ashamed
最初の 'ə' は曖昧母音で、力を抜いて軽く『ア』と発音します。強勢は 'ʃeɪmd' に置かれ、特に 'eɪ' (エイ) の二重母音を意識しましょう。語尾の 'd' は有声音なので、喉を震わせるように発音してください。日本語の『恥ずかしい』という感情を込めすぎず、落ち着いて発音するとより自然になります。
専門的な内容に関するご注意
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恥じている
自分の行動や性質について、後悔や申し訳ない気持ちを抱いている状態。公然の場で非難されることへの恐れを含むこともある。
She felt ashamed when she realized her mistake in front of everyone.
彼女はみんなの前で自分の間違いに気づいた時、恥ずかしく感じました。
※ この例文は、人前で何か失敗したり、間違いを犯したりしたときに感じる「恥ずかしさ」を表しています。顔が赤くなったり、うつむいてしまったりするような、生々しい感情が伝わってきますね。「ashamed」は、このように自分の行動や状況が原因で感じるネガティブな感情によく使われます。ここでは「~だと感じた」という意味で felt ashamed となっています。
I was ashamed of my messy room when my friend visited.
友達が訪ねてきた時、私は散らかった部屋が恥ずかしかった。
※ この例文は、自分の持ち物や状態が、他者に見られたくないほどひどいと感じる「恥ずかしさ」を表しています。友達が急に来て、慌てて部屋を隠そうとするような情景が目に浮かびますね。「be ashamed of ~」という形で、「~を恥じている」という気持ちを伝える非常によくあるパターンです。ここでは「my messy room」(私の散らかった部屋)という具体的なものに対して恥じている気持ちを表しています。
The boy was ashamed to ask for help, even though he was lost.
その少年は道に迷っていたにもかかわらず、助けを求めるのが恥ずかしかった。
※ この例文は、「~すること」を恥ずかしいと感じて、行動をためらう様子を描写しています。道に迷って困っているのに、プライドや見栄から助けを求めることができない、という少年の複雑な感情が伝わりますね。「be ashamed to do ~」という形で、「~すること」を恥じている、という意味になります。大人でもこのような気持ちになることはよくあります。
きまり悪い
他者の視線や評価を意識し、居心地が悪く、平静を保てない状態。些細な失敗や不手際によって生じることが多い。
I felt ashamed when I got a very low score on the math test.
数学のテストでとても低い点を取ってしまい、私は恥ずかしかった。
※ この例文は、自分の期待や他人の期待に沿えなかった時に感じる「きまり悪さ」や「恥ずかしさ」を表しています。テストで悪い点を取って、先生や親に顔向けできない、あるいは自分自身にがっかりする、そんな場面が目に浮かびますね。「feel ashamed when...」は「〜の時に恥ずかしいと感じる」という、よく使われるパターンです。
She was so ashamed when she tripped and fell in front of everyone.
みんなの前でつまずいて転んでしまい、彼女はとても恥ずかしがった。
※ 人前でうっかりミスをしてしまった時の「きまり悪い」気持ちを鮮やかに表現しています。大勢の視線を感じ、顔が赤くなるような状況が目に浮かびませんか?「be ashamed when...」もよく使われる表現で、感情の状態を示します。「so」をつけることで、「とても」という気持ちの強さを表しています。
He felt ashamed of his rude words from yesterday.
彼は昨日の失礼な言葉を恥じていた。
※ この例文は、過去の自分の言動を振り返り、その内容に対して「恥ずかしい」と感じる状況を描いています。一晩経って冷静になり、自分の言ったことが適切でなかったと反省している様子が伝わりますね。「ashamed of + 名詞」の形で、「〜を恥じている」と、何に対して恥ずかしいのかを具体的に伝えることができます。
情けない
自分の能力不足や不甲斐なさを痛感し、落胆や自己嫌悪を感じている状態。期待された役割を果たせなかった場合に強く感じやすい。
I felt so ashamed of my low test score.
私は自分の低いテストの点数が情けなかった。
※ この例文は、自分の能力不足や不甲斐なさに対して「情けない」と感じる典型的な場面です。テストの結果を見て、がっくり肩を落としている姿が目に浮かびますね。「be ashamed of 〜」で「〜を情けないと思う」という、よく使われる形です。
He was ashamed that he lied to his best friend.
彼は親友に嘘をついたことが情けなかった。
※ 自分の行動や選択に対して「情けない」と感じる場面です。親友を裏切ってしまい、自分の不誠実さに顔を伏せている彼の様子が想像できます。「be ashamed that S + V」の形で、「〜したことを情けないと思う」という気持ちを表します。
She was ashamed to ask for help, even though she was struggling.
彼女は苦労していたのに、助けを求めるのが情けなかった。
※ 自分の弱さや、人に頼ることに抵抗を感じて「情けない」と思う場面です。一人で問題を抱え込み、周りに助けを求められない彼女の姿が目に浮かびますね。「be ashamed to do 〜」で「〜することを情けないと思う」という気持ちを表します。
コロケーション
自分が情けなく、恥ずかしい
※ 自分自身の行動や性質に対して抱く強い恥の感情を表します。再帰代名詞 'oneself' を用いることで、恥の対象が他者ではなく、自分自身に向けられていることを強調します。例えば、目標を達成できなかった時や、倫理的に間違った行動をとってしまった時などに使われます。口語、文章どちらでも使用できますが、ややフォーマルな響きがあります。より口語的な表現としては、'I'm so ashamed' のように短縮形が使われることもあります。
非常に恥じ入っている
※ 副詞 'deeply' を用いることで、恥の感情の深さを強調します。自分の行動や言動が社会的な規範から大きく逸脱していると感じた時や、重大な過ちを犯してしまった時などに使われます。ビジネスシーンや公的な場面で、自分の非を認め、謝罪する際に用いられることがあります。例えば、'I am deeply ashamed of my actions and offer my sincerest apologies.' のように使われます。
恥ずかしながら認めざるを得ない
※ 後ろに続く内容が恥ずかしいこと、または認めたくないことであることを示唆するフレーズです。自分の弱さや欠点を告白する際に、謙虚さや誠実さを表現するために用いられます。例えば、'Ashamed to admit, I completely forgot about the meeting.' のように使われます。ビジネスシーンよりも、個人的な会話や文章で使われることが多いです。類似の表現として、'I hate to admit' がありますが、こちらはより嫌悪感が強いニュアンスを含みます。
言うのが恥ずかしいことだが
※ 'ashamed to admit' と同様に、後ろに続く内容が恥ずかしいことであることを示唆しますが、こちらはより客観的な事実を述べる際に用いられます。例えば、'Ashamed to say, I haven't read that book yet.' のように使われます。こちらもビジネスシーンよりも、個人的な会話や文章で使われることが多いです。発言者が自分の知識不足や怠慢を認めるニュアンスがあります。
恥ずかしい気持ちになる
※ 最も基本的な表現で、恥の感情を抱くことを意味します。特定の行動や状況に対する感情を表す際に広く用いられます。例えば、'I felt ashamed when I realized my mistake.' のように使われます。口語、文章どちらでも使用でき、フォーマルな場面からカジュアルな場面まで幅広く使用できます。類似の表現として、'be ashamed' がありますが、こちらはより状態を表すニュアンスが強く、'feel ashamed' は感情の変化を表すニュアンスが強いです。
恥じることは何もない
※ 特定の行動や状況について、恥じる必要がないことを強調する表現です。誰かを励ましたり、安心させたりする際に用いられます。例えば、'You have nothing to be ashamed of. You did your best.' のように使われます。口語、文章どちらでも使用でき、ポジティブな意味合いで使用されます。この表現は、相手の行動や結果を肯定し、自信を持たせる効果があります。
(誰か)を恥ずかしく思う
※ 他者の行動や性質に対して恥の感情を抱くことを表します。家族や親しい人が不適切な行動をとった場合に、その行動を非難する際に用いられます。例えば、'I am ashamed of your behavior.' のように使われます。この表現は、強い非難や失望の感情を含んでおり、相手との関係に悪影響を与える可能性があるため、慎重に使用する必要があります。より柔らかい表現としては、'I'm disappointed in you.' があります。
使用シーン
心理学、社会学、教育学などの分野の論文や教科書で、「恥」や「罪悪感」といった感情を扱う際に使われます。例えば、ある行動の結果として生じる感情を分析する研究で、「被験者は自身の行動をashamedに感じたと報告した」のように記述されることがあります。フォーマルな文体です。
ビジネスシーンでは、失敗や倫理的な問題に関連して、報告書やプレゼンテーションで使われることがあります。例えば、企業不祥事に関する報告書で、「関係者は今回の事態を深くashamedに感じている」のように、責任者が遺憾の意を示す際に用いられます。やや硬い表現です。
日常会話では、自分の失敗談や失態を語る際に、「恥ずかしい思いをした」という意味合いで使われます。例えば、「人前で転んでashamedだった」のように、個人的な経験を述べる際に用いられます。また、ニュースやドキュメンタリー番組で、社会問題や個人の苦悩を扱う際に、当事者の感情を表す言葉として使われることもあります。
関連語
類義語
恥ずかしい思いをしている状態を表す。公の場での失敗や失態など、比較的軽い恥ずかしさに使われることが多い。日常会話で頻繁に使われる。 【ニュアンスの違い】"Ashamed"よりも恥ずかしさの度合いが軽い場合が多い。また、"embarrassed"は自分の行為だけでなく、他人の行為によって恥ずかしい思いをすることも含む。 【混同しやすい点】"Ashamed"は自分の道徳的な過ちや欠点に対して感じる後悔や罪悪感を含む恥ずかしさであるのに対し、"embarrassed"は状況的な恥ずかしさであることが多い。例えば、人前で転んだ場合は"embarrassed"を使うが、嘘をついた場合は"ashamed"を使う可能性が高い。
罪悪感を感じている状態を表す。法的な意味合いだけでなく、道徳的な過ちを犯した際に抱く感情も含む。日常会話、法廷、倫理的な議論など、幅広い場面で使用される。 【ニュアンスの違い】"Ashamed"は恥ずかしさの感情に焦点を当てるのに対し、"guilty"は自分が犯した過ちに対する責任や罪悪感に焦点を当てる。したがって、"guilty"はより深刻な感情を伴うことが多い。 【混同しやすい点】"Ashamed"は人目を気にする恥ずかしさを含むが、"guilty"は自分の内面的な罪悪感が中心となる。例えば、不正行為をして"guilty"になるのは、それが発覚して"ashamed"になるのとは異なる。
後悔の念に苛まれている状態を表す。自分の過去の行為を深く後悔し、その結果を悔いている時に使われる。文学作品やフォーマルな場面でよく見られる。 【ニュアンスの違い】"Ashamed"よりも後悔の念が強く、より深刻な過ちに対する感情を表す。また、"remorseful"は過去の行為に対する反省や償いの気持ちを含むことが多い。 【混同しやすい点】"Ashamed"は恥ずかしさだけでなく、自分の不甲斐なさに対する感情も含むが、"remorseful"は過去の特定の行為に対する後悔に限定される。例えば、試験でカンニングをして"ashamed"になるのは、その行為を"remorseful"に思うのとは少し異なる。
- mortified
非常に恥ずかしい思いをしている状態を表す。屈辱的な状況や大失敗を経験した際に使われる。日常会話よりも、ややフォーマルな場面や文学的な表現として使われる。 【ニュアンスの違い】"Ashamed"よりも恥ずかしさの度合いが非常に強く、ほとんど耐えられないほどの恥ずかしさを表す。屈辱感や絶望感を含むことが多い。 【混同しやすい点】"Ashamed"は比較的穏やかな恥ずかしさも含むが、"mortified"は深刻な恥辱を表す。例えば、些細なミスをして"ashamed"になることはあっても、"mortified"になることは少ない。
- humbled
謙虚な気持ちになっている状態を表す。自分の限界を知り、驕りを捨てる経験をした際に使われる。ビジネス、宗教、自己啓発など、様々な場面で使用される。 【ニュアンスの違い】"Ashamed"は自分の過ちや欠点に対する恥ずかしさを表すのに対し、"humbled"は自分の小ささや無力さを認識することによって生まれる謙虚さを表す。必ずしもネガティブな感情ではない。 【混同しやすい点】"Ashamed"はネガティブな感情であるのに対し、"humbled"はポジティブな感情を伴うこともある。例えば、他者からの賞賛によって"ashamed"になることはあっても、"humbled"になることもある。
- chagrined
不満や悔しさを感じている状態を表す。期待外れの結果や失敗によって、落胆している時に使われる。ややフォーマルな表現で、日常会話ではあまり使われない。 【ニュアンスの違い】"Ashamed"は恥ずかしさに重点を置くが、"chagrined"は失望や不満に重点を置く。自分の行動が原因である場合も、そうでない場合もある。 【混同しやすい点】"Ashamed"は自分の過ちに対する感情だが、"chagrined"は必ずしも自分の過ちが原因であるとは限らない。例えば、チームの敗北に"chagrined"になることはあっても、"ashamed"になるとは限らない。
派生語
名詞で「恥」「不名誉」の意味。感情を表す基本的な語であり、ashamed(恥じている)の感情の根源を示す。日常会話で広く使われるほか、「It's a shame that...(〜は残念だ)」のように、幅広い感情を表す表現にも用いられる。
- shameless
形容詞で「恥知らずな」「厚かましい」の意味。接尾辞 '-less' は「〜がない」という意味を付与し、shame(恥)を感じない状態を表す。やや否定的なニュアンスで、人の行動や態度を批判する際に用いられる。
形容詞で「恥ずべき」「不名誉な」の意味。接尾辞 '-ful' は「〜に満ちた」という意味を付与し、shame(恥)に満ちた状態、つまり恥ずかしい行為や状況を表す。ニュース記事や報道などで、倫理的に問題のある事柄を非難する際に用いられる。
反意語
「誇りに思う」「得意な」という意味。ashamed が自己の行為や性質に対する否定的な感情であるのに対し、proud は肯定的な感情を表す。文脈によっては、ashamed の状態から脱却して proud になる、という感情の変化を表すこともできる。
- honored
「光栄に思う」「名誉に感じる」という意味。ashamed が不名誉によって引き起こされる感情であるのに対し、honored は名誉によって引き起こされる感情を表す。特に、授賞式や式典などのフォーマルな場面で、感謝や喜びを表現する際に用いられる。
- unashamed
「恥じない」「平然とした」という意味。接頭辞 'un-' は否定の意味を付与し、ashamed(恥じている)の反対の状態を表す。ただし、必ずしも肯定的な意味ではなく、「恥を知らない」というニュアンスで、批判的に用いられる場合もある。
語源
"Ashamed"は、古英語の"ascamian"(恥じる)に由来します。この"scamian"は、さらにゲルマン祖語の"*skamjanan"(恥じる、恐れる)に遡ります。これは、何かを覆い隠したい、隠したいという感覚と関連していると考えられます。興味深いのは、この語源が「影」(shadow)に関連する語根を持つ可能性があることです。つまり、恥じ入る気持ちは、まるで自分の行動や存在に影を落としたい、隠したいという心理状態を反映していると言えるでしょう。日本語で例えるなら、「後ろめたい」気持ちが、文字通り後ろに隠れたいような感覚に近いかもしれません。このように、"ashamed"は、隠蔽や影といった概念と深く結びついた、根源的な感情を表す言葉なのです。
暗記法
「ashamed」は単なる恥ずかしさではなく、共同体からの逸脱、疎外感、罪悪感を示唆します。『緋文字』のヘスターのように、社会規範と個人の尊厳が衝突する時に生まれる感情です。オースティンの作品では、階級意識が「ashamed」の感情を育みます。現代では、環境問題や差別に対する意識が、新たな「恥」の概念を形成しています。過去の過ちを恥じるのではなく、乗り越え成長する視点も重要です。西洋社会における名誉、罪、個人の尊厳を映す鏡、それが「ashamed」なのです。
混同しやすい単語
発音が非常に似ており、母音と子音の区別が曖昧な場合、聞き間違えやすい。'ash' は『灰』という意味の名詞であり、'ashamed' は『恥じている』という意味の形容詞。文脈が全く異なるため、注意が必要。例えば、火山灰は 'volcanic ash' と表現する。
'ashamed' の語源となった単語であり、意味も関連するため混同しやすい。『恥』という意味の名詞で、'It's a shame that...' (…は残念だ) のように使われることが多い。'ashamed' は形容詞であるのに対し、'shame' は名詞または動詞として使われる。
語尾の 'ed' の発音(特に弱形)が 'ashamed' の語尾と似ている場合があり、聞き取りにくいことがある。'embrace' は『抱きしめる』という意味の動詞で、'embraced' はその過去形または過去分詞形。意味も品詞も異なるため、文脈で判断する必要がある。
語頭の母音と語尾の 'd' が共通しているため、スペルと発音の両面で 'ashamed' と混同される可能性がある。'assure' は『保証する』という意味の動詞で、'assured' はその過去形または過去分詞形。意味が全く異なるため、注意が必要。自己肯定感を意味する 'self-assured' のような派生語もある。
語尾の '-anged' の部分が、音の響きとして '-shamed' と似ているため、特にリスニング時に混同しやすい。'arrange' は『手配する』『整理する』という意味の動詞で、'arranged' はその過去形または過去分詞形。'arranged marriage' (お見合い結婚) のように、日常会話でもよく使われる。
接頭辞 'un-' が付いているため、発音の長さやリズムが似ており、特に早口で話される場合に聞き間違えやすい。'unnamed' は『名前のない』という意味の形容詞で、'ashamed' とは意味が全く異なる。例えば、'unnamed source' (匿名の情報源) のように使われる。
誤用例
日本語の『恥ずかしい』は、境遇や出自など、自分ではどうしようもないことに対しても使われがちですが、英語の『ashamed』は、自分の行動や選択の結果に対して感じる後悔や罪悪感を表すニュアンスが強いです。生まれ育った環境など、自分に責任のない事柄に対して使うと、ネイティブスピーカーには不自然に聞こえます。この場合は、単なる事実として『regret(残念に思う)』を使う方が適切です。日本人が『恥』という言葉を広義に捉えがちなのに対し、英語では『ashamed』はより個人的な責任に紐づく感情である、という文化的背景の違いを理解することが重要です。日本語の『恥ずかしい』を安易に『ashamed』に置き換えるのではなく、文脈に応じて適切な英語表現を選ぶ必要があります。
ここでの『ashamed』は、成功を素直に喜べない、成功を恥ずかしいと感じるというニュアンスで使われていますが、英語の『ashamed』は、どちらかというと、自分の行動や性質が原因で他人から非難されることを恐れる感情を表します。成功に対して使うと、まるで不正な手段で成功したかのような含みが生じかねません。ここでは、成功を控えめに表現したいという意図を汲み取り、『self-conscious(自意識過剰)』や『modest(控えめな)』といった言葉を使う方が適切です。日本人が謙遜の美徳を重んじるあまり、英語でも同様の表現をしようとする際に、語感のずれが生じやすい典型的な例です。英語では、成功は素直に喜び、必要に応じて『humble(謙虚な)』という言葉で謙虚さを表現する方が自然です。
『ashamed』は、重大な過失や秘密を告白するような、深刻な場面で使われることが多い言葉です。クラシック音楽に詳しくないという程度のことを告白する際に使うと、大げさで不自然に聞こえます。ここでは、『embarrassed(気恥ずかしい)』を使う方が、より軽いニュアンスで、日常的な会話にふさわしい表現になります。日本人が『恥ずかしい』という言葉を、様々な場面で汎用的に使うのに対し、英語では感情の強さに応じて適切な言葉を選ぶ必要があります。特に、自己開示の場面では、相手に誤解を与えないように、言葉の選択に注意が必要です。
文化的背景
「ashamed」は、単に恥ずかしいという感情を超え、自己の行為や存在が共同体の規範や期待から逸脱しているという認識、そしてそれによって生じる疎外感や罪悪感を示唆する言葉です。この感情は、個人の内面だけでなく、社会的なつながりや評価と深く結びついており、西洋文化においては、特に名誉や評判が重視される文脈で重要な意味を持ちます。
文学作品における「ashamed」の描写は、しばしば登場人物の内面の葛藤や社会からの孤立を浮き彫りにします。例えば、ナサニエル・ホーソーンの『緋文字』では、姦通の罪を犯したヘスター・プリンは、公衆の面前で「A」の文字を身につけさせられ、激しい恥辱と苦しみを味わいます。この物語は、ピューリタン社会における罪と罰、そして個人の尊厳が社会の規範と衝突する様子を描き出しており、「ashamed」という感情が、単なる個人的な感情を超え、社会的な圧力や抑圧の象徴として機能していることを示唆しています。また、ジェーン・オースティンの作品に登場する人物たちは、しばしば家柄や財産、評判といった社会的な地位を意識し、自身の行動がそれを損なうことを恐れて「ashamed」という感情を抱きます。これらの描写は、19世紀のイギリス社会における階級意識や道徳観念が、個人の感情に深く影響を与えていたことを物語っています。
現代社会においても、「ashamed」は多様な意味合いを持ちます。例えば、環境問題に対する意識の高まりから、「環境に配慮しない行動を恥じる」という感情が生まれています。また、ジェンダーや人種、性的指向などに関する差別や偏見に対する批判が高まるにつれて、「差別的な言動を恥じる」という感情も重要視されるようになっています。これらの例は、「ashamed」が、社会的な正義や倫理観と深く結びついた感情であることを示しています。さらに、自己啓発や心理学の分野では、「過去の過ちやトラウマを恥じるのではなく、それを乗り越えて成長する」という考え方が提唱されており、「ashamed」という感情を克服し、自己肯定感を高めることの重要性が強調されています。
このように、「ashamed」は、歴史的な背景や社会的な文脈、個人の経験など、様々な要素が複雑に絡み合った感情であり、その理解は、語彙力向上だけでなく、西洋文化や社会に対する深い洞察にもつながります。学習者は、「ashamed」という言葉を通して、西洋社会における名誉や評判、罪と罰、そして個人の尊厳といった価値観について考察を深めることができるでしょう。
試験傾向
- 出題形式: 主に語彙問題、長文読解。まれにリスニング。
- 頻度と級・パート: 準1級・1級で比較的頻出。2級でも稀に出題。
- 文脈・例題の特徴: 幅広いトピックで出題される。心理描写、社会問題、ニュース記事など。
- 学習者への注意点・アドバイス: 「be ashamed of ~」の形でよく使われる。類義語の「embarrassed」との使い分け(ashamedはより強い罪悪感や後悔を含む)に注意。
- 出題形式: 主にPart 5 (短文穴埋め問題) 、Part 7 (長文読解問題)。
- 頻度と級・パート: TOEIC全体で見ると頻度は中程度。Part 5, 7で時折見られる。
- 文脈・例題の特徴: ビジネス関連の文書やメールで、失敗や問題に対する後悔の念を表す際に使われることがある。
- 学習者への注意点・アドバイス: 「be ashamed to do」や「be ashamed of doing」の形を覚えておく。ビジネスシーンでの使用例を意識すると良い。
- 出題形式: 主にリーディングセクション。エッセイライティングでも使用可能。
- 頻度と級・パート: リーディングセクションで時々見られる程度。アカデミックな文脈で使われる。
- 文脈・例題の特徴: 歴史、社会科学、心理学などの学術的な文章で、倫理的な問題や個人の感情に関する記述で使われる。
- 学習者への注意点・アドバイス: フォーマルな文脈で使用されることが多い。類義語とのニュアンスの違いを理解し、適切な場面で使えるように練習する。
- 出題形式: 主に長文読解。文法問題や語彙問題で問われることもある。
- 頻度と級・パート: 難関大学の入試問題で比較的頻出。標準的なレベルの大学でも出題される可能性はある。
- 文脈・例題の特徴: 評論文、物語文など幅広いジャンルで使われる。登場人物の心情描写や社会問題に関する議論などで見られる。
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する練習が重要。「恥じる」という基本的な意味だけでなく、文脈に応じたニュアンスを理解する必要がある。類義語との違いも意識する。