として統一感がある状態。デザイン、チームワーク、社会構造など、様々な対象に用いられる。
My teacher said my essay needs more coherence to be clear.
先生は、私のエッセイがもっと明確になるように、まとまりが必要だと言いました。
※ 学生が先生からエッセイのフィードバックをもらっている場面です。エッセイやレポートなど、文章が論理的にしっかりつながっている状態を「coherence」で表します。「clear(明確な)」と組み合わせることで、より分かりやすく伝わります。
His presentation lacked coherence, so it was hard to follow.
彼のプレゼンテーションにはまとまりがなく、ついていくのが大変でした。
※ 会議や授業で誰かの話を聞いている場面です。話の筋道が通っていて、聞き手が理解しやすい状態が「coherence」です。「lack (不足している)」と一緒に使うことで、「まとまりがない」という意味になります。話がバラバラで理解しにくい状況を表す典型的な表現です。
We need to improve the coherence of our team's project ideas.
私たちはチームのプロジェクトアイデアのまとまりを改善する必要があります。
※ チームで新しい計画を立てている場面です。複数のアイデアや計画が、全体として一貫性があり、論理的に関連している状態を「coherence」で表現します。ビジネスや学術的な文脈で、物事を整理し、より良いものにしようとする状況でよく使われます。
コロケーション
論理的一貫性
※ 議論や文章が首尾一貫していて、矛盾がない状態を指します。単に『coherence』と言うよりも、具体的にどのような一貫性なのかを示す場合に用いられます。学術論文やビジネス文書など、論理性が求められる場面で頻繁に使われます。例えば、『The argument lacks logical coherence.(その議論は論理的一貫性を欠いている)』のように使います。形容詞『logical』が加わることで、単なる表面的なつながりではなく、根拠に基づいた一貫性を強調するニュアンスがあります。
一貫性を欠く、まとまりがない
※ 文章や議論、計画などが首尾一貫していない状態を表します。日本語の『支離滅裂』に近いニュアンスです。ビジネスシーンでは、プレゼンテーションや報告書の内容が整理されていない場合などに使われます。例えば、『The presentation lacked coherence and was difficult to follow.(そのプレゼンテーションは一貫性がなく、理解するのが難しかった)』のように使います。動詞『lack』と組み合わせることで、欠如している状態を明確に示します。
一貫性を維持する、首尾一貫性を保つ
※ 議論や文章、政策などが一貫性を保ち続けることを意味します。特に、複雑な状況や変化の中で、当初の意図や方針を維持する場合に使われます。例えば、『It is important to maintain coherence in our policy decisions.(政策決定において一貫性を維持することが重要です)』のように使います。動詞『maintain』は、努力して維持するというニュアンスを含みます。
物語の一貫性、物語の整合性
※ 物語の筋や登場人物、設定などが矛盾なく、首尾一貫している状態を指します。文学作品や映画、ゲームなどの批評でよく用いられます。例えば、『The film suffers from a lack of narrative coherence.(その映画は物語の一貫性を欠いている)』のように使います。形容詞『narrative』が加わることで、単なる論理的な一貫性ではなく、物語としての整合性を強調するニュアンスがあります。
社会的結束、社会のまとまり
※ 社会における人々のつながりや連帯感、共通の価値観などを指します。社会学や政治学の分野でよく用いられます。例えば、『Immigration can threaten social coherence if not managed properly.(移民は適切に管理されないと、社会的結束を脅かす可能性がある)』のように使います。形容詞『social』が加わることで、個人レベルの一貫性ではなく、社会全体のまとまりを指すことが明確になります。
視覚的な一貫性、デザインの統一感
※ ウェブサイトや広告、プレゼンテーション資料などのデザインにおいて、色、フォント、レイアウトなどが統一され、調和が取れている状態を指します。デザインの分野でよく用いられます。例えば、『The website lacks visual coherence, making it difficult to navigate.(そのウェブサイトは視覚的な一貫性を欠いており、ナビゲートが難しい)』のように使います。形容詞『visual』が加わることで、視覚的な要素に限定された一貫性であることを示します。
一貫性を確立する、首尾一貫性を持たせる
※ 文章や議論、計画などに一貫性を持たせることを意味します。特に、複数の要素を組み合わせて、全体としてまとまりのあるものを作り上げる場合に用いられます。例えば、『The author tries to establish coherence between the different chapters of the book.(著者は本の各章の間に一貫性を確立しようとしている)』のように使います。動詞『establish』は、新たに作り出す、確立するというニュアンスを含みます。
使用シーン
学術論文、研究発表、講義などで頻繁に使用されます。特に、議論の論理性や文章構成の整合性を評価する際に重要です。例:「この論文の議論には一貫性がない (The argument in this paper lacks coherence.)」「研究結果の解釈に一貫性を持たせる (To maintain coherence in the interpretation of research findings.)」など、研究の質を評価する文脈でよく見られます。
ビジネス文書、プレゼンテーション、会議などで、プロジェクトの計画、戦略、報告内容などを説明する際に使用されます。明確な論理構造と一貫性のある説明が求められるため、重要なキーワードとなります。例:「プロジェクト全体の整合性を保つ (Maintain the coherence of the entire project.)」「チームの戦略に一貫性を持たせる (Ensure coherence in the team's strategy.)」など、組織としての意思統一や目標達成を意識した文脈で使われます。
日常会話ではあまり使用されませんが、ニュース記事、ドキュメンタリー、意見記事などで、社会問題や政治的な議論の文脈で登場することがあります。複雑な問題について、その論理的なつながりや整合性を評価する際に用いられます。例:「政府の政策の一貫性が問われる (The coherence of the government's policies is being questioned.)」「彼の主張には一貫性がない (His claims lack coherence.)」など、社会的な出来事や他者の意見を批判的に評価する文脈で見られます。
関連語
類義語
一貫性。主に、人の行動、意見、主張などが首尾一貫していることを指す。ビジネス、学術、日常会話など幅広い場面で使用される。 【ニュアンスの違い】"Coherence"は、個々の要素間の論理的なつながりや整合性を強調するのに対し、"consistency"は、時間や状況の変化に関わらず、同じ原則や基準が保たれていることを強調する。"Consistency"は、態度、行動、データなどに対して使われることが多い。 【混同しやすい点】"Coherence"は文章や議論などの構造的な整合性を指すことが多いが、"consistency"は必ずしも構造的な整合性を必要とせず、単に矛盾がない状態を指すことがある。例えば、「彼の話は首尾一貫している(consistent)」とは言えるが、「彼の話は凝集性がある(coherent)」とは言いにくい場合がある。
統一性、まとまり。複数の要素が一つにまとまっている状態を指す。政治、社会、芸術など、様々な文脈で使用される。 【ニュアンスの違い】"Coherence"は、要素間の論理的なつながりを強調するのに対し、"unity"は、要素間の協調や一体感を強調する。"Unity"は、感情や目的を共有しているグループに対して使われることが多い。 【混同しやすい点】"Coherence"は、個々の要素が論理的に関連し、全体として意味をなしている状態を指すのに対し、"unity"は、個々の要素が必ずしも論理的に関連している必要はなく、単に一体となっている状態を指すことがある。例えば、「チームの団結(unity)」はあっても、「チームの凝集性(coherence)」はない場合がある。
つながり、関連性。二つ以上の物事が互いに関係を持っている状態を指す。日常会話、ビジネス、学術など幅広い場面で使用される。 【ニュアンスの違い】"Coherence"は、より強固で論理的なつながりを意味するのに対し、"connection"は、より一般的で緩やかなつながりを意味する。"Connection"は、物理的なつながり、感情的なつながり、情報的なつながりなど、様々な種類のつながりを指す。 【混同しやすい点】"Coherence"は、複数の要素が相互に依存し、全体として一貫した意味をなしている状態を指すのに対し、"connection"は、要素が単に何らかの形で関連している状態を指す。例えば、「物語のつながり(connection)」はあっても、「物語の凝集性(coherence)」がない場合がある。論理的なつながりが弱い場合などにconnectionが用いられる。
一貫性。主に、人の行動、意見、主張などが首尾一貫していることを指す。ビジネス、学術、日常会話など幅広い場面で使用される。 【ニュアンスの違い】"Coherence"が文章や議論の構造的な整合性を指すのに対し、"consistency"は態度、行動、データなど様々な対象に適用可能。時間的な一貫性も含む。 【混同しやすい点】"Coherence"は主に文章や議論の内部構造に関わるが、"consistency"は必ずしも内部構造を必要とせず、時間経過や状況変化に対する一貫性を指すことが多い。例えば、「彼の証言は一貫している(consistent)」とは言えるが、「彼の証言は凝集性がある(coherent)」とは言いにくい。
- intelligibility
理解可能性、明瞭さ。情報や考えが理解しやすい状態を指す。学術、教育、日常会話などで使用される。 【ニュアンスの違い】"Coherence"は要素間の論理的なつながりを強調し、全体としてのまとまりを指すのに対し、"intelligibility"は聞き手や読み手が容易に理解できるかどうかという、受け手側の視点を重視する。 【混同しやすい点】"Coherence"は情報の構造的な特性であり、"intelligibility"は情報を受け取る側の理解度に関する特性である。文章が"coherent"であっても、専門用語が多用されていたり、背景知識が不足していたりすると、"intelligible"ではない可能性がある。
- logicality
論理性。思考や議論が論理的である性質を指す。学術、哲学、議論などで使用される。 【ニュアンスの違い】"Coherence"は、複数の要素が論理的に結びついている状態を指すのに対し、"logicality"は、個々の論理的なステップや推論の妥当性を指す。 "Logicality"は、議論や証明の正当性を評価する際に用いられる。 【混同しやすい点】"Coherence"は文章や議論全体の論理的な流れを指すことが多いが、"logicality"は個々の主張や推論の妥当性を指す。議論全体が"coherent"であっても、個々の主張に誤りがあれば、"logicality"が低いと言える。
派生語
『くっつく、固守する』という意味の動詞。接頭辞『ad-(〜へ)』と語根『-here-(くっつく)』から成り、物理的に付着する意味から、規則や主義に固執するという抽象的な意味にも発展。日常会話よりも、契約書や学術論文で『遵守する』という意味で使われることが多い。
『固有の、本来備わっている』という意味の形容詞。接頭辞『in-(中に)』と語根『-here-(くっつく)』に形容詞語尾『-ent』が付いた形。何かが本質的にその一部として『くっついている』イメージ。学術論文やビジネス文書で、性質や特徴を説明する際に用いられる。
- cohesion
『結束、結合』という意味の名詞。『cohere』の名詞形であり、社会的なつながりや文章の論理的な一貫性を指す。学術的な文脈や、チームワーク、社会構造などを議論する際に使用される。
反意語
- incoherence
接頭辞『in-(否定)』が付いた『incoherence』は、『非論理性、支離滅裂』という意味の名詞。文章や思考の一貫性の欠如を指し、『coherence』が示す状態の完全な反対。学術論文や議論において、論理的な欠陥を指摘する際に用いられる。
- disconnection
『分離、切断』を意味する名詞。接頭辞『dis-(分離)』がついており、物理的なつながりの欠如だけでなく、関係性や論理的なつながりの断絶も意味する。抽象的な文脈では、アイデアや情報が互いに関連性を持たない状態を表し、『coherence』が示すつながりの状態とは対照的である。
- randomness
『無作為、ランダム』を意味する名詞。『coherence』が示す秩序や一貫性とは対照的に、予測不可能で規則性のない状態を表す。統計学や情報理論などの分野で、データの分布や事象の発生がパターンを持たないことを指す際に用いられる。
語源
"Coherence」は、ラテン語の「cohaerere」(共にくっつく、結合する)に由来します。これは、「co-」(共に、一緒に)と「haerere」(くっつく、しがみつく)という二つの要素から構成されています。「haerere」は、接着剤のように何かが他のものにしっかりと付着している状態を表し、ここから「固執する」「動かない」といった意味合いも派生しています。日本語で例えるなら、「膠着状態」の「膠(にかわ)」が近いイメージかもしれません。「coherence」は、これらの要素が組み合わさることで、部分部分が互いにしっかりと結びつき、全体としてまとまりのある状態、つまり「一貫性」や「まとまり」といった意味を持つようになったのです。
暗記法
「コヒーレンス」は単なる一貫性にあらず。古代ギリシャ哲学では真理の証、中世キリスト教神学では神が創造した秩序と調和を意味しました。ダンテの『神曲』は、地獄から天国までを貫く壮大な物語として、人々の結束願望を表現。現代では、多様な価値観の中で共通目標を達成する鍵。社会、政治、企業、個人の内面まで、秩序と調和を保つ根源的な概念なのです。
混同しやすい単語
スペルが類似しており、特に接頭辞 'co-' と 'ad-' の違いを見落としやすい。意味は『固守、執着』であり、coherence(一貫性)とは意味が異なる。adherenceは規則や信念に『くっつく』イメージで捉えると覚えやすい。
スペルが似ており、'co-' の代わりに 'in-' が付いている点に注意が必要。意味は『内在、固有』であり、coherence(一貫性)とは意味が異なる。inherenceは、何かが元々『中に備わっている』状態を表す。
意味は少し異なるものの、文章や考え方における『対応、一致』という点で、coherence(一貫性)と関連付けられやすい。スペルも長いため、正確に覚える必要がある。correspondence は『手紙のやり取り』という意味もある。
発音記号の母音部分(ə)が共通しており、語尾の '-ence' という接尾辞も同じであるため、発音とスペルの両面で混同しやすい。意味は『出来事、発生』であり、coherence(一貫性)とは意味が異なる。occurrence は、ある事が『起こる』という動作に着目した単語。
語尾が '-ance' で終わる抽象名詞であり、スペルが似ているため混同しやすい。意味は『ためらい、躊躇』であり、coherence(一貫性)とは意味が異なる。hesitance は、行動する前に『迷う』状態を表す。
語源的に 'co-' を共有しており、何かを『調整する』という意味合いでcoherence(一貫性)と関連付けられやすい。coordinateは動詞、名詞、形容詞として使われるため、品詞にも注意が必要。
誤用例
「coherence」は「首尾一貫性」「論理的な整合性」を意味し、議論の構造そのものが矛盾なく筋が通っている状態を指します。一方、この例文では、話者が「彼が間違っていると知っている」にも関わらず同意してしまっているので、「coherence」ではなく、議論の「persuasiveness(説得力)」が適切です。日本人は「coherence」を「説得力」や「影響力」のような意味合いで誤用することがあります。これは、日本語の「一貫性がある」という言葉が、必ずしも論理構造の厳密さを意味せず、単に「意見が変わらない」というような意味でも使われるため、英語の「coherence」のニュアンスとのずれが生じるためです。
「coherence」は、主に議論や文章など、抽象的な思考の産物に対して用いられます。一方、「alignment」は、組織やシステムなど、複数の要素が連携して目標を達成する状態を指します。この例文では、会社全体の戦略と各部署の行動が一致していないことを問題にしているので、「alignment」を使うのが適切です。日本人は、「coherence」を「まとまり」や「連携」といった意味で捉えがちですが、英語ではより論理的なつながりを重視します。また、組織論においては「strategic alignment(戦略的整合性)」という言葉が頻繁に使われるため、「alignment」の方がよりビジネスシーンに適した語彙と言えます。
「coherence」は論理的な整合性を意味し、矛盾がないことを指します。しかし、証拠と矛盾する話は、論理的には「coherent(一貫性がある)」とは言えません。この文脈では、話が「plausible(もっともらしい)」、つまり、信じられるような印象を与える、という意味合いが適切です。日本人は「coherence」を「説得力」や「リアリティ」のように捉え、証拠がない場合でも、話がスムーズに展開されていれば「coherenceがある」と表現してしまうことがあります。しかし、英語では、論理的な整合性が崩れている場合は、別の語彙を選ぶ必要があります。
文化的背景
「coherence(コヒーレンス)」は、単に「一貫性」と訳されるだけでなく、社会や集団における結束力、個人の内面の調和、そして宇宙や自然の秩序といった、より根源的な一体感を象徴する言葉として用いられてきました。それは、ばらばらの要素が有機的に結びつき、全体として意味をなす状態を指し、文化的な文脈においては、理想的な社会構造や精神状態を表す概念として機能します。
古代ギリシャの哲学において、コヒーレンスは真理の基準の一つとされました。プラトンは、イデア界において、すべてのイデアが相互に整合性を持つと考え、その整合性こそが真実の証であると説きました。アリストテレスもまた、論理的な議論における一貫性を重視し、矛盾のない体系こそが知識の基盤であるとしました。これらの哲学的な探求は、西洋思想におけるコヒーレンスの重要性を確立し、後の時代の思想家たちに大きな影響を与えました。
中世ヨーロッパにおいては、キリスト教神学がコヒーレンスの概念をさらに発展させました。神の創造した世界は、秩序と調和に満ちており、すべてのものが神の計画に従って存在すると考えられました。この宇宙的な秩序は、人間の社会にも反映されるべきであり、教会や国家は、人々の生活を導き、社会の安定を維持する役割を担っていました。ダンテの『神曲』は、地獄、煉獄、天国という異なる世界を、神の意志によって結びつけられた一つの壮大な物語として描き出し、中世の人々のコヒーレンスに対する願望を表現しています。
現代社会においては、コヒーレンスは、多様な価値観が共存する社会において、共通の目標を達成するための重要な要素となっています。政治的な議論においては、政策の一貫性や整合性が重視され、企業経営においては、組織全体の目標達成に向けた協力体制が求められます。また、心理学においては、自己認識の整合性や感情の安定が、幸福な人生を送るための重要な要素であると考えられています。コヒーレンスは、個人から社会、そして宇宙に至るまで、あらゆるレベルにおいて、秩序と調和を保つための鍵となる概念なのです。
試験傾向
1. 出題形式: 主に長文読解、語彙問題。稀にライティングの評価基準としても間接的に関連。2. 頻度と級・パート: 準1級以上で頻出。1級でも出題される可能性あり。3. 文脈・例題の特徴: アカデミックな内容、論説文、説明文でよく見られる。意見論述問題の評価基準に関連することも。4. 学習者への注意点・アドバイス: 名詞としての「一貫性」「首尾一貫性」の意味を理解。形容詞coherent(一貫した)や副詞coherently(一貫して)も合わせて覚える。ライティングでは、文章全体のcoherenceを意識することが重要。
1. 出題形式: 主に長文読解(Part 7)。稀に語彙問題(Part 5)。2. 頻度と級・パート: Part 7で比較的高頻度。Part 5では難易度高めの問題として出題される可能性あり。3. 文脈・例題の特徴: ビジネス文書、報告書、Eメールなどで、計画や戦略の一貫性を示す文脈で使われることが多い。4. 学習者への注意点・アドバイス: 「一貫性」「整合性」の意味で、特に計画や戦略、提案などが論理的に矛盾なくつながっていることを示す文脈で使われることを理解する。類義語のconsistencyとの使い分けを意識する。
1. 出題形式: リーディングセクションで頻出。ライティングセクションの評価基準としても重要。2. 頻度と級・パート: リーディングセクションでは高頻度。3. 文脈・例題の特徴: アカデミックな内容、科学論文、社会科学系の文章でよく見られる。議論や理論の論理的な一貫性を示す文脈が多い。4. 学習者への注意点・アドバイス: アカデミックな文脈で使われることが多いため、抽象的な概念や理論が論理的に一貫していることを示す意味合いを理解する。類義語のunity, consistencyとのニュアンスの違いを理解する。ライティングでは、文章全体のcoherenceを意識して論理的な構成を心がける。
1. 出題形式: 主に長文読解。稀に語彙問題や英作文。2. 頻度と級・パート: 難関大学の入試問題で比較的高頻度。3. 文脈・例題の特徴: 論説文、説明文、評論文など、アカデミックな内容が多い。議論や主張の一貫性を示す文脈で使われることが多い。4. 学習者への注意点・アドバイス: 文脈の中で「一貫性」「首尾一貫性」の意味を把握することが重要。特に、抽象的な概念や議論の流れを理解する上でcoherenceが重要になることを意識する。類義語との比較や、反意語(incoherence)も合わせて学習すると理解が深まる。