英単語学習ラボ

sleeve

/sliːv/(スゥリーィヴ)

母音 /iː/ は日本語の『イー』よりも長く伸ばし、口角を左右に引いて発音します。語尾の /v/ は、上の前歯を下唇に軽く当てて、隙間から息を出す有声音です。『ヴ』と聞こえるように意識すると良いでしょう。日本語にはない音なので、最初は難しく感じるかもしれませんが、意識して練習することで自然に発音できるようになります。

名詞

衣服の腕を通す部分。比喩的に、影響力や権限の及ぶ範囲を指すこともある。

The little boy's sweater sleeves were too long for him.

その小さな男の子のセーターの袖は、彼には長すぎた。

可愛らしい、またはちょっと困った子供の様子が目に浮かびますね。セーターの「袖」が左右2本あるので、英語では「sleeves」と複数形になるのが一般的です。服のサイズが合わない日常のシーンでよく使われる表現です。

She gently tugged on my sleeve to get my attention.

彼女は私の注意を引くために、そっと私の袖を引っ張った。

誰かに優しく呼び止められるような、日常のワンシーンが目に浮かびます。「tug on someone's sleeve」は、「誰かの袖を引っ張って注意を引く」という、英語圏でとても自然に使われる行動を表すフレーズです。

He quietly wiped his tears with his sleeve.

彼は静かに涙を袖で拭った。

悲しい、または感動している人が、人目をはばかるようにそっと涙を拭う様子が目に浮かびますね。ハンカチがない時や、感情を隠したい時に、服の「袖」を使うのはよくある行動です。感情が伝わる具体的な場面です。

動詞

袖をつける

衣服に袖を取り付ける行為。比喩的に、何かを覆う、包む、または隠す意味合いで使われることもある。

She carefully sleeved the dress, feeling proud of her first sewing project.

彼女は初めての裁縫プロジェクトに誇りを感じながら、ドレスに注意深く袖をつけた。

この例文は、初めて裁縫をする人が、頑張って服に袖をつけている情景を描写しています。「sleeve」を動詞として使うことで、「袖を縫い付ける」という具体的な行為が伝わります。新しいことに挑戦する喜びや集中が感じられるシーンです。

The skilled tailor needs to sleeve the elegant jacket by tomorrow morning.

熟練の仕立て屋は、そのエレガントなジャケットに明日の朝までに袖をつける必要がある。

プロの仕立て屋が、顧客のために期日までにジャケットに袖をつける、という専門的な場面です。「sleeve」は、洋服の制作や修理における具体的な工程を指す際によく使われます。時間的な制約があることで、より臨場感のあるシーンになっています。

My mom often reuses old clothes and likes to sleeve them with new fabric.

私の母はよく古い服を再利用し、新しい生地でそれらに袖をつけるのが好きです。

古い服をリメイクして大切に使う、という日常的なシーンです。物を大切にする気持ちや、創造的な活動が伝わります。「sleeve A with B」の形で「AにB(新しい生地など)を使って袖をつける」という使い方もできます。

名詞

スリーブ

機械部品などを保護・連結するための筒状の部品。カードゲームでカードを保護するカバーも指す。

He rolled up his sleeves to wash the dishes quickly.

彼は素早く皿を洗うために袖をまくった。

皿を洗う時や料理をする時など、手が汚れる作業の前によく「袖をまくる」という動作をしますよね。この例文は、そんな日常の具体的な行動を通して「sleeve」(袖)が服の一部であることが鮮明にイメージできます。「roll up one's sleeves」は「やる気を出して仕事に取り掛かる」という比喩的な意味でも使われますが、ここでは文字通りの意味で使われています。

This new shirt has short sleeves, perfect for hot summer days.

この新しいシャツは袖が短くて、暑い夏の日にはぴったりだ。

服の袖の長さを表現する時によく使われる典型的な例文です。新しいシャツを着て、その快適さに満足している様子が目に浮かびますね。「short sleeves(短い袖)」や「long sleeves(長い袖)」のように、形容詞と組み合わせて服の形状を説明する際によく登場します。季節や気温に合わせて服装を選ぶ日常のシーンで、「sleeve」がどんなものか自然に理解できます。

My little daughter tugged at my sleeve to get my attention.

私の幼い娘が、私の注意を引こうと袖を引っ張った。

幼い子どもが親の注意を引こうと、服の袖をちょんちょんと引っ張る、という微笑ましいシーンです。物理的に「袖」に触れる行動を描写することで、「sleeve」が服の腕の部分であることを実感できます。「tug at one's sleeve」は「~の袖を引っ張る」という、日常会話でよく使われる表現です。人の行動や感情が伴う場面で、この単語がどのように使われるかを感じ取れるでしょう。

コロケーション

roll up one's sleeves

本気になる、仕事や課題に積極的に取り組む

文字通りには「袖をまくり上げる」という意味ですが、これは昔、労働者が作業を始める前に邪魔にならないように袖をまくり上げた習慣に由来します。比喩的には、困難な課題や仕事に対して、積極的に、そして真剣に取り組む姿勢を示す際に使われます。たとえば、ボランティア活動やプロジェクトの開始時など、具体的な行動を伴う場合に頻繁に使われます。類似の表現に 'get down to business' がありますが、 'roll up one's sleeves' はより具体的な作業への着手をイメージさせます。

have something up one's sleeve

奥の手を持っている、秘密の計画や戦略を持っている

これは、マジシャンが袖の中に何かを隠し持っているイメージから来ています。隠された計画や戦略、予想外の解決策など、いざという時のために用意している秘密の手段があることを意味します。ビジネスシーンや交渉の場で、相手に悟られないように秘密の戦略を持っている状況を表現するのに適しています。類似の表現に 'a card up one's sleeve' がありますが、 'have something up one's sleeve' の方が、より具体的な物や計画を指すニュアンスがあります。

wear one's heart on one's sleeve

感情をあらわにする、感情が顔に出やすい

自分の感情を隠さず、誰にでもわかるように表現することを意味します。シェイクスピアの『オセロ』に由来すると言われています。感情が豊かで、喜怒哀楽がはっきりしている人を指す際に使われます。例えば、恋愛感情を隠せない人や、嬉しい時にすぐに顔に出る人などを表現するのに適しています。類似の表現に 'be an open book' がありますが、 'wear one's heart on one's sleeve' は特に感情の表出に焦点を当てています。

laugh in one's sleeve

陰で笑う、内心ほくそ笑む

人が気づかないように、こっそりと笑うことを意味します。文字通り、袖の中に顔を隠して笑う様子を表しています。他人の失敗や不運を内心で喜んでいる状況や、相手をからかっている状況を表現するのに使われます。例えば、いたずらが成功した時や、相手のミスを見て内心喜んでいる時などに使われます。やや古風な表現で、文学作品や古い映画などで見かけることがあります。

a short-sleeved shirt

半袖シャツ

これは文字通りの意味ですが、季節や服装に関する会話で頻繁に使われます。特に、カジュアルな服装や夏の暑い時期の服装について話す際に登場します。ビジネスシーンでは、'short-sleeved shirt' は通常カジュアルな服装とみなされますが、近年ではクールビズの一環として許容される場合もあります。'long-sleeved shirt' (長袖シャツ) と対比して使われることが多いです。

bishop's sleeve

司教スリーブ(袖口が大きく膨らんだ袖のデザイン)

ファッション用語で、袖口が肩から手首に向かって徐々に広がる、ゆったりとした袖のデザインを指します。中世の司教が着用していた袖の形に似ていることからこの名が付きました。文学作品や歴史的な衣装に関する記述で登場することがあります。現代のファッションでも、ロマンチックな雰囲気やエレガントさを演出するために用いられることがあります。

使用シーン

アカデミック

工学系の論文で、機械部品のスリーブに関して言及する際に使われます。例:「The sleeve bearing exhibited superior performance under high-load conditions.(そのスリーブ軸受は、高負荷条件下で優れた性能を示した。)」また、服飾史の研究で、袖の形状や変遷について記述する際に登場することもあります。

ビジネス

ビジネスシーンでは、製品の保護や梱包材として「スリーブ」が使われることがあります。例:「We are considering a cardboard sleeve for the new product packaging.(新製品の梱包に、段ボール製のスリーブを検討しています。)」また、IT業界では、ケーブルを保護するスリーブについて言及する場合があります。

日常会話

日常会話では、服の「袖」を指す場合によく使われます。例:「Can you roll up your sleeves?(袖をまくってくれる?)」または、「I got my sleeve wet while washing dishes.(皿洗いをしていたら袖が濡れてしまった。)」また、CDやDVDの保護ケースを指して「スリーブ」と言うこともあります。

関連語

類義語

  • 「腕」そのものを指す名詞。解剖学的な意味合いが強く、身体の一部として腕全体を指す。日常会話、医療、科学分野で使用される。 【ニュアンスの違い】「sleeve」は衣服の一部であり、腕を覆う部分を指すのに対し、「arm」は身体の一部である腕そのものを指す。したがって、腕の構造や機能について話す場合は「arm」が適切。 【混同しやすい点】「sleeve」は衣服の部位を指すため、人体そのものを指す「arm」とは意味が異なる。「長袖のシャツ」は"long-sleeved shirt"だが、"long-armed shirt"とは言わない。

  • covering

    何かを覆うもの、覆い、という意味を持つ一般的な名詞。保護、隠蔽、装飾など、様々な目的で使用される。日常会話からフォーマルな場面まで幅広く使われる。 【ニュアンスの違い】"sleeve"は特定の形状(筒状)で腕を覆う衣服の一部を指すのに対し、"covering"は形状を問わず、何かを覆うものを広く指す。例えば、家具のカバーや本のカバーなどにも使われる。 【混同しやすい点】"covering"は抽象的な概念であり、具体的な衣服の部位である"sleeve"とはレベルが異なる。「袖」を意味する場合は"sleeve"を用いる。

  • casing

    機械や部品などを保護するための外箱、覆い、ケースを指す名詞。工業、技術、機械分野でよく使われる。 【ニュアンスの違い】"sleeve"が衣服の一部であるのに対し、"casing"は機械などを保護するための覆いを指す。形状が筒状である点は共通するが、用途が大きく異なる。 【混同しやすい点】"casing"は通常、機械や電子機器などの部品を覆うものを指し、衣服の一部である"sleeve"とは文脈が異なる。人の腕を保護する目的で"casing"を使うことは一般的ではない。

  • sheath

    刀剣やナイフなどを収める鞘(さや)を指す名詞。また、ケーブルなどを保護する覆いも指す。歴史、武道、工学分野で使用される。 【ニュアンスの違い】"sleeve"が衣服の一部であるのに対し、"sheath"は刃物やケーブルなどを保護する覆いを指す。どちらも筒状の形状を持つが、用途が異なる。 【混同しやすい点】"sheath"は主に刃物やケーブルの保護に使われ、衣服の一部を指す"sleeve"とは文脈が異なる。ただし、特定のケーブルを覆うスリーブを"sheath"と呼ぶ場合もある。

  • 上着、ジャケットを指す一般的な名詞。防寒、ファッション、作業着など、様々な目的で使用される。日常会話からビジネスまで幅広く使われる。 【ニュアンスの違い】"sleeve"はジャケットの一部であり、腕を覆う部分を指すのに対し、"jacket"は胴体全体を覆う上着を指す。ジャケット全体を指す場合は"jacket"を使う。 【混同しやすい点】"sleeve"はジャケットの構成要素であり、"jacket"は衣服全体を指す。「ジャケットの袖」は"sleeve of the jacket"と表現する。

  • outerwear

    衣服の一番外側に着る衣服の総称。コート、ジャケット、レインコートなどが含まれる。ファッション、小売業界でよく使われる。 【ニュアンスの違い】"sleeve"は衣服の一部であり、腕を覆う部分を指すのに対し、"outerwear"は衣服のカテゴリを指す。特定の衣服の部位を指す場合は"sleeve"を使う。 【混同しやすい点】"outerwear"は衣服のカテゴリであり、"sleeve"は衣服の特定の部分を指す。「アウターウェアの袖」は"sleeve of the outerwear"とは言わない。

派生語

  • sleeved

    『袖のある』という意味の形容詞。名詞の『sleeve』に過去分詞の語尾『-ed』が付加され、状態や特徴を表す。例えば、『long-sleeved shirt(長袖シャツ)』のように、衣服の特徴を説明する際によく用いられる。日常会話やアパレル業界で頻繁に使用される。

  • sleeveless

    『袖なしの』という意味の形容詞。『sleeve』に否定を表す接尾辞『-less』が付加された形。衣服の特徴を説明する際によく用いられ、『sleeveless dress(袖なしのドレス)』のように使用される。日常会話やファッション関連の記事でよく見かける。

  • oversleeve

    『袖カバー』や『上袖』を意味する名詞。特に作業着や防護服の上から着用する袖部分のカバーを指す。医療現場や工場など、特定の作業環境で使用されることが多い。

反意語

  • 『襟』を意味する名詞。『sleeve(袖)』が腕を覆う部分であるのに対し、『collar(襟)』は首を覆う部分であり、衣服における対照的な要素を指す。衣服の構造を説明する文脈で、袖と襟は対比されることが多い。

  • hem

    『裾』を意味する名詞。『sleeve(袖)』が腕の端を覆うのに対し、『hem(裾)』は衣服の下端を指し、衣服の境界として対比される。衣服のデザインや構造について議論する際に、袖と裾は区別され、それぞれの役割が異なる。

  • 『袖口』を意味する名詞。袖全体の意味を持つ『sleeve』に対して、袖の端の部分を指す『cuff』は、袖の範囲を限定するという意味で対照的である。シャツの袖口のデザインなどを議論する際に、この対比が重要となる。

語源

"sleeve(袖)"の語源は、古英語の"sliefe"に遡ります。これは「袖、袖口」を意味し、ゲルマン祖語の"*slaubiz"(だぶだぶした衣服、被覆)に由来すると考えられています。この"*slaubiz"は、"slip(滑る)"の語源であるインド・ヨーロッパ祖語の語根"*(s)leubʰ-"(滑る、緩む)と関連があり、衣服が身体の上を滑るように通るイメージを示唆しています。つまり、「袖」はもともと「身体を覆う、滑り込ませるもの」という概念から生まれたと考えられます。日本語で例えるなら、「羽織る」という言葉が、身体に衣服をかける動作と衣服そのものを指すように、"sleeve"もまた、身体を覆う行為と覆うもの自体を意味するようになったと言えるでしょう。衣服の進化とともに、袖が独立した部分として認識されるようになり、現代英語の"sleeve"へと繋がっています。

暗記法

袖は単なる衣服ではない。中世では身分を語り、騎士の紋章や貴婦人の装飾として社会階層を可視化した。ルネサンス期には恋人へ贈る愛の証にも。文学では感情の隠喩となり、シェイクスピア劇の登場人物は袖で感情を表現した。能や歌舞伎でも、袖は雄弁に感情を物語る。現代でも「奥の手」や「感情をあらわに」といった比喩に生きる。袖は、秘めた可能性と感情表現の交差点なのだ。

混同しやすい単語

『sleeve』と母音部分の音が似ており、スペルも 'lea-' と 'slee-' の部分が似ているため混同しやすい。意味は『去る』『残す』などで動詞として使われることが多い点が異なる。leave は発音記号が /liːv/ で、sleeve の /sliːv/ と発音が近いことを意識すると良い。

語尾の '-eve' のスペルが共通しており、発音も似ているため、特にスペルミスをしやすい。意味は『信じる』であり、動詞である点が大きく異なる。believe は他動詞であり、sleeve は名詞であるという品詞の違いを意識することが重要。

発音が似ており、特に母音と語尾の子音の組み合わせが近い。スペルも 'sl-' の部分が共通しているため、混同しやすい。意味は『奴隷』であり、sleeve とは全く異なる意味を持つ。slave は歴史的な背景を持つ単語であり、文脈から意味を判断することが重要。

sleuth

スペルが似ており、特に 'sle' の部分が共通しているため、視覚的に混同しやすい。発音は /sluːθ/ で、sleeve とは異なる。意味は『探偵』であり、sleeve とは全く異なる意味を持つ。sleuth は古風な単語であり、現代英語ではあまり一般的ではない。

cleave

古い英語では『固着する』または『切り開く』という相反する意味を持つ単語で、発音がsleeveと似ている場合がある(ただし、現代英語ではあまり使われない意味)。スペルも 'cle-' と 'sle-' が似ているため、混同しやすい。古語に由来する単語であり、現代英語ではあまり一般的ではない。文脈によって意味が大きく異なるため注意が必要。

shelve

スペルが 'sh' の有無を除いて似ており、発音も母音部分が似ているため混同しやすい。意味は『棚に置く』『一時保留にする』などで動詞として使われることが多い点が異なる。shelve は動詞であり、sleeve は名詞であるという品詞の違いを意識することが重要。

誤用例

✖ 誤用: He wore a short sleeve to the formal party, showing his casual sleeve.
✅ 正用: He wore a short-sleeved shirt to the formal party, revealing his casual attitude.

日本語の『袖』という名詞に引きずられ、『sleeve』を形容詞的に使ってしまう誤用です。英語では、服の袖の長さを表す場合、『short-sleeved』のように複合形容詞を使うのが一般的です。また、後半の『showing his casual sleeve』は意味をなしません。『casual attitude』のように、服装から読み取れる態度や雰囲気を表現するのが自然です。日本人が無意識に名詞を多用する傾向が、このような誤りを生む一因と考えられます。

✖ 誤用: The politician had a trick up his sleeve for the negotiation, which was his usual sleeve.
✅ 正用: The politician had a trick up his sleeve for the negotiation, which was his usual tactic.

『sleeve』は確かに『奥の手』という意味を持ちますが、これはイディオム『have something up one's sleeve』として使う場合に限られます。単独で『sleeve』を『奥の手』の意味で使うのは不自然です。ここでは、より一般的な『tactic』や『strategy』を使うのが適切です。また、『usual sleeve』という表現は意味をなしません。『usual tactic』のように、具体的な名詞で修飾するのが自然です。日本人は『〜の切り札』のように、名詞を多用して表現する傾向があるため、このような誤りが起こりやすいと考えられます。

✖ 誤用: She sleeved her emotions during the difficult meeting.
✅ 正用: She suppressed her emotions during the difficult meeting.

『sleeve』を動詞として使い、『感情を隠す』という意味で使おうとした誤用です。確かに『have something up one's sleeve』というイディオムから類推してしまいがちですが、動詞として『sleeve』を使うことは一般的ではありません。ここでは『suppress(抑制する)』や『repress(抑圧する)』のような動詞を使うのが適切です。日本人は、既存の単語を別の品詞に転用して新しい意味を作り出すことに抵抗が少ないため、このような誤りが起こりやすいと考えられます。英語では、それぞれの単語が持つ品詞と意味の範囲が比較的厳格に決まっているため、注意が必要です。

文化的背景

「sleeve(袖)」は、単なる衣服の一部を超え、身分、役割、そして時には感情を隠し、表現する象徴的な存在として文化史に深く根ざしています。袖は、実用性だけでなく、社会的なメッセージを伝える役割も担ってきたのです。

中世ヨーロッパにおいて、袖は身分や所属を示す重要な要素でした。騎士の鎧の袖は、所属する騎士団の紋章で飾られ、戦場での識別を容易にしました。また、貴族の女性たちは、豪華な袖飾りで富と地位を誇示しました。袖の形や素材、装飾は、その人の社会的地位や財力を雄弁に物語る、一種のステータスシンボルだったのです。特にルネサンス期には、袖は取り外し可能で、恋人への贈り物として交換されることもありました。袖は、単なる衣服の一部ではなく、愛情や忠誠心の象徴として、人々の感情を繋ぐ役割も担っていたのです。

文学作品においても、袖はしばしば重要な役割を果たします。例えば、シェイクスピアの戯曲では、登場人物が袖を使って感情を表現する場面が見られます。袖をまくり上げて怒りを露わにしたり、袖で顔を覆って悲しみを隠したりする様子は、袖が感情の隠喩として機能していることを示しています。また、日本の伝統芸能である能や歌舞伎においても、袖は感情表現の重要な要素です。袖の上げ下げや振り方によって、喜び、悲しみ、怒りなどの感情が表現され、観客は袖の動きを通して登場人物の心情を読み解きます。

現代においても、「sleeve」は比喩的な表現として、私たちの日常会話に息づいています。「have something up one's sleeve(奥の手を持っている)」という表現は、何か秘密の計画や能力を隠し持っていることを意味し、袖が隠された可能性を象徴していることを示唆します。また、「wear one's heart on one's sleeve(感情をあらわにする)」という表現は、感情を隠さずにオープンに表現することを意味し、袖が感情の表現と抑制の両方の象徴となり得ることを示しています。このように、袖は時代や文化を超えて、私たちの感情、社会的な地位、そして隠された可能性を表現する、豊かな文化的背景を持つ言葉なのです。

試験傾向

英検

- 出題形式: 主に語彙問題、長文読解

- 頻度と級・パート: 準1級、1級で出題される可能性あり。2級でも長文読解で登場する可能性あり

- 文脈・例題の特徴: フォーマルな文章、説明文、物語など幅広い文脈で登場。比喩表現として使われる場合もある。

- 学習者への注意点・アドバイス: 基本的な意味(袖)に加え、「~をそでに入れる(隠す)」のような比喩的な意味も覚えておくこと。動詞としての用法は稀だが、意味を知っておくと読解に役立つ。

TOEIC

- 出題形式: 主に長文読解(Part 7)

- 頻度と級・パート: Part 7で稀に出題される程度。Part 5,6での直接的な語彙問題としては出にくい。

- 文脈・例題の特徴: ビジネスシーンよりも、一般的な記事や説明文で登場する可能性が高い。

- 学習者への注意点・アドバイス: TOEICでは出題頻度は高くないが、基本的な語彙として意味を理解しておくこと。ビジネスシーンで使われる場合は、「袖なし」などの衣類に関する文脈が考えられる。

TOEFL

- 出題形式: 主に長文読解

- 頻度と級・パート: アカデミックな文章で稀に出題される。

- 文脈・例題の特徴: 科学、歴史、社会科学など、様々な分野の学術的な文章で登場する可能性がある。

- 学習者への注意点・アドバイス: TOEFLでは比喩的な意味で使われることは少ない。衣類の「袖」という基本的な意味を理解していれば十分対応できる。

大学受験

- 出題形式: 主に長文読解、稀に語彙問題

- 頻度と級・パート: 難関大学の長文で稀に出題される。

- 文脈・例題の特徴: 評論文、物語など、様々なジャンルの文章で登場する。

- 学習者への注意点・アドバイス: 基本的な意味に加え、比喩的な意味も覚えておくと読解の幅が広がる。文脈から意味を推測する練習も重要。

免責事項

英単語学習ラボは生成AIで機械的に意味や英語表現を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。

このページについて

作成:英単語学習ラボ
生成支援:Google Gemini
最終更新:2025年7月18日

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