cab
母音 /æ/ は日本語の『ア』と『エ』の中間のような音で、口を大きく開けて発音します。日本語の『キャ』よりも、より『ア』に近い音を意識しましょう。語尾の /b/ は、唇を閉じて息を止める音です。日本語の『ブ』のように母音を伴わないように注意してください。
タクシー
主にアメリカ英語で使われる表現。イギリス英語ではtaxiという表現が一般的。
After a long flight, I took a cab from the airport to my hotel.
長いフライトの後、私は空港からホテルまでタクシーに乗りました。
※ この例文は、旅行で疲れている状況や、大きな荷物がある時にタクシーを利用する典型的な場面を描いています。「took a cab」で「タクシーに乗った」という行動が簡潔に伝わります。空港からホテルへの移動は、タクシーがよく使われるシチュエーションです。
It was very late, so she decided to take a cab home.
とても遅い時間だったので、彼女はタクシーで家に帰ることにしました。
※ 夜遅く、公共交通機関が終了している、あるいは安全のためにタクシーを選ぶという、日常的で自然な状況です。この文からは、少し疲れていたり、安心したいという気持ちが伝わってきます。「decided to take a cab」で「タクシーに乗ることを決めた」という意思決定が表現されています。
The cab driver asked me for the exact address.
タクシーの運転手は私に正確な住所を尋ねました。
※ この例文は、タクシーに乗車した後、運転手と交わす会話の典型的な一場面です。目的地を伝える際に「exact address(正確な住所)」が必要となる状況が具体的にイメージできます。日常会話でよく使われる「ask for...(~を尋ねる)」の形も学べます。
運転席
鉄道車両の運転台のこと。主にイギリス英語。
The taxi driver calmly sat in the cab, ready to go.
タクシーの運転手は落ち着いて運転席に座り、出発準備ができていた。
※ タクシーの運転手さんが、お客さんを乗せて出発する前の落ち着いた様子が目に浮かびますね。「cab」はタクシーの「運転席」を指すことが多く、ここでもまさにその意味で使われています。運転手さんの日常のワンシーンが伝わります。
After a long drive, the truck driver stretched in his spacious cab.
長い運転の後、トラック運転手は広々とした運転席で体を伸ばした。
※ 長距離を運転するトラック運転手さんが、自分の「仕事場」であり「休憩スペース」でもある運転席で一息つく場面です。「spacious」(広々とした)という言葉で、運転席の快適さが伝わり、運転手さんの疲労と安堵の気持ちが想像できます。
A little boy excitedly pointed at the big yellow bulldozer's cab.
小さな男の子が、興奮して大きな黄色いブルドーザーの運転席を指差した。
※ 工事現場などで見かけるブルドーザーの運転席に、子供が目を輝かせている情景です。「cab」は、タクシーやトラックの他にも、ブルドーザーのような特殊車両の「運転席」にも使われます。子供の純粋な好奇心が伝わる、かわいらしいシーンですね。
コロケーション
タクシーを拾う、タクシーを呼び止める
※ 道端でタクシーを手を上げて呼び止める行為を指します。ニューヨークなどの都市部でよく見られる光景で、タクシー乗り場から乗るよりも一般的な方法です。動詞 'hail' はもともと『呼びかける』という意味で、タクシーの運転手に自分の存在を知らせるイメージです。 'call a cab' (電話でタクシーを呼ぶ) との違いを意識すると、より状況に合った表現ができます。
タクシー料金
※ タクシーに乗車した際に支払う料金のことです。'fare' は交通機関の運賃全般を指しますが、'cab fare' は特にタクシーに限定されます。メーター料金だけでなく、チップを含めた総額を指すこともあります。例えば、'The cab fare was surprisingly high due to the traffic.'(交通渋滞のせいでタクシー料金が驚くほど高かった)のように使います。
タクシー乗り場
※ タクシーが客待ちのために停車している場所のことです。空港や駅、ホテルなどの近くに設置されていることが多いです。'taxi rank' とも呼ばれますが、'cab stand' の方がやや口語的で、アメリカ英語でよく使われます。日本のようにタクシーが整然と並んでいるイメージではなく、場所によっては路上にタクシーが数台停車しているだけのこともあります。
タクシーの中に
※ 文字通り、タクシーの車内にいる状態を表します。場所を表す前置詞 'in' が使われていることに注意してください。例えば、'I left my phone in the cab.'(タクシーの中に携帯電話を忘れてしまった)のように使います。'on the bus' や 'on the train' とは異なり、比較的狭い空間であるタクシーでは 'in' が自然です。
タクシーを降りて
※ タクシーから降りる動作を表します。'get off the bus/train' と同様に、'off' は『離れる』という意味合いを持ちます。例えば、'I paid the driver and got off the cab.'(運転手に料金を払い、タクシーを降りた)のように使います。 'out of the cab' も同様の意味で使えますが、'off the cab' の方がやや口語的です。
タクシーを相乗りする
※ 複数人でタクシーに乗り、料金を分担することを指します。'share' は『共有する』という意味で、交通費を節約するために友人や見知らぬ人とタクシーを共有する状況で使われます。特に、空港から市内へ向かう際などによく見られる行為です。 'split the cab fare' (タクシー料金を割り勘にする) と組み合わせて使うこともあります。
(特にロンドンの)黒塗りのタクシー
※ ロンドンの象徴的なタクシーで、独特の形状と黒い塗装が特徴です。運転手の地理知識が非常に豊富であることでも知られています。'Hackney carriage' とも呼ばれますが、'black cab' の方が一般的です。ロンドンを舞台にした映画やドラマに頻繁に登場し、観光客にも人気があります。
使用シーン
工学系の論文で、機械や車両の『運転席』を指す際に使われることがあります。例えば、自動運転車の研究において、センサーの配置場所を説明する際に『センサーは運転席の上部に設置されている』のように記述されます。また、航空工学分野では、飛行機のコックピットを指すことがあります。
ビジネスシーンでは、『タクシー』の意味で、出張旅費の精算報告書や、海外赴任者のための生活ガイドなどで見かけることがあります。例:『空港からホテルまでタクシーを利用した場合、領収書を添付してください』。また、稀に、輸送関連の企業で『運転席』の意味で使用されることもあります。
日常会話では、『タクシー』の意味で頻繁に使われます。例えば、『タクシーを拾って駅まで行こう』や『タクシーを呼んでくれませんか?』のように使われます。また、旅行先でタクシーを利用する際にもよく使われる単語です。
関連語
類義語
一般的に使われるタクシーを指す言葉。日常会話で最も一般的。アメリカ英語では頻繁に使われる。 【ニュアンスの違い】"cab"とほぼ同義だが、フォーマルな場面やビジネスシーンでは "taxi" が好まれる傾向がある。また、配車サービスを指す場合にも使われる。 【混同しやすい点】"cab"よりも一般的で、幅広い状況で使用できるため、"cab"を使うべき場面でも "taxi" を使っても問題ないことが多い。
- taxicab
タクシーをより正式に表現する言葉。契約書や法律関連の文書など、フォーマルな状況で使用されることが多い。 【ニュアンスの違い】"cab"や "taxi" よりも硬い表現。日常会話ではほとんど使われない。 【混同しやすい点】日常会話やカジュアルな場面で "taxicab" を使うと、少し堅苦しい印象を与える可能性がある。ビジネス文書などで使うのが適切。
タクシー運転手、またはタクシーそのものを指すスラング。主にアメリカ英語で使われる。 【ニュアンスの違い】やや古風で、現代ではあまり一般的ではない。映画や文学作品などで見かけることがある。 【混同しやすい点】現代の日常会話ではほとんど使われないため、誤解を招く可能性がある。特に若い世代には通じない場合もある。
- livery car
事前に予約された、またはチャーターされた高級車を指す。空港送迎や特別なイベントで利用されることが多い。 【ニュアンスの違い】"cab" や "taxi" と異なり、流しのタクシーではない。より高級でプライベートなサービスを提供する。 【混同しやすい点】"cab" が一般的にメーター制であるのに対し、"livery car" は事前に料金が決定されることが多い。また、"cab" よりも予約が必要な場合が多い。
- ride-hailing service
UberやLyftなどの配車サービスを指す一般的な言葉。スマートフォンアプリを通じて利用する。 【ニュアンスの違い】"cab" や "taxi" と同様に移動手段を提供するが、従来のタクシー業界とは異なるビジネスモデル。 【混同しやすい点】従来のタクシーと異なり、料金体系や配車方法が異なる。また、運転手がプロのタクシー運転手ではない場合もある。
派生語
- cabriolet
『カブリオレ』。もともとフランス語で、屋根が開閉できる二人乗り馬車を指し、『cab』の語源である『capriole(軽快な跳躍)』から派生。現代ではオープンカーを指す。日常会話よりは、自動車関連の記事や会話で用いられる。
- caboose
『車掌車』。鉄道車両の一種で、主に貨物列車の最後尾に連結される。語源はオランダ語の『kabuis(小さな小屋)』で、『cab』と同様の語源を持つ。鉄道関連の専門的な文脈で使用される。
『小屋』や『船室』を意味する。語源は中世フランス語の『cabane』で、『cab』の語源である『capanna(小屋)』と関連がある。日常会話で広く使われ、飛行機の客室や山小屋などを指す。
反意語
- private car
『自家用車』。タクシー(cab)が公共交通機関としての側面を持つため、対義語として、個人が所有し、個人的な移動手段として使用する車を指す。日常会話でタクシーとの対比で使われることが多い。
- public transportation
『公共交通機関』。タクシーは公共交通機関の一種ではあるが、他の交通手段(バス、電車など)と比べて個人的な利用を目的とするため、より広範な公共交通機関全体を対義語として捉えることができる。都市計画や交通政策に関する議論で用いられる。
語源
"Cab"の語源は、17世紀初頭に遡ります。これは「cabriolet(カブリオレ)」というフランス語の短縮形であり、「跳ねる」を意味するイタリア語の動詞 "capriolare" に由来します。カブリオレは、元々は軽くて二輪の、屋根付きの馬車を指していました。乗客を乗せて街中を「跳ねる」ように移動する様子から、この名前がつけられました。その後、この言葉は19世紀初頭に、都市で使用されるようになったタクシー(辻馬車)を指すようになり、さらに自動車が登場すると、その運転席(キャビン)を指すようになりました。日本語の「キャブ」も、この英語の "cab" から来ています。
暗記法
「cab」は単なるタクシーではない。馬車から進化したそれは、都市の喧騒と人々のドラマを運び続けてきた。霧のロンドンを走るハックニー・キャリッジは、社交界の華やかさの陰で密会を演出。シャーロック・ホームズの時代には、事件の鍵を握る存在でもあった。ニューヨークのイエローキャブは、都市の多様性を象徴する。映画では人生の岐路に立つ主人公の舞台に。ライドシェアの時代になっても、cabは都市の歴史と文化を体現し、人々の生活を支え続ける。
混同しやすい単語
発音が非常に似ており、特に語尾の子音 /p/ が弱いと区別が難しい。スペルも一文字違いで、視覚的にも混同しやすい。意味は『帽子』で、cab(タクシー)とは全く異なる。日本人学習者は、語尾の子音を意識して発音・聞き取り練習をすると良いでしょう。
発音は母音部分がわずかに異なるものの、曖昧になりやすい。スペルも一文字違い。意味は『(ライオンなどの)子供』であり、名詞である点は共通するが意味は全く異なる。動物園などで『lion cub』といった表現に触れると記憶に残りやすいでしょう。
語頭の子音クラスター(cr-)に注意が必要。cabとは全く違う単語だが、発音練習が不足していると混同しやすい。意味は『カニ』で、これも名詞。日本語の『クラブ』の語源となった単語ですが、意味は全く違います。
発音は母音部分がわずかに異なるものの、曖昧になりやすい。スペルも一文字違い。意味は『トウモロコシの芯』など。あまり馴染みのない単語かもしれませんが、スペルと発音が似ているため、意識しておくと良いでしょう。
スペルは全く異なるが、発音の強勢(ストレス)の位置によっては cab と似たように聞こえることがある。意味は『洞窟』。cab は通常、文の中で弱く発音されることが多いので、cave と混同しないように注意が必要です。
語頭の子音字が異なるものの、全体的な音の響きが似ているため、聞き間違いやすい。意味は『掴む』という動詞。cab(タクシー)は名詞なので、文法的な役割から区別することも可能です。例えば、『grab a cab』のように、両方の単語を同時に使う文脈もあります。
誤用例
日本人が『in a cab』を『タクシーという乗り物に乗って』と解釈し、場所を表す前置詞『in』を使ってしまいがちですが、ここでは『手段』を表す『by』や『take a cab』を使うのが自然です。また、特にフォーマルな場面では、タクシーを交通手段として利用すること自体に『おしゃれ』というニュアンスは含まれません。もし『おしゃれ』な印象を伝えたいのであれば、服装や行動など、別の要素で表現する必要があります。例:『I arrived at the party by cab, dressed to the nines.』
『cab』は名詞としては『タクシー』ですが、動詞として使うことは非常に稀です。この文脈で『(人から)何かをせびる、ねだる』という意味を表したい場合は、『cadge』がより適切な語彙です。日本人は『タクシーに乗る』というイメージから、比喩的に『(人から)便乗する、タダ乗りする』という意味で『cab』を使ってしまいがちですが、英語ではそのような用法は一般的ではありません。また、『cadge』はやや軽蔑的なニュアンスを含むため、相手との関係性や文脈には注意が必要です。
『cab』は『タクシー』という無生物を指すため、人格を持った存在として描写することは通常ありません。この文脈では、『タクシーの運転手』を意味する『cab driver』を使うのが適切です。日本人は、タクシーという『空間』にいる人が話している、というイメージから、主語を『cab』にしてしまいがちですが、英語では誰が話しているのかを明確にする必要があります。また、タクシー運転手が政治について話し続けるというのは、海外ではよくある光景であり、皮肉やユーモアを込めて語られることもあります。
文化的背景
「cab」という言葉は、単なるタクシーではなく、都市生活の喧騒、そして時に秘密めいた出会いや別れを象徴する存在です。馬車から自動車へと姿を変えながら、都市の風景の一部として、また人々の人生の舞台として、その役割を担ってきました。
19世紀のロンドン。霧深い夜の街を走るハックニー・キャリッジ(hackney carriage)は、紳士淑女たちを劇場や社交界へと運び、時には密会場所へと誘いました。ガス灯に照らされた石畳の道を、馬の蹄の音を響かせながら進むキャブは、ヴィクトリア朝のロマンスや陰謀の舞台装置として、多くの文学作品に登場します。シャーロック・ホームズの物語では、事件の重要な手がかりがキャブの運転手から得られたり、犯人がキャブを使って逃走したりする場面が描かれ、キャブはミステリーの雰囲気を盛り上げる役割も果たしました。
20世紀に入り、自動車が登場すると、キャブは「タクシー(taxi)」として進化を遂げます。ニューヨークのイエローキャブは、その鮮やかな色彩とともに、都市の活気と多様性を象徴する存在となりました。映画の中では、ロマンティックな出会いの場として、あるいは人生の岐路に立つ主人公が自分自身を見つめ直す空間として、タクシーの車内がしばしば登場します。タクシー運転手は、乗客の悩みを聞き、時には人生のヒントを与える存在として描かれることもあります。
現代において、UberやLyftといったライドシェアサービスの登場は、キャブのあり方を大きく変えつつあります。しかし、キャブが長年にわたって担ってきた役割、すなわち都市生活を支え、人々の移動を助け、そして物語の舞台となる存在としての本質は、変わることはありません。キャブは、単なる移動手段ではなく、都市の歴史と文化を体現する存在なのです。キャブに乗るという行為は、その都市の鼓動を感じ、人々の生活に触れる、一種の旅の始まりなのかもしれません。
試験傾向
この単語が直接問われることは少ないですが、会話文や長文読解で、タクシーに関する話題の中で間接的に出てくる可能性があります。特に級・パートは特定できませんが、準2級以上でタクシーに関する話題が出た場合に注意が必要です。タクシーを呼ぶ、タクシー乗り場に関する文脈で使われることが多いです。学習者への注意点としては、タクシーに関連する他の単語(fare, meter, taxi standなど)と合わせて覚えておくと良いでしょう。
TOEICでは、空港や都市交通に関する問題で、タクシーの話題の一部として間接的に登場する可能性があります。Part 2(応答問題)やPart 7(長文読解)で、タクシーを利用する状況や料金に関する記述の中で出てくることがあります。ビジネスシーンでの利用を想定した文脈が多いです。学習者への注意点としては、文脈から意味を推測できるように、タクシーに関連する表現を覚えておくと役立ちます。
TOEFLでは、都市計画、交通問題、環境問題などに関するアカデミックな文章の中で、タクシーに関する話題の一部として間接的に登場する可能性があります。リーディングセクションで、交通手段の一つとして言及されることがあります。学術的な文脈で使用されるため、比喩的な意味や社会的な意味合いを含むこともあります。学習者への注意点としては、文脈全体を理解し、単語の意味を推測する能力を養うことが重要です。
大学受験では、タクシーに関する一般的な話題や、都市交通に関する長文読解問題で間接的に登場する可能性があります。難関大学では、比喩的な意味合いで使われることもあります。文脈理解が重要となるため、タクシーに関連する社会問題や文化的な背景知識も身につけておくと有利です。学習者への注意点としては、過去問を通して、様々な文脈における単語の意味を把握するように心がけてください。