penicillin
第3音節に強勢があります。「pen」の/e/は日本語の「エ」よりも少し口を横に開いた音です。「-cillin」の「i」は日本語の「イ」よりも少し短く発音し、最後の「n」は舌先を上の歯の裏につけて発音します。全体的に、各音節をはっきりと発音することを意識すると、より正確に伝わります。
専門的な内容に関するご注意
このページには、健康、金融、法律など、専門的な知識を必要とする内容が含まれている可能性があります。本サイトの情報は学習目的で提供されており、専門家による助言の代わりとなるものではありません。重要な判断を行う際には、必ず資格を持つ専門家にご相談ください。
ペニシリン
特定の種類の細菌によって生成される抗生物質。感染症の治療に広く使用される。医学・薬学の文脈で用いられる。
The doctor gave her some penicillin for her high fever.
医者は彼女に、高熱のためにペニシリンを少し与えました。
※ 熱で辛そうな女の子が、お医者さんから薬をもらってホッとする場面です。「give + 人 + 物」の形は「人に物をあげる」という基本的な表現です。「for her high fever」で「彼女の高熱のために」と理由が明確になります。
A Scottish scientist, Alexander Fleming, discovered penicillin in 1928.
スコットランドの科学者アレクサンダー・フレミングは、1928年にペニシリンを発見しました。
※ 歴史の授業で習うような、偉大な発見の瞬間を想像してください。「discover」は「発見する」という意味で、科学や歴史の話題でよく使われます。年号を添えることで、具体的な事実として記憶に残りやすくなります。
The nurse asked if I had any allergy to penicillin.
看護師は私がペニシリンにアレルギーがあるか尋ねました。
※ 病院でよくある、アレルギーの確認をする場面です。「have an allergy to 〜」は「〜にアレルギーがある」という、体質を伝えるためのとても重要な表現です。自分の体に関わることなので、覚えておくと役立ちます。
救世主
感染症という脅威から人類を救った画期的な薬であるというニュアンスを込めた比喩的な表現。歴史的な文脈で使われる場合に適している。
This new software was a penicillin for my urgent project.
この新しいソフトウェアは、私の緊急プロジェクトにとって救世主でした。
※ 【情景】締め切りが迫り、どうにもならなかったプロジェクト。そんな絶望的な状況で、素晴らしい新しいソフトウェアが見つかり、一気に問題が解決した安堵感が伝わります。この例文では、まるで病気を治す薬のように、困難な状況を劇的に好転させる「救いの手」や「最後の切り札」のような存在を「penicillin」と表現しています。
The new festival became a penicillin for our dying shopping street.
その新しい祭りは、私たちの寂れゆく商店街にとって救世主となりました。
※ 【情景】活気を失い、閉店が相次いでいた寂しい商店街。そこに新しいお祭りが企画され、人々が戻り、再び賑わいを取り戻す希望が見えてきた様子です。ここでは「penicillin」が、全体的な危機や問題を解決し、再生をもたらす大きな影響力を持つものとして使われています。
The new medical discovery was a penicillin for many patients.
その新しい医学的発見は、多くの患者にとって救世主でした。
※ 【情景】治療法がなく、苦しんでいた多くの患者さんたちが、画期的な医学的発見によって、ついに希望を見出す瞬間です。この言葉は、特に絶望的な状況を劇的に好転させる、画期的な解決策や発見を指す際によく使われます。人々の命や健康に関わる文脈で使うと、その「救世主」としての意味がより強く伝わります。
コロケーション
ペニシリンを投与する
※ 医療現場で頻繁に使われる表現で、医師や看護師が患者にペニシリンを注射または経口投与する行為を指します。文法的には「動詞 + 名詞」の組み合わせで、具体的な投与方法(intravenously, orallyなど)が後に続くこともあります。医療行為を正確に伝えるために不可欠な表現です。
ペニシリンアレルギー
※ 患者がペニシリンに対してアレルギー反応を示す状態を指します。医療記録や問診で非常に重要な情報であり、誤って投与すると重篤な副作用を引き起こす可能性があります。「名詞 + 名詞」の組み合わせで、医療従事者と患者間のコミュニケーションにおいて頻繁に使用されます。
ペニシリン耐性
※ 細菌がペニシリンの効果を受けにくくなる現象を指します。抗生物質の過剰使用が原因で生じることが多く、公衆衛生上の大きな問題となっています。「名詞 + 名詞」の組み合わせで、医学論文やニュース記事などで頻繁に登場します。薬剤耐性菌の出現は、感染症治療の難しさを増しています。
ペニシリンの一回分の投与量
※ 患者に投与されるペニシリンの量を指します。具体的な投与量(e.g., 500mg of penicillin)を示す際に用いられ、医療現場で不可欠な表現です。「名詞句 + of + 名詞」の組み合わせで、正確な投与量を伝えることが重要です。
広域スペクトルペニシリン
※ 様々な種類の細菌に対して効果を発揮するペニシリンを指します。特定の細菌だけでなく、幅広い感染症に対応できるため、初期治療でよく用いられます。「形容詞 + 名詞」の組み合わせで、医療専門家が使用する専門用語です。
ペニシリンを注射する
※ ペニシリンを筋肉内または静脈内に注射する行為を指します。具体的な投与方法を示す際に用いられ、医療現場で頻繁に使用されます。「動詞 + 名詞」の組み合わせで、医療行為を正確に伝えるために不可欠な表現です。
ペニシリン誘導体
※ ペニシリンを化学的に修飾して作られた薬剤を指します。元のペニシリンよりも効果や副作用が改善されている場合があります。「名詞 + 名詞」の組み合わせで、医学論文や薬剤に関する情報で用いられます。
使用シーン
医学、生物学、薬学などの分野の研究論文や教科書で頻繁に使用されます。例えば、抗生物質の発見に関する歴史的な研究や、特定の細菌に対するペニシリンの有効性に関する実験結果を記述する際に使われます。また、医学史の講義などで、ペニシリンの発見が医学に与えた影響について議論する際にも登場します。
製薬会社や医療機器メーカーの報告書やプレゼンテーションで、製品に関する情報として使用されることがあります。例えば、新薬の開発状況や、ペニシリンを含む抗生物質の市場動向を説明する際に用いられます。ただし、一般的なビジネスシーンでの会話や文書ではほとんど使用されません。
一般的な会話で「ペニシリン」という言葉を使うことは稀です。ただし、医療関係のニュース記事や健康に関するドキュメンタリーなど、特定の文脈においては耳にすることがあります。例えば、「ペニシリンアレルギー」に関する話題や、抗生物質の耐性菌問題について議論する際に登場する可能性があります。
関連語
類義語
細菌感染症の治療に用いられる薬の総称。医学・薬学の分野で広く使用される。 【ニュアンスの違い】"penicillin"は特定の種類の抗生物質を指すが、"antibiotic"はより広範なカテゴリーを指す。 "Antibiotic"は一般名詞であり、特定の薬剤を指す場合に"penicillin"を用いる。 【混同しやすい点】"Antibiotic"は一般名称であり、具体的な薬の種類を指さない。特定の抗生物質の種類を指す際には、"penicillin", "amoxicillin"などの具体的な名称を用いる必要がある。
- antimicrobial
細菌、ウイルス、真菌など、広範囲な微生物の増殖を抑制する物質を指す。医学、獣医学、食品科学などの分野で使用される。 【ニュアンスの違い】"Antimicrobial"は"antibiotic"よりもさらに広い概念であり、抗生物質を含むあらゆる微生物に対する抑制剤を指す。消毒薬なども含まれる。 【混同しやすい点】"Antimicrobial"は抗生物質だけでなく、消毒薬や防腐剤など、微生物の成長を阻害する全ての物質を指す。"Antibiotic"は細菌に特化した薬剤である。
- amoxicillin
ペニシリン系の抗生物質の一種であり、細菌感染症の治療に使用される。医療現場で頻繁に使用される。 【ニュアンスの違い】"Amoxicillin"は"penicillin"と同様に特定の種類の抗生物質を指すが、"amoxicillin"はペニシリンよりも広範囲の細菌に対して効果がある場合がある。また、経口投与が一般的。 【混同しやすい点】"Amoxicillin"も"penicillin"もペニシリン系の抗生物質だが、効果のある細菌の種類や投与方法が異なる場合がある。医師の指示に従って適切な薬剤を選択する必要がある。
病気の治療や症状の緩和のために使用される薬全般を指す。日常会話から医療現場まで幅広く使用される。 【ニュアンスの違い】"Medication"は非常に一般的な言葉であり、"penicillin"のような特定の薬だけでなく、あらゆる種類の薬を含む。より広い意味合いで使用される。 【混同しやすい点】"Medication"は薬全般を指すため、"penicillin"のような特定の抗生物質を指す場合には、具体的な薬の名前を使用する必要がある。
病気の治療、予防、または診断に使用される物質。医薬品だけでなく、麻薬や違法薬物も含む。 【ニュアンスの違い】"Drug"は"medication"よりも広義であり、医薬品だけでなく、娯楽目的で使用される物質も含む。文脈によってはネガティブな意味合いを持つ場合がある。 【混同しやすい点】"Drug"は医薬品だけでなく、違法薬物も含むため、文脈によっては誤解を招く可能性がある。医薬品を指す場合は、"medication"または具体的な薬の名前を使用する方が適切。
病気や症状を完全に治癒させること。医学的な文脈でよく使用される。 【ニュアンスの違い】"Cure"は名詞としても動詞としても使用でき、病気を治す行為や状態を指す。"Penicillin"は"cure"を達成するための手段の一つ。 【混同しやすい点】"Cure"は病気を治す行為や状態を指し、"penicillin"は病気を治すための薬である。"Penicillin"自体が"cure"ではない。
派生語
- penicillamine
『ペニシラミン』。ペニシリンの加水分解によって得られるアミノ酸の一種。医薬品として、重金属中毒の治療などに用いられる。学術論文や医学書で頻繁に見られる。
- penicillinase
『ペニシリナーゼ』。ペニシリンを分解する酵素。細菌がペニシリン耐性を獲得する際に産生する。医学・生物学分野の学術論文で用いられる。
- penicilliosis
『ペニシリウム症』。ペニシリウム属の真菌による感染症。免疫不全患者などで見られることがある。医学論文や専門的な医療現場で使用される。
語源
「penicillin(ペニシリン)」は、その語源をラテン語の「penicillus(ペニキルス)」に遡ることができます。これは「小さな筆」や「刷毛」を意味する言葉です。語尾の「-in」は、化学物質や薬の名前によく用いられる接尾辞です。アレクサンダー・フレミングがペニシリンを発見した際、ペニシリウム属のカビが培養液中で筆のような形状に見えたことから、この名前が付けられました。つまり、ペニシリンという名前は、その見た目に由来しているのです。この発見が「救世主」とも呼ばれるほど人類に貢献したことは、皮肉にもその謙虚な語源とは対照的です。身近な例で言えば、絵を描く筆から画期的な薬が生まれた、と考えると記憶に残りやすいでしょう。
暗記法
ペニシリンは20世紀の医学を刷新した「奇跡の薬」。感染症との闘いにおける希望の光であり、人類を脅かす病原菌への強力な武器として、医療の進歩を象徴します。かつて死への淵へと誘った病を克服し、戦場では多くの兵士を救いました。しかし、その恩恵の裏で抗生物質耐性菌という新たな脅威も出現。ペニシリンは、科学の恩恵とリスクを同時に示す、複雑な文化的意味を持つ言葉なのです。
混同しやすい単語
『penicillin』とスペルが非常に似ており、発音も最初の数音節が同じであるため、混同しやすい。意味は『鉛筆』であり、全く異なる。日本人学習者は、特にスペルミスに注意する必要がある。語源的には、pencilはラテン語のpenicillus(小さな筆)に由来し、penicillinはpenicilliumというカビに由来する。
最初の『peni-』の部分が同じであるため、発音とスペルの両方で混同しやすい。意味は『後悔している人』や『悔悟の念を示す人』であり、医薬品とは全く異なる。文脈をよく読んで判断する必要がある。
語尾の『-lin』が同じであり、発音も似ているため、混同しやすい。anilineは『アニリン』という染料や化学物質の名前であり、医薬品ではない。化学分野の知識がないと区別が難しいかもしれない。
『-illin』の部分が共通しており、発音も似ているため、混同しやすい。vanillinは『バニリン』というバニラの香りの主成分であり、医薬品ではない。香料に関する文脈で登場することが多い。
発音の強勢の位置が異なるものの、音の響きが似ているため、聞き間違いやすい。スペルも一部が似ている。villainは『悪役』という意味で、文脈が全く異なる。英語の音声変化に注意し、強勢の位置を意識することが重要。
語尾の『-ilion』が共通しており、発音も似ているため、混同しやすい。pavilionは『パビリオン』という展示館や仮設建築物を指す言葉であり、医薬品ではない。建築やイベントに関する文脈で登場することが多い。
誤用例
日本語では『〜に(薬を)処方する』という言い方をするため、つい 'prescribe me' となりがちですが、英語では 'prescribe' の後に直接目的語(処方する薬)が来ます。 'prescribe (薬) to (人)' という形も可能ですが、この場合は 'The doctor prescribed penicillin to me for my slight cold.' となります。 日本語の『〜に』に引きずられる典型的な誤りです。また、軽い風邪にペニシリンを処方するのは、現代の医療現場では過剰な処置であり、文脈として不自然です。ペニシリンは細菌感染症に効果がありますが、風邪の多くはウイルス性です。
『penicillin allergy』のように、アレルギーの種類を指す場合は、不可算名詞ではなく可算名詞として扱い、冠詞 'a' をつけるのが一般的です。これは、アレルギー反応が単一の現象として認識されるためです。日本語では『ペニシリンアレルギー(という状態)』のように抽象的に捉えがちですが、英語では具体的な症状や反応を意識するため、可算名詞として扱います。また、ケーキにペニシリンが含まれているという状況は稀であり、通常は薬の服用や注射に関連してアレルギー反応を心配します。文脈を考慮すると、他の食品アレルギー(例:ナッツアレルギー)との混同が考えられます。
『strong』は物理的な強さや味の濃さなどを表す言葉であり、薬の効果の強さを表す場合は 'potent' や 'powerful' がより適切です。また、'carefully' は注意深く、丁寧にという意味合いですが、抗生物質の使用においては、漫然と使用せず、必要な場合にのみ、適切な量を、医師の指示に従って使用するという意味合いを込めて 'judiciously' (賢明に、分別を持って) を使う方が、より正確でフォーマルな表現となります。 抗生物質の濫用は薬剤耐性菌の出現を招くため、'judiciously' を使うことで、その文化的背景にある問題意識を反映できます。日本語の『強い薬』という表現を直訳すると 'strong medicine' となりがちですが、英語では文脈に応じた適切な語を選ぶ必要があります。
文化的背景
ペニシリンは、20世紀の医学に革命をもたらした「奇跡の薬」であり、感染症との闘いにおける希望と勝利の象徴です。その発見は、人類を脅かしてきた病原菌に対する強力な武器となり、医療の進歩を象徴する存在として、文化的な意味合いを持つようになりました。
ペニシリンの登場以前、細菌感染症はしばしば死に直結する深刻な脅威でした。肺炎、敗血症、猩紅熱といった病気は、多くの人々の命を奪い、社会全体に大きな不安をもたらしていました。ペニシリンの発見と普及は、これらの病気に対する効果的な治療法を提供し、人々の健康と寿命を劇的に改善しました。そのため、ペニシリンは単なる薬以上の意味を持ち、人々の希望と安心感の源泉となったのです。
ペニシリンは、第二次世界大戦中に傷病兵の治療に広く使用され、多くの兵士の命を救いました。戦場でのその効果は、ペニシリンの「奇跡の薬」としての評判を確立し、その後の医療における抗生物質の重要性を示しました。戦後、ペニシリンは一般の人々にも利用可能になり、感染症による死亡率は劇的に低下しました。ペニシリンの成功は、医学研究への投資を促進し、新たな抗生物質の開発を加速させました。しかし同時に、抗生物質の乱用による耐性菌の出現という新たな問題も生み出しました。
ペニシリンは、医学の進歩の象徴であると同時に、科学技術の進歩がもたらす両刃の剣を象徴する存在でもあります。その恩恵は計り知れませんが、同時に、抗生物質耐性菌の出現という深刻な問題を引き起こしました。現代社会において、ペニシリンは、科学技術の恩恵を享受しつつ、そのリスクを管理することの重要性を私たちに教えてくれる、複雑な文化的意味合いを持つ言葉なのです。
試験傾向
1. 出題形式: 主に語彙問題、長文読解。
2. 頻度と級・パート: 準1級以上でまれに出題。1級でも稀に出題。
3. 文脈・例題の特徴: 医学・科学系の長文読解で出現しやすい。医療技術の進歩や歴史に関する文脈が多い。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 専門用語なので、語源(penicillium属のカビ)を知っておくと覚えやすい。関連語としてantibiotics(抗生物質)も覚えておくと役立つ。
1. 出題形式: 長文読解(Part 7)で稀に出題。
2. 頻度と級・パート: TOEIC全体で見て、出題頻度はかなり低い。
3. 文脈・例題の特徴: 製薬会社や医療関連の記事、または従業員の健康に関する記事で登場する可能性がごく稀にある。
4. 学習者への注意点・アドバイス: TOEIC対策としては優先順位は低い。他の頻出単語を優先的に学習すべき。
1. 出題形式: 主にリーディングセクションのアカデミックな長文。
2. 頻度と級・パート: 出題頻度は中程度。生物学、医学、歴史などのテーマで登場。
3. 文脈・例題の特徴: ペニシリンの発見史、医学における貢献、耐性菌の問題など、学術的な文脈で扱われる。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 語源、スペル、発音を正確に覚える。関連語句(antibiotics, bacteria, resistance)も一緒に学習すると理解が深まる。
1. 出題形式: 主に長文読解。
2. 頻度と級・パート: 難関大学の医学部や理系の学部で出題される可能性あり。
3. 文脈・例題の特徴: 科学史、医療、生物学などのテーマで登場。ペニシリンの発見や抗生物質に関する議論など。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する練習が重要。同義語や関連語(antibiotics, mold, Fleming)も覚えておくと役立つ。