英単語学習ラボ

barbarian

/bɑːˈbɛəriən/(バー(ル)ベェー(リ)ィアン)

最初の 'bar' の /ɑː/ は、日本語の「ア」よりも口を大きく開けて発音する長母音です。次に、'r' の音は、舌をどこにもつけずに口の中に浮かせるように発音します(アメリカ英語の場合)。'be' の部分は、曖昧母音の /ə/ になりやすく、弱く短く発音します。'ri' の /ɪ/ は、日本語の「イ」よりも口を少し横に引いて発音する短母音です。最後の 'an' の /ən/ も曖昧母音で、弱く短く発音します。強勢は 'bar' の部分に置かれるため、そこを意識して強調するとより自然に聞こえます。

名詞

未開の人

文明化されていない、あるいは粗野な人々を指す言葉。歴史的には、特定の民族や文化を指して使われたが、現代では侮蔑的な意味合いを含むことが多い。洗練されていない、教養がないといったニュアンスも含む。

The people in the ancient city called the strangers from the forest barbarians.

古代の都市の人々は、森から来た見知らぬ人々を野蛮人と呼んだ。

【情景】高い城壁に囲まれた古代の都市で、人々が森から現れた見慣れない集団を見て、彼らを「未開の人々」と呼んでいます。 【なぜ典型的か】「barbarian」は元々、古代ギリシャやローマ人が、自らの文明の外に住む人々(異なる言語を話し、異なる文化を持つ人々)を指して使った言葉です。この例文は、その歴史的な背景をシンプルに描いています。 【ポイント】自分たちとは異なる、未開で粗野だと見なす人々に対して使われることが多いです。

They shouted loudly in the art museum, like barbarians.

彼らは美術館で大声で叫び、まるで野蛮人のようだった。

【情景】静かで厳かな美術館の中で、一部の人が周りの迷惑を顧みず大声で騒いでいる場面。他の来館者が眉をひそめています。 【なぜ典型的か】「barbarian」は、現代では比喩的に、教養がなく、公共の場でのマナーを知らない粗野な振る舞いをする人に対して使われることがあります。美術館という「文化的な場所」での不適切な行動が、この言葉のニュアンスを際立たせます。 【ポイント】「like a barbarian」や「like barbarians」のように、「~のように」と比喩的に使うことで、その人の振る舞いが「未開的、野蛮である」という批判的なニュアンスを表せます。

In the fantasy story, a barbarian warrior fought bravely with a huge axe.

ファンタジー物語では、未開の戦士が巨大な斧を手に勇敢に戦った。

【情景】剣と魔法のファンタジー世界で、筋骨隆々の戦士が、大きな斧を振り回して敵と戦っている迫力あるシーン。 【なぜ典型的か】ファンタジー小説やゲームでは、「barbarian」はしばしば、文明から離れて暮らす、力強く、時に粗野だが勇敢な戦士のキャラクターとして登場します。この例文は、現代のポップカルチャーにおける「barbarian」の典型的な使われ方を示しています。 【ポイント】「warrior」(戦士)など、他の名詞と組み合わせて使うことで、どのような種類の「barbarian」なのかを具体的に描写できます。この文は、物語の世界観を伝えるのに適しています。

形容詞

野蛮な

洗練されていない、粗野な、あるいは残酷な様子を表す形容詞。行動や習慣、趣味など、様々なものに対して使われる。現代では、否定的な意味合いが強い。

The villagers were scared of the barbarian invaders from the mountains.

村人たちは山から来た野蛮な侵略者たちを恐れていました。

遠い昔、山からやってきた見知らぬ人々が、村を襲うような、粗野で乱暴なイメージを表現しています。特に、文明が未発達で残忍な行為をする人々に対して使われる、典型的な使い方です。

His barbarian behavior at the dinner table shocked all the guests.

食卓での彼の野蛮な振る舞いは、すべての客を驚かせました。

食事中に大声を出したり、手づかみで食べたりと、マナーが非常に悪い様子を表しています。洗練されていない、無作法な行動に対して「野蛮な」と表現することで、周囲の人が驚き、不快に感じている情景が目に浮かびます。

Tearing up the books was such a barbarian act, and the librarian was furious.

本を破り捨てるのは実に野蛮な行為で、図書館員は激怒しました。

物を大切にしない、破壊的な行いに対して使われる例です。特に、文化的な価値があるものを粗末に扱う様子は、「野蛮な」という言葉に込められた「文明的でない」「教養がない」というニュアンスをよく表しています。図書館員が怒っている様子から、その行為がいかに許しがたいかが伝わります。

コロケーション

barbarian hordes

野蛮な大群、未開の侵略者たち

歴史的な文脈でよく使われる表現で、特にローマ帝国時代にゲルマン民族などの『文明化されていない』と見なされた民族の大規模な侵攻を指します。現代では、比喩的に『無秩序で破壊的な集団』を指す場合もあります。文法的には "adjective + noun" の典型的な組み合わせですが、歴史的背景を知っておくと理解が深まります。ビジネスシーンで「競合他社が野蛮な勢いで市場を席巻している」のように使うことも可能です。

barbarian invasion

野蛮な侵略、未開の侵攻

"barbarian hordes" と同様に歴史的な文脈で用いられますが、こちらは『侵略』という行為そのものに焦点を当てています。ローマ帝国の衰退期を語る際に頻繁に登場する表現です。比喩的には、企業買収などで『友好的とは言えないやり方で乗り込んでくる』状況を指すことがあります。ニュース記事や歴史に関する書籍でよく見られます。

cultural barbarian

文化的な野蛮人、教養のない人

これは比喩的な表現で、高度な文化や芸術に対する理解や敬意を欠く人を指します。必ずしも暴力的な意味合いはなく、『芸術の価値を理解しない無粋な人』といったニュアンスです。例えば、美術館で騒いだり、クラシック音楽を理解しようとしなかったりする人を指して使われます。皮肉を込めて使われることが多いでしょう。

spiritual barbarian

精神的な野蛮人、道徳観念の欠如した人

こちらも比喩的な表現で、道徳的な価値観や精神性を軽視する人を指します。物質主義に走り、他人への配慮を欠くような人を指すことが多いです。文学作品や哲学的な議論で用いられることがあります。自己中心的で他者を顧みない人物を批判する際に使われます。

inner barbarian

内なる野蛮性、抑えきれない衝動

人間の内面に潜む、理性では制御できない衝動や本能を指します。心理学や哲学の分野で用いられることが多い表現です。例えば、怒りや欲望に駆られて衝動的な行動をとってしまうことを指します。自己啓発書などで見かけることがあります。

treat someone like a barbarian

〜を野蛮人のように扱う、〜に残酷な仕打ちをする

文字通り、相手を野蛮人に対するかのように、非人道的に扱うことを意味します。人種差別や虐待など、倫理的に問題のある行為を非難する際に用いられます。人権問題に関する議論でよく使われます。

the barbarians are at the gate

危機が迫っている、滅亡の危機

ローマ帝国の滅亡を想起させる表現で、組織や国家が内部崩壊の危機に瀕している状況を指します。文字通り『野蛮人が門の前に来ている』という意味から、差し迫った危険を強調する際に使われます。ビジネスシーンでは、競合の激化や市場の変化など、会社の存続を脅かすような状況を表すのに使われます。

使用シーン

アカデミック

歴史学や考古学の研究論文で、古代文明や民族を論じる際に「未開の部族」や「野蛮な侵略者」といった意味で使用されることがあります。また、文化人類学の分野では、特定の文化や社会を批判的に評価する際に比喩的に用いられることもあります。例えば、「グローバル化による文化の均質化は、多様性を破壊する野蛮な行為だ」のように、強い批判的ニュアンスを伴って使用されます。

ビジネス

ビジネスの文脈では、競争の激しさや倫理観の欠如を批判的に表現する際に比喩的に用いられることがあります。例えば、「過剰な利益追求は、顧客を犠牲にする野蛮な行為だ」のように、倫理的な問題提起をする際に使用されます。フォーマルな文書やプレゼンテーションで使われることは稀ですが、特定の業界や企業の体質を批判する記事などで見かけることがあります。

日常会話

日常会話ではあまり使われませんが、映画やゲームなどのフィクション作品の内容を説明する際に、「野蛮な敵が攻めてくる」のような形で用いられることがあります。また、スポーツの試合などで、相手チームのラフプレーを批判する際に、「野蛮なプレイだ」と非難するような場面で使われることもあります。ただし、相手を侮辱する意味合いを含むため、使用には注意が必要です。

関連語

類義語

  • 「野蛮な」「どう猛な」という意味で、文明化されていない状態や、残虐な行為を指す。人、動物、行為などに広く使用される。 【ニュアンスの違い】"barbarian"よりも感情的な意味合いが強く、道徳的な非難や嫌悪感を含むことが多い。また、"savage"は、未開の地や自然の力といった文脈でも使われる。 【混同しやすい点】"barbarian"が文化的な違いや異質さを強調するのに対し、"savage"は倫理的な欠如や残虐性を強調する。したがって、対象が人である場合、"savage"はより強い非難の意を含む。

  • uncivilized

    「未開の」「文明化されていない」という意味で、社会的な規範や文化的な洗練が欠けている状態を指す。人、社会、行動などに使用される。 【ニュアンスの違い】"barbarian"よりも客観的な記述であり、感情的なニュアンスは少ない。単に文明水準が低いことを示す場合や、文化的な違いを強調する場合に使われる。 【混同しやすい点】"barbarian"が外部からの視点に基づくことが多いのに対し、"uncivilized"は特定の文明基準からの逸脱を意味する。したがって、"uncivilized"は、ある社会の内部から見て、規範から外れていると判断される場合にも用いられる。

  • 「粗野な」「未熟な」という意味で、洗練されていない、未加工の状態を指す。行動、言葉、芸術作品などに使用される。 【ニュアンスの違い】"barbarian"よりも直接的な暴力性や残虐性を示唆する度合いは低いが、洗練されていない、粗雑な状態を示す。技術や知識の欠如を意味することが多い。 【混同しやすい点】"barbarian"が文化全体や社会全体を指すことがあるのに対し、"crude"は個々の行動や表現、物質の状態を指す。したがって、社会全体を評する場合には"crude"は不適切。

  • boorish

    「無作法な」「下品な」という意味で、礼儀作法や社会的なマナーをわきまえない態度を指す。主に人の行動や態度に対して使用される。 【ニュアンスの違い】"barbarian"よりも社会的な規範からの逸脱に焦点が当てられており、文化的な背景よりも個人の礼儀作法の欠如を強調する。日常会話でよく使われる。 【混同しやすい点】"barbarian"が文化全体を否定するニュアンスを含むのに対し、"boorish"は個人の行動に対する批判である。したがって、社会全体を評する場合には"boorish"は不適切。

  • feral

    「野生の」「飼い馴らされていない」という意味で、動物や人が飼育や社会的な制御から離れて野生化した状態を指す。 【ニュアンスの違い】"barbarian"が文化的な未開状態を指すのに対し、"feral"はより自然に近い、動物的な状態を指す。人に対して使う場合は、社会から隔絶された状態や、極端な反社会性を示す。 【混同しやすい点】"barbarian"が社会や文化との対比で使われるのに対し、"feral"は飼育された状態との対比で使われる。したがって、文化的な議論においては"feral"は不適切。

  • 「原始的な」「未開の」という意味で、技術や文化が発達していない状態を指す。社会、技術、芸術などに使用される。 【ニュアンスの違い】"barbarian"よりも時代的な意味合いが強く、過去の段階や初期の状態を示す。必ずしも否定的な意味合いを持つとは限らず、単純さや純粋さを評価する文脈もある。 【混同しやすい点】"barbarian"が外部からの評価を含むのに対し、"primitive"は発達の段階を示す客観的な記述である。したがって、感情的な非難の意を込める場合には"primitive"は不適切。

派生語

  • barbaric

    『野蛮な』という意味の形容詞。barbarian の性質・状態を表す形容詞化。人や行為を批判的に描写する際に用いられ、日常会話から報道まで幅広く使われる。barbarian が名詞であるのに対し、barbaric は状態を表す。

  • barbarism

    『野蛮な行為』『未開状態』を意味する名詞。barbarian の状態・性質を抽象名詞化したもの。社会学、歴史学などの学術的な文脈で、特定の文化や行動様式を指して用いられる。barbarian が人を指すのに対し、barbarism は状態や行為を指す。

  • barbarize

    『野蛮にする』という意味の動詞。barbarian の状態にするという意味で、主に他動詞として使われる。文明的なものを破壊したり、堕落させたりする意味合いで用いられ、比喩的な表現としても使われる。歴史や文化に関する議論で使われることが多い。

反意語

  • civilized

    『文明化された』という意味の形容詞。barbarian の対義語として、洗練された文化や社会を持つ状態を表す。個人、社会、国家など、様々な対象に対して用いられ、社会科学や歴史学の文脈でも頻繁に登場する。単に反対の接頭辞がついた語ではなく、barbarian と文明という概念的な対立をなす。

  • cultured

    『教養のある』『洗練された』という意味の形容詞。barbarian が文化や教養を欠いている状態を指すのに対し、cultured は高度な文化や教養を身につけている状態を表す。芸術、音楽、文学などの分野で用いられることが多い。barbarian が物質的な未開を連想させるのに対し、cultured は精神的な豊かさを連想させる。

  • 『人道的な』『思いやりのある』という意味の形容詞。barbarian が残虐性や非人道的な行為を連想させるのに対し、humane は人間としての優しさや慈悲深さを示す。特に、戦争、犯罪、貧困などの状況における人間の行動を評価する際に用いられる。barbarian が倫理的な欠如を指すのに対し、humane は倫理的な高潔さを指す。

語源

"barbarian(野蛮人)」は、ギリシャ語の「barbaros(バルバロス)」に由来します。この「barbaros」は、ギリシャ人にとって外国語を話す人々、特にギリシャ語が理解できない人々を指す言葉でした。その語源は、意味のない音の繰り返し「bar-bar」という擬音語にあり、これは異言語を話す人々の言葉が「バーバー」と聞こえたことに由来します。つまり、ギリシャ人にとって「barbaros」は、言葉が通じない、文化的に異質な人々を指す、ある種の「異邦人」を意味していました。この言葉がラテン語を経由して英語に入り、「未開の人」「野蛮な人」といった意味合いを持つようになりました。現代英語では、文化や礼儀作法をわきまえない、粗野な人々を指す言葉として使われています。

暗記法

「barbarian」は文明の中心を自認する側が、外部を定義する言葉。単なる民族区分でなく、文化的な優越意識と排除の正当化を伴います。ローマ帝国の脅威として描かれたゲルマン民族も、新たな秩序を築いた側面も。コナンは文明の欺瞞に立ち向かう蛮勇の象徴。現代では、業界のルールを破る革新者や、排他的な態度を批判する言葉としても使われ、多様な意味合いを持ち続けています。

混同しやすい単語

『barbarian』と『barber』は、最初の3文字が同じで、発音も非常に似ているため、混同しやすいです。『barber』は『理容師』を意味する名詞で、人の髪を切る職業を指します。日本人学習者は、単語全体の形をしっかり見て、意味の違いを意識することが重要です。語源的には、どちらも『beard(髭)』に関連がありますが、『barbarian』は『髭を生やした野蛮人』、『barber』は『髭を剃る人』という対比的な意味合いがあります。

barberry

『barbarian』と『barberry』は、最初の部分が同じで、母音の響きも似ているため、聞き間違いやすい単語です。『barberry』は『メギ』という植物の名前です。スペルも似ているため、視覚的にも混同しやすいでしょう。会話や文章中では、文脈から判断することが大切です。植物の名前であることを知っていれば、意味の混乱は避けられます。

『barbarian』と『librarian』は、どちらも『-arian』という接尾辞を持ち、複数音節からなる単語であるため、発音の際にリズムが似て聞こえることがあります。『librarian』は『図書館司書』を意味し、まったく異なる職業を指します。スペルも異なるため、注意深く見れば区別できますが、早口の会話などでは注意が必要です。

『barbarian』の最初の音節『bar-』と『ban』の発音が似ているため、特に発音練習の初期段階で混同しやすいです。『ban』は『禁止する』という意味の動詞、または『禁止』という意味の名詞です。意味も品詞も異なるため、文脈で判断することが重要です。また、『ban』は比較的短い単語なので、『barbarian』と比べて音節の数が少ないことを意識すると、聞き分けやすくなります。

『barbarian』の最初の2音節『bar-bar-』と『barren』の発音が似ており、特に早口で発音された場合に混同しやすいです。『barren』は『不毛な』という意味の形容詞で、土地や女性の体について使われます。スペルも似ているため、注意が必要です。意味も文脈も大きく異なるため、区別は比較的容易ですが、聞き取りの際には注意が必要です。

『barbarian』の最初の音節『bar-』と、動詞『burgeon(芽を出す、発展する)』の現在分詞形である『burgeoning』の最初の部分の発音が似ているため、混同しやすいです。『burgeoning』は、成長や発展を表す際に使われる単語です。スペルは大きく異なりますが、発音の類似性から聞き間違いやすいことがあります。文脈から判断することが重要です。

誤用例

✖ 誤用: The company's marketing strategy was barbarian and insensitive.
✅ 正用: The company's marketing strategy was crude and insensitive.

『barbarian』は『野蛮人』という意味合いが強く、歴史的な文脈や、文明化されていない人々を指す際に使われます。マーケティング戦略のような抽象的な対象に対して使うと、文字通り『野蛮』な行為を連想させ、大げさで不自然な印象を与えます。より穏当で、洗練されていない、粗雑な印象を与えたい場合は『crude』が適切です。日本人が『野蛮』という言葉を安易に使う傾向が、そのまま英語に反映された誤用と言えます。英語では、感情的な言葉は、より慎重に選ぶ必要があります。

✖ 誤用: He treated his employees like barbarians.
✅ 正用: He treated his employees like animals.

『barbarian』は、文化的な水準が低い、教養がないといったニュアンスを含むため、人を侮辱する際に使うと、相手を人間として認めていないような響きがあります。より直接的に相手を非人間的な扱いだと批判したい場合は、『animals』を使う方が適切です。日本人は『野蛮』という言葉を、相手の行動や態度を批判する際に比較的軽く使うことがありますが、英語の『barbarian』はより強い侮蔑の意味合いを持つため、注意が必要です。文化的背景の違いから、言葉の重みが異なっている例です。

✖ 誤用: The barbarian hordes attacked the city.
✅ 正用: The barbarian tribes attacked the city.

『horde』は、統制が取れていない、無秩序な大群を指す言葉です。歴史的な文脈で『barbarian』を使う場合、特定の文化を持つ集団(例:ゲルマン民族、フン族)を指すことが多いため、無秩序な集団を意味する『horde』よりも、部族社会を意味する『tribes』を使う方がより正確で適切です。日本人は、歴史的な事象を学ぶ際に、詳細な背景知識を欠いたままイメージだけで言葉を選んでしまう傾向があります。英語では、歴史的な文脈を理解した上で、適切な言葉を選ぶことが重要です。

文化的背景

「barbarian(野蛮人)」という言葉は、文明の中心と自認する人々が、その境界の外にいる異質な存在を定義するために生まれました。それは単なる民族的区別ではなく、文化的な優越意識と、そこから生じる排除や支配の正当化を含んでいます。古代ギリシャ人にとっての「バルバロイ」、ローマ人にとっての「バルバルス」は、ギリシャ・ローマ文化を共有しない人々を指し、彼らの言語を「意味不明な音の連続(バルバル…)」と捉えたことに由来します。

この言葉は、単に未開の人々を指すだけでなく、しばしば脅威としても描かれてきました。ローマ帝国の衰退期には、北方から侵入するゲルマン民族が「バルバルス」と呼ばれ、帝国の秩序を破壊する存在として恐れられました。彼らは文明の洗練されたルールを知らず、力ずくで領土を奪い、略奪を繰り返すとされました。しかし、歴史を振り返ると、彼らが単なる破壊者であったわけではありません。彼らは新たな社会秩序を築き、後のヨーロッパの形成に大きな影響を与えました。この視点の転換は、「barbarian」という言葉が持つ二面性を浮き彫りにします。一方では、文明の基準から外れた未開の人々を指す蔑称であり、他方では、既存の秩序を打ち破り、新たな可能性を切り開く存在でもあったのです。

文学作品における「barbarian」の描かれ方も多様です。例えば、ロバート・E・ハワードの英雄コナンは、「蛮人」でありながら、既存の文明社会の欺瞞や腐敗を見抜き、力と勇気で立ち向かうヒーローとして描かれています。コナンは、洗練された文化を持つ人々よりも、自然の掟に従い、正直に生きることを選びます。これは、「barbarian」が持つワイルドさ、自由さ、そして既存の価値観に対するアンチテーゼとしての魅力を表現しています。また、映画やゲームなどでは、しばしば強大な敵として登場し、主人公の成長を促す役割を担います。彼らは、主人公が自身の弱さを克服し、新たな力を得るための試練として存在します。

現代社会においても、「barbarian」という言葉は、しばしば比喩的に用いられます。例えば、ビジネスの世界で、既存の業界のルールを無視し、革新的なアイデアで市場を席巻する企業や人物を「野蛮なイノベーター」と呼ぶことがあります。これは、既存の秩序を破壊し、新たな価値を創造する存在に対する賞賛と、同時に警戒感を含んだ表現です。また、政治的な文脈では、自国の文化や価値観を絶対視し、他国を排斥するような態度を「文化的野蛮」と批判することがあります。このように、「barbarian」という言葉は、単に未開の人々を指すだけでなく、文化的な優越意識、既存の秩序に対する挑戦、そして多様性に対する寛容さの欠如といった、複雑な意味合いを含んだ言葉として、現代社会においても生き続けているのです。

試験傾向

英検

この単語が英検で直接問われる頻度は高くないですが、歴史や文化に関する長文読解で、背景知識として間接的に理解を問われる可能性があります。特に準1級以上で、やや硬い文章の中で出てくる可能性があります。

TOEIC

TOEICでは、直接的な語彙問題として「barbarian」が出題される可能性は低いと考えられます。ただし、歴史的な背景や異文化理解に関する文章で、間接的に意味を把握する必要があるかもしれません。ビジネスの文脈ではほとんど使用されません。

TOEFL

TOEFLのアカデミックな文章においては、歴史学、人類学、社会学などの分野で「barbarian」が登場する可能性があります。特に、文明と未開、文化的な衝突などを論じる際に使われることが考えられます。名詞としてだけでなく、比喩的な意味合いで使われる場合もあるので、文脈を正確に把握することが重要です。

大学受験

大学受験の英語長文では、難関大学を中心に、歴史や文化に関する文章で「barbarian」が登場する可能性があります。文脈から意味を推測する問題や、文章全体のテーマを把握する問題で問われる可能性があります。直接的な語彙問題としての出題は少ないかもしれませんが、文章理解の鍵となる場合があります。

免責事項

英単語学習ラボは生成AIで機械的に意味や英語表現を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。

このページについて

作成:英単語学習ラボ
生成支援:Google Gemini
最終更新:2025年7月18日

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