variety
強勢は真ん中の「ラ」に置かれます。最初の音 /v/ は、上の歯を下唇に軽く当てて発音する有声摩擦音で、日本語の「バ」行とは異なります。最後の「ティ」は、日本語の「ティ」よりも弱く、曖昧母音(/i/に近い/ɪ/)になることが多いです。母音/ə/は「曖昧母音」と呼ばれ、口の力を抜いて発音します。
多様性
いくつかの異なる種類のものが含まれている状態。選択肢の幅広さ、変化に富んでいることを強調したい場合に使う。例:a variety of opinions(多様な意見)
The supermarket offers a wide variety of fresh fruits and vegetables.
そのスーパーマーケットには、多種多様な新鮮な果物と野菜が並んでいます。
※ この文は、スーパーでたくさんの種類の果物や野菜を見ている様子を表しています。まるで色とりどりの野菜や果物が目の前に広がっているかのようですね。『a wide variety of ~』は『多種多様な~』という意味で、選択肢がたくさんある状況を説明するときによく使われます。食べ物だけでなく、商品やサービスの種類を話すときにも便利です。
Our school offers a variety of clubs, so I can try many different things.
私たちの学校は様々なクラブを提供しているので、私は多くの異なることに挑戦できます。
※ この文は、学校にたくさんの種類のクラブがあることを喜んでいる様子です。たくさんの選択肢の中から、自分が何をしようかワクワクしながら考えている様子が目に浮かびますね。『a variety of clubs』で『様々な種類のクラブ』という意味になります。趣味や活動、学びの分野など、色々な選択肢があることを話すときに使えます。
I love living in this city because there is a great variety of people and cultures.
私はこの街に住むのが大好きです。なぜなら、様々な種類の人々や文化があるからです。
※ この文は、多様な人々や文化が共存する街での生活を楽しんでいる様子を表しています。世界中の人々が行き交い、様々な言語や料理、習慣に触れることができる、そんな国際的な街の雰囲気が伝わってきます。『a great variety of ~』は『非常に多種多様な~』という意味で、人種、文化、意見など、様々な種類のものがある状況を肯定的に描写するときにぴったりです。違いがあることをポジティブに捉える気持ちが伝わります。
種類
特定の種類、カテゴリー、またはグループを指す。類似性を持つものが集まっているイメージ。例:a new variety of apple(新しい種類のリンゴ)
The supermarket offered a wide variety of fresh fruits.
そのスーパーマーケットには、様々な種類の新鮮な果物がありました。
※ この例文では、スーパーで色とりどりの新鮮な果物がたくさん並んでいる情景が目に浮かびますね。「a variety of 〜」は「様々な種類の〜」という意味で、お店などで品揃えを説明する際によく使われる、とても自然な表現です。「wide variety」は「幅広い種類」という意味で、種類が豊富であることを強調します。
At the park, children enjoyed a variety of games.
公園では、子どもたちが様々な種類の遊びを楽しんでいました。
※ この例文からは、公園で子どもたちが鬼ごっこをしたり、ブランコに乗ったり、ボールで遊んだり、色々な種類の遊びを楽しんでいる微笑ましい光景が想像できますね。「variety」は、このように活動や趣味の種類を表すときにも非常によく使われます。例えば、休日の過ごし方について話す時にも「I tried a variety of activities.(様々な活動を試しました。)」のように使えます。
The library has a great variety of books on history.
その図書館には、歴史に関する非常に多くの種類の本があります。
※ 図書館の歴史書のコーナーで、古代史から現代史まで、あるいは日本の歴史、世界の歴史など、たくさんの種類の本がずらりと並んでいるのを想像できますね。学術的な分野や情報源について「様々な種類の〜」と説明する際にも「a variety of 〜」は非常に自然な表現です。「great variety」は「非常に豊富な種類」という意味で、その多さに感銘を受けているニュアンスが加わります。
変化
単調さを避けるための変化や工夫。退屈させないように何かを変化させるニュアンスを含む。例:Variety is the spice of life.(変化は人生のスパイス)
My daily work felt a bit boring, so I needed some variety.
毎日の仕事が少し退屈に感じたので、私は何か変化が必要でした。
※ この例文では、毎日同じことの繰り返しで飽きてしまった状況が描かれています。単調な状態を避け、新鮮さや刺激を求める際に「variety」(変化)という言葉が自然に使われます。特に「needed some variety」で「何か変化が必要だった」という気持ちが伝わります。
To keep my piano practice fun, I always try to add a variety to my songs.
ピアノの練習を楽しく続けるために、いつも曲に変化をつけようとします。
※ 趣味や学習において、同じことばかりしていると飽きてしまうことがありますよね。ここでは、練習に「変化を加える」(add a variety)ことで、新鮮さを保ち、モチベーションを維持しようとする様子がわかります。「add variety to X」は「Xに変化を加える」という、非常によく使われる形です。
Doing the same exercise every day makes me bored, so I need more variety.
毎日同じ運動をするのは飽きるので、もっと変化が必要です。
※ 健康のために運動を続けていても、内容が同じだと飽きてしまうことがあります。この例文では、「もっと変化が欲しい」(need more variety)という気持ちがストレートに表現されています。単調な状況から抜け出し、新しい要素を取り入れたいときにぴったりの表現です。
コロケーション
多種多様な~
※ 非常に一般的な表現ですが、単に「many」や「various」と言うよりも、選択肢の幅広さや多様性を強調したい場合に適しています。文法的には形容詞句として名詞を修飾し、フォーマルな場面でもカジュアルな場面でも使用できます。例えば、「a wide variety of options(幅広い選択肢)」のように使います。重要なのは、この表現が『質の異なるものがたくさんある』というニュアンスを含む点です。似た表現に 'a range of' がありますが、こちらは連続的な範囲を示すニュアンスが強くなります。
様々な理由で
※ ある行動や出来事の背景に、単一ではなく複数の理由が存在することを示します。ビジネスシーンや学術的な文章で頻繁に使用され、理由を具体的に列挙する前に導入として使われることが多いです。より口語的な表現としては 'for many reasons' がありますが、'a variety of' を使うことで、より丁寧で客観的な印象を与えることができます。例えば、「For a variety of reasons, we decided to postpone the meeting.(様々な理由により、会議の延期を決定しました。)」のように使います。
~に変化をつける、~を多様化する
※ 単調な状況やルーチンに新しい要素を加え、面白さや刺激を生み出すことを意味します。例えば、料理にスパイスを加えて味に変化をつける、あるいは、日々の生活に新しい趣味を取り入れて変化をもたらす、といった状況で使われます。 'add spice to' という類似表現もありますが、こちらは文字通りスパイスを加える意味の他に、比喩的に「刺激を加える」という意味合いが強くなります。一方、'add variety to' は、より広範な意味で多様性を加えることを意味します。
多様性の欠如、変化のなさ
※ 単調で面白みのない状況や、選択肢が限られている状態を指します。例えば、食生活、仕事内容、娯楽などが単調である場合に用いられます。'lack' は不足や欠如を表す名詞であり、'a lack of variety' で多様性の欠如を意味します。似た表現に 'monotony' がありますが、こちらはより感情的なニュアンスを含み、「退屈さ」や「うんざり感」を強調します。一方、'a lack of variety' は、客観的に多様性が不足している状況を指します。
ありふれた、どこにでもある
※ 元々は園芸用語で、特別な品種ではなく、一般的な庭でよく見かける植物を指していました。そこから転じて、現在は「ごく普通」「ありふれた」という意味で使われます。しばしば、軽蔑的なニュアンスを含みます。例えば、「garden-variety computer(ありふれたコンピューター)」のように使います。口語表現としてよく用いられ、ビジネスシーンなどフォーマルな場面での使用は避けるべきです。
無限の多様性
※ 非常に多くの選択肢や可能性があり、尽きることがない様子を表します。文学的な表現や、商品の宣伝文句などで用いられることがあります。例えば、「The universe offers endless variety.(宇宙は無限の多様性を提供している。)」のように使います。'infinite variety' も同様の意味ですが、'endless' の方がより日常的な表現です。'infinite' は数学的な無限の概念を含むため、より抽象的な文脈で使用されることが多いです。
多様性を維持する、多様性を保護する
※ 生態系、文化、言語など、様々な種類のものが失われないように保護・維持することを意味します。環境保護や文化遺産の保護といった文脈でよく用いられます。例えば、「We must preserve variety in our ecosystem.(私たちは生態系の多様性を維持しなければならない。)」のように使います。類義語に 'maintain diversity' がありますが、'preserve' は積極的に保護するニュアンスが強くなります。
使用シーン
学術論文や教科書で頻繁に使用されます。特に研究分野における多様性や、実験における変数の種類を説明する際に重要です。例:「この研究では、様々な年齢層の被験者が含まれています (This study includes a variety of subjects from different age groups.)」。また、統計学の分野では「分散」という意味で使用されることもあります。
ビジネス文書やプレゼンテーションで、製品ラインナップの多様性、顧客ニーズの多様性、あるいは市場における競争相手の多様性などを説明する際に用いられます。例:「当社は、お客様の多様なニーズに応えるために、幅広い製品を提供しています (Our company offers a wide variety of products to meet the diverse needs of our customers.)」。フォーマルな場面で使われることが多いです。
日常会話やニュース記事などで、選択肢の多様性や変化を表現する際に使われます。例:「この店には様々な種類のパンがある (This store has a variety of breads.)」。また、「変化に富んだ生活を送りたい (I want to live a life with variety.)」のように、変化や刺激を求める意味合いでも使われます。
関連語
類義語
『多様性』という意味で、人種、文化、意見など、さまざまな種類のものが存在することを指す。ビジネス、社会科学、教育などの分野でよく使われる。 【ニュアンスの違い】『variety』が個々の具体的な種類の多さを指すのに対し、『diversity』はそれらが集まって構成される全体的な多様性や豊かさを強調する。よりフォーマルで、社会的な意義を含むことが多い。 【混同しやすい点】『variety』は可算名詞として具体的な種類を数えられるが、『diversity』は不可算名詞として抽象的な概念を指すことが多い。例えば、『a variety of options』とは言うが、『a diversity of options』とは言わない。
『範囲』や『幅』という意味で、ある特定のカテゴリー内における変動や広がりを示す。商品の品揃え、価格帯、スキルレベルなど、連続的なスペクトルで表現できるものに使われる。 【ニュアンスの違い】『variety』が異なる種類の存在を強調するのに対し、『range』はある基準に沿った連続的な変化や分布を示す。ビジネスや技術分野で、性能や価格などの指標を説明する際によく用いられる。 【混同しやすい点】『range』は『a wide range of』という形で、形容詞を伴って使われることが多い。一方、『variety』は単独で『a variety of』として使われることが多い。また、『range』は距離や範囲といった物理的な意味も持つ。
- assortment
『詰め合わせ』や『寄せ集め』という意味で、異なる種類のものが意図的に集められた状態を指す。食品、ギフト、商品など、商業的な文脈でよく使われる。 【ニュアンスの違い】『variety』が自然発生的な種類の多さを指すのに対し、『assortment』は意図的に選択・配置された種類の集まりを意味する。小売業やマーケティングにおいて、顧客の選択肢を増やすために用いられる。 【混同しやすい点】『assortment』は通常、具体的な商品やアイテムに対して使われる。抽象的な概念やアイデアに対しては使われない。例えば、『an assortment of chocolates』とは言うが、『an assortment of ideas』とは言わない。
『選択』や『選抜』という意味で、特定の基準に基づいて選び出されたものの集まりを指す。商品、メニュー、人材など、意図的な選択の結果として得られたものに使われる。 【ニュアンスの違い】『variety』が単に種類の多さを指すのに対し、『selection』は選ぶという行為と、その結果としての選ばれたものが重要となる。よりフォーマルな文脈や、質の高さを示す際に用いられる。 【混同しやすい点】『selection』は選ぶ行為自体を指す場合と、選ばれたものを指す場合がある。『a wide selection of』という形で、形容詞を伴って使われることが多い。
- multiplicity
『多数』や『多様性』という意味で、数が多いことや種類が多いことを強調する。哲学、数学、社会学などの学術的な文脈で使われる。 【ニュアンスの違い】『variety』が具体的な種類の違いを指すのに対し、『multiplicity』は抽象的な数の多さや複雑さを指す。より形式的で、専門的な議論において用いられる。 【混同しやすい点】『multiplicity』は日常会話ではほとんど使われず、学術的な文脈でのみ用いられる。また、不可算名詞として使われることが多い。
『連続体』や『範囲』という意味で、ある特性が連続的に変化する状態を指す。光のスペクトル、意見のスペクトルなど、段階的な変化を示す際に用いられる。 【ニュアンスの違い】『variety』が個々の異なる種類の存在を強調するのに対し、『spectrum』はある軸に沿った連続的な変化や分布を示す。科学技術や社会科学の分野で、連続的なデータや意見の分布を説明する際によく用いられる。 【混同しやすい点】『spectrum』は単数形で使われることが多いが、複数のスペクトルを指す場合は『spectra』となる。また、『a wide spectrum of』という形で、形容詞を伴って使われることが多い。
派生語
『さまざまな』という意味の形容詞。『variety』が名詞であるのに対し、こちらは状態や性質を表す形容詞として使われる。日常会話からビジネス文書、学術論文まで幅広く用いられ、多種多様なものが存在することを示す。
『変化に富んだ』、『多様な』という意味の形容詞で、『variety』の過去分詞形に由来する。ただし、単純な過去形ではなく、形容詞として独立した意味を持つ。経験や活動が多様であること、または内容が変化に富んでいることを表す際に用いられる。例えば、『a varied career(変化に富んだ経歴)』のように使われる。
- variously
『さまざまに』という意味の副詞。『various』に副詞化の接尾辞『-ly』が付いた形。方法や程度が多様であることを示す。例えば、『The project was variously interpreted.(そのプロジェクトはさまざまに解釈された)』のように使われる。
反意語
『均一性』、『一様性』という意味の名詞。『variety(多様性)』とは対照的に、すべてが同じである状態を表す。製品の品質管理や、社会的な均一性について議論する際など、幅広い文脈で使用される。例えば、『uniformity of standards(基準の均一性)』のように使われる。
『類似性』という意味の名詞。『variety』が異なる要素の存在を強調するのに対し、『similarity』は共通点や似ている点に焦点を当てる。学術的な比較研究や、日常会話での類似性の指摘など、様々な場面で用いられる。ただし、完全に同一ではない点に注意が必要。例えば、『similarity between the two cultures(二つの文化の類似性)』のように使われる。
- sameness
『同一性』、『同じであること』という意味の名詞。『variety』が多様性や変化を意味するのに対し、『sameness』は変化がなく、常に同じ状態であることを強調する。単調さや退屈さを表す際にも用いられることがある。例えば、『the sameness of his routine(彼の日常の単調さ)』のように使われる。
語源
"variety」は、ラテン語の「varietas(多様性、変化)」に由来します。この「varietas」は、「varius(様々な、多様な)」という形容詞から派生した名詞です。「varius」の語源はさらに古く、印欧祖語の語根に遡ると考えられていますが、正確な起源は不明です。「variety」は、元々は「多様であること」や「様々な種類があること」を意味していましたが、次第に「種類」そのものを指す意味でも使われるようになりました。日本語で例えるなら、「色々(いろいろ)」という言葉が、状態を表すだけでなく、「色々なお菓子」のように具体的な物を指すのと同じような変化です。つまり、「variety」は、変化に富んだ状態から、具体的な種類へと意味が広がった単語と言えるでしょう。
暗記法
「variety」は単なる種類の多さではない。バラエティショーが示すように、異質な要素が混ざり合い、創造性を生む力だ。食生活や旅行におけるvarietyは、個人の選択肢を広げ、生活を豊かにする。しかし、過剰なvarietyは混乱も招く。多様な社会で生き抜くには、varietyを理解し、主体的に選択する能力が不可欠なのだ。Varietyは、社会の進歩と個人の成長を象徴する、奥深い言葉なのである。
混同しやすい単語
「variety」と「vary」は、語源が同じで、スペルも非常によく似ています。発音も似ていますが、「variety」は名詞、「vary」は動詞である点が大きく異なります。「vary」は「変化する」「異なる」という意味で、文脈によって使い分ける必要があります。日本人学習者は、品詞と意味の違いを意識して使い分けるようにしましょう。
「variety」と「verity」は、最初の部分の発音が似ています。しかし、「verity」は「真実」「真理」という意味の名詞であり、「variety」とは意味が大きく異なります。スペルも異なりますが、発音に注意が必要です。ラテン語の "veritas"(真実)が語源です。
「variety」と「vanity」は、最初の 'va' の部分が共通しており、スペルも少し似ています。「vanity」は「虚栄心」「むなしさ」という意味の名詞であり、「variety」とは意味が全く異なります。発音もアクセントの位置が異なるため、注意が必要です。「vanity」は、ラテン語の "vanitas"(空虚)が語源です。
"variety" と "warranty" は、語尾の発音が似ているため、特にリスニングで混同しやすいことがあります。 "warranty" は「保証」という意味で、法律やビジネスの文脈でよく使用されます。スペルも異なるため、視覚的に区別することも重要です。
"variety" と "rarity" は、語尾の "-ity" という接尾辞が共通しているため、スペルを見たときに混同しやすいかもしれません。"rarity" は「珍しさ」「希少性」という意味で、"rare"(珍しい)という形容詞から派生した名詞です。発音も異なるため、注意が必要です。
"variety" と "velocity" は、どちらも複数の音節からなる単語で、語感が少し似ているかもしれません。しかし、"velocity" は「速度」という意味の名詞で、物理学などでよく使われます。発音もスペルも大きく異なるため、文脈から判断することが重要です。ラテン語の "velox"(速い)が語源です。
誤用例
日本語の『より多くの種類の意見』を直訳すると、つい『more variety』としてしまいがちですが、英語では『a wider variety』とするのが自然です。『variety』自体に『様々な種類』という意味が含まれているため、『more』を直接つけると不自然に響きます。これは、日本語の『種類』という言葉が単数・複数どちらにも使えるのに対し、英語の『variety』は通常、形容詞(wider, greater, etc.)を伴って、その範囲や程度を強調する用法が一般的であるためです。背景には、英語がより具体性を求める言語であるという特徴があります。
『variety』は『多様性』という意味合いが強く、個々のスキルが多岐にわたることを指します。一方、『breadth』は『幅広さ』という意味で、スキル全体の範囲や広がりを強調します。この文脈では、彼のスキルが『広範囲に及ぶ』ことが彼の努力の証である、というニュアンスが適切なので『breadth』を使う方がより自然です。日本人が『variety』を選びがちなのは、日本語の『バラエティに富む』という表現に引きずられるためかもしれません。英語では、スキルや知識の範囲を指す場合、『breadth』の方がより適切です。
この文脈では、相手の返答の『多様性』を評価するというよりも、むしろその返答に含まれる『ニュアンス』や『繊細さ』を評価したい意図があると推察されます。『variety』はあくまで『種類』の多さを指すため、内容の深さや質を伝えたい場合には不適切です。日本語で『バラエティに富んだ返答』という表現を直訳しようとすると、この誤りが生じやすくなります。英語では、相手の意見の深さや繊細さを評価する場合は、『nuance』や『subtlety』といった語彙を用いるのが適切です。また、皮肉を込めて『variety』を使う場合もありますが、これは上級者向けの表現であり、誤解を招く可能性があるので注意が必要です。
文化的背景
「variety(多様性)」という言葉は、単に「多くの種類がある」ことを指すだけでなく、社会や文化における豊かさ、創造性、そして変化への適応力を象徴します。特に現代社会においては、単一性ではなく多様性を受け入れることこそが、進歩と繁栄の鍵であるという価値観が根付いています。
19世紀後半から20世紀初頭にかけて、大衆娯楽の隆盛とともに「variety show(バラエティショー)」という形式が生まれました。これは、音楽、ダンス、コメディ、マジックなど、様々なジャンルのパフォーマンスを短時間で次々と繰り広げるもので、多様な才能と表現が一堂に会する場でした。バラエティショーは、移民や異なる文化背景を持つ人々が集まる都市部で特に人気を博し、それぞれの文化が混ざり合い、新たな表現が生まれる温床となりました。この時代、varietyは単なる「種類の多さ」を超え、「異なる要素が共存し、互いに刺激し合うことによって生まれる創造性」というニュアンスを帯びるようになったと言えるでしょう。
現代社会においては、「diversity(多様性)」という言葉がより政治的、社会的な意味合いを強める一方で、「variety」は、より個人的な選択や嗜好、あるいは芸術やエンターテイメントにおける表現の幅広さを指す傾向があります。例えば、食生活における「variety」は、健康的なバランスを保つための様々な食材の選択を意味し、旅行における「variety」は、異なる文化や風景を体験することへの欲求を表します。このように、「variety」は、個人の生活を豊かにし、視野を広げるための積極的な選択肢として捉えられています。
しかし、「variety」が常に肯定的な意味を持つとは限りません。過剰な情報や選択肢の多さは、時に混乱やストレスを引き起こすこともあります。現代社会は「variety」に溢れていますが、その中で自分にとって本当に必要なものを見極め、主体的に選択していくことが、より重要になっていると言えるでしょう。つまり、「variety」を享受するためには、それを理解し、適切に活用する能力が不可欠なのです。そして、その能力こそが、多様な社会で生き抜くための鍵となるのです。
試験傾向
- 出題形式: 主に語彙問題、長文読解、ライティング(エッセイ)
- 頻度と級・パート: 準1級・1級で頻出。2級でも長文読解で登場する可能性あり。
- 文脈・例題の特徴: 幅広いトピックで登場。アカデミックな内容から日常生活まで。
- 学習者への注意点・アドバイス: 名詞としての「多様性」「種類」の意味を理解。形容詞variousとの区別が重要。動詞varies(変化する)の活用も押さえておく。
- 出題形式: Part 5(短文穴埋め問題)、Part 7(長文読解)
- 頻度と級・パート: 比較的頻出。特にPart 7のビジネス関連文書でよく見られる。
- 文脈・例題の特徴: ビジネスシーン(製品、サービス、市場など)に関する多様性について言及する際に使われることが多い。
- 学習者への注意点・アドバイス: 名詞としての意味に加え、動詞vary (変化する) との関連性を意識する。類義語であるassortment, range, diversityとのニュアンスの違いも理解しておくと良い。
- 出題形式: リーディング、ライティング(Integrated/Independent)
- 頻度と級・パート: 頻出。アカデミックな文章で様々な分野(科学、社会科学、人文科学など)で使われる。
- 文脈・例題の特徴: 研究、理論、社会現象など、多様性や変化に関する議論で頻繁に登場。
- 学習者への注意点・アドバイス: アカデミックな文脈での使用に慣れること。同義語のdiversityとの使い分け、関連語のvarious, varyなども合わせて学習する。ライティングでは、自分の意見を述べる際に具体例を挙げて説明するために活用できる。
- 出題形式: 長文読解、自由英作文
- 頻度と級・パート: 頻出。難関大学ほど出題頻度が高い。
- 文脈・例題の特徴: 社会問題、環境問題、科学技術など、幅広いテーマで登場。
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から正確な意味を把握する練習が必要。和訳問題では、単に「多様性」と訳すだけでなく、文脈に合った自然な日本語表現を選ぶことが重要。自由英作文では、具体例を挙げて「variety」の重要性や影響を論じることができるように練習する。