throng
th の音は、舌先を上下の前歯で軽く挟んで息を出す有声音です。日本語にはない音なので意識的に練習しましょう。『ス』と『ズ』の中間のような音をイメージしてください。r の音は舌を丸めて喉の奥から出すように発音し、ɔː は口を大きく開けて発音する長母音です。最後は軽く鼻にかかった音(ŋ)で終わります。
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群衆
人が密集して集まっている状態。特に、興奮や目的を持って集まっている様子を表す。コンサート会場やデモ、イベントなどでよく見られる光景。
The street was filled with a happy throng of people during the festival.
お祭り中、通りは楽しそうな群衆でいっぱいでした。
※ この例文は、お祭りなど活気あるイベントで大勢の人が集まっている様子を表しています。「a happy throng」のように、群衆の様子を形容詞で表現するのは自然な使い方です。動詞 'fill' の受動態 'was filled with' で「〜でいっぱいだった」と表現しています。
A throng of shoppers rushed into the store when the sale started.
セールが始まったとき、買い物客の群衆が店に殺到しました。
※ ここでは、「何か特定の目的(この場合はセール品)を求めて大勢の人が一斉に動く」という場面で 'throng' を使っています。「a throng of shoppers」のように、「throng of + 特定の人々」で、どのような群衆かを明確にできます。'rush into' は「〜に飛び込む、殺到する」という意味です。
It was hard to move through the throng of tourists at the museum.
美術館では、観光客の群衆の中を進むのが大変でした。
※ この例文は、人が多すぎて動きにくい、通り抜けにくいといった「混雑による困難」を表す際に 'throng' が使われる典型的な例です。「It was hard to 動詞の原形」で「〜するのは難しかった」という便利な表現です。'move through' は「〜の中を通り抜ける」という意味で、群衆の中を進む様子が伝わります。
押し寄せる
大勢の人々がある場所へ向かって、ひしめき合いながら進む様子。良い意味でも悪い意味でも使われる。観光地や人気店に行列ができる状況など。
People thronged the park to watch the beautiful fireworks show.
人々が美しい花火ショーを見るために公園に押し寄せました。
※ この文では、多くの人が花火を見ようと、期待に胸を膨らませて公園に集まってくる様子が目に浮かびます。お祭りやイベントで、ある場所に大勢の人が集中する際に「throng」がよく使われます。ここでは「~に押し寄せる」という意味で、動詞の後ろに場所が来ています。
Eager shoppers thronged into the store early in the morning for the big sale.
待ちきれない買い物客たちが、大安売りのために早朝から店に押し寄せました。
※ この例文は、大安売りを心待ちにしていた買い物客たちが、開店と同時に勢いよく店の中へなだれ込む情景を描いています。「throng into ~」で「~の中へ押し寄せる」という動きが強調されます。セールやイベントの初日など、特定の目的のために人々が殺到する状況で使われる典型的な表現です。
Many excited fans thronged around the famous actor at the airport.
多くの興奮したファンが、空港でその有名な俳優の周りに押し寄せました。
※ 空港に有名人が現れた途端、ファンたちが一斉にその人の周りに群がり、身動きが取れないほどになる様子が伝わってきます。「throng around ~」で「~の周りに押し寄せる、群がる」という意味になります。有名人や注目の的となる人物の周りに人が集まる場面で、この単語は非常に効果的です。
コロケーション
非常に密集した群衆
※ 「dense」は『密度が高い』という意味で、throngの密集度合いを強調します。物理的に人が押し合いへし合いしているような状況を vivid に描写する際に適しています。例えば、コンサート会場や初売りのセール会場など、動きが取れないほどの混雑をイメージしてください。形容詞と名詞の組み合わせで、視覚的な印象を強める効果があります。
群衆をかき分けて進む
※ 文字通り、物理的に群衆の中を押し進む行為を表します。「push through」は困難を乗り越えて進むニュアンスがあり、単に「walk through the crowd」と言うよりも、積極的かつ苦労して進む様子が伝わります。スポーツイベント後の駅や、デモ行進など、意図的に人混みを抜け出す必要がある状況で使われます。動詞句+前置詞句+名詞のパターンです。
波のように押し寄せる群衆
※ 「surging」は『波打つ、押し寄せる』という意味で、群衆がまるで波のように動く様子を表します。群衆の動きに注目した表現で、勢いやエネルギーを感じさせます。暴動やパニック状態など、群衆が統制を失い、予測不能な動きをする状況で用いられることが多いでしょう。形容詞と名詞の組み合わせで、動きのある情景描写に貢献します。
群衆に紛れて交流する
※ 「mingle」は『打ち解けて交わる』という意味で、群衆の中で他の人々と交流する様子を表します。パーティーやイベントなどで、積極的に他人とコミュニケーションを取るニュアンスが含まれます。単に「be in the crowd」と言うよりも、社会的な交流に重点を置いた表現です。動詞+前置詞+名詞の組み合わせで、社交的な場面での行動を描写します。
群衆の中に紛れて見えなくなる
※ 物理的に群衆の中に埋もれて見えなくなるだけでなく、比喩的に『個性を失い、大勢の中に埋没する』という意味合いも持ちます。例えば、匿名性の高い都会生活や、組織の中で個人の意見が埋もれてしまう状況などを表すことができます。受動態の形をとることが多く、主体性の喪失や無力感を表すのに適しています。形容詞(過去分詞)+前置詞+名詞のパターンです。
群衆の数を増やす
※ 「swell」は『膨らむ、増大する』という意味で、群衆の規模が大きくなることを表します。デモや抗議活動などで、参加者が増えていく状況を描写するのに適しています。また、比喩的に『ある意見や支持者が増える』という意味でも使われます。動詞+名詞の組み合わせで、規模の変化を表します。
群衆から逃れる
※ 文字通り、群衆から抜け出して逃げる行為を表します。危険な状況や不快な状況から逃れたいという強い願望が込められています。コンサート会場での事故や、デモ隊からの脱出など、緊急性の高い状況で使われることが多いでしょう。動詞+名詞の組み合わせで、切迫した状況を描写します。
使用シーン
学術論文や研究発表で、特定の場所やイベントに人が「群がる」状況を客観的に描写する際に使われます。例えば、社会学の研究で「デモに群衆が押し寄せた」状況を分析したり、都市計画の論文で「特定の駅に人が集中する傾向」を説明したりする際に用いられます。
ビジネスシーンでは、市場調査やイベント報告書など、フォーマルな文書で使われることがあります。例えば、「新製品発表会に多くの顧客が押し寄せた」という状況を報告する際に、客観的な視点を示すために使用されます。日常的な会話やメールではあまり使われません。
日常会話で「throng」を使うことは稀ですが、ニュース記事やドキュメンタリー番組などで、群衆の状況を伝える際に目にすることがあります。例えば、「コンサート会場にファンが殺到した」というニュースを伝える際に使われたりします。ただし、より口語的な表現(crowdなど)が好まれる傾向があります。
関連語
類義語
一般的な『群衆』を意味し、日常会話で最も頻繁に使われる。名詞としても動詞としても使用可能。特定の目的や方向性を持たない人々が集まっている状態を表すことが多い。 【ニュアンスの違い】『throng』よりも中立的で、感情的な意味合いは薄い。また、『throng』が押し合いへし合いするような密集した状態を暗示するのに対し、『crowd』は必ずしもそうではない。 【混同しやすい点】『crowd』は可算名詞であり、複数形(crowds)も頻繁に使用される。動詞として使う場合は自動詞(crowd around)と他動詞(crowd someone)の両方の用法がある。
『多数』や『大群』を意味し、数えきれないほどの多さを強調する。やや文学的、またはフォーマルな表現。具体的な人数よりも、その数の多さに重点を置く。 【ニュアンスの違い】『throng』よりも抽象的で、物理的な密集よりも数の多さを強調する。また、『throng』が動的な群衆を指すことが多いのに対し、『multitude』は静的な集団を指すこともある。 【混同しやすい点】『multitude』は不可算名詞として扱われることが多いが、可算名詞として使われる場合もある。また、『a multitude of』という形で使われることが多い。
『大群』を意味し、特に軍隊や天使などの大規模な集団を指すことが多い。文学的、または宗教的な文脈で使用されることが多い。 【ニュアンスの違い】『throng』よりも格式が高く、威厳や力強さを伴う。また、『throng』が人間を指すことが多いのに対し、『host』は人間以外の集団も指すことができる。 【混同しやすい点】『host』は可算名詞であり、複数形(hosts)も使用される。また、『a host of』という形で使われることも多い。
昆虫や動物などが『群がる』様子を表す。比喩的に、人が密集している様子を表すこともある。 【ニュアンスの違い】『throng』よりも動きがあり、無秩序な印象を与える。また、『throng』が比較的落ち着いた集団を指すことが多いのに対し、『swarm』は興奮状態にある集団を指すことがある。 【混同しやすい点】『swarm』は可算名詞であり、複数形(swarms)も使用される。また、動詞として使う場合は自動詞(swarm around)として使われることが多い。
鳥や羊などが『群れる』様子を表す。比喩的に、人が特定の場所に集まる様子を表すこともある。 【ニュアンスの違い】『throng』よりも穏やかで、平和的な印象を与える。また、『throng』が密集した状態を指すことが多いのに対し、『flock』は比較的ゆったりとした集団を指すことがある。 【混同しやすい点】『flock』は集合名詞であり、単数形でも複数形として扱われることがある。また、動詞として使う場合は自動詞(flock to)として使われることが多い。
特定の目的のために集まった『集会』や『会議』を意味する。フォーマルな場面で使用されることが多い。 【ニュアンスの違い】『throng』よりも組織化されており、目的意識が高い。また、『throng』が自然発生的な集団を指すことが多いのに対し、『assembly』は計画的に組織された集団を指す。 【混同しやすい点】『assembly』は可算名詞であり、複数形(assemblies)も使用される。また、不可算名詞として、組み立てられたものを指す場合もある。
派生語
- thronging
現在分詞形で、『群がる』『押し寄せる』という動作の進行中を表します。報道記事などで、群衆が特定の場所に集まっている様子を生き生きと描写する際に用いられます。例えば、『thronging to the stadium(スタジアムに押し寄せる)』のように使われます。
- thronged
過去分詞形で、『群衆で混雑した』状態を表します。場所が人でいっぱいであることを示す形容詞的な用法で使われます。例えば、『a thronged marketplace(人でごった返す市場)』のように、場所のにぎわいを強調します。
反意語
『散る』『分散させる』という意味の動詞で、群衆がまとまっている状態とは反対を表します。デモ隊の解散や、霧が晴れる様子など、集団や物事が散らばる状況を描写する際に用いられます。例えば、『The crowd dispersed after the announcement.(発表後、群衆は散り散りになった)』のように使われます。
『ばらまく』『散乱する』という意味の動詞で、元々まとまっていたものが広範囲に散らばる様子を表します。throngが『密集』を表すのに対し、scatterは『拡散』を表し、対照的な意味を持ちます。例えば、『The wind scattered the leaves.(風が葉を散らした)』のように使われます。
語源
「throng」は古英語の「þringan」(押し合う、群がる)に由来します。これはゲルマン祖語の「*threngwanan」(押す、圧迫する)から来ており、物理的に人が密集して押し合う様子を表しています。この単語には接頭辞や接尾辞は含まれていません。イメージとしては、満員電車で人が押し合いへし合いしている状況を思い浮かべると、「throng」が持つ「群衆」や「押し寄せる」といった意味合いが理解しやすいでしょう。日本語の「ひしめく」という言葉も、人が密集している様子を表す点で「throng」と近いニュアンスを持っています。このように、古くから人々が密集する状況を表す言葉として使われ続けているのが「throng」という単語です。
暗記法
群衆(throng)は、無名のエネルギーであり、制御不能な力。中世の市場の賑わいから、革命時の民衆の波まで、社会を揺るがす力となる。シェイクスピア劇では、群衆心理が暴力を生む。現代では、コンサートの一体感と事故のリスクが共存。希望と恐怖、興奮と危険。throngは、社会と個の関係を映す鏡であり、常に両義的な存在として、歴史と文化に刻まれている。
混同しやすい単語
発音が似ており、スペルも'thr'という共通の接頭辞を持つため、混同しやすい。"throng" は「群衆」という意味の名詞だが、"through" は「~を通って」という意味の前置詞、副詞、形容詞。また、"threw"(投げるの過去形)とも発音が似ているため注意が必要。"through"の綴りは非常に特殊で、ghの組み合わせが発音されない点も日本人学習者には難しい。
語尾の "-ong" の部分が共通しているため、発音とスペルの両面で混同しやすい。"throng" は名詞だが、"strong" は形容詞で「強い」という意味。文脈が大きく異なるため、注意すれば区別は可能。ただし、早口の英語では聞き間違えやすい。
"throng"と"thrown"は、どちらも「スロン」のように聞こえる場合があり、発音が非常に似ているため混同しやすい。"throng"は名詞だが、"thrown"は動詞"throw"の過去分詞形である。文脈から判断する必要がある。"throw"という基本的な単語の活用形であるため、確実に区別できるようにしたい。
語尾の "-ong" が共通しているため、発音の類似性から混同しやすい。 "throng" は「群衆」を意味する名詞だが、"song" は「歌」を意味する名詞であり、意味は全く異なる。ただし、英語の初心者にとっては、これらの音の区別が難しい場合がある。
語尾が"-rong"で終わるため、発音が似ていて混同しやすい。 "throng" が「群衆」であるのに対し、"prong" は「(フォークなどの)歯」を意味する名詞であり、意味は全く異なる。ただし、"prong"自体があまり馴染みのない単語であるため、文脈から判断しやすいかもしれない。
スペルが非常に似ており、発音も近い。"throng"は群衆だが、"thong"はTバックなどの下着を指す言葉であり、意味が全く異なる。発音記号を確認し、/ɔː/(thong)と/ɒ/(throng)の違いを意識すると良い。また、スラング的な意味合いもあるため、使う場面には注意が必要。
誤用例
日本語の『考えが押し寄せる』という表現を直訳すると『throng』が思い浮かぶかもしれませんが、『throng』は通常、物理的な『人混み』を指します。抽象的な概念には使いません。『flood(洪水)』の方が、感情や思考が溢れ出す様子を表すのに適しています。日本人が抽象的な概念を具体的なイメージで捉えがちな傾向が、この誤用の原因かもしれません。
『throng』を動詞として使う場合、『群がる』という意味になります。会社が新製品をリリースするために『群がる』という表現は不自然です。『rush(急ぐ)』の方が、企業が競争の中で迅速に行動するニュアンスを適切に表します。日本人が『殺到する』という言葉から直接『throng』を連想してしまうことが原因と考えられます。
ニュースを聞いて『人が群がった』という意味ではなく、『圧倒された』という感情を伝えたい場合、『thronged』は不適切です。『throng』はあくまで物理的な密集状態を表します。『overwhelmed』は感情や感覚が圧倒される様子を表し、より適切な表現です。日本人が感情を物理的なイメージで表現しようとする際に、不適切な単語を選んでしまうことがあります。
文化的背景
群衆(throng)は、単なる人々の集まりではなく、しばしば無名のエネルギー、あるいは制御不能な力として文化的に認識されます。個人の意志が埋没し、集合的な感情や行動が支配する場として、文学や歴史の中で繰り返し描かれてきました。
中世の市場や祭りの賑わいは、throngの典型的なイメージです。人々は物々交換や娯楽を求め、身を寄せ合って進みます。しかし、この活気ある光景の裏には、スリや詐欺、喧嘩などの危険も潜んでいました。社会秩序が緩み、個人の責任が曖昧になるthrongは、しばしば混乱と無秩序の温床と見なされたのです。シェイクスピアの戯曲には、群衆心理が扇動され、暴力へと発展する場面が度々登場します。登場人物たちは、群衆の熱狂に呑み込まれ、冷静な判断力を失ってしまうのです。
フランス革命や産業革命など、社会が大きく変動する時代には、throngは政治的な力を持つようになります。パリの街を埋め尽くす民衆の波は、既存の権力構造を揺るがし、新たな社会秩序の創造を促しました。しかし、その過程では、しばしば暴力や混乱が伴います。throngは、希望と恐怖の両方を象徴する存在となったのです。現代においても、デモや抗議活動における群衆は、社会的な変革を求めるエネルギーの源泉となります。しかし、同時に、暴徒化やテロリズムのリスクも孕んでいます。
現代社会においては、コンサート会場やスポーツイベントなど、特定の目的を持つ群衆もthrongと表現されます。これらの場所では、人々は共通の興味や感情を共有し、一体感を味わいます。しかし、大規模なイベントにおける群衆事故は、常に潜在的な脅威として存在します。安全管理の重要性が叫ばれる一方で、人々はthrongの中に身を置くことで、非日常的な興奮や解放感を求めるのです。throngは、人間の集団心理の複雑さ、そして社会における個と全体の関係を映し出す鏡と言えるでしょう。
試験傾向
準1級、1級で語彙問題や長文読解で出題される可能性があります。特に長文読解では、比喩的な意味合いで使用される場合があり、文脈から正確な意味を把握する必要があります。リスニングでの出題は比較的少ないです。
Part 5(短文穴埋め問題)やPart 7(長文読解)でまれに出題されることがあります。ビジネスシーンでの利用頻度は比較的低いですが、群衆に関連する話題(イベント、交通機関など)で登場する可能性があります。同意語・類義語問題に注意。
リーディングセクションで、アカデミックな内容の記事で出題される可能性があります。社会学、都市計画、歴史などの分野で、群衆や集団に関する議論の中で使われることが多いです。名詞形と動詞形の意味の違いを理解しておくことが重要です。
難関大学の長文読解で出題される可能性があります。特に社会科学系のテーマ(社会運動、都市問題など)で登場することがあります。文脈から意味を推測する能力と、類義語(crowd, multitudeなど)との使い分けを理解しているかが問われます。