in which case
"in"の/ɪ/は、日本語の「イ」よりも口を少し横に引いて発音します。"which"の/wɪtʃ/は、唇を丸めて前に突き出し、素早く引っ込めるイメージで発音すると、よりネイティブに近い音になります。"case"の/eɪ/は二重母音で、「エイ」と聞こえますが、実際には「エ」から「イ」へ滑らかに移行する音です。全体として、各単語を区切らず、なめらかにつなげて発音することを意識しましょう。
その場合
前の文や状況を受けて、特定の条件や結果が発生する場合に、その後の行動や判断を示すために使われる。フォーマルな場面や文章でよく用いられる。
It might rain tomorrow. In which case, we will play board games indoors.
明日、雨が降るかもしれません。その場合、私たちは室内でボードゲームをします。
※ 友人と週末の計画を話している場面を想像してください。空を見上げて「もし雨が降ったらどうしよう?」と心配している時に使えるフレーズです。前の文で示された可能性(雨が降ること)を受けて、「もしそうなったら」という代替案を伝える典型的な使い方です。
He might be late for the meeting. In which case, we'll have to start without him.
彼が会議に遅れるかもしれません。その場合、私たちは彼なしで始めなければならないでしょう。
※ 職場で会議が始まるのを待っている時に、同僚がまだ来ていない状況を想像してください。この表現は、前の文で述べられた懸念(彼が遅れること)に対する具体的な対応策を提示する際に非常に自然です。「in which case」は、ビジネスシーンでもよく使われる丁寧で明確な表現です。
You can try to fix the computer yourself. In which case, please be very careful.
自分でパソコンを直してみてもいいですよ。その場合、とても気をつけてくださいね。
※ 壊れたパソコンを前に困っている友人に、アドバイスをしている場面です。相手の行動の選択肢(自分で直すこと)を提示し、もしその選択肢を選んだ場合の注意点や条件を伝えるのに使われます。「in which case」は、前の文で述べられた行動や状況が「もし起こったら」という条件を示すのに便利です。
コロケーション
その場合、契約は無効になる
※ 契約書や法律文書で頻繁に見られる表現です。特定の条件が満たされた場合に、契約や合意が無効になることを明示します。'void'は法的拘束力がない状態を指し、契約の条項が履行されない、あるいは違法である場合に適用されます。ビジネスシーンや法的な議論で正確性を期す際に用いられます。
その場合は、あなたは独力で頑張ることになる
※ これはやや口語的な表現で、サポートや援助が期待できない状況を伝える際に使われます。'on your own'は文字通り『自分自身で』という意味ですが、『誰にも頼れない』というニュアンスを含みます。親しい間柄での会話や、責任の所在を明確にする必要がある場面で用いられることがあります。
その場合、払い戻しが行われます
※ 顧客サービスや販売契約において、特定の条件(商品の欠陥、サービスの不備など)が満たされた場合に払い戻しが実施されることを伝える際に使われます。'refund'は金銭的な返還を意味し、信頼と安心感を与えるために、企業のポリシーとして明確に示されることが多いです。
その場合は、慎重に進めてください
※ 何らかのリスクや不確実性が伴う状況において、注意深く行動するように促す表現です。'proceed with caution'は、危険を認識し、慎重な態度で臨むことを意味します。ビジネス上の意思決定や、危険な場所での行動など、様々な場面で使用されます。
その場合は、決定はあなたに委ねられます
※ 最終的な判断を相手に任せる際に使用される表現です。責任と権限を明確に伝えることで、相手に主体的な行動を促します。ビジネスシーンや、プロジェクトの進行において、意思決定の所在を明らかにするために用いられます。
その場合は、心配する必要はありません
※ 相手の不安や懸念を解消するために用いられる表現です。特定の条件が満たされれば問題がないことを伝え、安心感を与えます。状況が好転した場合や、リスクが回避された場合に用いられることが多いです。
その場合は、話は別だ
※ 状況が変化し、以前とは異なる対応が必要になることを示す表現です。'a different story'は、状況や事情が変わったことを婉曲的に表現します。ビジネス交渉や議論において、前提条件が変わったことを明確にするために用いられます。
使用シーン
学術論文や研究発表で、ある条件や状況が成立した場合の結果や影響を説明する際に使用されます。例えば、「実験Aにおいて有意な差が見られなかった。in which case、更なる調査が必要となる (Experiment A did not show a significant difference, in which case, further investigation is needed.)」のように、論理的な繋がりを示すために用いられます。文語的な表現です。
ビジネス文書やプレゼンテーションにおいて、契約条件やプロジェクトの計画変更など、特定の状況下での代替案や対応策を示す際に使われることがあります。例えば、「もしA案が承認されなかった場合、in which case、B案を実行します (If Plan A is not approved, in which case, we will implement Plan B.)」のように、ややフォーマルな状況で使用されます。口語的な会話ではあまり使いません。
日常会話ではあまり一般的ではありませんが、ニュース記事やドキュメンタリー番組などで、ある出来事や状況に対する結果や影響を説明する際に使われることがあります。例えば、「大雨の警報が発令された。in which case、避難の準備をしてください (A heavy rain warning has been issued, in which case, please prepare to evacuate.)」のように、やや硬い表現として用いられることが多いです。
関連語
類義語
「そうでなければ」「別の方法で」という意味で、条件や状況が異なる場合に用いられる。接続副詞として文頭や文中に置かれることが多い。 【ニュアンスの違い】「in which case」よりも一般的で、より広い範囲の代替案や結果を指す。フォーマルな場面でもカジュアルな場面でも使用可能。 【混同しやすい点】「otherwise」は具体的な条件を示すというより、一般的な代替案を示すため、「in which case」のように具体的な状況に直接結びつかない場合がある。例えば、「急ぎなさい、そうでなければ遅れるぞ」のように使われる。
「もしそうなら」「もしそうであるならば」という意味で、前の文や発言の内容が真実である場合に続く。日常会話で頻繁に使われる。 【ニュアンスの違い】「in which case」よりも口語的で、簡潔な表現を好む場合に適している。ただし、フォーマルな文書や学術的な文脈では「in which case」の方が適切。 【混同しやすい点】「if so」は前の文脈全体を参照するのに対し、「in which case」は特定の状況や条件をより詳細に述べるという違いがある。また、「if so」は仮定を強調する傾向がある。
「それなら」「その場合」という意味で、結果や結論を導く際に使用される。時間的な順序を示す場合もあるが、ここでは条件節に対する帰結を示す用法。 【ニュアンスの違い】「in which case」よりもシンプルで直接的な表現。日常会話やカジュアルな書き言葉でよく使われる。論理的な結論を簡潔に示す。 【混同しやすい点】「then」は時間的な順序や因果関係を曖昧にすることがあるため、具体的な状況を詳細に説明したい場合は「in which case」の方が適している。「then」はしばしば「if...then」の形で用いられるが、「in which case」はより独立した節を導く。
- in that event
「もしその事態になったら」「その場合には」という意味で、特定の出来事や状況が発生した場合の結果を示す。フォーマルな場面や法的文書で使われることが多い。 【ニュアンスの違い】「in which case」よりもフォーマルで、より重大な結果や手続きを伴う状況で使用される傾向がある。契約書や公式な通知などでよく見られる。 【混同しやすい点】「in that event」は、単に状況が起こったという事実を強調し、それに対する対応や結果に焦点を当てる。「in which case」は、状況の詳細や原因、背景などを説明するニュアンスを含むことがある。
- failing that
「それがうまくいかない場合は」「それができない場合は」という意味で、最初に試みた方法が失敗した場合の代替案を示す。ややフォーマルな表現。 【ニュアンスの違い】「in which case」よりも、最初の試みが失敗する可能性を前提としている点が異なる。また、「in which case」が単なる状況の変化を示すのに対し、「failing that」はネガティブな結果を伴う代替案を示す。 【混同しやすい点】「failing that」は、最初の選択肢が実現しないという前提が必要。「in which case」は、より中立的な立場で状況の変化を示すことができる。例えば、「Aを試してください。うまくいかない場合はBを試してください」のように使われる。
- should that be the case
「もしそうであるべきならば」「万が一そうなった場合には」という意味で、仮定や可能性を示すややフォーマルな表現。 【ニュアンスの違い】「in which case」よりも控えめで、可能性が低い状況や望ましくない状況を想定する場合に使われる。丁寧な言い回しを必要とする場面に適している。 【混同しやすい点】「should that be the case」は、話し手(書き手)が状況の実現を必ずしも期待していないというニュアンスを含む。「in which case」は、より客観的に状況を提示する。
派生語
名詞で『場合』『事例』。根本の意味は『起こること』。日常会話から法律文書まで幅広く使用され、頻度も非常に高い。
『特別な場合』『機会』を意味する名詞。『case』よりもフォーマルな響きを持ち、ビジネスや公式な場で使われることが多い。語源的には『oc-(〜に向かって)』+『cadere(落ちる、起こる)』。
『時々』『たまに』を意味する副詞。『occasion』に副詞化の接尾辞『-ally』が付いたもの。学術論文やビジネス文書で頻繁に使われる。
語源
"In which case"は、より長い文脈の中で条件節の結果として起こりうる状況を指し示すために使われるフレーズです。個々の単語に分解して考えると、"in"は場所や状態を表す前置詞、"which"は関係代名詞で先行する名詞(この場合は条件節全体)を指し示し、"case"は「場合」や「状況」を意味する名詞です。したがって、直訳すると「その(条件節で示された)場合に」となります。このフレーズ自体は、ラテン語やギリシャ語に直接的な語源を持つわけではありませんが、英語の基本的な語彙と文法構造に基づいて自然に形成された表現です。それぞれの単語が持つ意味が組み合わさることで、「もし~ならば、その結果として」という条件と結果の関係を簡潔に表現しています。日本語で例えるなら、「もし雨が降ったら、その場合は傘を持っていく」という文の「その場合は」に近いニュアンスです。
暗記法
「in which case」は、まるでチェスの名手が未来を予測するように、不確実な状況下での合理的な意思決定を支える言葉。契約書や法律文書では、紛争を未然に防ぐ「保険」として機能し、日常会話では計画変更の代替案を示す。航海士が天候の変化に対応するように、状況の変化に柔軟に対応する現代人の必須語彙。楽観だけでなくリスクを考慮する用心深さ、リスが冬に備えるように未来への準備を促す、教養あるリアリストの言葉。
混同しやすい単語
「in which case」と「in that case」はどちらも条件や結果を示す表現ですが、「which」と「that」の違いが曖昧なため混同しやすいです。「in which case」は、先行する文全体を受けて、その場合にどうなるかを示します。一方、「in that case」は、直前の特定の状況や条件を受けて、その場合にどうなるかを示します。どちらも『その場合には』という意味ですが、指し示す範囲が異なります。日本人学習者は、文脈の中でどちらがより適切かを判断する必要があります。
「in which case」と「whose」は、関係詞または疑問詞として使用される点で共通していますが、「which」と「whose」の発音とスペルが似ているため混同されることがあります。「in which case」は、先行する文全体を受けて、その場合にどうなるかを示します。「whose」は所有格を表し、『誰の』という意味です。文脈の中でどちらが所有を表しているかを判断する必要があります。
「in which case」と「if so」はどちらも条件節に関連する表現ですが、構造が異なります。「in which case」は、先行する文全体を受けて、その場合にどうなるかを示します。一方、「if so」は、『もしそうなら』という意味で、直前の内容が真である場合に続く結果や行動を示します。どちらも条件を示す点では似ていますが、文法的な構造が異なるため注意が必要です。
「in which case」と「in any case」はどちらも状況を述べる際に使われますが、意味合いが異なります。「in which case」はある特定の状況下での結果や可能性を示すのに対し、「in any case」は『いずれにせよ』『とにかく』という意味で、状況に関わらず結論や行動を強調する際に使われます。文脈によって使い分ける必要があります。
「in which case」と「in whose case」は関係詞を含む点で似ていますが、「which」が事柄を指すのに対し、「whose」は人を指すという違いがあります。「in whose case」は『誰の場合には』という意味で、特定の人物に関連する状況を説明する際に使用します。文脈において、事柄を指すか、人を指すかを明確に区別することが重要です。
「in which case」と「in that event」はどちらも条件や結果を示す表現ですが、「case」と「event」の違いが曖昧なため混同しやすいです。「in which case」は、ある事柄が起こった場合に起こりうる結果や可能性を広く指します。一方、「in that event」は、特定の出来事(event)が発生した場合に続く結果をより具体的に指します。どちらも『その場合には』という意味合いを持ちますが、文脈によって使い分ける必要があります。
誤用例
日本語の『その場合』という直訳に引きずられると、安易に『in which case』を選んでしまいがちですが、これは原因と結果が自明な場合に限られます。ここでは、政策の実施という『出来事』が不満を引き起こしたという文脈なので、『in which event』がより適切です。日本人は、英語の接続詞や接続副詞を『とりあえず繋げれば良い』と考えがちですが、文脈によって適切な表現を選ぶ必要があります。
『in which case』は、ある状況が起きた場合に『当然そうなるべきだった』という帰結を示すニュアンスがあります。ここでは、CEOが辞任したのは事実かもしれませんが、危機に対する責任を取るべきだったという含みを持たせるには、『should have resigned』のような表現がより適切です。日本人は、事実を淡々と述べることを重視しがちですが、英語では話し手の評価や判断を明確にすることが重要です。
『in which case』は、仮定の状況とその結果を述べる際に使えますが、その状況が実現しなかったことを明確に示す必要があります。ここでは『会議に出席する予定だったが、結局行けなかった』という状況なので、『but something came up』のような表現を加えることで、文脈がより明確になります。日本人は、曖昧な表現を好む傾向がありますが、英語では誤解を避けるために、情報を明確に伝えることが重要です。特に、仮定法を使う場合には、その状況が現実とは異なることを明示する必要があります。
文化的背景
「in which case」は、ある状況や条件が満たされた場合に、その結果として起こりうる事態を指し示す、一種の「保険」のような役割を果たす言葉です。これは、不確実性を前提とした、合理主義的な意思決定の文化を反映しています。まるで、チェスの名手が数手先を読んで様々な可能性に備えるように、この表現は未来を予測し、その結果に対する準備を促すのです。
「in which case」が特に頻繁に使われるのは、契約書や法律文書といった、将来起こりうる事態を想定し、その対応を事前に定めておく必要のある場面です。これらの文書は、社会における紛争を未然に防ぎ、秩序を維持するための枠組みを提供するものであり、「in which case」は、その枠組みをより強固にするための重要な要素となります。例えば、保険契約書では、「火災が発生した場合、保険金が支払われる。in which case、損害額を証明する書類が必要となる」といった形で、条件と結果を明確に結びつけます。
また、「in which case」は、日常会話においても、計画の変更や代替案を示す際に用いられます。例えば、「雨が降るかもしれない。in which case、映画館に行こう」といった具合です。これは、現代社会において、個々人が自分の意思決定に対して責任を持ち、状況の変化に柔軟に対応する必要があることを示唆しています。まるで、航海士が天候の変化を予測し、航路を修正するように、私たちは常に状況を把握し、最適な選択肢を選ぶことが求められているのです。
さらに、「in which case」の使用は、ある種の「用心深さ」や「現実主義」を反映しているとも言えます。これは、楽観的な見通しだけでなく、起こりうるリスクを考慮し、最悪の事態に備えるという姿勢です。まるで、冬に備えて食料を蓄えるリスのように、私たちは将来の不確実性に対して、常に準備を怠らないことが重要であるというメッセージを、「in which case」という言葉を通して受け取ることができるのです。
試験傾向
1. 出題形式: 長文読解、英作文 (条件英作文)。2. 頻度と級・パート: 準1級以上でまれに出題。ライティングで使えると高評価。3. 文脈・例題の特徴: フォーマルな話題、原因と結果を結びつける文脈。4. 学習者への注意点・アドバイス: 「その場合」という意味を理解し、前の文脈を受けて使う。ライティングでは接続詞的に使用。
1. 出題形式: Part 5 (短文穴埋め)。2. 頻度と級・パート: 700点以上を目指す場合、Part 5で稀に出題。3. 文脈・例題の特徴: ビジネスシーン、契約や条件に関する文脈。4. 学習者への注意点・アドバイス: 「in which case」の後に続く文が前の文の内容に対する結果や条件であることを理解する。類似表現 (otherwise) との区別。
1. 出題形式: リーディングセクション、ライティングセクション。2. 頻度と級・パート: リーディングで中頻度、ライティングで使えると高評価。3. 文脈・例題の特徴: アカデミックな文章、議論や分析、原因と結果。4. 学習者への注意点・アドバイス: フォーマルな表現であることを理解し、エッセイなどで適切に使う。「in that case」との違いを理解。
1. 出題形式: 長文読解、和訳問題、英作文。2. 頻度と級・パート: 難関大学の長文読解で稀に出題。記述式の和訳問題で問われる可能性あり。3. 文脈・例題の特徴: 論説文、評論文、抽象的な内容。4. 学習者への注意点・アドバイス: 文脈を正確に把握し、「その場合」が何を指すのかを理解する。構文を理解し、正確に和訳できるようにする。英作文では使いすぎに注意。