fallen
第一音節にアクセントがあります。/ɔː/ は日本語の「オー」よりも口を大きく開け、喉の奥から出すイメージです。最後の /ən/ は曖昧母音で、弱く短く発音します。「ン」は口を閉じて発音するのではなく、軽く鼻にかけるように意識するとより自然になります。
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倒れた
何らかの力によって直立状態を失った状態。比喩的に、地位や権力を失った状態も指す。fallen leaves(落ち葉), a fallen empire(滅びた帝国)のように使われる。
A huge fallen tree blocked the narrow mountain road.
巨大な倒木が、狭い山道を塞いでいました。
※ 嵐の後など、物理的に「倒れた」状態の木(倒木)を表す典型的な使い方です。この文からは、運転手が目の前の倒木に驚き、道が通れなくなって困っている状況が目に浮かびます。'fallen' は 'tree'(木)という名詞を修飾する形容詞として使われています。
Golden fallen leaves covered the park bench completely.
金色の落ち葉が、公園のベンチをすっかり覆っていました。
※ 「fallen leaves」は、木から落ちて地面に散らばった「落ち葉」を表す非常によく使われる表現です。この文は、秋の公園でベンチが美しい金色の葉で埋め尽くされている情景を描写しています。'fallen' は 'leaves'(葉)という名詞を修飾する形容詞として使われています。
We saw the fallen wall of the old castle in the distance.
私たちは遠くに、古い城の崩れた壁を見ました。
※ この例文では、'fallen' が「崩れ落ちた」という意味で、建物や構造物の一部が倒壊した状態を表しています。遠くに見える城の壁が、かつての壮麗さを失い、時の流れを感じさせる情景が目に浮かびます。'fallen' は 'wall'(壁)という名詞を修飾する形容詞として使われています。
亡くなった
特に戦死や事故死など、不運な死を婉曲的に表現する際に用いられる。a fallen soldier(戦没兵士)のように使われる。
We gathered at the monument to remember the fallen soldiers.
私たちは、亡くなった兵士たちを追悼するため、記念碑の前に集まりました。
※ この例文は、戦没者を追悼する場面を描写しています。「fallen soldiers」は「戦死した兵士たち」という意味で、ニュースや記念式典などでよく使われる表現です。多くの人が静かに集まり、犠牲になった方々を悼む、厳粛な雰囲気が伝わってきますね。'The fallen'だけでも『戦死者』や『犠牲者』といった意味で使われることがあります。
The old man quietly told us a story about the fallen heroes.
その老人は、静かに亡くなった英雄たちの物語を私たちに語ってくれました。
※ この例文は、過去の偉大な人物や、国のために命を捧げた英雄たちについて語る場面を想像させます。まるで祖父が昔の悲しい出来事を語り聞かせているような、静かで心温まる情景が目に浮かびますね。「fallen heroes」は、国や社会のために尽力し、命を落とした人々を指す際によく使われます。尊敬と哀悼の気持ちが込められた表現です。
Rescue teams worked hard to find the fallen victims.
救助隊は、亡くなった犠牲者たちを見つけるために懸命に活動しました。
※ この例文は、災害や事故の現場で、救助隊が命を落とした人々を捜索している緊迫した状況を描写しています。「fallen victims」は、事故や災害などで命を落とした犠牲者を指す際に使われることがあります。悲しいけれど、現実世界で起こりうる、非常に自然な文脈です。'Work hard'は『懸命に働く』という意味で、努力している様子が伝わります。
落ちぶれた
かつては高い地位や名声を持っていた人が、不祥事や失敗によってそれらを失い、以前よりも低い状態になったことを表す。fallen from grace(失脚した)のように使われる。
He was once a famous singer, but now he looks like a fallen man, sitting alone in the park.
彼はかつて有名な歌手でしたが、今では公園に一人座り、落ちぶれた男のように見えます。
※ この例文は、かつて輝いていた人が、今では地位や名誉を失い、寂しい状態にある様子を描写しています。'fallen man' は「落ちぶれた男」という比喩的な表現で、以前の栄光との対比を鮮やかに示しています。'fallen' はここでは形容詞のように使われ、'man' の状態を説明しています。
The old factory, once full of life, now stands like a fallen giant, silent and empty.
かつて活気に満ちていたその古い工場は、今では落ちぶれた巨人のように静かで空っぽに立っています。
※ この例文は、かつては巨大で活動的だったものが、今は衰退し、廃墟と化した状態を表現しています。'fallen giant' は、かつての勢いを失い、見る影もなくなった大きな存在(会社や建物など)を指す比喩的な言い回しです。'silent and empty' という描写が、その寂しさを際立たせています。
After his big mistake, the once proud champion felt like a fallen hero, losing all his fans.
大きな失敗の後、かつて誇り高かったそのチャンピオンは、すべてのファンを失い、落ちぶれた英雄のように感じました。
※ この例文は、かつては尊敬されていた人物が、失敗によってその名声や地位を失い、失意の中にいる様子を描いています。'fallen hero' は「失脚した英雄」や「落ちぶれた英雄」という意味で、英語で非常によく使われる決まった表現です。感情の動きが伝わるように、'felt like'(〜のように感じた)を使っています。
コロケーション
堕天使
※ 元々は神に仕えていたが、反逆や罪によって天国から追放された天使を指します。比喩的には、かつては高潔な地位にあった人が、堕落して道を踏み外した状態を指します。文学作品や映画などで、魅力的な悪役として描かれることが多いです。 'fallen' はここでは過去分詞の形容詞として機能し、angelの状態を表しています。類似の表現として 'a disgraced politician' (失脚した政治家) がありますが、'fallen angel' はよりロマンチックで悲劇的なニュアンスを含みます。
落ち葉
※ 秋に木から落ちた葉を指す、ごく一般的な表現です。'fallen' は過去分詞の形容詞として、'leaves' の状態を説明します。秋の風景を表現する際によく用いられ、少し感傷的なニュアンスを伴うこともあります。類似の表現として 'autumn leaves' がありますが、'fallen leaves' は葉が地面に落ちている状態をより具体的に描写します。口語でも書き言葉でも使用頻度は高いです。
扁平足
※ 足の土踏まず(アーチ)が潰れて平らになった状態を指す医学的な表現です。'fallen' は過去分詞の形容詞として、'arches' の状態を表します。医学的な文脈で使用されることが多く、日常会話ではあまり使いません。類似の表現として 'flat feet' がありますが、'fallen arches' はアーチが崩れる過程をより強調します。医療関係者との会話で使用されることが多いでしょう。
身を落とした女性
※ かつては貞操を失った女性、特に未婚の母や売春婦を指す古風な表現です。道徳的な非難のニュアンスを含み、現代ではほとんど使われません。'fallen' は過去分詞の形容詞として、'woman' の状態を表します。歴史小説や文学作品に登場することがありますが、現代の会話で使用すると不快感を与える可能性があります。現代では 'a woman who has made some bad choices' (いくつかの悪い選択をした女性) のように、より婉曲的な表現が用いられます。
堕落した状態、罪深い状態
※ 道徳的または精神的に堕落した状態を指す表現です。宗教的な文脈や哲学的な議論で用いられることがあります。'fallen' は過去分詞の形容詞として、'state' の状態を表します。類似の表現として 'a state of sin' (罪の状態) がありますが、'a fallen state' はより広範な堕落を指すことがあります。例えば、「文明が fallen state に陥っている」のように使われます。
かつて崇拝されていたが、今は人気を失った人
※ かつては多くの人から尊敬や憧憬を集めていた人物が、スキャンダルや失態によってその地位を失った状態を指します。'fallen' は過去分詞の形容詞として、'idol' の状態を表します。スポーツ選手、政治家、芸能人など、公的な人物に対して使われることが多いです。類似の表現として 'disgraced celebrity' (失墜した有名人) がありますが、'fallen idol' はより劇的な凋落を意味します。
使用シーン
学術論文や歴史研究で、比喩表現として使われることがあります。例えば、「fallen empire(滅びた帝国)」のように、過去の栄光を失った状態を指す際に用いられます。また、文学作品の分析で、登場人物が「fallen hero(堕ちた英雄)」として描かれる場合などに言及されます。
ビジネスシーンでは、業績不振やプロジェクトの失敗などを婉曲的に表現する際に使われることがあります。例えば、「fallen behind schedule(スケジュールから遅れている)」のように、直接的な表現を避けつつ、状況を伝えるために用いられます。ただし、より直接的な表現が好まれる場合も多いです。
日常会話ではあまり使われませんが、ニュース報道やドキュメンタリーなどで、事故や災害の犠牲者を指す際に「fallen victims(犠牲者)」のように使われることがあります。また、比喩的に「fallen from grace(失脚)」のように、名声や地位を失った人を指すこともあります。
関連語
類義語
- dropped
『落ちた』『落下した』という意味で、意図的または偶然に何かが下方に移動した状態を表します。物理的な落下だけでなく、数値や価値が下がる場合にも使われます。日常会話で頻繁に使用されます。 【ニュアンスの違い】"fallen"がより詩的または比喩的なニュアンスを含むのに対し、"dropped"は直接的で具体的な落下を指します。また、"dropped"は、意図的に何かを落とした場合にも使用可能です。 【混同しやすい点】"fallen"は状態を表すことが多いですが、"dropped"は動作を表すことが多いです。例えば、"fallen leaves"(落ち葉)のように、"fallen"は結果の状態を強調します。"dropped"は、"He dropped the glass"(彼はグラスを落とした)のように、行為そのものを指します。
- collapsed
『崩壊した』『倒壊した』という意味で、建物、組織、計画などが構造的に崩れたり、機能しなくなったりする状態を表します。フォーマルな場面やニュース記事などでよく用いられます。 【ニュアンスの違い】"fallen"が単に落下した状態を表すのに対し、"collapsed"は、もともと立っていたものが崩れ落ちるイメージです。また、"collapsed"は、物理的な崩壊だけでなく、システムや計画の失敗も意味します。 【混同しやすい点】"fallen"は、例えば"fallen angel"(堕天使)のように、地位や状態からの転落を意味することがありますが、"collapsed"は構造的な崩壊や機能不全に限定されます。また、"fallen"は必ずしもネガティブな意味合いを持たない場合がありますが、"collapsed"は通常、否定的な意味合いを持ちます。
- descended
『降りた』『下降した』という意味で、高い場所から低い場所へ移動する様子を表します。フォーマルな場面や、地形、航空機などの移動について説明する際に使用されます。 【ニュアンスの違い】"fallen"が重力によって自然に落下するニュアンスを持つ一方、"descended"は、より制御された、あるいは段階的な下降を意味します。また、"descended"は、家系や血統が下るという意味でも使用されます。 【混同しやすい点】"fallen"は、必ずしも元が高い場所にあったとは限りませんが、"descended"は明確に高い場所から低い場所への移動を示します。例えば、"fallen tree"(倒木)は、必ずしも高い場所から落ちたわけではありません。
- tumbled
『転げ落ちた』『転落した』という意味で、制御を失ってゴロゴロと転がりながら落ちる様子を表します。日常会話や物語などで、動きのある情景を描写する際に使用されます。 【ニュアンスの違い】"fallen"が静止した状態を表すこともあるのに対し、"tumbled"は動きを伴う落下を強調します。また、"tumbled"は、予測不能で不格好な落ち方を連想させます。 【混同しやすい点】"fallen"は、例えば"fallen leaves"(落ち葉)のように、静止した状態を表すことが多いですが、"tumbled"は常に動きを伴います。また、"tumbled"は、"tumble dryer"(回転式乾燥機)のように、回転するイメージを含む場合もあります。
- slipped
『滑り落ちた』という意味で、足元が滑って制御を失い、落下する様子を表します。日常会話で、事故や不注意による落下について話す際に使用されます。 【ニュアンスの違い】"fallen"が一般的な落下を指すのに対し、"slipped"は滑ることによって落下したことを明確に示します。また、"slipped"は、秘密や情報が漏れるという意味でも使用されます。 【混同しやすい点】"fallen"は、例えば"fallen empire"(滅びた帝国)のように、比喩的な意味でも使用されますが、"slipped"は物理的な滑り落ちる状況や、情報漏洩など、より具体的な状況で使用されます。
- succumbed
『屈した』『負けた』という意味で、圧力、誘惑、病気などに抵抗できずに降伏する状態を表します。フォーマルな場面や、文学作品などで、精神的な降伏や敗北について語る際に使用されます。 【ニュアンスの違い】"fallen"が物理的な落下や地位の転落を意味するのに対し、"succumbed"は精神的な抵抗の放棄を意味します。また、"succumbed"は、通常、ネガティブな結果を伴います。 【混同しやすい点】"fallen"は、例えば"fallen hero"(堕ちた英雄)のように、必ずしも完全な敗北を意味しない場合がありますが、"succumbed"は抵抗の末の降伏を意味し、より強い敗北感を表します。また、"succumbed to temptation"(誘惑に負ける)のように、特定の対象に対する降伏を表すことが多いです。
派生語
『落ちる』『衰退する』という意味の動詞。「de-(下に)」+「cline(傾く)」という語源から、物理的な落下だけでなく、地位や価値が下がる意味へと発展。日常会話からビジネス、学術論文まで幅広く使用される。
『死傷者』『犠牲者』という意味の名詞。「fall(倒れる)」が語源的に関連し、戦争や事故などで倒れた人を指す。報道や歴史的な文脈でよく見られる。
『(一時的な)中断』『過失』という意味の名詞および動詞。語源的に「slip(滑る)」と関連し、道徳的、時間的な『落ち込み』を表す。法律やビジネスの文脈で、契約や権利の一時的な失効を指す際にも使われる。
語源
"fallen」は、動詞「fall」(落ちる、倒れる)の過去分詞です。fall自体は、古英語の「feallan」(落ちる、崩れる、衰える)に由来し、さらに遡るとゲルマン祖語の*fallanan(落ちる)に行き着きます。この語源は、印欧祖語の*(s)phl-(落ちる、滑る)に関連すると考えられています。つまり、「fallen」は、文字通り「落ちた状態」を表し、そこから比喩的に「倒れた」「亡くなった」「落ちぶれた」といった意味に広がっていきました。日本語で例えるなら、「転落」という言葉が、文字通りの意味から地位や名誉を失う意味へと拡張されたのと似ています。fallという基本的な動作を表す言葉が、時間とともに様々な状況を表すように変化してきたのです。
暗記法
「fallen」は、アダムとイブの楽園追放から、ルシファーの堕天、戦没兵士の犠牲まで、西洋文化における「失墜」の象徴。道徳的堕落、理想の崩壊、命の儚さ…かつての輝きを失った状態を広く表します。失脚した政治家や転落した有名人にも使われ、権力や名声の喪失を暗示。時代を超え、人間の脆弱さや喪失の悲しみを映す、重みのある言葉です。
混同しやすい単語
『fallen』と『falling』はどちらも『fall』の派生語であり、発音が非常に似ています。しかし、fallenは過去分詞形、fallingは現在分詞形です。fallenは完了形や受動態で使われ、『落ちた』『倒れた』状態を表します。一方、fallingは進行形として使われ、『落ちている』『倒れている』動作を表します。日本人学習者は、文脈からどちらの形が適切かを判断する必要があります。
『felling』は『fell』(木を切り倒す)の現在分詞形で、発音が『falling』や『fallen』と似ています。意味は『木を切り倒すこと』であり、木こりの仕事など特定の状況で使われます。スペルも似ているため、文脈を注意深く読む必要があります。
『filling』は『fill』(満たす)の現在分詞形で、語尾の '-ing' の発音が似ているため混同されやすいです。意味は『満たすこと』や『詰め物』であり、fallenとは全く異なります。例えば、『filling a glass』(グラスを満たす)のように使われます。スペルも似ているため、文脈で判断する必要があります。
『falcon』は『ハヤブサ』という意味の名詞で、最初の音とスペルが似ているため、特に聞き取りの際に混同しやすいです。意味は全く異なります。fallenは動詞『fall』の過去分詞ですが、falconは鳥の名前です。文脈でどちらの単語が適切かを判断する必要があります。
スペルが少し似ており、特に手書きの場合などには誤読しやすい可能性があります。『ballon』はフランス語に由来する単語で、気球を意味します。英語では通常『balloon』と綴ります。fallenは『落ちた』という意味ですが、ballon/balloonは気球なので意味は全く異なります。
『failin'』は『failing』の口語的な短縮形で、発音が『fallen』と似ています。『failing』は『失敗している』という意味で、fallenとは異なります。文脈によっては混同される可能性があるため、注意が必要です。
誤用例
『fallen』自体は間違っていませんが、感情を表現する際に『sad』と直接結びつけるのは、やや直接的すぎます。英語では、特に教養ある大人の会話や文章では、感情を間接的に表現することが好まれます。『evoke a sense of melancholy(憂鬱な感情を呼び起こす)』のように、感情の原因と結果を分けて表現することで、より洗練された印象を与えます。日本語では感情をストレートに表現することが多いですが、英語では感情を客観視するような表現が好まれることがあります。
『fallen』は『堕落した』という意味を持ちますが、現代英語では比喩的に『地位や名誉を失った』という意味で使う場合、やや古風な印象を与えます。より自然な表現としては、『disgraced(不名誉な)』を使うのが適切です。日本語の『落ちぶれた』を直訳すると『fallen』になりがちですが、英語では文脈によって適切な単語を選ぶ必要があります。特に、ビジネスや政治の世界で地位を失った人物を指す場合は、『disgraced』がより一般的です。また、『fallen angel』のように、文学的な文脈では『fallen』が適切である場合もあります。
『fallen』は物理的に『倒れた』状態や、道徳的に『堕落した』状態を指すことが多いです。帝国や国家が滅亡したことを指す場合、より適切なのは『defunct(現存しない、機能していない)』です。日本語では『滅びた』という言葉を幅広く使うため、つい『fallen』を選んでしまいがちですが、英語では対象が物理的な存在か、抽象的な概念かによって適切な単語を選ぶ必要があります。『fallen』は、例えば『fallen tree(倒木)』のように、物理的な対象に使うのが自然です。
文化的背景
「fallen」は、文字通り「落下した」という意味に加え、道徳的、精神的な堕落や喪失、そして儚さを象徴する言葉として、西洋文化において深く根付いています。それは、完璧な状態からの転落、理想の崩壊、あるいは人間性の喪失といった、様々なレベルでの「失墜」を表す、重みのある言葉なのです。
「fallen」が持つ文化的背景を語る上で、聖書の創世記におけるアダムとイブの物語は避けて通れません。禁断の果実を口にした彼らは、神の恩寵から「堕落(fallen)」し、楽園を追放されます。この物語は、人間の原罪、知識の代償、そして善悪の区別を知ったことによる純粋さの喪失を象徴しており、「fallen」という言葉に道徳的な堕落というイメージを強く結びつけました。また、ミルトンの叙事詩『失楽園』では、ルシファーが神に反逆して天国から追放される場面が描かれ、この「fallen angel(堕天使)」という表現は、美しさ、知性、そしてかつての輝きを失った存在の象徴として、文学や芸術において繰り返し用いられています。
さらに、「fallen」は、戦争や悲劇によって命を落とした兵士たちを指す言葉としても使われます。「fallen soldiers(戦没兵士)」という表現は、彼らの犠牲を悼み、その死を尊ぶと同時に、戦争の悲惨さや命の儚さを象徴します。記念碑や慰霊碑には、「fallen heroes(戦没英雄)」の名が刻まれ、彼らの勇気と犠牲は永遠に記憶されることになります。このように、「fallen」は、単なる物理的な落下だけでなく、理想、希望、そして命といった、かけがえのないものを失った状態を表す言葉として、深い感情的な共鳴を呼び起こします。
現代においても、「fallen」は、道徳的な過ちを犯した人物、例えば「fallen politician(失脚した政治家)」や「fallen celebrity(転落した有名人)」といった表現で、その影響力を失った状態を表すのに用いられます。これらの例は、「fallen」が、権力、名声、あるいは道徳的な高潔さといった、かつて持っていた地位や評価を失った状態を指す、普遍的なメタファーとして機能していることを示しています。このように、「fallen」は、時代や文脈を超えて、人間の脆弱さ、理想の崩壊、そして失われたものの悲しみを表現する、力強い言葉として生き続けているのです。
試験傾向
1. 出題形式: 主に長文読解、語彙問題。稀にリスニング。2. 頻度と級・パート: 準1級以上で比較的頻出。3. 文脈・例題の特徴: 環境問題、歴史、社会問題など、アカデミックな内容が多い。4. 学習者への注意点・アドバイス: fallの過去分詞形であることを意識し、文脈から適切な意味を判断する必要がある。比喩表現や抽象的な意味で使用される場合もある。
1. 出題形式: 主に長文読解(Part 7)、稀に穴埋め問題(Part 5)。2. 頻度と級・パート: 全パートで可能性あり。3. 文脈・例題の特徴: ビジネス関連の記事やメール、レポートなどで使われることが多い。4. 学習者への注意点・アドバイス: 「(需要などが)落ち込んだ」「(建物などが)崩壊した」といった意味で使われることが多い。文脈から判断することが重要。
1. 出題形式: 主にリーディングセクション。2. 頻度と級・パート: アカデミックな内容の文章で頻出。3. 文脈・例題の特徴: 環境科学、歴史、社会科学など、学術的な文章でよく見られる。4. 学習者への注意点・アドバイス: 比喩的な意味(例:a fallen empire = 滅びた帝国)で使われる場合もあるため、文脈全体を理解する必要がある。fallacy(誤謬)など、fallに関連する語彙も覚えておくと有利。
1. 出題形式: 主に長文読解。文法問題で問われる可能性も低いがある。2. 頻度と級・パート: 難関大学ほど頻出。3. 文脈・例題の特徴: 社会問題、科学技術、哲学など、幅広いテーマで登場する。4. 学習者への注意点・アドバイス: fallの過去分詞形であることを意識し、文脈から適切な意味を判断することが重要。比喩表現や抽象的な意味で使用される場合もある。