synthetic fiber
合成繊維
石油や石炭などを原料に化学的に合成された繊維の総称。天然繊維(綿、麻、絹、羊毛など)に対する言葉。ポリエステル、ナイロン、アクリルなどが代表例。
I prefer a jacket made of synthetic fiber because it dries quickly after the rain.
雨上がりにすぐ乾くから、合成繊維のジャケットが好きです。
※ 【情景】雨の日に濡れても、すぐに乾くジャケットを選びたいという、機能性を重視する場面です。 「synthetic fiber」は、水に強く、乾きやすい衣類によく使われる素材です。このように、具体的な製品の素材として使われることが多いです。「made of ~」で「~でできている」と表現します。
This sportswear uses a special synthetic fiber to keep you cool and dry.
このスポーツウェアは、体を涼しくドライに保つ特殊な合成繊維を使っています。
※ 【情景】スポーツ用品店で、店員が機能性の高いウェアについて説明している場面を想像してみましょう。 「synthetic fiber」は、汗を素早く吸収・発散させる機能性素材として、スポーツウェアに広く使われます。「keep you cool and dry」は「あなたを涼しく乾燥した状態に保つ」という意味で、よく使われる表現です。
Many affordable rugs today are made from synthetic fiber for easy cleaning.
今日の多くの手頃な価格のラグは、手入れがしやすいように合成繊維で作られています。
※ 【情景】家庭用品店で、手頃な価格で手入れのしやすいラグを探している人が、その素材について考えている場面です。 「synthetic fiber」は、カーペットやラグなど、丈夫で手入れがしやすい日用品にもよく使われます。「for easy cleaning」は「簡単に掃除できるように」という意味で、目的を表すのに便利です。
合成の
天然素材ではなく、人工的に作られたことを示す形容詞。例えば、「合成皮革」のように使われる。
She bought a new jacket made of a synthetic fiber because it was cheaper.
彼女は、安かったので新しいジャケットを合成繊維製のものにしました。
※ お店で服を選ぶ時、素材は大事なポイントですよね。これは、お財布に優しい合成繊維のジャケットを選んだ場面です。『made of ~』は「~でできている」という素材を表す定番表現です。
His running shirt was made of a special synthetic fiber that dried very quickly.
彼のランニングシャツは、とても早く乾く特殊な合成繊維でできていました。
※ スポーツウェアは機能性が大切ですよね。この例文では、汗をかいてもすぐに乾くという合成繊維の優れた機能が伝わります。『that dried very quickly』は、直前の『synthetic fiber』がどんなものかを説明しています。
Unlike cotton, this synthetic fiber does not wrinkle easily, which is good for travel.
綿とは違って、この合成繊維はしわになりにくいので、旅行に便利です。
※ 旅行に持っていく服は、しわになりにくいと便利ですよね。この例文は、綿(cotton)と比べて合成繊維が持つ利点を説明しています。『Unlike ~』は「~とは違って」と、何かを比較する時に使う便利な表現です。
コロケーション
合成繊維混紡、合成繊維を混ぜたもの
※ 異なる素材を混ぜて、それぞれの長所を活かす一般的な手法です。特に衣料品でよく見られ、例えば、天然繊維の肌触りの良さと合成繊維の耐久性や速乾性を組み合わせる目的で使用されます。ラベル表示で 'cotton/polyester blend' (綿/ポリエステル混紡) のように記載されます。'blend'は名詞としても動詞としても使えますが、名詞の方がより一般的です。
合成繊維含有量
※ 製品に合成繊維がどれだけ含まれているかを示す表現です。衣料品や寝具などのラベルに表示されることが多く、消費者が素材の特性を理解する上で重要です。たとえば、「100% synthetic fiber content」であれば、完全に合成繊維でできていることを意味します。割合を示す際に使われることが多く、品質表示の文脈で頻繁に登場します。
耐久性のある合成繊維
※ 合成繊維の長所である耐久性を強調する表現です。特にアウトドア用品や作業着など、丈夫さが求められる製品でよく使われます。類似表現として'long-lasting synthetic fiber'もありますが、'durable'の方がより一般的で、物理的な強度が高いニュアンスを含みます。ビジネスシーンや技術的な文脈でよく見られます。
汎用性の高い合成繊維
※ 様々な用途に使える合成繊維を指す表現です。衣料品だけでなく、工業製品や医療分野など、幅広い分野で利用されていることを示唆します。 'versatile' は、柔軟性があり、様々な状況に適応できるという意味合いを持ちます。マーケティング資料や製品紹介でよく用いられます。
合成繊維の生産
※ 合成繊維が製造される過程や産業全体を指す表現です。経済ニュースや産業レポートなどで頻繁に使用され、生産量や技術革新に関する議論で登場します。関連語として'synthetic fiber industry'(合成繊維産業)があります。ビジネスや経済の文脈でよく使われます。
合成繊維のリサイクル
※ 使用済みの合成繊維製品を再利用する取り組みを指す表現です。環境問題への関心の高まりとともに、近年注目されています。'recycling'は名詞として使われ、持続可能性や環境保護の文脈でよく登場します。企業のCSR活動や環境に関するニュースで頻繁に見られます。
革新的な合成繊維
※ 最新技術を駆使して開発された、従来にない機能や特性を持つ合成繊維を指す表現です。研究開発の分野や、新素材の発表などで用いられます。'innovative'は形容詞で、技術的な進歩や新しいアイデアを強調する際に使われます。科学技術系の記事や特許関連の文書でよく見られます。
使用シーン
化学、高分子科学、材料工学などの分野の研究論文や講義で頻繁に使用されます。合成繊維の種類、特性、製造プロセス、応用例などを議論する際に不可欠な用語です。例:『本研究では、新しい合成繊維の強度と耐熱性を評価した。』
繊維メーカー、アパレル企業、スポーツ用品メーカーなどのビジネスシーンで、製品開発、品質管理、マーケティングなどの文脈で使用されます。例:『当社の新製品には、環境に配慮したリサイクル合成繊維を使用しています。』
衣服の素材表示や洗濯表示、またはスポーツウェアやアウトドア用品の説明などで見かけることがあります。日常会話で頻繁に使用されるわけではありませんが、素材の特性を理解する上で役立つ知識です。例:『このジャケットは合成繊維でできているから、洗濯してもシワになりにくいよ。』
関連語
類義語
- artificial fiber
人工的に作られた繊維全般を指す、より一般的な用語。学術的な文脈や技術的な説明でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】"synthetic fiber"とほぼ同義だが、"artificial"は天然素材を模倣して作られたというニュアンスを含む場合がある。また、"artificial"はより広範な意味を持ち、繊維以外の人工物にも使用される。 【混同しやすい点】"artificial"は「人工的な」という意味合いが強く、必ずしも化学合成されたものだけを指すわけではない。例えば、レーヨンは天然のセルロースを原料とするため、"artificial fiber"と呼ばれるが、厳密には"synthetic fiber"ではない。
- man-made fiber
人間が作った繊維という意味で、より平易な表現。日常会話や消費者向けの製品説明でよく使われる。 【ニュアンスの違い】"synthetic fiber"よりも口語的で、技術的な詳細を避けたい場合に適している。天然繊維と区別する目的で使われることが多い。 【混同しやすい点】"man-made fiber"は天然素材を加工して作られた繊維(例:レーヨン)も含むため、"synthetic fiber"よりも広い概念である。化学合成されたものだけを指すわけではない点に注意。
- polymer fiber
高分子化合物(ポリマー)を原料とする繊維。化学や材料科学の分野で用いられる専門用語。 【ニュアンスの違い】"synthetic fiber"が製造方法や起源に焦点を当てるのに対し、"polymer fiber"は繊維の化学構造に焦点を当てる。より専門的な文脈で使用される。 【混同しやすい点】"polymer fiber"は、天然ポリマーを原料とする繊維(例:絹、羊毛)も含む場合がある。ただし、一般的には合成ポリマーから作られた繊維を指すことが多い。
織物、編物など、繊維製品全般を指す包括的な用語。衣服、インテリア、産業資材など、幅広い分野で使用される。 【ニュアンスの違い】"synthetic fiber"は繊維の種類を指すのに対し、"textile"は繊維製品の形態を指す。"textile"は天然繊維、合成繊維の両方を含む。 【混同しやすい点】"textile"は製品(織物)を指し、"synthetic fiber"は材料(合成繊維)を指すという違いを理解する必要がある。例えば、「この服は合成繊維のテキスタイルでできている」のように組み合わせて使うこともできる。
- acrylic fiber
アクリル樹脂を原料とする合成繊維の一種。特定の種類の合成繊維を指す。 【ニュアンスの違い】"synthetic fiber"は総称であり、"acrylic fiber"はその一種である。アクリル繊維特有の性質(例:保温性、染色性)を強調したい場合に用いられる。 【混同しやすい点】"synthetic fiber"はアクリル繊維だけでなく、ポリエステル繊維、ナイロン繊維なども含む。"acrylic fiber"は特定の種類の合成繊維を指す点に注意。
- rayon
天然のセルロースを原料とする再生繊維。広義には人工繊維の一種。 【ニュアンスの違い】"synthetic fiber"が化学合成された高分子を原料とするのに対し、"rayon"は天然素材を化学的に処理して作られる。製法に違いがある。 【混同しやすい点】"rayon"は天然素材由来であるため、厳密には"synthetic fiber"とは異なる。"man-made fiber"(人工繊維)には含まれる。
派生語
『合成する』という意味の動詞。『syn-(共に)』+『thesis(置く)』が語源で、複数の要素を組み合わせて新たなものを生み出す行為を表す。化学、音楽、思想など幅広い分野で使用される。学術論文や技術文書で頻出。
『合成の』『人工的な』という意味の形容詞。『synthesize』から派生し、自然由来ではなく人工的に作られたものを指す。科学技術分野だけでなく、比喩的に『作り上げられた』という意味でも用いられる。ニュースや解説記事にも登場する。
『光合成』という意味の名詞。『photo-(光)』+『synthesis(合成)』で、光エネルギーを利用して有機物を合成するプロセスを表す。生物学の基礎用語であり、学術論文や教科書で頻繁に使用される。
反意語
- natural fiber
『天然繊維』。植物や動物から採取される繊維を指し、『synthetic fiber(合成繊維)』と明確な対比をなす。綿、麻、羊毛、絹などが該当し、素材の起源と製造方法において対照的な概念である。日常的な文脈や製品説明で頻繁に使用される。
- organic fiber
『有機繊維』。天然繊維の一種であり、化学肥料や農薬を使用せずに栽培された植物や飼育された動物から得られる繊維を指す。『synthetic fiber(合成繊維)』が化学的に合成されるのに対し、有機的なプロセスを経て生産される点で対立する。環境問題や健康志向の文脈で重要視される。
語源
「synthetic fiber」は、「synthetic(合成の)」と「fiber(繊維)」という2つの要素から成り立っています。「synthetic」は、ギリシャ語の「synthetikos(合成された)」に由来し、「syn-(共に)」と「tithenai(置く、作る)」という語根が組み合わさってできています。つまり、「共に置く」または「一緒に作る」という意味合いを持ちます。これは、複数の要素を組み合わせて新しいものを生み出すという合成のプロセスを反映しています。日本語の「総合」という言葉も、「synthesize」に通じる概念を表しており、複数の要素を一つにまとめるイメージです。「fiber」は、ラテン語の「fibra(繊維)」に由来し、文字通り糸状の物質を指します。したがって、「synthetic fiber」は、人間が化学的に合成した繊維、つまり天然繊維ではない人工的な繊維を意味します。
暗記法
合成繊維は、天然素材の制約を越え、大量生産とファッションの民主化を牽引しました。ナイロンのストッキングは、その象徴です。しかし、安価な大量生産は使い捨て文化を助長し、環境問題を引き起こしました。マイクロプラスチック問題はその一例です。今や合成繊維は、消費行動や地球環境との関わり方を問い直す存在。技術革新の光と影、持続可能な未来への責任を考えるきっかけとなります。
混同しやすい単語
『sympathetic』とスペルが似ており、特に接頭辞 'syn-' と 'sym-' の違いを見落としやすい。意味は『同情的な』で、形容詞である点は共通だが意味は全く異なる。語源的には、'syn-' は『共に』、'sym-' も『共に』を意味するが、使われる文脈が異なるため注意が必要。
語尾の '-thetic' の部分が共通しているため、スペルミスしやすい。意味は『哀れな』、『痛ましい』で、形容詞である。発音も似ているため、文脈で判断する必要がある。語源的には、'pathetic' は感情を喚起する意味合いが強い。
『fever』と発音が似ており、特にアメリカ英語では 'fiber' の 'r' の音が強いため、聞き間違えやすい。意味は『熱』で、名詞である。綴りも似ているため、注意が必要。'fiber' は身体の構成要素や植物の繊維を指す。
『fiber』と意味的な関連性があり、どちらも『織物』や『繊維』に関連する単語として記憶されやすい。しかし、'fabric' は『生地』や『織物』そのものを指すのに対し、'fiber' は『繊維』という素材を指す。発音も異なるため、区別が必要。
『fiber』のイギリス英語でのスペル。アメリカ英語とイギリス英語の違いを意識していないと、スペルミスにつながりやすい。意味はアメリカ英語の 'fiber' と同じで『繊維』。どちらのスペルも正しいが、一貫してどちらかを使うことが重要。
『synthetic』と語尾の '-tic' が共通しており、形容詞である点も共通しているため、スペルを混同しやすい。意味は『素晴らしい』、『空想的な』で全く異なる。発音も似ているため、文脈で判断する必要がある。
誤用例
多くの日本人学習者は「synthetic fiber」を「人工的な繊維」と捉え、「artificial」という単語を使いがちです。しかし、「artificial」は「不自然」「見せかけ」といったネガティブなニュアンスを含むことが多く、服の素材を説明する文脈には不適切です。ここでは、合成繊維の利点である「実用的(practical)」であることを強調する方が自然です。日本語の「人工」という言葉が必ずしもネガティブな意味を持たないため、このような誤用が生じやすいと考えられます。
英語の比較表現において、「prefer A than B」は誤りで、「prefer A to B」が正しい形です。これは、ラテン語起源の「prefer」が、比較対象を導入する際に「to」を用いるという文法的なルールに基づいています。また、「eco」は口語的な短縮形であり、フォーマルな文脈では「eco-friendly」を使用する方が適切です。日本人が「〜より」を直訳的に「than」と結びつけてしまう傾向が、この誤用の原因と考えられます。
「research」は他動詞であり、目的語を直接伴います。そのため、「research about」のように前置詞を挟む必要はありません。これは、日本語の「〜について研究する」という表現を直訳しようとする際に起こりやすい誤りです。英語では、動詞が持つ意味によって、後に続く語句との関係が決まるため、個々の動詞の用法を意識する必要があります。
文化的背景
合成繊維(synthetic fiber)は、その誕生から現代に至るまで、大量生産と手軽さの象徴として、私たちの生活に深く浸透してきました。それは、天然素材が持つ制約からの解放であり、同時に、環境問題や持続可能性への意識を高めるきっかけともなっています。
20世紀初頭、天然繊維の供給が不安定になる中で、科学者たちは新たな素材を求めて研究を重ねました。ナイロンやポリエステルといった合成繊維の登場は、衣服の大量生産を可能にし、ファッションの民主化を推し進めました。かつては高価だったシルクのストッキングが、ナイロンによって手頃な価格で手に入るようになり、女性たちのファッションに革命をもたらしたことは、その象徴的な例と言えるでしょう。また、第二次世界大戦中には、パラシュートやロープなど、軍事用途にも広く利用され、国家の命運を左右する重要な資源となりました。
しかし、合成繊維の普及は、同時に新たな問題も提起しました。安価で大量に生産される衣服は、使い捨ての文化を助長し、環境負荷を高める原因となっています。マイクロプラスチック問題は、合成繊維の洗濯時に発生する微細な繊維が、海洋生態系に深刻な影響を与えていることを示しています。ファストファッションの隆盛と、その裏にある労働問題や環境汚染は、合成繊維がもたらした負の側面と言えるでしょう。
現代において、合成繊維は単なる素材ではなく、私たちの消費行動やライフスタイル、そして地球環境との関わり方を問い直す存在となっています。リサイクル技術の開発や、持続可能な素材への転換など、合成繊維を取り巻く状況は常に変化しています。それは、技術革新の光と影、そして私たちが未来に向けてどのように責任を果たすべきかを考える上で、重要な示唆を与えてくれるでしょう。
試験傾向
- 出題形式: 長文読解、語彙問題
- 頻度と級・パート: 準1級以上でまれに出題。2級でもテーマによっては可能性あり
- 文脈・例題の特徴: 環境問題、科学技術に関する長文で出題される可能性。例:"The use of synthetic fibers has both advantages and disadvantages for the environment."
- 学習者への注意点・アドバイス: 「synthetic」と「fiber」それぞれの意味を理解し、複合語として意味を捉える。関連語(例:natural fiber, textile, polymer)も合わせて学習。
- 出題形式: 長文読解(Part 7)
- 頻度と級・パート: TOEIC全体で見ると頻度は低い。Part 7で稀に出題される程度。
- 文脈・例題の特徴: 新素材に関する記事、製品の説明文、企業の取り組みに関する文書などで登場する可能性。例:"Our company is committed to using sustainable materials, reducing our reliance on synthetic fibers."
- 学習者への注意点・アドバイス: ビジネスシーンでの使用頻度は高くないが、技術系の話題では登場する可能性がある。文脈から意味を推測できるように練習。
- 出題形式: リーディング
- 頻度と級・パート: アカデミックな文章で出題される可能性あり。頻度は高くない
- 文脈・例題の特徴: 科学、環境学、工学などの分野の読解問題で登場。例:"The properties of synthetic fibers make them suitable for a wide range of applications."
- 学習者への注意点・アドバイス: 学術的な文脈での意味を理解することが重要。専門用語との関連性を意識して学習する。
- 出題形式: 長文読解
- 頻度と級・パート: 難関大学で出題される可能性あり。標準的なレベルの大学では頻度は低い。
- 文脈・例題の特徴: 科学技術、環境問題、社会問題に関する長文で出題される可能性。例:"The development of synthetic fibers has revolutionized the textile industry."
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する能力が重要。同義語(例:artificial fiber)や関連語句(例:textile, polymer)も覚えておく。