artistic
最初の /ɑːr/ は、日本語の「ア」よりも口を大きく開け、舌を奥に引いて発音します。/tɪ/ の部分は、日本語の「ティ」よりも舌を軽く弾くように発音し、母音は短く「イ」と「エ」の中間のような音です。強勢は2番目の音節 /tɪ/ に置かれます。語尾の /ɪk/ は、曖昧母音の /ɪ/ (イとエの中間)と無声音の /k/ (ク)で、弱く短く発音します。
芸術的な
美術、音楽、演劇など、芸術に関わる才能や性質を持つことを表す。創造性や美的センスが豊かなことを示唆する。
My daughter loves to draw and always creates very artistic pictures.
私の娘は絵を描くのが大好きで、いつもとても芸術的な絵を描きます。
※ この例文では、「artistic」が「絵」という作品の質を表しています。お子さんが描く絵が単なる落書きではなく、まるで芸術作品のように魅力的で創造性に溢れている様子が伝わります。誰かの才能や、その人が生み出す作品の美しさや独創性を褒める時によく使われる表現です。
Her dance moves were so artistic, making the whole performance beautiful.
彼女のダンスの動きはとても芸術的で、舞台全体を美しくしていました。
※ ここでは、「artistic」が「ダンスの動き」という身体表現に適用されています。単に技術があるだけでなく、感情や美意識が込められた、見る人の心を打つような動きを指しています。コンサートや舞台で、パフォーマーの動きが特に洗練されていて美しいと感じた時に自然に使えます。
I found a small cafe with a very artistic design, full of unique paintings.
私は、ユニークな絵画でいっぱいの、とても芸術的なデザインの小さなカフェを見つけました。
※ この例文では、「artistic」が「デザイン」や「空間」の雰囲気を表現しています。単に飾られているだけでなく、お店全体から創造性や美意識が感じられる様子が伝わります。建物、インテリア、ファッションなど、視覚的な美しさや独創性を持つものに対して使うと、その場所や物の魅力をより鮮やかに伝えられます。
独創的な
既存の概念にとらわれず、独自のアイデアや表現を生み出す様子。型にはまらない、革新的なイメージ。
The artist created a truly artistic sculpture that surprised everyone.
その芸術家は、みんなを驚かせるような、本当に独創的な彫刻を作り上げました。
※ この例文では、芸術家が作った彫刻が「artistic(独創的)」であると描写されています。ギャラリーや展示会で、そのユニークな発想や美しさに人々が感嘆し、驚いている情景が目に浮かびますね。何かを「創造する人」や「創造された作品」に対して、その発想が新しかったり、美的センスに優れていたりする場合にぴったりの使い方です。動詞 'create'(創造する)とセットでよく使われます。
The chef made an artistic dish, decorating it beautifully with colorful vegetables.
シェフは、色とりどりの野菜で美しく飾り付けられた、独創的な料理を作りました。
※ ここでは、料理が「artistic(独創的)」であると表現されています。単に美味しいだけでなく、見た目の美しさや斬新な盛り付け、食材の組み合わせ方にシェフのセンスとアイデアが光っている様子が伝わりますね。レストランで、運ばれてきた料理の美しさに思わず息をのむような場面を想像してみてください。料理のほか、ファッションやインテリアなど、デザインや見た目に関わるものにも広く使える言葉です。
My little sister loves to draw and always creates artistic pictures with bright colors.
私の妹は絵を描くのが大好きで、いつも明るい色を使って独創的な絵を描きます。
※ この例文では、幼い妹さんが描く絵が「artistic(独創的)」であると述べられています。子供部屋で、妹さんがクレヨンや絵の具を手に、自由な発想と明るい色彩で自分だけの世界を表現している、そんな温かい情景が目に浮かびます。子供の自由な発想や、既成概念にとらわれない創造性を褒める時に「artistic」を使うのはとても自然です。人の才能やアイデアに対しても使うことができますよ。
趣のある
洗練されてはないものの、独特の魅力や味わいがある様子。人工的ではなく、自然な美しさや温かみを感じさせる。
The old cafe had an artistic atmosphere with soft lights and jazz music.
その古いカフェは、柔らかな光とジャズ音楽が流れる、趣のある雰囲気でした。
※ この例文では、カフェの雰囲気全体を「artistic(趣のある)」と表現しています。単に「古くて良い」だけでなく、照明や音楽、インテリアなど、細部にまでセンスが感じられる心地よい空間を表しています。まるで自分がそのカフェにいるかのように、五感でその「趣」を感じられるでしょう。
She made an artistic design on the small ceramic plate for her friend.
彼女は友達のために、小さな陶器の皿に趣のあるデザインを施しました。
※ ここでは、手作りの陶器の皿に施された「デザイン」が「artistic(趣のある)」と表現されています。単に美しいだけでなく、作り手の感性や心がこもっていて、見る人の心に響くような、独特の魅力を持つデザインをイメージできます。誰かのために心を込めて作られたものに使うとぴったりです。
The street performer had an artistic way of telling stories with puppets.
そのストリートパフォーマーは、人形を使って物語を語る、趣のある方法を持っていました。
※ この例文では、ストリートパフォーマーの「物語の語り方(way of telling stories)」が「artistic(趣のある)」とされています。単に上手なだけでなく、彼独自の表現方法や演出が、観客を惹きつけ、心に残るような魅力を持っていることを表します。パフォーマンスや表現スタイルに対して使うと、その人の個性やセンスが際立つことを伝えられます。
コロケーション
芸術的自由、脚色
※ 事実や既存のルールから逸脱して、芸術的な表現のために変更を加える権利のこと。歴史的事実を多少変更してドラマを盛り上げたり、現実にはありえない設定を導入したりする際に用いられます。「芸術的許容」とも訳されます。ビジネスシーンでは稀ですが、文芸・映画・演劇などの分野で頻繁に使われます。例えば、『映画では、物語を面白くするために芸術的自由が加えられている』のように使います。文法的には "take artistic license with..." (…を芸術的自由に解釈する) という構文もよく使われます。
芸術家気質、気難しい性格
※ 感受性が強く、繊細で、時に気難しい芸術家特有の性格や気質を指します。創造的な人物に見られる、感情の起伏が激しい、または型にはまらない行動を指すことが多いです。必ずしもネガティブな意味だけでなく、個性や才能の裏返しとして捉えられることもあります。口語表現としても使われますが、やや皮肉を込めて使われることもあります。例えば、『彼は芸術家気質だから、時間にルーズなのは仕方ない』のように使います。
芸術的価値、美術的価値
※ 作品が持つ芸術的な品質、創造性、美しさ、または重要性の度合いを指します。美術批評や評価において、作品を評価する基準として用いられます。単に美しいだけでなく、思想や感情を深く表現しているか、新しい表現方法を試みているかなどが評価の対象となります。ビジネスシーンでは、アート関連の投資や評価の際に使われることがあります。例えば、『この絵画には芸術的価値がある』のように使います。文法的には "lack artistic merit" (芸術的価値に欠ける) という表現も使われます。
芸術的表現
※ 感情、アイデア、または経験を、絵画、彫刻、音楽、文学などの芸術形式を通して表現すること。自己表現の手段として、個人の内面世界を外部に表出する行為を指します。検閲や表現の自由といったテーマと関連して語られることもあります。口語、ビジネス、文学など、幅広い場面で使用されます。例えば、『ダンスは感情の芸術的表現の一つだ』のように使います。関連語として "freedom of artistic expression" (芸術的表現の自由) があります。
芸術的ビジョン
※ 芸術家が持つ、作品を通して実現したい独自の構想や世界観。単なる技術的なスキルだけでなく、何を表現したいのか、どのように表現したいのかという明確な目標意識を指します。優れた芸術家は、明確な芸術的ビジョンを持っていると言われます。ビジネスシーンでは、デザインやブランディングなど、創造的なプロジェクトの方向性を示す際に用いられます。例えば、『その監督は明確な芸術的ビジョンを持っている』のように使います。
芸術的遺産
※ 過去から受け継がれてきた芸術作品、文化、伝統の総称。その国や地域の文化的なアイデンティティを形成する重要な要素であり、後世に継承していくべきものとして尊重されます。美術館や博物館のコレクション、歴史的な建造物、伝統芸能などが含まれます。観光や文化政策など、幅広い分野で言及されます。例えば、『京都は豊かな芸術的遺産を持つ都市だ』のように使います。
芸術家コミュニティ
※ 芸術家、クリエイター、芸術愛好家などが集まって形成される共同体。互いに刺激し合い、協力し、支援し合うことで、創造的な活動を促進します。特定の地域に集まっている場合もあれば、オンラインで形成される場合もあります。アートイベント、ワークショップ、展示会などを通して交流することが多いです。例えば、『その都市には活発な芸術家コミュニティがある』のように使います。
使用シーン
美術史、芸術学、デザイン論などの分野の研究論文や講義で頻繁に使われます。「artistic expression(芸術的表現)」や「artistic interpretation(芸術的解釈)」といった複合語として登場することが多いです。また、心理学の研究で、被験者の創造性や美的感覚を評価する際に「artistic ability(芸術的能力)」という言葉が用いられることもあります。
ビジネスシーンでは、主に広告、デザイン、ブランディング関連の分野で使われます。「artistic design(芸術的なデザイン)」や「artistic concept(芸術的なコンセプト)」といった表現で、創造性や美的価値を強調する際に用いられます。プレゼンテーション資料や企画書などで、他社との差別化を図るために使われることもあります。
日常会話では、趣味や芸術に関する話題で使われることが多いです。「He has artistic talent(彼は芸術的な才能がある)」のように、人の才能や個性を表現する際に使われます。また、インテリアやファッションについて話す際に、「artistic touch(芸術的なセンス)」という言葉を使って、洗練された雰囲気を表現することもあります。
関連語
類義語
創造的な、独創的なという意味で、新しいアイデアや物を生み出す能力や性質を表す。ビジネス、学術、日常会話など幅広い場面で使用される。 【ニュアンスの違い】"artistic" が美的センスや芸術的なスキルに重点を置くのに対し、"creative" はより広い意味での創造性、問題解決能力、革新性を指す。"creative" は、芸術分野に限らず、ビジネスや科学など様々な分野で使用される。 【混同しやすい点】日本人は "creative" を「創造的な」と直訳し、芸術分野以外での使用をためらうことがある。"artistic" よりも適用範囲が広いことを理解する必要がある。例えば、"creative solution"(創造的な解決策)は "artistic solution" とは言わない。
- imaginative
想像力豊かな、空想力に富むという意味で、現実にはないものを心に思い描く能力を表す。文学、子供向けの物語、日常会話などで使用される。 【ニュアンスの違い】"artistic" が具体的な表現や作品を生み出すことに重点を置くのに対し、"imaginative" は心の中で自由にイメージを広げる能力を指す。"imaginative" は、現実離れした空想や夢想を含むことがある。 【混同しやすい点】日本人は "imaginative" を「想像力がある」と理解するものの、それが必ずしも芸術的な表現に繋がるとは限らないことを認識する必要がある。例えば、"imaginative child"(想像力豊かな子供)は、必ずしも絵を描くのが得意とは限らない。
美的感覚に訴える、美的なという意味で、美や芸術の原則に関連する。美術、建築、デザイン、哲学などの分野で使用される。 【ニュアンスの違い】"artistic" が芸術的なスキルや表現を指すのに対し、"aesthetic" は美そのものや、美に関する哲学的な考察を指す。"aesthetic" は、よりフォーマルで学術的な文脈で使用されることが多い。 【混同しやすい点】日本人は "aesthetic" を「美的」と訳し、やや硬い印象を持つことがある。"artistic" よりも専門的な用語であり、日常会話での使用は少ないことを理解する必要がある。例えば、"aesthetic value"(美的価値)は "artistic value" とは意味合いが異なる。
表現力豊かなという意味で、感情や考えを効果的に伝える能力を表す。音楽、ダンス、演劇、文学など、感情表現を伴う分野で使用される。 【ニュアンスの違い】"artistic" が芸術的なスキルや美的センスに重点を置くのに対し、"expressive" は感情や考えを伝える力に重点を置く。"expressive" は、必ずしも芸術的な技巧を伴わなくても、感情を強く伝えることができる。 【混同しやすい点】日本人は "expressive" を「表現力がある」と理解するものの、それが必ずしも芸術的な才能と結びつかないことを理解する必要がある。例えば、"expressive eyes"(表現力豊かな目)は、必ずしも絵を描くのが得意な目を指すわけではない。
才能のある、腕のいいという意味で、生まれつきの能力や優れたスキルを持つことを表す。スポーツ、音楽、芸術など、特定の分野で優れた能力を発揮する人に対して使われる。 【ニュアンスの違い】"artistic" が芸術的な分野での才能を指すのに対し、"talented" はより広い意味での才能を指す。"talented" は、芸術分野に限らず、スポーツや学問など様々な分野で使用される。 【混同しやすい点】日本人は "talented" を「才能がある」と理解するものの、それが必ずしも芸術的な才能に限定されないことを理解する必要がある。例えば、"talented musician"(才能のある音楽家)は、必ずしも絵を描くのが得意とは限らない。
熟練した、腕のいいという意味で、訓練や経験を通じて得られた高い技術を持つことを表す。手工芸、料理、音楽など、実践的なスキルが求められる分野で使用される。 【ニュアンスの違い】"artistic" が芸術的なセンスや創造性を伴うスキルを指すのに対し、"skillful" は技術的な熟練度を指す。"skillful" は、必ずしも芸術的なセンスを伴わなくても、高い技術力を持つことを意味する。 【混同しやすい点】日本人は "skillful" を「熟練した」と理解するものの、それが必ずしも芸術的な才能と結びつかないことを理解する必要がある。例えば、"skillful carpenter"(熟練した大工)は、必ずしも絵を描くのが得意とは限らない。
派生語
『芸術』を意味する最も基本的な名詞。artistic の語源であり、絵画、彫刻、音楽など、人間の創造的な活動全般を指します。日常会話から学術論文まで幅広く使用され、文脈によって具体的な芸術作品や抽象的な美的概念を表します。
『芸術家』を意味する名詞。art に人を表す接尾辞『-ist』が付いた形です。絵描き、音楽家、作家など、芸術作品を創造する人を指します。artistic が芸術的な性質を表すのに対し、artist は芸術活動を行う人を指す点が異なります。日常会話で頻繁に使われます。
『芸術的才能』や『芸術的手腕』を意味する名詞。art に抽象名詞を作る接尾辞『-istry』が付いた形です。技術や創造性、美的感覚など、芸術的な能力の高さや熟練度を表します。artistic が形容詞として性質を表すのに対し、artistry は名詞として能力そのものを指す点が異なります。評論や批評などで使われることが多いです。
反意語
- inaesthetic
接頭辞『in-(否定)』が aesthetic(美的)に付いて『美的でない』、『美意識に欠ける』という意味の形容詞。artistic が美的センスや創造性を示すのに対し、inaesthetic はそれらが欠如している状態を表します。建築、デザイン、または一般的な美的判断の文脈で用いられます。artisticの直接的な反意語として機能します。
- unimaginative
接頭辞『un-(否定)』が imaginative(想像力に富んだ)に付いて『想像力に欠ける』という意味の形容詞。artistic が創造性や独創性を示すのに対し、unimaginative はそれらが不足している状態を表します。特に、アイデア、デザイン、または解決策について議論する際に使用されます。artisticの創造性に関連する側面に対する対義語として機能します。
- unskilled
接頭辞『un-(否定)』がskilled(熟練した)に付いて『熟練していない』、『技術がない』という意味の形容詞。artistic が芸術的な技術や才能を示すのに対し、unskilled は技術や能力が不足している状態を表します。特定の芸術分野における技術的な熟練度を欠いていることを指し、技術的な文脈で特に有用です。
語源
"artistic」は、「芸術的な」という意味ですが、その語源はラテン語の「ars」(技術、技能、芸術)に遡ります。この「ars」は、何かを作り出す能力、つまり技術や技能全般を指していました。英語の「art」も同じ語源を持ちます。「artistic」は、「art」に形容詞を作る接尾辞「-istic」が付いたもので、「芸術の性質を持つ」「芸術に関する」という意味合いを持ちます。接尾辞「-istic」は、名詞に付いて「〜の性質を持つ」「〜に関係する」といった意味を加えます。例えば、「optimistic」(楽観的な)は、「optimism」(楽観主義)に「-istic」が付いたものです。このように、「artistic」は、根源的な「技術」や「技能」といった意味から派生し、より洗練された「芸術的な」という意味を持つようになったのです。
暗記法
「artistic」は単に技術的な巧みさではなく、魂の表現。ルネサンス期、芸術家は職人から知識人へ地位を高め、創造性が重視されるように。ロマン主義では感情や直感が重んじられ、規範に反抗する姿勢が「artistic」の核心に。現代では、型破りなライフスタイルや美の追求も指す。社会の枠を超え、自由な精神で創造する姿こそ「artistic」だ。
混同しやすい単語
『artistic』と『artist』は、スペルが非常に似ており、意味も関連するため混同しやすいです。『artist』は名詞で『芸術家』を意味し、人を指します。一方、『artistic』は形容詞で『芸術的な』という意味で、性質や特徴を表します。日本人学習者は、文中でどちらの品詞が適切かを意識する必要があります。語源的にはどちらも『art(芸術)』に由来しますが、役割が異なります。
『artistic』と『artificial』は、どちらも『arti-』という接頭辞を持ち、スペルの一部が共通しているため、視覚的に混同しやすいです。『artificial』は『人工的な』という意味で、自然ではないものを指します。意味が大きく異なるため、文脈で判断することが重要です。接頭辞『arti-』は『art(技術、技巧)』に由来しますが、そこから意味が派生しています。
『artistic』と『artless』は、スペルが似ており、どちらも『art』を含むため、意味を誤解しやすいです。『artless』は『飾り気のない』『無邪気な』という意味で、しばしばネガティブな意味合い(『不器用な』など)で使われます。『artistic』とは正反対の意味を持つ場合もあるため、注意が必要です。接尾辞『-less』は『〜がない』という意味を表します。
『artistic』と『autistic』は、スペルの一部が似ており、特に母音の並びが混乱を招きやすいです。『autistic』は『自閉症の』という意味で、医学的な文脈で使用されます。意味が全く異なるため、文脈を注意深く読む必要があります。発音も異なり、『autistic』は /ɔːˈtɪstɪk/ です。
『artistic』と『article』は、スペルの一部が似ており、特に最初の数文字が共通しているため、視覚的に混同しやすいです。『article』は『記事』や『条項』という意味で、文法用語としては『冠詞』の意味もあります。意味が大きく異なるため、文脈で判断することが重要です。語源的には『article』は『関節』を意味するラテン語に由来し、そこから『区切られたもの』という意味に派生しました。
『artistic』と『attic』は、どちらも語尾が -tic で終わるため、発音とスペルが似ていると感じる場合があります。『attic』は『屋根裏部屋』という意味の名詞です。音の響きが似ていることと、短い単語であることから、混同しやすい可能性があります。文脈から判断することが重要です。
誤用例
日本人が『artistic』を『美術的な』『芸術的な』と捉え、内装や雰囲気を指す際に安易に使うのは誤りです。確かに『artistic』は芸術に関連しますが、人の創造性や技能によって生み出されたもの、つまり作品そのものや、人の性質を指す場合に適切です。レストランの雰囲気や内装を表現するなら、美的な観点から『aesthetic』を使う方が適切です。日本語の『芸術的』という言葉が持つ意味範囲の広さに引きずられると、このような誤用が起こりやすくなります。英語では、芸術作品が持つ美しさだけでなく、空間全体が持つ美しさや調和を指す場合は『aesthetic』を選ぶのが自然です。
『artistic』は、芸術的な才能やセンスがあることを指しますが、ビジネスの文脈で、単に『創造的な』『ユニークな』という意味で使うと不自然です。この場合、ビジネスマンの独創性や発想力を表現したいのであれば、『creative』を使う方が適切です。日本人は『artistic』を、個性的でセンスが良いという意味で広く捉えがちですが、英語では芸術的な活動や才能に直接関連する場合に限定して使うのが一般的です。日本語の『アーティスティック』という言葉の響きから、ファッションセンスなどを表現する際に安易に使ってしまうことがありますが、英語の『artistic』はより専門的な意味合いが強いことを意識する必要があります。
『artistic personality』という表現は、英語として不自然ではありませんが、より自然なのは『artistic temperament』です。『temperament』は、気質、性質という意味で、特に芸術家肌の人の感受性豊かで感情的な性質を表す際に使われます。一方、『personality』はより広範な意味で、人の性格全体を指します。日本人は『personality』を安易に使いがちですが、特定の性質を強調したい場合は、より適切な語を選ぶ必要があります。このケースでは、芸術的な感受性の強さを強調するために、『temperament』を選ぶ方が、より洗練された印象を与えます。日本語の『性格』という言葉に引きずられず、英語の各単語が持つニュアンスの違いを理解することが重要です。また、英語には特定の性質を表すための定型表現が多数存在するため、積極的に学ぶことで、より自然な英語表現を身につけることができます。
文化的背景
「artistic」は、単に「芸術的」という意味を超え、創造性、美、そして既存の枠組みにとらわれない自由な精神を象徴します。この言葉は、しばしば社会の規範や慣習に挑戦し、新たな表現を追求する個人や活動を称える際に用いられ、単なる技術的な巧みさだけでなく、独自の視点や感情、そして魂の表現を包含します。
「artistic」という言葉が持つ文化的重みは、ルネサンス期以降の芸術家たちの社会的地位の変化と深く結びついています。中世においては、芸術家は職人として捉えられ、ギルドに所属し、注文に応じて作品を制作していました。しかし、ルネサンス期に入ると、レオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロのような芸術家が登場し、彼らは単なる職人ではなく、創造的な才能を持つ知識人、天才として尊敬されるようになりました。彼らの作品は、単なる装飾品や宗教的な道具ではなく、人間の知性と創造性の象徴として扱われ、芸術家の社会的地位を向上させました。この頃から、「artistic」という言葉は、単なる技術的な巧みさだけでなく、創造性、独創性、そして精神性を伴うものとして認識されるようになったのです。
19世紀のロマン主義運動は、「artistic」という言葉の持つ意味をさらに深めました。ロマン主義の芸術家たちは、理性や科学よりも感情や直感を重視し、自然や神秘的なものに美を見出しました。彼らは、社会の規範や価値観に反抗し、自由な表現を追求しました。例えば、ゴッホやゴーギャンのような画家たちは、当時の美術界の主流から外れ、独自のスタイルを確立しました。彼らの作品は、当初は理解されませんでしたが、後に「artistic」な表現の典型として評価されるようになりました。このように、「artistic」という言葉は、社会の主流から外れた、型破りな表現や、既存の価値観に挑戦する態度を指す場合もあります。
現代においては、「artistic」という言葉は、より広範な意味を持つようになっています。絵画や彫刻などの伝統的な芸術だけでなく、音楽、映画、演劇、ダンス、文学、デザインなど、あらゆる創造的な活動を指す言葉として用いられています。また、個人のライフスタイルや考え方、行動様式に対しても、「artistic」という言葉が用いられることがあります。例えば、独自のファッションセンスを持つ人や、型破りな生き方をする人は、「artistic」な人と呼ばれることがあります。このように、「artistic」という言葉は、創造性、独創性、自由な精神、そして美を追求する姿勢を象徴する言葉として、現代社会において広く用いられています。
試験傾向
- 出題形式: 主に語彙問題、長文読解
- 頻度と級・パート: 準1級、1級で出題可能性あり。2級でも長文読解で稀に出題される
- 文脈・例題の特徴: 美術、文化、芸術関連の文章。創造性や表現力に関する文脈で登場しやすい
- 学習者への注意点・アドバイス: 形容詞として「芸術的な」「美術の」という意味を理解する。名詞artとの関連性を意識し、派生語(artist, artistry)も合わせて学習すると効果的
- 出題形式: 主にPart 5 (短文穴埋め問題), Part 7 (長文読解)
- 頻度と級・パート: TOEIC L&Rでは頻度は高くないが、ビジネスシーンにおける創造性やデザイン関連の文脈で稀に出題される
- 文脈・例題の特徴: マーケティング資料、製品デザインの説明、企業ブランディング戦略など
- 学習者への注意点・アドバイス: ビジネスにおける「創造性」「革新性」といった意味合いで使われる場合がある。類義語(creative, innovative)とのニュアンスの違いを理解しておくと良い。
- 出題形式: 主にリーディングセクション
- 頻度と級・パート: アカデミックな文章で頻繁に出題される。特に人文科学、社会科学分野
- 文脈・例題の特徴: 美術史、文化人類学、芸術理論、心理学(創造性)など
- 学習者への注意点・アドバイス: 抽象的な概念を説明する文脈で使われることが多い。「芸術的」という直接的な意味だけでなく、「洗練された」「巧妙な」といった比喩的な意味も理解しておく必要がある。
- 出題形式: 主に長文読解
- 頻度と級・パート: 難関大学ほど出題頻度が高い。標準的なレベルの大学でも、芸術関連のテーマで出題される可能性あり
- 文脈・例題の特徴: 評論文、物語文など。美術、音楽、文学などのテーマで出題されることが多い
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する力が重要。比喩表現や抽象的な表現が含まれる場合があるので、文脈全体を把握するように努める。関連語句(art, artist, artistic expressionなど)も合わせて覚えておくと役立つ。