英単語学習ラボ

neither

/ˈnaɪðər/(ˈナイ̈ザ̈ー または ˈニー̈ザ̈ー)

'neither' の発音は、大きく分けて /ˈnaɪðər/ (ナイ̈ザ̈ー) と /ˈniːðər/ (ニー̈ザ̈ー) の2種類があります。前者はアメリカ英語で、後者はイギリス英語でよく使われます。どちらの発音でも、'th' の音(/ð/)が重要です。これは、舌先を上下の歯で軽く挟み、息を摩擦させて出す有声音です。日本語にはない音なので意識して練習しましょう。曖昧母音(/ər/)は、口を軽く開けて「アー」と「ウー」の中間のような音を出します。

代名詞

どちらも〜ない

二つの選択肢や対象について、両方とも否定するという意味合いを持ちます。例えば、「Neither of them came.(彼らのどちらも来なかった)」のように使われます。単独で使用することは稀で、通常は 'of' を伴って使われます。

When she offered me an apple or an orange, I replied, "Neither, thanks." I was still full from lunch.

彼女がリンゴかオレンジを勧めてくれた時、私は「どちらもいらない、ありがとう」と答えました。まだお昼ごはんがお腹いっぱいだったからです。

友人が果物を勧めてきたけれど、お腹がいっぱいだから断る、という日常のワンシーンです。「どちらもいらない」という気持ちを伝える時によく使われます。ここでは「neither」が単独で「どちらも〜ない」という意味の代名詞として、質問に対する答えになっています。

We found two paths leading into the forest, but neither looked safe for our hike.

私たちは森へ続く道を2つ見つけましたが、どちらもハイキングには安全そうに見えませんでした。

ハイキング中に、2つの道のうち、どちらも安全ではないと感じている場面です。2つの選択肢や可能性があり、そのどちらも望ましくない、または利用できない状況で「neither」はとても自然に使われます。ここでは「neither」が主語として機能しています。

My two brothers are very different; neither of them enjoys playing sports much.

私の2人の兄弟はとても違います。彼らのどちらもスポーツをすることはあまり好きではありません。

自分の兄弟について、それぞれの性格や好みを話している場面です。2人の人物や物事について、共通の「〜ない」事実を述べる際に「neither of them (彼らのどちらも〜ない)」という形でよく使われます。この場合、動詞は単数形になるのが一般的です(enjoys)。

接続詞

〜もまた…ない

先に述べられた否定的な内容に加えて、別の事柄も同様に否定する場合に使われます。通常、'nor' と対で使用され、'Neither A nor B' の形で「AもBも〜ない」という意味を表します。例: 'He doesn't like coffee, neither do I.'(彼はコーヒーが好きではない、私も同様だ。)

My friend didn't order coffee, and neither did I. We both chose juice.

友人はコーヒーを注文しなかったし、私も注文しなかった。私たちは二人ともジュースを選んだ。

この例文では、カフェで友達がコーヒーを注文しなかったという事実に対し、「私もそうだった」と同意しています。身近なシーンが目に浮かびますね。「neither did I」は、「私もまた〜しなかった」と、前の否定文の内容に「私も同じだ」と共感を示すときに使う、とても自然な表現です。助動詞(ここではdid)が主語の前に来るのがポイントです。

The boy couldn't answer the tough question, and neither could his classmate.

その少年は難しい質問に答えられなかったし、彼のクラスメイトも答えられなかった。

テスト中、難しい問題に直面している少年と、同じように困っているクラスメイトの姿が想像できます。この文では、「少年が答えられなかった」という状況に、「クラスメイトもまた同じだった」と続けています。「neither could his classmate」のように、能力を表す助動詞(could)を使った否定文に「私もまた〜できない」と同意する際によく使われます。みんなが同じように「できない」状況を表すのにぴったりです。

My dad wasn't worried about the storm, and neither was my mom. They felt safe.

父は嵐について心配していなかったし、母も心配していなかった。彼らは安全だと感じていた。

嵐が近づいていても、落ち着いている両親の様子が目に浮かびますね。この例文では、「父が心配していなかった」という感情の状態に対し、「母もまたそうだった」と同意しています。「neither was my mom」のように、be動詞を使った否定文に「私もまた〜ではない」と同意するときに使う典型的な形です。家族が同じ気持ちでいる安心感が伝わるシーンです。

副詞

同様に〜ない

前の文で述べられた否定的な事柄を受けて、同様の否定を付け加える際に使用します。この用法では、'either' の否定形として機能し、通常は文末に置かれます。例: 'I don't like it either, neither do I.'(私もそれが好きではない、同様に。)

My friend doesn't like waking up early, and neither do I.

私の友達は早起きが好きじゃないし、私もそうなんだ。

朝、目覚まし時計が鳴っても、なかなか布団から出られない…そんな「早起きが苦手」という気持ちが伝わる場面です。誰かが「〜しない」という否定的なことを言った後で、「私も同じように〜ない」と共感する時に、この「neither do I.」の形はとてもよく使われます。相手の気持ちに寄り添う、自然な会話で役立ちますよ。

She didn't go to the party last night, and neither did I.

彼女は昨夜のパーティーに行かなかったし、私も行かなかったんだ。

昨夜のパーティーについて話している場面を想像してみましょう。誰かが「パーティーに行かなかった」と告げた時、自分も同じ行動を取っていた場合に「neither did I.」と続けます。これは過去の行動について「〜もまたしなかった」と伝える、非常に典型的な表現です。動詞の種類(この場合はgo)に合わせて助動詞(did)が変わる点に注目してくださいね。

He wasn't surprised by the news, and neither was I.

彼はそのニュースに驚かなかったし、私も驚かなかった。

テレビやスマホでニュースを見ている二人が、特に驚くような内容ではなかった、と冷静に話している場面です。「be動詞(wasn't)」を使った否定文に対して、「neither was I.」のように同じbe動詞を使って「〜もまたそうではなかった」と続けます。感情や状態について「私も同じ状態ではない」と伝える時に、とても自然な響きになります。

コロケーション

neither fish nor fowl

どっちつかず、中途半端、どちらにも属さない

文字通りには「魚でも鳥でもない」という意味で、明確なカテゴリーに分類できないもの、または中途半端な状態を表します。例えば、あるプロジェクトがビジネス的にも技術的にも中途半端な出来の場合に使えます。文化的背景として、英語圏では物事をはっきりと区別することを好む傾向があり、その曖昧さを嫌う感情が込められています。フォーマルな場面よりも、ややくだけた会話で使われることが多いです。構文としては「be neither fish nor fowl」の形で用いられます。

neither here nor there

重要ではない、問題の本質とは関係がない

「ここにもあそこにもない」という意味から、議論や状況において重要性を持たない、または関連性のない事柄を指します。例えば、議論中に些細な点が持ち出された際に「それは本質とは関係ない」というニュアンスで使われます。日常会話でよく用いられる表現で、フォーマルな場ではややカジュアルすぎると感じられることもあります。構文としては「be neither here nor there」の形が一般的です。

on neither side

どちらの側にもつかない、中立の立場

文字通り「どちらの側にもいない」という意味で、紛争や議論において中立的な立場を表明する際に使用されます。政治的な文脈やビジネス交渉など、利害関係が対立する状況でよく用いられます。「remain on neither side」のように動詞と組み合わせて使うことも可能です。よりフォーマルな表現であり、客観性や公平性を示す際に適しています。

neither more nor less

まさにその通り、過不足なく

「それ以上でもそれ以下でもない」という意味で、事実を正確に伝えたい場合に使われます。例えば、金額や数量を伝える際に、誤解がないように強調する際に使用します。ビジネスシーンやフォーマルな会話で用いられることが多く、正確性や客観性が求められる場面に適しています。構文としては「It is neither more nor less than ...」の形が一般的です。

neither confirm nor deny

肯定も否定もしない、ノーコメント

情報開示を避けるために、肯定も否定もしないという意思表示をする際に使われます。政治、ビジネス、法律など、機密性の高い情報を扱う状況で頻繁に用いられます。特に報道機関とのやり取りでよく聞かれる表現です。情報公開に対する責任と、秘密保持の必要性のバランスを取るための常套句と言えるでしょう。

feel neither one way nor the other

どちらとも言えない、どちらでも構わない

ある事柄に対して特に強い感情や意見を持っていない状態を表します。例えば、レストランを選ぶ際に「どこでもいいよ」というニュアンスを伝えたい時に使えます。日常会話で頻繁に使われる表現で、相手に選択を委ねる際に便利です。構文としては「I feel neither one way nor the other about it」の形が一般的です。

使用シーン

アカデミック

学術論文や教科書で、複数の選択肢や可能性を否定する際に用いられます。例えば、経済学の論文で「A理論もB理論も、この現象を完全に説明することはできない。Neither theory fully explains this phenomenon.」のように使われます。フォーマルな文体で、客観的な分析を示す際に適しています。

ビジネス

ビジネス文書やプレゼンテーションで、フォーマルな状況において用いられます。例えば、市場調査の結果を報告する際に、「競合A社も競合B社も、この市場で大きなシェアを獲得できていない。Neither competitor has gained a significant market share.」のように使われます。口語よりは文語的な表現です。

日常会話

日常会話では、やや硬い印象を与えるため、頻繁には使われません。しかし、ニュース記事やドキュメンタリーなどで、「〜も〜も同様に…ない」という状況を説明する際に使われることがあります。例えば、「彼も彼女も、そのパーティーには来なかった。Neither of them came to the party.」のように使われます。より自然な表現としては、「も〜ない」を別の表現で言い換えることが一般的です。

関連語

類義語

  • "nor"は「〜もまた〜ない」という意味で、否定的な内容を付け加える際に使われます。文法的には接続詞として機能し、通常は"neither"と対になって使われます。日常会話やフォーマルな文章で見られます。 【ニュアンスの違い】"neither"が主語として使われるのに対し、"nor"は文の先頭に置かれ、前の文の否定的な内容に呼応する形で使われます。また、"nor"の後に続く文では、通常、倒置が起こります (助動詞 + 主語 + 動詞)。 【混同しやすい点】"neither"と"nor"はセットで使われることが多いですが、"nor"は単独でも使えます。"neither"が「どちらも〜ない」という選択肢の否定であるのに対し、"nor"は既存の否定に対する追加の否定であるという点が混同されやすいです。

  • not either

    "not either"は「〜もまた〜ない」という意味で、"neither"と同様に否定的な内容を付け加える際に使われます。日常会話でよく使われ、フォーマルな場面では"neither"や"nor"が好まれる傾向があります。 【ニュアンスの違い】"neither"がより簡潔でフォーマルな表現であるのに対し、"not either"はより口語的で、文末に置かれることが多いです。また、"neither"が単独で主語になることができるのに対し、"not either"は文の一部として使われます。 【混同しやすい点】"neither"が文頭に置かれることで倒置が起こる可能性があるのに対し、"not either"は倒置を起こしません。また、"neither"がよりフォーマルな印象を与えるのに対し、"not either"はカジュアルな印象を与えるという点が混同されやすいです。

  • "none"は「誰も〜ない」「何も〜ない」という意味で、複数の中から一つも該当するものがないことを表します。名詞または代名詞として機能し、日常会話からフォーマルな文章まで幅広く使われます。 【ニュアンスの違い】"neither"が二つの選択肢の否定であるのに対し、"none"は三つ以上の選択肢の否定、または数えられないものに対する否定として使われます。また、"none"は単独で主語になることができます。 【混同しやすい点】"neither"が二者択一の否定であるのに対し、"none"はそれ以上の選択肢の否定であるという点が混同されやすいです。また、"none" of + 複数名詞 の形で使われる場合、動詞の単数形/複数形どちらを使うべきかという点で迷うことがあります(現代英語では複数形が一般的)。

  • not any

    "not any"は「一つも〜ない」という意味で、複数の中から該当するものがないことを表します。日常会話でよく使われ、"none"よりもカジュアルな印象を与えます。 【ニュアンスの違い】"neither"が二つの選択肢の否定であるのに対し、"not any"は三つ以上の選択肢の否定として使われます。また、"not any"は名詞を修飾する形容詞句として使われることが多いです。 【混同しやすい点】"neither"が二者択一の否定であるのに対し、"not any"はそれ以上の選択肢の否定であるという点が混同されやすいです。また、"any"は肯定文で「どれでも」「何でも」という意味になるため、否定文で使う場合に混乱することがあります。

  • "no"は「〜がない」という意味で、名詞の前に置いてそれを否定します。形容詞として機能し、日常会話からフォーマルな文章まで幅広く使われます。 【ニュアンスの違い】"neither"が二つの選択肢の否定であるのに対し、"no"は単一の名詞を否定します。また、"no"はより直接的で強い否定のニュアンスを持ちます。 【混同しやすい点】"neither"が「どちらも〜ない」という選択肢の否定であるのに対し、"no"は単一の名詞の否定であるという点が混同されやすいです。また、"no"は名詞の前に直接置かれるのに対し、"neither"はより複雑な文構造で使用されることがあります。

  • not a single

    "not a single"は「一つも〜ない」という意味で、強い否定を表します。特に数えられるものに対して使われ、感情的な強調が含まれることが多いです。日常会話や物語などで見られます。 【ニュアンスの違い】"neither"が二つの選択肢の否定であるのに対し、"not a single"は複数の中から一つもないことを強調します。また、"not a single"はより感情的なニュアンスを持ちます。 【混同しやすい点】"neither"が二者択一の否定であるのに対し、"not a single"はそれ以上の選択肢に対する強い否定であるという点が混同されやすいです。また、"not a single"は強調表現であるため、フォーマルな場面では"none"や"not any"が好まれることがあります。

派生語

  • 接続詞で「〜もまた…ない」。neither A nor B(AもBも〜ない)という構文で頻繁に使用され、neitherと意味的に密接に関連する。日常会話、書き言葉の両方で使われる。

  • nether

    古風な言葉で「下の」「地獄の」といった意味合い。neitherの語源である「ne(否定)+ either」と関連し、下界や否定的な場所を示す際に使われる。現代英語では詩的な表現や文学作品で見られる程度。

反意語

  • 「両方」を意味し、neitherが「どちらも〜ない」という意味であるのに対し、明確な対義語となる。日常会話からビジネスまで幅広く使用される。

  • 「どちらか一方」を意味し、neither が「どちらも~ない」という意味であるのに対し、選択肢の存在を示す点で対照的。肯定文で使われ、日常会話で頻繁に登場する。

語源

"neither"は、古英語の"nāther"に由来し、"ne"(not、〜ない)と"āther"(either、どちらか)が組み合わさってできた言葉です。つまり、元々は「どちらでもない」という意味を明確に表していました。"either"が「どちらか一方」を示すのに対し、"neither"は"not either"、つまり「どちらでもない」という否定的な意味合いを強調するために、二つの要素が結合したのです。日本語で例えるなら、「あれもこれも」の否定形として「あれもこれもどちらでもない」と言うようなイメージです。この語源を知ることで、"neither"が単に"not either"を短縮しただけでなく、否定をより強く表現するために作られた単語であることが理解できます。

暗記法

「neither」は二者択一の否定を超え、信念表明の武器となる。宗教改革期には、カトリックとプロテスタントのいずれにも与しない人々が、既存の権威への批判として用いた。文学では、シェイクスピアが道徳的ジレンマを表現。現代では二元論を超え、第三の道を示す言葉へ。「AでもBでもなくC」という形で、社会的な合意形成に新たな可能性を拓く。単なる否定を超えた、知的な選択の言葉なのだ。

混同しやすい単語

発音が非常に似ており、特にアメリカ英語では 'neither' と 'either' の母音が同じ /iː/ で発音されることが多い(イギリス英語では異なる)。意味は『どちらか一方』であり、『どちらも~ない』という意味の 'neither' とは正反対。文脈で判断する必要がある。また、'either A or B' のように、相関語句として使われることが多い点も異なる。

nether

綴りが似ており、特に手書きの場合など視覚的に混同しやすい。『より低い』『下の』という意味の形容詞であり、古語的な響きを持つ。日常会話ではほとんど使われず、'nether regions'(体の下部、特に性器を婉曲的に指す)のような特定のフレーズで用いられることが多い。

最初の 'nei' の部分のスペルが似ており、発音も若干似ているため、特にスペリングを意識していないと混同しやすい。『隣人』という意味であり、全く異なる概念を表す。アメリカ英語では 'neighbour' が 'neighbor' と綴られるため、綴りのバリエーションにも注意が必要。

"neither"は"neither A nor B"という形で使われることが多く、"nor"を伴わない"neither"だけの場合との意味の違いに注意が必要です。"Neither A nor B"は「AもBも~ない」という意味で、"neither"単独で使用する場合とはニュアンスが異なります。例えば、"Neither do I."(私も~ない)のように使われます。

knew

発音が似ているため、リスニングの際に混同しやすい。'knew' は 'know'(知っている)の過去形で、『知っていた』という意味。文脈から時制を判断する必要がある。また、スペリングも 'kn' という無音の文字が含まれているため、発音とスペルのギャップに注意。

発音が一部似ており、特に発音記号を意識していないと混同しやすい。『近い』という意味であり、場所や時間的な近さを表す。'neither' が否定的な意味合いを持つ一方、'near' は中立的な意味である点が大きく異なる。

誤用例

✖ 誤用: Neither I agree nor disagree.
✅ 正用: I neither agree nor disagree.

日本語の「〜も〜もない」という表現に引きずられ、neitherを文頭に置きがちですが、これは誤りです。neitherは通常、動詞の直前に置かれ、文の構造は 'I neither agree nor disagree' のようになります。文頭にneitherを置く場合は、倒置が起こり、'Neither do I agree nor disagree' のように、助動詞が必要になります。この誤用は、日本語の語順に固執し、英語の文法構造を理解していない場合に起こりやすいです。英語では、否定語はできるだけ動詞に近い位置に置くことで、文意を明確にする傾向があります。

✖ 誤用: I have neither time nor money. I'm neither happy.
✅ 正用: I have neither time nor money. I'm not happy either.

neitherは通常、norとセットで使い、二つの否定的な要素を結びつけます。後半の文のように、単独で「〜もない」という意味で使う場合は、'either' を用いるのが適切です。この誤用は、neitherの持つ「否定」のイメージが先行し、文脈を考慮せずに使ってしまうことが原因です。英語では、文脈によって適切な否定表現を選ぶ必要があり、日本語の「〜もない」という表現を安易に英語に置き換えることは避けるべきです。また、'neither' はフォーマルな印象を与えるため、日常会話では 'not...either' の方が自然な場合があります。

✖ 誤用: He is neither clever but kind.
✅ 正用: He is neither clever nor kind.

neitherとbutを組み合わせて使うのは文法的に誤りです。neitherは必ずnorとセットで使用し、二つの選択肢を否定します。「彼は賢くはないが親切だ」と言いたい場合は、'He is not clever, but he is kind' のように表現するのが適切です。この誤用は、butが「しかし」という意味で、逆接を表す接続詞として広く知られているため、neitherと組み合わせて使っても意味が通じるだろうという誤った推測から生じます。英語では、接続詞のペアリングが重要な役割を果たし、正しい組み合わせを理解することが不可欠です。

文化的背景

「neither」は、二者択一を迫られた際に、どちらの選択肢も受け入れない、あるいは真実ではないという強い拒否の意思を示す言葉です。この言葉は、単なる否定を超え、時に個人の信念や立場を明確にする役割を果たし、社会的な合意形成における微妙な駆け引きを映し出します。

英語圏の歴史を振り返ると、「neither」は、宗教改革や政治的な対立が激化した時代に、自身の立場を明確にするために頻繁に用いられました。たとえば、16世紀の宗教改革期には、カトリックとプロテスタントのどちらの教義も受け入れない人々が、「neither Catholic nor Protestant(カトリックでもプロテスタントでもない)」という言葉で自身の立場を表明しました。これは単なる中間的な立場ではなく、既存の権威や教義に対する批判的な視点を示すものでした。このように、「neither」は、二つの対立する勢力の間で、独自のアイデンティティを確立しようとする人々の象徴的な言葉として機能したのです。

文学作品においても、「neither」は登場人物の葛藤や決意を表現するために効果的に用いられます。シェイクスピアの作品では、登場人物が道徳的なジレンマに直面し、「neither honor nor love(名誉も愛も)」といった形で、二つの価値観のどちらも選べない苦悩を表現することがあります。これは、単なる選択肢の否定ではなく、人間の複雑な感情や倫理観を浮き彫りにするものです。また、現代の小説や映画では、「neither right nor wrong(正しいも間違っているも)」といった形で、絶対的な正義や悪が存在しない状況を描写し、観客に倫理的な問いを投げかけることがあります。

現代社会においては、「neither」は、政治的な立場や社会的な問題に対する態度を表明する際に、より複雑な意味合いを持つようになっています。二元論的な思考を超え、多様な視点を受け入れる姿勢を示すために、「neither A nor B, but C(AでもBでもなく、C)」という形で、第三の選択肢を提示することがあります。これは、単なる否定ではなく、より包括的で創造的な解決策を模索する姿勢を示すものです。このように、「neither」は、社会的な合意形成における新たな可能性を切り開く言葉として、その重要性を増しています。

試験傾向

英検

1. 出題形式: 主に長文読解、稀に語彙問題。2. 頻度と級・パート: 準1級以上で比較的頻出。1級でも見られる。3. 文脈・例題の特徴: 論説文や物語文など、様々な文脈で出現。4. 学習者への注意点・アドバイス: 「neither A nor B」の構文で使われることが多い。AとBが並列であること、動詞の数の一致に注意。

TOEIC

1. 出題形式: Part 5(短文穴埋め問題)、Part 7(長文読解問題)。2. 頻度と級・パート: Part 5では中程度の頻度。Part 7では読解力が必要な箇所で登場。3. 文脈・例題の特徴: ビジネス関連の文書、特に契約書や報告書などで見られる。4. 学習者への注意点・アドバイス: 「neither」単独で使用される場合と、「neither A nor B」の相関語句で使用される場合がある。意味の違いを理解しておくこと。

TOEFL

1. 出題形式: リーディングセクションで頻出。2. 頻度と級・パート: 高頻度。アカデミックな文章でよく使用される。3. 文脈・例題の特徴: 学術論文、研究報告書など、論理的な文章で用いられることが多い。4. 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を正確に把握する必要がある。特に否定的な意味合いを強調する際に使われるため、文全体の流れを理解することが重要。

大学受験

1. 出題形式: 長文読解問題で頻出。文法問題で問われることもある。2. 頻度と級・パート: 難関大学ほど頻度が高い。3. 文脈・例題の特徴: 論説文、物語文など、様々な文脈で出現する。4. 学習者への注意点・アドバイス: 「neither A nor B」の構文が頻出。AとBが文法的に対等であること、動詞の数の一致に注意。また、「either」との使い分けも重要。

免責事項

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このページについて

作成:英単語学習ラボ
生成支援:Google Gemini
最終更新:2025年7月18日

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