autonomous
強勢は「トー」の部分にあります。最初の「オー」は、口を大きめに開けて発音する長母音 /ɔː/ です。日本語の「オ」よりも奥から響かせるイメージで。/ˈtɒ/ の部分は、日本語の「タ」と「ア」の中間のような曖昧母音で、口をリラックスさせて短く発音します。「ナ」の部分も同様に曖昧母音 /ə/ で、力を抜いて発音しましょう。
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自律的な
外部からの制御を受けず、自分自身の判断で行動するさま。ロボットやシステム、組織など、広範囲に使われる。ニュアンスとしては、自立していて、誰かに頼る必要がない状態を指す。
My daughter is now old enough to make autonomous decisions about her studies.
私の娘は今、自分の勉強について自律的な決定を下せるほど成長しました。
※ この例文は、お子さんが成長して、親が口出ししなくても自分で考えて行動できるようになった、という親の喜びが伝わる場面です。「autonomous」は、人が「自分で判断し、行動する」能力を持つことを表す際によく使われます。特に、成長や自立の文脈で自然な表現です。ここでは「make autonomous decisions (自律的な決定を下す)」という形で使われています。
The new robot vacuum cleaner can move autonomously to clean all rooms.
その新しいロボット掃除機は、すべての部屋を自律的に動いて掃除できます。
※ この例文は、ロボット掃除機が、まるで生き物のように自分で考え、部屋中をきれいにしてくれる様子が目に浮かぶ場面です。「autonomous」は、AI(人工知能)やロボット、自動運転車など、人間の介入なしに自分で判断し、行動する機械やシステムを説明する際によく使われます。ここでは「move autonomously (自律的に動く)」のように、動詞の後に副詞的に使われています。
This small village wants to be more autonomous in managing its local affairs.
この小さな村は、地元の事柄を管理する上で、より自律的になりたいと願っています。
※ この例文は、村の人々が、外部からの指示ではなく、自分たちで村の未来を決めようと話し合っている姿が想像できる場面です。「autonomous」は、国、地域、組織などが「独立した」「自分たちで運営する」という意味で使われることがあります。特に、政治や行政の文脈でよく登場します。ここでは「be autonomous in doing something (~することにおいて自律的である)」という形で使われています。
独立した
他からの影響を受けずに、独自の権限や判断で動くさま。国や地域、組織など、政治的・社会的な文脈で使われることが多い。自律性と同様に、外部からの干渉を受けないニュアンスを含む。
My son is now old enough to be truly autonomous in making his own decisions.
私の息子はもう十分に大人になり、自分の決断を完全に自分で下せるようになりました。
※ この例文は、子どもが成長して親の手を離れ、自分のことを自分で決められるようになった親の喜びや、子どもの自立した姿を描いています。「autonomous」は、このように個人が他者に頼らず「自律的に判断し行動する」ことを表す際によく使われます。特に「in doing something(〜することにおいて)」という形で、何において自律的であるかを示すことができます。
The small island nation became autonomous last year, managing its own affairs.
その小さな島国は昨年、自治権を獲得し、自国の問題を自分たちで管理するようになりました。
※ この例文は、ある地域や国が中央政府などから独立した権限を持ち、自分たちのことを自分たちで決めるようになった様子を描いています。ニュースや歴史の文脈で、国や地域が「政治的に独立した」状態や、「自治権を持つ」状態を表す際に「autonomous」は非常に典型的に使われます。ここでは「managing its own affairs(自国の問題を管理する)」という具体的な行動が、独立性を際立たせています。
Self-driving cars are designed to be fully autonomous, operating without a human driver.
自動運転車は完全に自律的に動くように設計されており、人間のドライバーなしで運行します。
※ この例文は、未来の技術として注目される「自動運転車」が、人の操作なしに動く様子を想像させてくれます。「autonomous」は、機械やシステムが「人間の介入なしに自律的に機能する」ことを表す際にも非常によく使われます。ロボット、ドローン、AIシステムなど、現代の技術分野のニュースや説明で頻繁に耳にする、典型的な使い方です。「operating without a human driver(人間のドライバーなしで運行する)」という補足で、その自律性がより鮮明にイメージできます。
自動的な
人手を介さず、プログラムや設定されたルールに従って動作するさま。機械やシステムに使われることが多い。自律的と似ているが、より機械的なニュアンスが強い。
The new vacuum cleaner robot is autonomous, cleaning the entire house by itself.
新しいお掃除ロボットは自律型で、家全体を自分で掃除します。
※ この例文は、お掃除ロボットが「人間からの指示なしに、自分で判断して部屋中を動き回り、掃除する」様子を描いています。「autonomous」は、機械などが「自律的に、自動で」機能することを指し、特に自分で状況を判断し、行動できる能力を強調します。まさに「自動的な」動きですが、そこに「自分で考えて」という要素が含まれます。
Each school club is autonomous, managing its own budget and activities.
各学校のクラブは自律的で、自分たちで予算や活動を管理しています。
※ この例文は、学校のクラブが「先生や学校からの細かな指示なしに、自分たちで方針を決め、活動を進める」様子を表します。「autonomous」は、組織や団体が独立して、自らの判断で行動する能力を持つことを示します。ここでは、クラブが「自動的に、自分たちで運営される」というニュアンスも感じられます。
A good leader helps their team members become more autonomous in their daily tasks.
良いリーダーは、チームのメンバーが日々の業務においてより自律的になるのを助けます。
※ この例文は、チームメンバーが「指示を待つだけでなく、自分で考えて判断し、行動できるようになる」様子を描いています。「autonomous」は、人が精神的・行動的に自立し、自分の意思で物事を決定できる状態を指します。ここでは、メンバーが「自然と、自分で業務を回せるようになる」という「自動的な」成長の側面も示唆しています。
コロケーション
自治地域
※ 中央政府から一定の自治権を与えられた地域を指します。政治学や地理学でよく用いられ、民族や文化的な独自性を尊重するために設けられることが多いです。例えば、中国のチベット自治区やスペインのカタルーニャ地方などが該当します。単に'independent region'と言うよりも、中央政府との関係性の中で自治権を持つというニュアンスが強調されます。
自動運転車
※ 人間の運転操作を必要としない自動車のことです。技術的な文脈で頻繁に使われ、AIやセンサー技術の進歩によって実現しました。しばしば 'self-driving car' と同義で用いられますが、'autonomous vehicle' はより技術的なニュアンスを含み、レベル分けされた自動運転技術全体を指すことがあります。関連語として 'driverless car' もありますが、こちらは文字通り「運転手がいない」ことを強調します。
自律システム
※ コンピュータネットワークにおいて、単一の技術的管理下にあるネットワークの集合体を指します。インターネットのルーティングにおいて重要な概念で、各ASは独自のルーティングポリシーを持ちます。技術的な専門用語であり、ネットワークエンジニアや情報技術の専門家が使用します。日常会話で使われることはほとんどありません。
自律学習
※ 学習者が自らの学習目標を設定し、学習方法を選択し、進捗を評価するプロセスを指します。教育学の分野で用いられ、主体的な学習を促す考え方として重要視されています。'self-directed learning' とほぼ同義ですが、'autonomous learning' は学習者の自己決定権をより強調するニュアンスがあります。
自律的に行動する
※ 誰かの指示や命令を待たずに、自分の判断で行動することを意味します。ビジネスシーンや日常生活で広く使われ、責任感や自立心を評価する際に用いられます。'act independently' と似ていますが、'autonomously' はより自己決定権や自律性を強調します。例えば、'The employee acted autonomously to resolve the issue.'(その従業員は自律的に行動して問題を解決した。)のように使われます。
自律的に機能する
※ システムや組織などが、外部からの干渉なしに、それ自体で正常に機能することを指します。技術的な文脈や組織論で使われ、安定性や効率性を評価する際に用いられます。例えば、'The new software is designed to function autonomously.'(その新しいソフトウェアは自律的に機能するように設計されている。)のように使われます。
自治権を付与する
※ ある地域や組織、個人に対して、自己決定や自己管理の権利を与えることを意味します。政治的な文脈や組織論で使われ、権限委譲や地方分権化などの議論で用いられます。'give autonomy' とほぼ同義ですが、'grant' はより公式なニュアンスを持ちます。例えば、'The government granted autonomy to the region.'(政府はその地域に自治権を付与した。)のように使われます。
使用シーン
学術論文、特にロボット工学、心理学、政治学などの分野で頻繁に使用されます。例えば、ロボット工学では「自律型ロボット(autonomous robot)」、心理学では「自律的な学習者(autonomous learner)」、政治学では「自治権(autonomy)」に関連する議論で登場します。研究者が研究の自律性やシステム、個人の自立性を議論する際に、客観的な文体で用いられます。
ビジネス文書や会議で、特に組織論、人事、技術開発に関連する文脈で使用されます。例として、「自律的なチーム(autonomous team)」を組織運営の戦略として導入する際や、「自律運転技術(autonomous driving technology)」の開発状況を報告する際に使われます。プロジェクトマネージャーや経営層が、従業員の自律性や技術の進歩について議論する際に、比較的フォーマルな文体で使用される傾向があります。
日常会話では、やや硬い表現として認識されるため、頻繁には使用されません。しかし、ニュース記事や科学技術に関するドキュメンタリーなどで、「自動運転車(autonomous vehicle)」や「自律型AI(autonomous AI)」といった言葉を見聞きすることがあります。例えば、自動化された家電製品やAIアシスタントの性能について話す際に、「このAIはかなり自律的に動くね」といった形で使われることがあります。ただし、よりカジュアルな場面では「自動で動く」といった表現が好まれます。
関連語
類義語
『独立した』という意味で、国家、組織、個人などが他の支配や影響を受けずに活動できる状態を表す。ビジネス、政治、日常会話など幅広い場面で使用される。 【ニュアンスの違い】"autonomous"が自己統治能力や自律性に焦点を当てるのに対し、"independent"は他からの依存の欠如を強調する。したがって、"autonomous"は自己決定権を持つ状態を指し、"independent"は単に誰にも頼らない状態を指すことが多い。 【混同しやすい点】"independent"は経済的な自立や思想的な独立も含む広い概念だが、"autonomous"はより組織やシステムが自己管理・自己制御できる状態を指すことが多い。例えば、「独立系書店」は"independent bookstore"だが、「自律走行車」は"autonomous vehicle"。
- self-governing
『自治の』という意味で、特定の地域や組織が自身で政治や行政を行う能力を持つことを指す。政治、歴史、社会学などの分野でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】"autonomous"と非常に近い意味を持つが、"self-governing"は特に政治的な自治や行政的な自律を強調する。一方、"autonomous"はより広範な自律性を指し、個人の行動や機械の動作などにも適用できる。 【混同しやすい点】"self-governing"は通常、国、地域、組織などの集団に対して使われる。個人に対しては"autonomous"がより適切。また、"self-governing"は名詞の前に置かれる形容詞として使われることが多い(例:self-governing region)。
- self-reliant
『自立した』『頼らない』という意味で、他人に頼らずに自分の力で生きていくことを強調する。主に個人の能力や態度を指す場合に使われる。日常会話、自己啓発、文学などで用いられる。 【ニュアンスの違い】"autonomous"が自己決定権や自己統治能力を意味するのに対し、"self-reliant"は他者への依存を避ける個人の性質を表す。したがって、"autonomous"はシステムや組織にも適用できるが、"self-reliant"は主に人に対して使われる。 【混同しやすい点】"self-reliant"は、必ずしも組織的な自律性を意味しない。例えば、"a self-reliant individual"は、個人的に自立している人を指すが、組織全体の自律性とは異なる。
『主権を持つ』という意味で、国家が他国の干渉を受けずに最高の権力を行使できる状態を指す。政治、国際関係の分野で用いられる。 【ニュアンスの違い】"autonomous"が内部的な自律性を指すのに対し、"sovereign"は外部からの独立と最高の権力を強調する。したがって、"autonomous region"は中央政府から一定の自治権を与えられた地域を指すが、"sovereign state"は他国からの干渉を受けない独立国を指す。 【混同しやすい点】"sovereign"は主として国家の独立と権威に関連する言葉であり、個人の自律性や組織の自己管理能力を指す場合には不適切。また、"sovereign"はしばしば「主権者」という意味の名詞としても用いられる。
- self-contained
『独立した』『自己完結型の』という意味で、外部からの援助や資源を必要とせずに、内部だけで完結できる状態を表す。技術、建築、心理学など様々な分野で使用される。 【ニュアンスの違い】"autonomous"が自己決定権や自己統治能力を持つことを意味するのに対し、"self-contained"は外部への依存の少なさや、内部だけで完結する能力を強調する。したがって、"autonomous system"は外部からの指示を受けずに自律的に動作するシステムを指すが、"self-contained unit"は外部からの供給なしに機能するユニットを指す。 【混同しやすい点】"self-contained"は、必ずしも自己決定権を意味しない。例えば、"a self-contained apartment"は、生活に必要な設備が整っているアパートを指すが、アパートの住人が自己決定権を持っているかどうかとは無関係。
- self-directed
『自己主導の』という意味で、他者の指示や監督なしに、自分自身で目標を設定し、計画を立て、実行することを指す。教育、ビジネス、自己啓発などの分野で使用される。 【ニュアンスの違い】"autonomous"が広範な自律性を指すのに対し、"self-directed"は特に目標設定、計画、実行のプロセスにおける自己主導性を強調する。したがって、"autonomous learner"は学習方法や内容を自分で選択できる学習者を指すが、"self-directed learner"はさらに学習目標や計画も自分で立てる学習者を指す。 【混同しやすい点】"self-directed"は、しばしば学習や仕事の文脈で使用され、個人の能力や態度を指すことが多い。組織全体の自律性を指す場合には、"autonomous"がより適切。
派生語
『自治』や『自主性』を意味する名詞。形容詞autonomousから派生し、状態や性質を表す接尾辞『-y』が付加された。政治学、社会学、心理学などの分野で頻繁に用いられ、個人の自律性や国家の独立などを議論する際に重要な概念となる。autonomousの状態を名詞化したもの。
- automaton
『自動人形』や『ロボット』を意味する名詞。語源的には『自ら動くもの』を意味し、ギリシャ語の『autos(自分自身)』と『maein(動く)』に由来する。autonomousの『自律性』が機械的な動作に具現化されたイメージ。SF作品や技術分野で使われる。
『自律的に』という意味の副詞。形容詞autonomousに副詞化する接尾辞『-ly』が付いた形。システムや機械が人間の介入なしに動作する様子や、個人が独立して行動する様子を表す際に用いられる。プログラミングやロボット工学、経営学などで使われる。
反意語
『依存している』という意味の形容詞。autonomousが『自分自身で立つ』という意味なのに対し、dependentは『他者にぶら下がる』というイメージ。経済学、社会学、心理学など幅広い分野で使われ、autonomousとの対比で、個人や国家、システムの自立度を評価する際に用いられる。日常会話でも頻繁に使われる。
『下位の』『従属的な』という意味の形容詞。組織や階層構造において、autonomousな存在(上位者、自律した部署など)に対して、その指示や管理下にある状態を指す。ビジネスシーンや政治学でよく用いられ、力関係や権限の所在を示す際に重要な語となる。autonomousな組織・個人に対する従属関係を表す。
- controlled
『制御された』という意味の形容詞。autonomousが『制御されない』状態を表すのに対し、controlledは外部からの指示や操作によって管理されている状態を示す。機械工学、情報工学、心理学など様々な分野で使用され、システムの挙動や個人の行動が外部要因によって制限されている状況を説明する際に用いられる。
語源
"autonomous"は、ギリシャ語の"autos"(自身)と"nomos"(法、規則)に由来します。文字通りには「自分自身の法を持つ」という意味合いです。接頭辞"auto-"は「自己、自身」を表し、例えば「自動車(automobile)」の"auto-"も同じ語源です。"nomos"は「法」や「秩序」を意味し、英語の"economy"(経済)の語源にもなっています。つまり、"autonomous"は、外部からの支配や干渉を受けず、自分自身の規則や法律に従って行動できる状態を指します。日本語の「自主的」「自律的」といった言葉が、この単語の持つニュアンスをよく表していると言えるでしょう。個人や組織が自分自身の原則に基づいて行動する様子をイメージすると、より理解が深まります。
暗記法
「autonomous」は、啓蒙思想が息づく自由の概念。古代ギリシャの都市国家にそのルーツをもち、外部からの干渉を受けない自己決定権を意味しました。カント哲学では、理性に基づいた道徳的自律として深化。人権思想や労働運動の源泉となり、現代ではAIの自律性という新たな局面へ。技術革新の光と影、倫理的課題を映し出す、重層的な意味を持つ言葉なのです。
混同しやすい単語
『autonomous』と語尾の '-ous' が共通しており、スペルも似ているため混同しやすい。意味は『匿名の』であり、自主性や自律性を示す『autonomous』とは大きく異なる。特に、文脈から意味を判断する際には注意が必要。語源的には、'anonymous' は 'without a name' という意味で、'autonomous' は 'self-governing' という意味である。
『autonomous』とスペルが似ているが、実際には存在しない単語。おそらく『astronomical(天文学的な)』という単語との混同から生まれる可能性がある。発音も異なるため、スペルチェックの際に注意が必要。
『autonomous』と語源を同じくするが、意味と品詞が異なる。『autonomic』は『自律神経の』という意味の形容詞で、主に医学や生物学の分野で使用される。発音も 'au-to-NOM-ic' とアクセントの位置が異なるため、注意が必要。'autonomous' は人や組織の自律性を指すのに対し、'autonomic' は身体機能の自律性を指す。
『autonomous』と語頭の 'auto-' が共通しているため、関連付けて考えやすいが、意味合いが異なる。『automatic』は『自動的な』という意味で、機械などが外部からの指示なしに動作することを指す。発音もアクセントの位置が異なるため、混同しないように注意が必要。語源的には、'automatic' は 'self-acting' という意味で、'autonomous' は 'self-governing' という意味である。
語尾の '-ous' が共通しており、音の響きが似ているため、特に発音の際に混同しやすい。『enormous』は『巨大な』という意味で、大きさや規模を表す。スペルも 'a' と 'e' の違いしかないため、注意が必要。'autonomous' が自律性を意味するのに対し、'enormous' は大きさを意味するため、文脈から判断することが重要。
『autonomous』とはスペルも発音も大きく異なるが、意味合いが若干重なる部分がある。『authentic』は『本物の』『真正の』という意味で、信頼性や独自性を示す。自主的に行動することが本物らしさにつながるという連想から、意味の面で誤解が生じる可能性がある。文脈によっては類義語として扱われることもあるが、基本的には異なる概念である。
誤用例
『autonomous』は『自律的な』という意味ですが、組織の決定を指す場合、日本語の『自主的な決定』というニュアンスで使うと、実際には『一方的な決定』だったという誤解を招く可能性があります。英語では、特にネガティブな文脈では『unilateral』を使う方が適切です。日本人は『自主性』を尊重する文化がありますが、英語では文脈によって『一方的』と捉えられる場合があることを理解する必要があります。
『autonomous』は、機械やシステムが自律的に動くことを指す場合や、政治的な自治を指す場合に適しています。個人の性格やライフスタイルを指す場合は、より一般的な『independent』を使う方が自然です。日本語では『自律的』という言葉が個人の生き方にも使われるため、そのまま英語に翻訳してしまうと不自然になります。英語では、個人の自立性を強調する場合は『independent』を使いましょう。
『autonomous』は技術的な文脈では正しいですが、日常会話や一般的なニュースでは『self-driving』の方がより一般的で自然です。日本人は『自律』という言葉を好んで使う傾向がありますが、英語ではより平易な表現が好まれる場合があります。特に技術用語では、専門家以外にも理解しやすい言葉を選ぶことが重要です。『self-driving』は、autonomous vehicleの技術を搭載した車を指す一般的な口語表現です。
文化的背景
「autonomous(自律的な)」という言葉は、個人や組織が外部からの干渉を受けずに、自身の原則に基づいて行動する理想を象徴します。この概念は、啓蒙思想の時代に大きく発展し、個人の自由と自己決定の権利を求める動きと深く結びついてきました。古代ギリシャの都市国家(ポリス)における「autonomia」の概念に遡り、自分自身の法律を持つ権利、つまり他者の支配を受けない状態を意味していました。
啓蒙思想の時代以降、この「自律性」の概念は、カント哲学における道徳的自律の概念として深化しました。カントは、人間が理性に基づいて自ら法則を立て、その法則に従って行動するときに、はじめて真に自由であると考えました。この思想は、個人の尊厳と責任を強調し、近代社会における人権思想の基盤となりました。さらに、産業革命以降の労働運動においては、労働者が自らの労働条件を決定し、搾取からの解放を目指す運動の根拠となりました。
現代社会においては、「autonomous」は、AI(人工知能)やロボット工学の分野でも頻繁に用いられます。自律走行車や自律型ロボットなど、人間による直接的な指示なしに、自らの判断で行動するシステムを指す言葉として、技術革新の最前線でその意味を拡張しています。しかし、同時に、AIの自律性がもたらす倫理的な問題や、人間のコントロールを離れた技術の危険性についても、議論を呼んでいます。このように、「autonomous」は、単なる「自律」という意味を超え、自由、責任、そして技術の進歩がもたらす倫理的課題といった、現代社会における重要なテーマを内包する言葉として、その文化的意義を深め続けています。
試験傾向
準1級、1級の長文読解で出題される可能性が高いです。1次試験の語彙問題で直接問われることもあります。文脈から意味を推測する問題や、同意語・類義語を選ぶ問題で登場します。長文読解では、文章全体のテーマ理解を問うために、キーワードとして使われることがあります。注意点としては、名詞形 (autonomy) との関連性を理解し、文脈に応じて適切に意味を判断できるようにすることです。
Part 5(短文穴埋め問題)やPart 7(長文読解)で登場する可能性があります。ビジネスシーンでの使用例が多く、例えば「autonomous division(独立採算制部門)」のような形で出てくることがあります。選択肢として、紛らわしい単語(automaticなど)が提示されることがあるので、意味の違いを明確に理解しておくことが重要です。TOEICでは、文法的な知識と語彙力を組み合わせて解答を導く問題が多いので、品詞と意味の両方を意識して学習しましょう。
リーディングセクションで頻出の語彙です。アカデミックな内容の文章で、特に社会科学や政治学、心理学などの分野でよく用いられます。文脈から意味を推測する問題や、パラフレーズ(言い換え)を選ぶ問題で登場します。ライティングセクションでも、エッセイの中で使用することで、より高度な語彙力のアピールにつながります。注意点としては、TOEFLでは類義語や関連語句の知識も問われるため、autonomousの類義語(independent, self-governingなど)も合わせて学習しておくと良いでしょう。
難関大学の長文読解問題で頻出です。文章の内容理解を問う問題で、キーワードとして登場することがあります。文脈から意味を推測する力だけでなく、文章全体のテーマを理解する力も必要とされます。記述式の問題では、autonomousの意味を正確に説明できる必要があります。autonomousの派生語(autonomously, autonomy)も合わせて覚えておくと、読解問題で役立ちます。また、autonomousと似た意味を持つ単語(independent, self-reliant)とのニュアンスの違いも理解しておきましょう。