英単語学習ラボ

thanks to ~

/ˌθæŋks tə/(サンクス トゥー)

th の音 /θ/ は、舌先を上下の前歯で軽く挟んで息を出す有声摩擦音です。日本語のサ行の子音を発音する時のように、舌先を歯の裏に当てて発音すると、別の音になってしまいます。また、"to" は通常弱形 /tə/ で発音されますが、ここでは強調のため強形 /tuː/ を用いています。"thanks" の最後の "s" は無声音なので、日本語の「ス」のように母音を伴わないように注意しましょう。

前置詞

おかげで

好ましい結果や成功が、特定の原因や人によるものであることを示す。良い意味での原因・理由を表す際に用いる。類似表現:because of, due to

I finally passed the difficult exam thanks to my teacher's patient lessons.

先生の忍耐強い授業のおかげで、ついにあの難しい試験に合格できました。

この例文は、努力が報われた喜びと、その成功を支えてくれた先生への感謝の気持ちが伝わる場面です。「thanks to」は、良い結果や成功の原因を示すときに使われます。誰かの助けや具体的な行動が実を結んだ時にぴったりの表現です。

We found the hidden café easily thanks to her detailed map.

彼女の詳しい地図のおかげで、私たちは隠れたカフェを簡単に見つけられました。

友達と新しい場所を探しているワクワクする場面を想像してください。道に迷うことなく目的地にたどり着けたのは、地図という具体的なものがあったから。「thanks to」は、このように物や情報が助けになった場合にも自然に使えます。

Many people can now work from home easily thanks to fast internet.

高速インターネットのおかげで、今では多くの人が自宅から簡単に仕事ができます。

テクノロジーの進歩が私たちの生活をどう変えたかを示す場面です。インターネットという「もの」が、便利な生活(自宅での仕事)を可能にした原因になっています。このように、ある技術や発展がもたらした良い影響を説明する際にもよく使われます。

前置詞

〜のおかげで(皮肉)

皮肉や非難のニュアンスを含み、本来は良くない結果が特定の原因や人によるものであることを強調する。文脈によっては責任追及の意を含む。

Thanks to your "help," the kitchen is now a total mess!

君の『手伝い』のおかげで、キッチンは今やめちゃくちゃだよ!

友達が手伝ってくれたのに、かえって散らかってしまった時の、がっかりした気持ちや皮肉が込められた一言です。「help」(手伝い)という言葉をあえて引用符で囲むことで、「これは手伝いじゃなかった」という皮肉な気持ちを強調しています。

Thanks to the heavy rain, our outdoor concert was completely canceled.

あのどしゃ降りの雨のおかげで、私たちの野外コンサートは完全に中止になってしまった。

楽しみにしていた野外コンサートが、ひどい雨のせいで中止になってしまった場面です。雨は避けられないものですが、そのせいで残念な結果になった時に、皮肉を込めて「〜のおかげで」と言う典型的な使い方です。

Thanks to his 'brilliant' advice, I ended up getting completely lost in the city.

彼の『素晴らしい』アドバイスのおかげで、私は結局街で完全に迷子になっちゃったよ。

誰かのアドバイスに従ったら、かえって悪い結果になったという状況です。「brilliant」(素晴らしい)という言葉を皮肉を込めて使うことで、そのアドバイスが全く役に立たなかったこと、むしろ逆効果だったことを強調しています。

コロケーション

thanks to advances in technology

技術の進歩のおかげで

「thanks to」は通常、良い結果の理由を述べるときに使われますが、特に「advances in technology」(技術の進歩)と組み合わせると、技術革新がもたらした恩恵を強調する際に非常に効果的です。ビジネス、科学、医療などの分野で、進歩によって可能になったことや改善されたことを説明する際によく用いられます。単に「technology」だけでなく、「advances in」を伴うことで、その進歩の度合いや影響の大きさをより明確に伝えることができます。

thanks to the generosity of donors

寄付者の寛大なご支援のおかげで

このフレーズは、慈善活動や非営利団体の文脈で頻繁に使われます。「generosity」(寛大さ)という言葉が示すように、金銭的な支援だけでなく、時間や労力の提供も含む、広範囲な貢献に対する感謝を表す際に適しています。フォーマルな場面、例えば年次報告書や感謝状、イベントのスピーチなどでよく見られます。個人的な感謝というよりは、組織全体としての感謝の意を伝えるのに適しています。

thanks to a stroke of luck

幸運のおかげで

「a stroke of luck」は、予期せぬ幸運や偶然の出来事を指すイディオムです。「thanks to」と組み合わせることで、計画や努力とは別に、偶然の幸運によって良い結果が得られたことを強調します。この表現は、成功の理由を謙虚に語りたい場合や、予想外の結果に驚きを表したい場合に適しています。口語的な場面や、やや軽いトーンのスピーチでよく用いられます。

thanks to early detection

早期発見のおかげで

主に医療分野で使われる表現で、病気や問題が早期に発見されたことによって、治療が成功したり、深刻な事態を回避できたことを意味します。「early detection」(早期発見)は、迅速な対応が重要であることを示唆し、「thanks to」と組み合わせることで、早期発見の重要性を強調する効果があります。公衆衛生の啓発活動や、医療関係者のスピーチなどでよく用いられます。

thanks to his/her efforts

彼/彼女の努力のおかげで

特定の人物の努力が、良い結果をもたらしたことを強調する際に使われます。「efforts」は、単なる行動だけでなく、継続的な努力や献身的な取り組みを意味します。「his/her」の部分は、具体的な名前や役職に置き換えることができます。ビジネスシーンや、チームプロジェクトの成果を報告する際など、個人の貢献を称える場面でよく用いられます。

thanks to improved infrastructure

インフラの改善のおかげで

「improved infrastructure」(改善されたインフラ)という具体的な名詞と組み合わせることで、特定のプロジェクトや政策がもたらした具体的な成果を強調します。交通、通信、エネルギーなどの分野で、インフラの改善が生活の質や経済活動に与えたプラスの影響を説明する際に適しています。政府機関や公共団体の報告書、ニュース記事などでよく見られます。

thanks to clear communication

明確なコミュニケーションのおかげで

「clear communication」(明確なコミュニケーション)は、誤解や混乱を避け、スムーズな意思疎通を可能にすることを意味します。「thanks to」と組み合わせることで、プロジェクトの成功、問題解決、チームワークの向上など、コミュニケーションの明確さがもたらした良い結果を強調します。ビジネス、教育、人間関係など、あらゆる分野で応用できる汎用性の高い表現です。

使用シーン

アカデミック

学術論文や研究発表で頻繁に使用されます。成功や進展の理由を説明する際に客観的な表現として用いられ、「Thanks to the development of new technology, the efficiency of data analysis has significantly improved. (新しい技術の開発のおかげで、データ分析の効率が大幅に向上しました。)」のように記述します。また、先行研究に基づいて議論を展開する際にも、「Thanks to previous studies, we were able to gain a deeper understanding of this phenomenon. (先行研究のおかげで、この現象についてより深く理解することができました。)」のように使われます。

ビジネス

ビジネスシーンでは、プレゼンテーション、報告書、メールなどで、プロジェクトの成功や業績向上などの要因を説明する際に使用されます。例えば、「Thanks to the team's hard work, we were able to achieve our sales targets. (チームの努力のおかげで、売上目標を達成することができました。)」のように、ポジティブな結果に対する感謝や貢献を伝えるために用いられます。また、顧客やパートナーへの感謝の意を示す際にも、「Thanks to your continued support, we were able to expand our business. (皆様の継続的なご支援のおかげで、事業を拡大することができました。)」のように使われます。

日常会話

日常会話では、友人や家族への感謝の気持ちを表す際に使用されます。「Thanks to you, I had a great time. (あなたのおかげで、とても楽しい時間を過ごせました。)」のように、相手の行為や存在に対する感謝を伝えるために用いられます。また、皮肉を込めて使う場合もあり、「Thanks to the rain, my plans were ruined. (雨のせいで、計画が台無しになった。)」のように、望ましくない状況の原因を指摘する際に使われます。ニュースや記事などでも、「Thanks to the new law, the crime rate has decreased. (新しい法律のおかげで、犯罪率が低下しました。)」のように、社会的な変化や影響を説明する際に使われることがあります。

関連語

類義語

  • due to

    原因や理由を表すフォーマルな表現。主に書き言葉やビジネスシーンで使用される。 【ニュアンスの違い】"thanks to"が肯定的な結果にも否定的な結果にも使えるのに対し、"due to"は中立的、または否定的な結果に使われることが多い。また、感謝の気持ちは含まれない。 【混同しやすい点】"due to"の後に名詞句が続く場合、文法的に正しい文構造になっているか注意が必要。文全体を修飾する副詞句として使うのが一般的。

  • owing to

    "due to"よりもさらにフォーマルな表現。法律文書や学術論文などで見られる。 【ニュアンスの違い】"due to"と同様に、中立的または否定的な結果に使われ、感謝の気持ちは含まれない。より客観的な原因を示す。 【混同しやすい点】口語ではほとんど使われないため、日常会話で使用すると不自然に聞こえることがある。フォーマルな文脈でのみ使用を検討する。

  • because of

    原因や理由を表す一般的な表現。日常会話からフォーマルな場面まで幅広く使用できる。 【ニュアンスの違い】"thanks to"と異なり、感謝の気持ちは含まれない。より直接的な原因を示すことが多い。"thanks to"よりも原因と結果の関係が明確。 【混同しやすい点】"because"とは異なり、後に節(主語+動詞)を続けることはできない。名詞句が続く必要がある。

  • as a result of

    結果を強調するフォーマルな表現。ビジネス文書や報告書などでよく使用される。 【ニュアンスの違い】"thanks to"と異なり、感謝の気持ちは含まれない。結果を客観的に述べる。原因と結果の関係が明確であり、論理的なつながりを強調する。 【混同しやすい点】原因よりも結果に重点を置いているため、文脈によっては"thanks to"の代替として不適切になる場合がある。

  • on account of

    原因や理由を表すやや古風な表現。現代英語ではあまり一般的ではない。 【ニュアンスの違い】"due to"や"owing to"と同様に、中立的または否定的な結果に使われ、感謝の気持ちは含まれない。原因を説明する際に用いられる。 【混同しやすい点】現代英語ではあまり使われないため、使用頻度は低い。より一般的な"because of"や"due to"を使用する方が無難。

  • 手段や方法を表す場合に使われるが、原因を表すこともある。 【ニュアンスの違い】原因を表す場合、"thanks to"のように感謝の気持ちは含まれない。むしろ、何かの作用や影響によって生じた結果を示す。 【混同しやすい点】"thanks to"が肯定的な結果にも使えるのに対し、"through"は中立的、または否定的な結果に使われることが多い。また、手段や方法を表す意味合いが強い。

派生語

  • 形容詞で「感謝している」という意味。『thank』に形容詞化の接尾辞『-ful』が付いた形。感謝の気持ちを表す場面で広く用いられ、手紙やスピーチなどでもよく見られる。単に感謝の気持ちがある状態を示す。

  • thankfulness

    名詞で「感謝の気持ち、感謝」という意味。『thankful』に名詞化の接尾辞『-ness』が付いた形。抽象的な概念としての感謝を表し、心理学や宗教関連の文献でも使用される。

  • ungrateful

    形容詞で「感謝しない、恩知らずの」という意味。接頭辞『un-』は否定を表し、『grateful (感謝している)』の反対の意味になる。日常会話で人の性格や態度を批判する際に使われることが多い。

反意語

  • due to

    「~が原因で」という意味。原因と結果を結びつける点で『thanks to』と共通するが、悪い結果の原因を示す際に用いられる。例えば、「The game was canceled due to rain.(雨のため試合は中止になった)」のように使う。

  • regardless of

    「~に関わらず」という意味。『thanks to』が原因・理由を示すのに対し、こちらは原因・理由を無視することを示す。例えば、「He succeeded regardless of his difficult circumstances.(彼は困難な状況にも関わらず成功した)」のように使う。

語源

"Thanks to ~"は、文字通り「~に感謝する」という意味から派生し、「~のおかげで」という意味を持つようになりました。 "Thanks" は古英語の "thanc" (思考、感謝)に由来し、これはさらにゲルマン祖語の "thankaz" (感謝)に遡ります。 "To" は方向や対象を示す前置詞です。直接的には感謝の意を表す表現ですが、文脈によっては皮肉として使われることもあります。例えば、「彼のせいで遅れた」という状況を「彼の素晴らしい(?)おかげで遅れた」のように表現することで、間接的に非難するニュアンスを含ませることができます。このように、言葉の持つ肯定的な意味合いを逆手に取ることで、より複雑な感情や意図を伝えることができるのです。

暗記法

「thanks to ~」は感謝だけじゃない。英語圏では個人主義が根強く、責任の所在を明確にする文化があるため、皮肉や非難のニュアンスを帯びることも。中世の教会で神への感謝に使われた言葉が、世俗化と共に意味を広げ、産業革命以降の責任追及の文化と結びついた。使う場面によっては、言葉選びに注意が必要。背景を知れば、より深く理解できるはず。

混同しやすい単語

「thanks to」の「thanks」と「thank」は、どちらも感謝を表す言葉ですが、品詞が異なります。「thank」は動詞で「感謝する」という意味ですが、「thanks」は名詞で「感謝」という意味合いが強く、ここでは前置詞句を導く役割をしています。発音もほぼ同じですが、文法的な役割が異なるため注意が必要です。動詞として使うか、前置詞句の一部として使うかを意識しましょう。

「thanks to」と「due to」はどちらも「~のおかげで」「~のために」という意味で、原因や理由を表す前置詞句ですが、ニュアンスが異なります。「thanks to」は良い結果や望ましい結果に対して使われることが多いのに対し、「due to」は中立的、または悪い結果に対して使われることが多いです。例えば、「成功は彼の努力のおかげだ」は「thanks to his efforts」が適切ですが、「事故は彼の不注意が原因だ」は「due to his carelessness」が適切です。文脈によって使い分ける必要があります。

「thanks to」の「to」は前置詞であり、後に名詞や代名詞が続きます。一方、「to」は不定詞の「to」としても使われ、動詞の原形が続きます。発音は同じですが、文法的な役割が全く異なるため混同しないようにしましょう。例えば、「I want to eat.」の「to」は不定詞ですが、「I went to the store.」の「to」は前置詞です。文脈で判断することが重要です。

「thanks to」と「despite」は、どちらも前置詞句を導きますが、意味が正反対です。「thanks to」は「~のおかげで」という意味ですが、「despite」は「~にもかかわらず」という意味です。例えば、「努力のおかげで成功した」は「thanks to his efforts」ですが、「困難にもかかわらず成功した」は「despite the difficulties」となります。意味が逆になるため、混同すると全く反対の意味になってしまいます。

古風な表現ですが、「unto」は「to」と同じく前置詞で、「~に」という意味です。聖書や古い文献でよく見られます。「thanks to」の「to」と混同されることは少ないかもしれませんが、現代英語ではほとんど使われないため、誤って使うことのないように注意しましょう。例えば、聖書には「Do unto others as you would have them do unto you.(人にしてもらいたいことを人にもしなさい)」という表現があります。

「thanks to」は原因・理由を表しますが、「for」も同様に原因・理由を表すことがあります。ただし、「thanks to」は結果が明らかな場合に使いやすいですが、「for」はより一般的な理由を述べる際に使われます。例えば、「成功は彼のおかげだ」は「thanks to him」が自然ですが、「彼は正直なので信頼できる」は「He is reliable, for he is honest」となります。「thanks to」はより直接的な因果関係を示す場合に適しています。

誤用例

✖ 誤用: Thanks to your bad influence, I failed the exam.
✅ 正用: Because of your bad influence, I failed the exam.

「Thanks to ~」は基本的に良い結果やポジティブな事柄に対して使われます。日本語の「~のおかげで」を直訳すると、悪い結果にも使いがちですが、英語では悪い結果に対しては「Because of ~」や「Due to ~」を用いるのが適切です。これは、英語圏では感謝の言葉を安易にネガティブな状況に使わないという文化的背景に基づいています。日本語の「皮肉」のニュアンスを込める意図がある場合でも、ストレートに「Because of~」を使った方が誤解を避けられます。日本語の「~のおかげで(皮肉)」をそのまま英語にすると、真意が伝わりにくく、単に不適切な表現と捉えられてしまう可能性があります。

✖ 誤用: Thanks to the heavy rain, the event was cancelled.
✅ 正用: Due to the heavy rain, the event was cancelled.

この誤用は、前例と同様に「thanks to」を原因を表す表現として安易に使ってしまうことに起因します。「thanks to」は、好ましい結果に繋がった原因に対して感謝の気持ちを込めて使う表現であり、単なる原因を表す場合は「due to」や「owing to」が適切です。日本語では原因を述べる際に特に感情を込めないことが多いですが、英語では表現によってニュアンスが大きく変わるため注意が必要です。多くの日本人は、英語を学ぶ際に「原因=thanks to」という単純な図式で覚えてしまいがちですが、背後にある文化的・語用論的な意味合いを理解することが重要です。特に、フォーマルな場面やビジネスシーンでは、「due to」のような客観的な表現を使うのが無難です。

✖ 誤用: Thanks to you, I have a headache.
✅ 正用: I have a headache because of you.

このケースでは、「thanks to」を文字通り「あなたに感謝します」と解釈される可能性があります。確かに日本語の「おかげで」は皮肉として使われることもありますが、英語では「thanks to」に強い感謝の気持ちが込められているため、ネガティブな状況で使うと相手に誤解を与えかねません。もし皮肉を込めた言い方をしたい場合は、表情や口調、文脈などで伝える必要がありますが、直接的な表現を避ける傾向のある日本人にとっては難しいかもしれません。英語では、皮肉を込める場合でも、まずはストレートな表現で意図を伝え、その上で間接的な表現を用いるのが一般的です。例えば、「I owe you one.」のように、感謝の意を逆説的に使う表現もありますが、これは上級者向けの表現と言えるでしょう。

文化的背景

「thanks to ~」は、単に感謝の気持ちを表すだけでなく、「~のおかげで」という結果が、必ずしも完全にポジティブではないニュアンスを含むことがあります。これは、責任の所在や皮肉めいた感情をほのめかす際に用いられることがあり、その背景には英語圏の社会における個人主義と責任追及の文化が影響しています。

たとえば、あるプロジェクトが成功した際に「Thanks to John's brilliant idea, we pulled it off.(ジョンの素晴らしいアイデアのおかげで、何とかやり遂げた)」と言う場合、これは純粋な賞賛です。しかし、プロジェクトが失敗した場合に「Thanks to the weather, the picnic was ruined.(天気のせいで、ピクニックは台無しになった)」と言うと、天候に対する責任追及のニュアンスが強まります。さらに、皮肉を込めて「Thanks to his incompetence, we're all in trouble.(彼の無能さのおかげで、私たちは皆困ったことになった)」のように使うこともあります。この皮肉な用法は、責任を曖昧にせず、明確に批判の対象を指し示すことを好む、英語圏のコミュニケーションスタイルを反映しています。

この表現の微妙なニュアンスは、歴史的な背景にも根ざしています。中世の教会では、神の恩恵に感謝する際に「Deo gratias(神に感謝)」という言葉が用いられました。しかし、社会が世俗化するにつれて、「thanks to」はより一般的な出来事や人物に対しても使われるようになり、同時に、善意だけでなく、皮肉や責任追及の意図も含むようになりました。特に、産業革命以降の社会では、個人の責任が重視されるようになり、「thanks to」は、成功や失敗の原因を特定し、評価するための言葉として、その意味合いを深めていったと考えられます。

現代英語では、「thanks to」はフォーマルな場面でもインフォーマルな場面でも広く使用されますが、その背後にある文化的背景を理解することで、より適切かつ効果的に使いこなすことができます。特に、ビジネスシーンや政治的な議論においては、意図しない誤解を避けるために、言葉の選択に注意を払う必要があります。「due to」や「because of」などの類似表現と比較検討し、文脈に応じて最適な表現を選ぶことが、円滑なコミュニケーションにつながります。

試験傾向

英検

1. 出題形式: 主に長文読解、稀に語彙問題。2. 頻度と級・パート: 準1級以上で比較的頻出。3. 文脈・例題の特徴: 環境問題、科学技術、歴史など、アカデミックな内容が多い。4. 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から「~のおかげで」「~が原因で」のどちらの意味かを正確に判断する必要がある。類義語(due to, owing to, because of)との区別も重要。

TOEIC

1. 出題形式: Part 5(短文穴埋め)、Part 7(長文読解)。2. 頻度と級・パート: Part 5で時々見られる程度。Part 7では比較的頻出。3. 文脈・例題の特徴: 業績向上、プロジェクト成功、顧客満足度向上など、ビジネス関連の文脈で使われることが多い。4. 学習者への注意点・アドバイス: 後ろに続く名詞句の内容を把握し、文脈に合った意味を選ぶ必要がある。類義語との置き換え問題も想定される。

TOEFL

1. 出題形式: リーディングセクションで頻出。2. 頻度と級・パート: リーディングセクションで頻出。3. 文脈・例題の特徴: アカデミックな内容全般。科学、歴史、社会科学など、幅広い分野で登場する。4. 学習者への注意点・アドバイス: 因果関係を示す表現として重要。文脈から正確な意味を把握し、パラフレーズ(言い換え)にも対応できるようにする。類義語との区別も重要。

大学受験

1. 出題形式: 主に長文読解。文法問題(空所補充、並び替え)で問われることもある。2. 頻度と級・パート: 難関大学ほど頻出。3. 文脈・例題の特徴: 社会問題、環境問題、科学技術、文化など、幅広いテーマで登場する。評論文、説明文に多い。4. 学習者への注意点・アドバイス: 文脈における意味を正確に把握することが重要。特に、否定的な結果に対して「~のせいで」という意味で使われる場合もあるので注意が必要。類義語との区別や、文構造の把握も重要。

免責事項

英単語学習ラボは生成AIで機械的に意味や英語表現を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。

このページについて

作成:英単語学習ラボ
生成支援:Google Gemini
最終更新:2025年7月18日

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