rout
二重母音 /aʊ/ は「ア」と「ウ」を繋げた音で、日本語の『ア』よりも口を大きく開けて発音し、すぐに唇を丸めて『ウ』の形へ移行します。最後の /t/ は、舌先を上の歯茎につけて息を止める破裂音です。日本語の『ト』のように母音を伴わないよう注意しましょう。
専門的な内容に関するご注意
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潰走
統制のとれていない、混乱状態での逃走。軍隊や群衆などがパニックに陥り、我先にと逃げ出す状況を指す。秩序を失った状態が強調される。
The enemy army was in a complete rout, running away in fear from the battlefield.
敵軍は完全に潰走状態にあり、戦場から恐怖で逃げ去っていった。
※ 【情景】戦場で、敵兵が恐怖で我先にと逃げ出す、大混乱の様子が目に浮かびます。 【この例文が典型的である理由】「rout」が最も典型的に使われる軍事的な文脈です。「in a rout」は「潰走状態にある」という意味で、状況を鮮やかに描写します。 【文法・日常会話のヒント】「running away in fear」は「恐怖で逃げ出す」という具体的な行動と感情を表し、状況をよりリアルに伝えます。
The home team experienced a total rout in the championship game, making their fans sad.
ホームチームは決勝戦で完敗を喫し、ファンを悲しませた。
※ 【情景】決勝戦で、応援していたホームチームが相手に圧倒され、見ているファンもがっかりしている様子が伝わってきます。 【この例文が典型的である理由】スポーツでの「大敗」を表す際にも「rout」はよく使われます。「total rout」で「完全な大敗」を強調しています。 【文法・日常会話のヒント】「making their fans sad」のように、結果として起こったことや感情を付け加えることで、より豊かな情景が描けます。
His new business idea suffered a sudden rout when the market changed.
彼の新しいビジネスのアイデアは、市場が変化した時に突然の壊滅的な敗北を喫した。
※ 【情景】新しいビジネスのアイデアが、市場の急な変化によって完全に失敗し、計画が崩れ去る様子が想像できます。 【この例文が典型的である理由】競争や変化の中で、ある計画やアイデアが完全に打ち負かされる、または壊滅する比喩的な表現として使われます。「suffer a rout」は「潰走を喫する」という意味で、ビジネスの文脈でも使われます。 【文法・日常会話のヒント】「when the market changed」のように「〜の時に」と具体的な状況を説明することで、文の背景が明確になります。
打ち破る
敵を完全に打ち負かし、組織的な抵抗を不可能にする。スポーツや競争の文脈でも、相手を圧倒的に打ち負かす意味で使われる。
Our team completely routed the opposing team in the final game.
私たちのチームは決勝戦で相手チームを完全に打ち破った。
※ 「rout」はスポーツの試合などで、相手チームを「完敗させる」「圧倒する」ときによく使われます。この例文では、自分たちのチームが決勝で相手に圧勝し、相手ががっくりと肩を落とす様子が目に浮かびますね。
The brave soldiers managed to rout the enemy forces.
勇敢な兵士たちは敵軍を打ち破ることに成功した。
※ 「rout」は戦場で敵を「敗走させる」「壊滅させる」という意味でも使われます。兵士たちが力を合わせて敵を追い払い、勝利の瞬間を迎える様子が描かれています。
The new company quickly routed its competitors in the market.
その新しい会社は市場で競合他社をあっという間に打ち破った。
※ ビジネスの文脈では、新しい製品やサービスが既存の競合を「圧倒し、市場から追い出す」ような状況で「rout」が使われます。この例文からは、革新的なアイデアで市場を席巻する会社の勢いが感じられますね。
追い払う
好ましくないものを力ずくで追い払う。騒音、邪魔者、反対意見などを排除する際に用いられ、物理的な力だけでなく、権力や影響力を行使して排除するニュアンスも含む。
The brave dog barked loudly to rout the stranger from the yard.
勇敢な犬は、庭から見知らぬ人を追い払うために大声で吠えました。
※ 【情景】夜、静かな庭に不審者が忍び込み、それに気づいた犬が必死に吠え、その不審者を完全に追い払う緊迫した場面です。 【典型的表現】「rout」は、単に「追い払う」だけでなく、相手を徹底的に敗走させる、完膚なきまでに退散させるという強いニュアンスを持ちます。ここでは不審者を完全に庭から追い出すイメージです。 【文法・ヒント】「rout O from 場所」で「Oを場所から追い払う」という形を覚えておきましょう。犬や警備員が不審者を追い払うような、少しドラマチックな場面で使われることが多いです。
Our school's soccer team easily routed the rival team in the championship game.
私たちの学校のサッカーチームは、優勝決定戦でライバルチームを簡単に完敗させました。
※ 【情景】スポーツの試合で、自分のチームが相手チームを圧倒的な点差で打ち負かし、勝利の喜びと興奮に包まれている場面です。 【典型的表現】「rout」は、特にスポーツや戦争などで、相手を完膚なきまでに打ち破り、敗走させる、つまり「圧勝する」「大勝する」という意味で非常によく使われます。この使い方はニュース記事などでも頻繁に見られます。 【文法・ヒント】「rout O」で「Oを打ち負かす」というシンプルな形です。「easily」を付けることで、いかに圧倒的だったかを表現できます。
She worked hard to rout her fear of heights before climbing the mountain.
彼女は山に登る前に、高所恐怖症を克服するために懸命に努力しました。
※ 【情景】山登りという目標を前に、高所恐怖症という自身の内なる困難と向き合い、それを克服しようと懸命に努力する人の姿が目に浮かびます。 【典型的表現】「rout」は、物理的なものだけでなく、恐怖や病気、問題、困難などを「克服する」「打ち破る」という比喩的な意味でも使われます。自分の中にある「負の感情」や「困難」を、努力して「追い払う」イメージです。 【文法・ヒント】「rout O」で「Oを克服する」という形で使われます。感情や抽象的な概念を動かすときに使われると、より深い意味合いが生まれます。
コロケーション
圧倒的な敗北、壊滅的な敗走
※ 「crushing」は「打ち砕くような」という意味で、routを修飾することで、単なる敗北ではなく、完全に打ちのめされたような、反撃の余地もないほどの敗北を強調します。スポーツ、選挙、軍事など、競争的な状況で、一方的な結果を示す際に用いられます。例えば、「The election resulted in a crushing rout for the opposition party.(選挙は野党にとって圧倒的な敗北に終わった)」のように使われます。形容詞+名詞の組み合わせで、routの程度を強める典型的なパターンです。
~を敗走させる、~を打ち負かす
※ 「put to rout」は受動態で用いられることが多く、「be put to rout」で「敗走させられる、打ち負かされる」という意味になります。軍事的な文脈でよく使われ、敵軍を完全に打ち破り、退却させる様子を表します。比喩的に、ビジネスや議論の場でも、相手を論破したり、競争で圧倒したりする状況を表現できます。例えば、「Their arguments were put to rout by the compelling evidence.(彼らの主張は、説得力のある証拠によって論破された)」のように使われます。動詞句+前置詞句の組み合わせで、routを引き起こす主体とその対象を明確にします。
完全な敗走、総崩れ
※ 「complete」は「完全な」という意味で、routを修飾することで、敗北が部分的ではなく、全体に及んでいることを強調します。軍隊や組織全体が秩序を失って逃走するような状況を表すのに適しています。スポーツの試合で、一方的な展開で大差がついた場合にも使われます。例えば、「The team suffered a complete rout in the final quarter.(チームは最終クォーターで総崩れとなった)」のように使われます。形容詞+名詞の組み合わせで、routの範囲や徹底度を強調します。
敗走状態に陥る、総崩れとなる
※ 「descend into」は「~に陥る」という意味で、routと組み合わせて、組織や集団が徐々に統制を失い、敗走状態になる過程を表します。最初は小規模な混乱から始まり、徐々に全体が崩壊していくようなイメージです。例えば、「The protest quickly descended into rout as the police intervened.(抗議活動は警察の介入によってすぐに総崩れとなった)」のように使われます。動詞句+前置詞句の組み合わせで、routに至るまでの経緯や変化を表現します。
~が敗走と化す、総崩れとなる
※ 「turn into」は「~に変わる」という意味で、当初は互角だった状況や、僅差の勝負が、一方的な展開に変わり、最終的に敗走状態になることを表します。スポーツの試合、選挙戦、ビジネス交渉など、様々な状況で使用可能です。例えば、「What started as a close game quickly turned into a rout.(最初は接戦だった試合は、すぐに一方的な展開になった)」のように使われます。動詞句+前置詞句の組み合わせで、routへの変化や転換を強調します。
完全に敗走して、総崩れで
※ 「in complete rout」は、状況や状態を表す際に用いられ、組織や集団が完全に統制を失い、敗走している様子を強調します。戦場や、競争の場において、一方的な敗北と混乱が起こっている状況を描写する際に適しています。「The army retreated in complete rout.(軍隊は完全に敗走した)」のように使用されます。前置詞+形容詞+名詞の組み合わせで、状態や状況を詳細に描写します。
使用シーン
歴史学の研究論文で、特定の軍隊や勢力が「潰走」した状況を分析する際に使われます。例えば、「〇〇の戦いにおけるA軍のroutは、その後の戦局に大きな影響を与えた」のように記述されます。また、政治学において、選挙での大敗を指して「与党のrout」という表現が用いられることがあります。
企業の業績報告書や市場分析レポートで、競合他社を「打ち破る」という意味で使用されることがあります。例えば、「A社は新製品の投入により、競合他社を市場からroutした」のように表現されます。ただし、より一般的な「defeat」や「outperform」が好まれる傾向にあります。
スポーツニュースの記事や解説で、試合での一方的な勝利や大差での勝利を表現する際に使われることがあります。例えば、「〇〇チームは△△チームをroutした」のように報道されます。日常会話では、より口語的な表現が使われるため、この単語が使われることは稀です。
関連語
類義語
『打ち負かす』という意味で、競争、戦争、議論など、相手を打ち負かすあらゆる状況で使用される。ビジネスシーンやスポーツ、政治など幅広い分野で見られる。 【ニュアンスの違い】『rout』は一方的な大敗北を意味するが、『defeat』は必ずしもそうではない。より中立的な表現であり、勝利の程度は問わない。また、『defeat』は名詞としても動詞としても使われる。 【混同しやすい点】『rout』は一方的な敗北というニュアンスが強く、単なる敗北を意味する『defeat』とは異なる。文脈によっては、誇張表現や侮蔑的な意味合いを含む可能性がある。
『圧倒する』という意味で、感情、仕事量、軍事力など、何かが非常に強く、制御不能になる状況を表す。心理的な状態や物理的な状況の両方に使用される。 【ニュアンスの違い】『rout』が物理的な敗北を強調するのに対し、『overwhelm』は感情的、精神的な圧倒感を含む。軍事的な文脈でも、敵の物量や戦略に圧倒される状況を指す。 【混同しやすい点】『rout』が敗北の結果を指すのに対し、『overwhelm』は敗北の原因となる圧倒的な状況を指すことがある。また、『overwhelm』はしばしば受動態で使用される(例:I was overwhelmed by the task)。
- vanquish
『打ち破る』という意味で、特に困難な敵や課題を打ち破る際に使用される。フォーマルな文脈や文学的な表現でよく見られる。 【ニュアンスの違い】『rout』と同様に勝利を意味するが、『vanquish』はより詩的で、長期にわたる戦いの末の勝利や、道徳的な勝利のニュアンスを含む。日常会話ではあまり使われない。 【混同しやすい点】『vanquish』は古風な表現であり、現代英語では『defeat』や『overcome』の方が一般的。また、物理的な勝利だけでなく、精神的な勝利や悪を打ち破るイメージにも使われる。
『押しつぶす』『打ち砕く』という意味で、物理的な破壊だけでなく、精神的な打撃や計画の頓挫など、あらゆるものを完全に破壊する状況で使用される。感情的な表現としても使われる。 【ニュアンスの違い】『rout』が軍事的、政治的な敗北を指すことが多いのに対し、『crush』はより個人的なレベルでの破壊や、感情的な打撃を表すことがある。また、『crush』は比喩的な意味合いが強い。 【混同しやすい点】『crush』は物理的な破壊を伴うイメージが強く、比喩的な意味合いで使用される場合でも、そのニュアンスが残る。『rout』は必ずしも物理的な破壊を伴わない。
- thrash
『打ちのめす』という意味で、特にスポーツや格闘技などで相手を徹底的に打ち負かす状況で使用される。口語的な表現。 【ニュアンスの違い】『rout』よりも口語的で、より暴力的なイメージを伴う。また、『thrash』はしばしば『thrash about』のように、激しく動き回るという意味でも使用される。 【混同しやすい点】『thrash』は非公式な表現であり、フォーマルな文脈では適切ではない。『rout』はより中立的で、フォーマルな文脈でも使用できる。
- trounce
『完膚なきまでに打ち負かす』という意味で、スポーツや競争などで、相手を圧倒的に打ち負かす状況で使用される。やや口語的。 【ニュアンスの違い】『rout』と非常に近い意味を持つが、『trounce』の方がより口語的で、勝利の程度を強調するニュアンスがある。また、ユーモラスな文脈で使用されることもある。 【混同しやすい点】『trounce』は『rout』よりも使用頻度が低く、また、フォーマルな文脈では『defeat』などの方が適切。ただし、スポーツ記事などではよく見られる表現。
派生語
『道』や『経路』を意味する名詞で、『rout』が『敗走』の意味を持つ以前の語源的な意味合いをより直接的に残しています。軍隊の移動経路や物資の輸送ルートなど、具体的な道筋を指す場合に使われます。日常会話からビジネス、軍事関連の文脈まで幅広く用いられます。
- router
『route』に『〜するもの』という意味の接尾辞『-er』がついた語で、ネットワークにおいてデータの最適な経路を選択する機器を指します。IT分野で頻繁に使われ、家庭用から企業向けのネットワーク機器まで、幅広い場面で見られます。比喩的に、問題解決や目標達成のための『道筋を示す人』という意味合いで使われることもあります。
反意語
『勝利』を意味する名詞で、『rout』(敗走)とは対照的に、戦いや競争における成功を表します。スポーツ、政治、ビジネスなど、あらゆる分野で用いられ、『rout』が示す完全な敗北とは正反対の結果を意味します。
- stand firm
『断固として立ち向かう』という意味の句動詞で、『rout』が示す崩壊や逃走とは対照的に、困難な状況でも信念や立場を譲らず、抵抗し続ける様子を表します。ビジネスにおける交渉や、個人的な困難に立ち向かう場面など、比喩的な意味合いでも用いられます。
語源
"rout」は、古フランス語の「rote」(集団、群衆、混乱)に由来します。この「rote」は、さらに遡ると、俗ラテン語の「rupta」(ばらばらに壊れたもの)にたどり着きます。これはラテン語の動詞「rumpere」(壊す、破る)の過去分詞形から来ています。つまり、「rout」の根本的なイメージは、「壊れて散り散りになること」です。軍隊が「潰走」するイメージは、まさに秩序が「壊れ」、兵士たちが「ばらばらに」逃げ出す様子を表しています。また、「打ち破る」という意味も、敵の組織を「壊して」勝利するというイメージとつながります。日本語で例えるなら、「瓦解(がかい)」という言葉に近いニュアンスを持っていると言えるでしょう。組織や体制が内部から崩れ去る様子を表す「瓦解」は、「rout」の持つ「崩壊」と「混乱」の意味合いをよく表しています。
暗記法
「rout」は秩序崩壊の象徴。軍隊の敗走は、単なる敗北でなく、名誉とリーダーシップの失墜を意味しました。スポーツでの大敗は、敬意の欠如と士気低下を暗示。政治では、国民の信頼喪失を意味し、社会不安を反映します。routは単なる失敗を超え、道徳的、社会的な崩壊を連想させる、重い言葉なのです。
混同しやすい単語
発音が非常に似ており、多くのネイティブスピーカーも区別が難しい場合があります。スペルも 'rout' と 'route' で似ています。『route』は『道、経路』という意味の名詞、または『~を(特定のルートで)送る』という意味の動詞として使われます。文脈によって意味を判断する必要があります。アメリカ英語では『ルート』と発音されることが多いですが、イギリス英語では『ラウト』と発音されることもあります。そのため、どちらの発音でも意味を理解できるようにしておくことが重要です。
発音記号は異なりますが、日本語話者には『ルート』と聞こえやすく、混同しやすいです。スペルも 'oo' の部分が 'ou' に変わっただけで視覚的に似ています。『root』は『根』という意味の名詞、または『根付く』という意味の動詞です。語源的には、どちらもラテン語の 'ruptura'(裂けること)に由来しますが、意味は大きく異なります。例えば、『the root of the problem』は『問題の根源』という意味で使われます。
『rout』と『riot』は、どちらも騒動や混乱を表す単語ですが、意味合いが異なります。『riot』は『暴動』という意味で、より激しい騒乱状態を指します。スペルも似ているため、視覚的に混同しやすいです。発音も母音の部分がわずかに異なるため、注意が必要です。文脈によってどちらの単語が適切かを判断する必要があります。
'rout'と 'round'は、母音と語尾の子音が似ているため、発音を聞き間違えやすいです。 'round'は『丸い』という意味の形容詞、または『一周』という意味の名詞として使われます。また、『~の周りに』という意味の前置詞としても使われます。スペルも似ているため、視覚的にも混同しやすいです。例えば、『a round table』は『丸いテーブル』という意味になります。
'rout'と 'out'は、母音の発音が共通しており、語尾の子音の有無が異なるだけなので、発音を聞き間違えやすいです。 'out'は『外へ』という意味の副詞、または『~の外に』という意味の前置詞として使われます。また、『~がない』という意味の形容詞としても使われます。例えば、『go out』は『外出する』という意味になります。 'rout'は名詞・動詞として使われ、意味も大きく異なるため、文脈で判断する必要があります。
『rout』と『wrote』は、どちらも4文字の単語であり、スペルも似ているため、視覚的に混同しやすいです。『wrote』は『書く (write)』の過去形であり、発音も異なりますが、早口で話されると聞き間違える可能性があります。例えば、『He wrote a letter』は『彼は手紙を書いた』という意味になります。文脈によってどちらの単語が適切かを判断する必要があります。
誤用例
日本語の『混乱した』『めちゃくちゃになった』というイメージから、株価の急落に『rout』を使ってしまう誤用です。『rout』は、軍隊や集団が完全に打ち負かされ、秩序なく逃走する状況を指します。株価のような無生物が崩壊する場合には、『plummet』や『collapse』を使うのが適切です。日本人が『混乱』という言葉を広義に捉えがちなのに対し、英語の『rout』は、より具体的な敗走のイメージに限定される点が異なります。
『rout』を『論破する』という意味で使うのは不適切です。『rout』は、相手を打ち負かして敗走させるニュアンスであり、議論においては、相手の主張を徹底的に打ち砕き、議論の場から追い出すようなイメージとは少し違います。より適切なのは『demolish』や『refute』です。日本語の『論破』には、相手を打ち負かすだけでなく、恥をかかせるようなニュアンスも含まれることがありますが、英語ではより客観的に議論の優劣を示す言葉を選ぶ必要があります。
『rout』は、確かに大差で打ち負かすという意味を持ちますが、スポーツの試合結果を伝える際には、やや古風で、仰々しい印象を与えます。より自然な表現は『thrash』や『trounce』です。日本語の『圧勝』は、幅広い文脈で使えますが、英語ではスポーツの試合結果にふさわしい、より口語的な表現を選ぶことが重要です。また、『rout』は、敗北した側の混乱・逃走のニュアンスを含むため、勝利の喜びをストレートに表現したい場合には、他の単語の方が適切です。
文化的背景
「rout」は、秩序の崩壊と集団心理の恐ろしさを象徴する言葉であり、統制を失った群衆が引き起こす破壊的な状況を描写する際に用いられます。特に、敗走する軍隊や暴徒化した民衆など、本来規律を重んじるべき集団が制御不能に陥る様は、社会秩序の脆弱性を露わにするものとして、文学や歴史において繰り返し描かれてきました。
歴史的には、routは戦場における軍隊の壊滅的な敗走を指す言葉として頻繁に登場します。中世の騎士道物語やシェイクスピアの戯曲などでは、敵軍のroutは単なる敗北以上の意味を持ち、名誉の失墜、リーダーシップの欠如、そして社会全体の崩壊を暗示するものとして描かれています。例えば、ある騎士が指揮する軍勢がroutに陥った場合、それはその騎士の武勇だけでなく、彼の統率力や人格までもが疑われる事態を意味しました。このように、routは単なる軍事的な失敗にとどまらず、道徳的な崩壊をも象徴する言葉として、当時の人々の心に深く刻み込まれていたのです。
また、routはスポーツの世界においても、一方的な試合展開や大差での敗北を表現する際に用いられます。しかし、この場合、routは単なるスコアの差以上の意味を持ち、対戦相手に対する敬意の欠如や、チーム全体の士気の低下を暗示することがあります。特に、プロスポーツの世界では、routは選手のプライドを深く傷つけ、キャリアに大きな影響を与える可能性があるため、選手や監督はroutを避けるためにあらゆる努力を払います。このように、routはスポーツの世界においても、単なる結果以上の意味を持つ、重い言葉として扱われているのです。
現代社会においては、routは政治的な文脈でも使用されることがあります。例えば、選挙における大敗や、政府の支持率の急落などを表現する際に用いられます。この場合、routは単なる政治的な失敗にとどまらず、国民の信頼の喪失や、社会全体の不安を象徴することがあります。特に、民主主義国家においては、routは国民の意思が明確に示された結果であり、政治家はroutから学び、政策を改善することで、国民の信頼を回復する必要があります。このように、routは現代社会においても、単なる現象以上の意味を持つ、重要な言葉として認識されているのです。
試験傾向
1. 出題形式: 主に長文読解、稀に語彙問題。2. 頻度と級・パート: 準1級以上でまれに出題。1級でやや頻出。3. 文脈・例題の特徴: 社会問題、歴史、科学など硬めの話題。4. 学習者への注意点・アドバイス: 「総崩れ」のような意味合いで、比喩的な表現で使われることが多い。動詞と名詞の両方の用法を理解しておく。
1. 出題形式: Part 7(長文読解)で稀に出題。2. 頻度と級・パート: 頻度は低い。3. 文脈・例題の特徴: ビジネス文書、ニュース記事など。4. 学習者への注意点・アドバイス: ビジネスシーンで「打ち負かす」「圧倒する」のような意味で使われる場合があることを知っておくと良い。ただし、TOEICでは優先度の高い単語ではない。
1. 出題形式: リーディングセクションで頻出。2. 頻度と級・パート: TOEFL iBTで頻出。3. 文脈・例題の特徴: アカデミックな内容(歴史、社会学、科学など)の文章で、集団や組織が「敗北する」「崩壊する」といった意味で使われる。4. 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する練習が重要。類義語(defeat, overwhelm)とのニュアンスの違いも意識すると良い。
1. 出題形式: 主に長文読解。空所補充や同意語選択形式もあり。2. 頻度と級・パート: 難関大学で比較的頻出。3. 文脈・例題の特徴: 社会科学、人文科学系の文章で、国家、軍隊、組織などが「敗走する」「壊滅する」といった意味で使われる。4. 学習者への注意点・アドバイス: 比喩的な意味合いで使われることも多いので、文脈全体から意味を判断する必要がある。派生語(routing)も合わせて覚えておくと役立つ。