who
日本語の『フ』を発音する前に、唇を丸めて前に突き出すように意識してください。息を強く吐き出す必要はありません。また、母音は日本語の『ウ』よりも長く伸ばすように発音します。
誰が
人について尋ねる疑問詞。主語を尋ねる場合に用いる。「Who is coming to the party?(誰がパーティーに来るの?)」のように使う。
My yummy cake is gone! Who ate it?
私の美味しいケーキがない!誰が食べたの?
※ 冷蔵庫を開けたら、楽しみにしていたケーキがなくなっていた!そんな驚きと少しの落胆の場面です。「Who ate it?」は「誰がそれを食べたの?」と、犯人(主語)を尋ねる最も基本的な使い方です。日常で何かなくなったり、変わっていたりした時に「誰がやったの?」と尋ねる典型的な表現です。
This box is heavy. Who can help me carry it?
この箱は重いな。誰が運ぶのを手伝ってくれる?
※ 目の前にある重い箱を前に、困って助けを求めている場面です。「Who can help me?」は「誰が私を助けることができる?」と、手助けをしてくれる人(主語)を尋ねています。困っているときに「誰か手伝ってくれないかな?」と、親しい人や周りの人に助けを求める際に非常によく使われるフレーズです。
Wow, this painting is beautiful! Who painted it?
わあ、この絵は美しい!誰が描いたの?
※ 美術館やギャラリー、あるいは友達の家で、素晴らしい絵を見て感動している場面です。「Who painted it?」は「誰がそれを描いたの?」と、その作品の作者(主語)を尋ねています。何か素晴らしいものを見たとき、その作者や作った人を尋ねる際に自然と口にする、典型的な疑問文です。
〜する人
関係代名詞として、先行詞(人)を修飾する。「The man who helped me was very kind.(私を助けてくれた男性はとても親切だった。)」のように使う。
The kind man who helped me carry my heavy bags smiled warmly.
私の重いカバンを運ぶのを手伝ってくれた親切な男性は、温かく微笑んでくれました。
※ 駅でたくさんの荷物を持って困っている時に、見知らぬ人がサッと助けてくれた、そんな心温まる場面を想像してみてください。ここでは、'who helped me carry my heavy bags' が、'The kind man'(親切な男性)が『どんな人だったか』を具体的に説明しています。「〜する人」というwhoの基本的な働きがよくわかりますね。
She is the student who always asks very clever questions in class.
彼女はいつも授業でとても賢い質問をする生徒です。
※ 授業中、みんなが「なるほど!」と思うような鋭い質問をいつもするクラスメイト。そんな彼女の姿が目に浮かびますね。'who always asks very clever questions' の部分が、'the student'(その生徒)がどんな特徴を持っているかを教えてくれます。このように、whoは『ある人がどんな行動をするか』を説明するのに使われます。
I really want to meet the artist who painted this beautiful picture.
この美しい絵を描いた画家に、ぜひ会いたいです。
※ 美術館で息をのむほど美しい絵に出会い、その作者に感動して「どんな人だろう?」と会いたくなる気持ちを表しています。'who painted this beautiful picture' が、'the artist'(その画家)が『何をした人か』を明確に示しています。誰かの行動や役割を伝えたい時に、このwhoの使い方が非常に役立ちます。
コロケーション
誰が言えるだろうか、誰にも分からない
※ 未来の不確実性や、ある事柄について確信を持って断言できない状況を表す、婉曲的な表現です。例えば、「Who is to say what will happen tomorrow?(明日何が起こるか誰が言えるだろうか?)」のように使われます。ビジネスシーンやフォーマルな会話で、断定を避けたい場合に適しています。類似表現に "It's hard to say" がありますが、"who is to say" はより思慮深いニュアンスを含みます。
私が判断できる立場ではない、私には判断する資格がない
※ 他者を批判したり評価したりすることへの謙虚な態度を示す表現です。「私が他人を裁くような人間ではない」というニュアンスを含み、相手への配慮や尊重を示します。宗教的な文脈や道徳的な議論でよく用いられます。類似表現に "It's not my place to judge" がありますが、"who am I to judge" はより自己反省的な意味合いが強くなります。
誰が知っているだろうか、誰も知らない
※ 未来に対する不確実性や、隠された情報に対する無知を表す、口語的な表現です。しばしば、可能性や希望を込めて使われます。例えば、「Will it rain tomorrow? Who knows?(明日雨が降るかな?さあ、どうだろう?)」のように使われます。類似表現に "Nobody knows" がありますが、"who knows?" はより軽いニュアンスで、会話を弾ませる効果があります。
誰が数えているだろうか、誰も気にしていない
※ 些細なことや重要でないことを指摘する際に用いられる、皮肉めいた表現です。時間、金額、回数など、本来なら数えるべきものをあえて無視する態度を示します。「そんなことはどうでもいい」というニュアンスを含み、くだけた会話でよく使われます。例えば、「How many cookies did you eat? Who's counting?(クッキー何枚食べたの?そんなのどうでもいいでしょ?)」のように使われます。
正気の人なら誰が~するか、常識のある人なら誰が~するか
※ ある行為が非常に愚かである、または非常識であることを強調する修辞的な表現です。反語的な意味合いが強く、強い否定や非難の感情を表します。例えば、「Who in their right mind would jump off a cliff?(正気の人なら誰が崖から飛び降りるだろうか?)」のように使われます。しばしば、驚きや憤りの感情を伴います。
誰だ、そこで立ち止まれ
※ 主に警戒を要する状況で使用される、挑戦的な問いかけです。見慣れない人物や存在に対して身元を明かすように求めます。軍事的な文脈や、夜間の警備などで用いられることが多いです。現代では、比喩的に、未知の領域や新しいアイデアに直面した際に、警戒心を表すために使われることもあります。
使用シーン
学術論文や研究発表で頻繁に使用される。特に先行研究や引用文献を示す際に、「先行研究者は誰か」「その研究者はどのような貢献をしたか」を明確にする必要があるため。例:「Smith (2023) は、〜という仮説を提唱した。」
ビジネスシーンでは、会議の議事録やプロジェクトの担当者を明確にする際に使用される。また、顧客や関係者を特定する場面でも用いられる。例:「営業部の田中さんが、今回の契約を担当しました。」
日常会話で頻繁に使用される。相手が誰であるか、誰が何をしたかを尋ねる基本的な表現として不可欠。例:「昨日、あのカフェで誰か見かけた?」
関連語
類義語
『who』の目的格。文法的に正しい英語が求められる場面(フォーマルな文章、学術論文、ビジネス文書など)で使用される。 【ニュアンスの違い】現代英語では口語やインフォーマルな文章では『who』で代用されることが多い。しかし、フォーマルな場面では『whom』を使う方が適切。 【混同しやすい点】前置詞の直後では必ず『whom』を使う必要がある(例:to whom it may concern)。また、関係代名詞として使う場合、主語と動詞の関係を意識する必要がある。
関係代名詞として、人にも物にも使える汎用性の高い語。日常会話で頻繁に使われる。 【ニュアンスの違い】フォーマルな場面では『who』や『which』の方が好まれる。『that』は制限用法(先行詞を特定する情報)で使われることが多い。 【混同しやすい点】非制限用法(先行詞に追加情報を提供する)では『that』は使えない(例:My brother, who lives in Tokyo, is a doctor.)。また、前置詞との組み合わせも不可(例:the house in that I live は不可)。
先行詞が人の場合に『who』を使うが、例外として、集団・組織・会社など、人を集合体として捉える場合には『which』を使うことがある。 【ニュアンスの違い】個人を指す場合は通常『who』を使う。組織を擬人化して捉える場合に限り『which』が許容される。 【混同しやすい点】個人を指す場合に『which』を使うのは不適切。『which』は主に物や事柄を指す関係代名詞として使用される。
『〜する人々』という意味で、不特定多数の人々を指す場合に用いられる。フォーマルな場面や一般的な状況を説明する際に適している。 【ニュアンスの違い】より直接的に個人を指すのではなく、ある特性や条件に当てはまる人々全体を指すニュアンスがある。 【混同しやすい点】特定の個人を指す場合には不適切。例えば、「彼を知っている人々」を指す場合は、『those who know him』ではなく『the people who know him』の方が自然。
- the person who
特定の人物を指し示す際に使用される。より具体的で直接的な表現。 【ニュアンスの違い】『who』単体よりも、特定性や強調のニュアンスが強くなる。犯人や責任者など、特定すべき人物を指す場合に適している。 【混同しやすい点】不特定多数の人々を指す場合には不適切。また、文脈によってはやや硬い印象を与えるため、日常会話では『the person that』や『the guy who』などが使われることもある。
- anyone who
『〜する人は誰でも』という意味で、条件を満たす全ての人を包括的に指す場合に用いられる。許可や招待など、普遍的な状況を表す際に適している。 【ニュアンスの違い】特定の個人ではなく、条件を満たす可能性のある全ての人を対象とするニュアンスがある。 【混同しやすい点】特定の個人を指す場合には不適切。例えば、「このイベントに参加したい人は誰でも歓迎です」という場合に適している。
派生語
『誰の』という意味の所有代名詞・所有形容詞。『who』が所有を表す形に変化したもの。日常会話からフォーマルな文章まで幅広く使用され、所有者を尋ねる際に不可欠。関係代名詞としても用いられる。
『誰を』『誰に』という意味の目的格。文法的には『who』の目的格にあたるが、現代英語では使用頻度が低下傾向。ただし、フォーマルな場面や書き言葉では依然として使用される。関係代名詞としても用いられる。
『誰でも』という意味の複合関係代名詞。『who』に『ever』が付加され、範囲の広がりを示唆する。日常会話よりも、ややフォーマルな文脈や、条件・譲歩を表す文で使われることが多い。
語源
"who」は、古英語の「hwā」に由来し、さらに遡るとゲルマン祖語の「*hwaz」にたどり着きます。これは、疑問詞の語幹であり、「誰」や「何」といった意味を表していました。印欧祖語の「*kʷis/kʷos」という、同じく疑問詞の語幹が源流にあり、これはラテン語の「quis」(誰)、ギリシャ語の「tis」(誰)など、多くの言語に痕跡を残しています。つまり、「who」は、言語の非常に古い時代から存在し、人々が何かを尋ねる際に使ってきた基本的な言葉なのです。日本語の「誰(だれ)」も、同じように、人が存在し始めた頃から使われてきた根源的な言葉であることを考えると、「who」の歴史の深さを感じられます。
暗記法
「who」は単なる疑問詞ではない。それはアイデンティティを問う根源的な問い。中世では身分を、現代では自己を定義する。シェイクスピア劇では登場人物の本質を暴き、SNS時代には責任の所在を揺るがす。移民問題では人間としての尊厳を問いかける。「who」は時代と共に意味を変えながら、常に人間社会の根源的な問いを象徴する。
混同しやすい単語
『who's』は『who is』または『who has』の短縮形であり、発音が全く同じため、特にリスニング時に混同しやすい。アポストロフィの有無が重要で、意味と文法構造が大きく異なる。『who's』は主語と動詞の組み合わせ、または所有を表す。
『whose』は『誰の』という意味の所有代名詞。発音が同じであるため、特に会話では混同しやすい。文法的な役割が異なり、『who』は主語や目的語になるのに対し、『whose』は名詞を修飾する形容詞的な役割を果たす。
『who』と『how』は、どちらも疑問詞であり、文頭で使われることが多い。また、発音も母音部分が似ているため、特に会話のスピードが速い場合には聞き間違えやすい。『who』は人について尋ねるのに対し、『how』は方法、状態、程度などを尋ねる。
『hue』は『色合い』や『色相』という意味で、発音が /hjuː/ と似ているため、特に発音練習中に混同しやすい。綴りも似ており、文字数が少ないため、視覚的にも誤認しやすい。意味は全く異なるため、文脈で判断する必要がある。
『whore』は非常にネガティブな意味を持つ単語であり、『売春婦』を意味する。発音が似ているため、特に発音に自信がない場合や、早口で話す場合に聞き間違えやすい。意味が全く異なるため、使用する際には十分注意が必要。
『woo』は『口説く』や『求愛する』という意味の動詞で、発音が似ているため、特にリスニング時に混同しやすい。綴りも似ており、文字数が少ないため、視覚的にも誤認しやすい。意味は全く異なるため、文脈で判断する必要がある。
誤用例
この誤用は、日本語の「〜は、…だ」という構造を直訳しようとする際に起こりがちです。英語では、関係代名詞(who)が導く節の中で主語が完結していれば、その後に改めて代名詞(he)を置く必要はありません。関係代名詞は、先行詞(この場合はThe person)を修飾する役割を果たしており、文全体の主語は 'The person' です。日本語の思考回路から抜け出し、英語の文構造を意識することが重要です。
この誤用は、現代英語では 'whom' の使用頻度が低下していることが原因です。しかし、文法的には 'think about' の目的語が人である場合、'whom' がより適切です。特にフォーマルな場面や書き言葉では、'whom' を使うことが望ましいでしょう。日本語では目的語を明確にしないことが多いですが、英語では文法的に正確な表現が求められる場合があります。'Who' は主格、'whom' は目的格という基本を理解し、場面に応じて使い分けることが大切です。特に、30代以上の学習者は学校教育で厳格な文法を学んでいるため、この区別を再確認することで、より洗練された英語表現が可能になります。
この文は文法的には正しいですが、状況によっては不適切です。誰が責任者かを知りたい状況で、ストレートに 'who is responsible?' と尋ねることは、相手に威圧感を与えたり、非難しているように聞こえたりする可能性があります。特に、欧米のビジネスシーンでは、直接的な表現は時に攻撃的と捉えられます。より丁寧な表現としては、'Could you tell me who is in charge of this?' や 'I'd like to clarify who the point of contact is for this matter.' などが考えられます。文化的背景を理解し、相手に配慮した表現を選ぶことが、円滑なコミュニケーションに繋がります。日本的な奥ゆかしさを英語で表現することも意識しましょう。
文化的背景
「who」は、単に「誰」を意味する疑問詞や関係代名詞としてだけでなく、英語圏の社会において、アイデンティティ、地位、責任の所在を問う根源的な問いかけを象徴します。この言葉は、個人を特定するだけでなく、その人の社会的役割や人間関係、そして時には倫理的な立場を明らかにする力を持つため、文化的な背景を理解することは、そのニュアンスを深く理解するために不可欠です。
「who」の文化的意義を考える上で、中世ヨーロッパの封建制度は重要な背景となります。当時の社会では、人々のアイデンティティは、家系、領主との関係、職業などによって厳格に定められていました。「Who are you?(お前は何者だ?)」という問いは、単なる名前や身分を尋ねるだけでなく、社会的な秩序における自分の位置を自覚させるものでした。シェイクスピアの戯曲には、この問いを通して登場人物の葛藤や運命が描かれる場面が数多く見られます。例えば、『リア王』において、王女ゴネリルとリーガンは、父であるリア王に対して忠誠を誓う言葉を競いますが、その言葉は空虚で、彼女たちの真の姿を隠蔽するものでした。リア王は、娘たちの言葉に隠された本質を見抜けず、悲劇へと突き進んでいきます。この場面は、「who」という問いが、表面的な言葉だけでなく、その背後にある真実を見抜くことの重要性を示唆しています。
現代社会においても、「who」は、アイデンティティを巡る議論において重要な役割を果たしています。グローバル化が進み、多様な価値観が共存する現代において、「who」は、個人が自分自身をどのように定義し、社会の中でどのように位置づけるかという問いにつながります。例えば、移民や難民の問題において、「who」は、国籍、文化、言語といった要素を超えて、人間としての尊厳や権利を問うものです。また、SNSの普及により、人々はオンライン上で様々なアイデンティティを演じることができるようになりました。しかし、その一方で、匿名性や虚偽の情報が蔓延し、「who」が曖昧になることで、責任の所在が不明確になるという問題も生じています。
このように、「who」は、時代や社会の変化とともに、その意味合いを変化させてきました。しかし、一貫して、アイデンティティ、責任、そして人間関係という、人間社会における根源的な問いを象徴する言葉として存在し続けています。文学作品や社会問題を通して、「who」という言葉の文化的背景を理解することは、英語学習者にとって、単なる語彙知識を超えた、より深い理解へとつながるでしょう。
試験傾向
- 出題形式: 主に長文読解、稀に語彙問題、リスニング(会話の一部)
- 頻度と級・パート: 準1級以上で頻出。特に2級以上の長文読解でよく見られる。リスニングは級を問わず出現。
- 文脈・例題の特徴: フォーマルな文章(評論文、物語など)。会話文では口語的な表現も。
- 学習者への注意点・アドバイス: 関係代名詞としての用法が重要。先行詞が人であることを確認。whoever(〜する人は誰でも)などの複合関係代名詞も押さえておく。
- 出題形式: Part 5(短文穴埋め)、Part 6(長文穴埋め)、Part 7(長文読解)
- 頻度と級・パート: Part 5, 6で比較的頻出。Part 7でも読解の理解に必要。
- 文脈・例題の特徴: ビジネス関連の文書(メール、報告書、記事など)。
- 学習者への注意点・アドバイス: 関係代名詞としての用法が中心。主格、目的格の違いを理解(目的格の場合はwhomもある)。所有格whoseも重要。文構造を正確に把握することが大切。
- 出題形式: リーディング、リスニング(講義、会話)
- 頻度と級・パート: リーディング、リスニングともに頻出。アカデミックな内容なので、出現頻度は高い。
- 文脈・例題の特徴: アカデミックな文章(科学、歴史、社会学など)。講義やディスカッション。
- 学習者への注意点・アドバイス: 関係代名詞としてだけでなく、疑問詞としての用法も重要。複雑な文構造の中で、whoがどの節を導いているかを正確に把握する必要がある。定義や説明の中で頻繁に現れる。
- 出題形式: 長文読解、文法問題(関係詞)
- 頻度と級・パート: 難関大学ほど頻出。共通テストでも読解の要素として重要。
- 文脈・例題の特徴: 評論文、物語、科学的な文章など、幅広い分野。
- 学習者への注意点・アドバイス: 関係代名詞としての用法が中心。特に、関係代名詞の省略や、関係副詞との区別が重要。文脈の中で正確に意味を把握する練習が必要。難関大学では、関係代名詞を用いた複雑な構文が出題される傾向がある。