cannon
大砲
主に陸上や艦船に設置され、遠距離の目標を砲弾で攻撃するための大型火器。歴史的な文脈や軍事的な話題でよく用いられる。
The soldiers fired the old cannon at the enemy fort.
兵士たちは敵の砦に向けて古い大砲を発射しました。
※ 昔の戦場で、兵士たちが敵の砦に向かって大砲を撃つ、緊迫した場面です。大砲が戦争で使われる大きな武器というイメージがわきますね。「fire a cannon」で「大砲を撃つ、発射する」という動詞の使い方を覚えましょう。
We saw a huge cannon in the history museum.
私たちは歴史博物館で巨大な大砲を見ました。
※ 博物館で昔の大砲を見学している場面です。とても大きくて迫力がある様子が伝わりますね。大砲は歴史的な展示物としてよく見かけます。「in the museum」で「博物館で」という場所を表す表現も確認しましょう。
People cheered when the cannon fired to start the festival.
お祭りを始めるために大砲が撃たれると、人々は歓声を上げました。
※ お祭りが始まる合図として、大砲が撃たれて人々が喜んでいる賑やかな場面です。祝砲としての大砲の音は、お祝いの雰囲気を盛り上げますね。「to start the festival」のように「~するために」という目的を表す「to不定詞」の使い方も自然に学べます。
砲撃する
大砲を使って目標を攻撃する行為。比喩的に、激しい批判や質問を浴びせる意味でも使われる。
The old warship cannoned the enemy port, shaking the ground.
古い軍艦は敵の港を砲撃し、地面を揺らした。
※ この例文は、巨大な軍艦が大砲を放ち、その衝撃で港全体が揺れる、歴史的な戦いの場面を想像させます。轟音と振動が伝わってくるような、迫力ある描写が特徴です。 「cannon」は動詞として「大砲で攻撃する」という意味で使われます。ここでは過去形「cannoned」になっています。「shaking the ground」は、砲撃の威力や衝撃の大きさを強調する表現です。
During the training, the soldiers carefully cannoned the distant targets.
訓練中、兵士たちは遠くの標的を慎重に砲撃した。
※ 広い訓練場で、集中した兵士たちが遠くに見える標的に向かって、正確に大砲を撃つ様子が目に浮かびます。訓練なので、より計画的で冷静な行動が伝わるシーンです。 「During the training」は「~の間に」という意味で、ある期間中の出来事を表します。「carefully」は「慎重に」という副詞で、兵士たちの真剣な姿勢を示しています。
To protect their city, the defenders had to cannon the invading army.
自分たちの都市を守るため、防衛隊は侵攻してくる軍隊を砲撃しなければならなかった。
※ 敵が迫りくる中、都市を守るために必死に抵抗する防衛隊が、大砲を撃ちまくって敵軍を食い止めようとする緊迫した場面です。市民を守るという強い使命感が伝わってきます。 「To protect their city」は「~するために」という目的を表す不定詞です。「had to ~」は「~しなければならなかった」という過去の義務を示し、切迫した状況を表しています。「invading army」は「侵攻してくる軍隊」という意味です。
コロケーション
大砲の砲撃、砲火
※ 文字通り大砲が発射されることを指します。歴史的な文脈や戦争映画などでよく用いられますが、比喩的に『激しい批判や攻撃』を表すこともあります。例えば、『The company faced cannon fire from investors after the scandal.(その会社はスキャンダルの後、投資家からの激しい批判にさらされた)』のように使われます。名詞+名詞の組み合わせで、非常に直接的で強いイメージを与えます。
砲弾
※ 大砲から発射される弾丸のこと。これも歴史的な文脈や軍事関連の話題で頻繁に登場します。比喩的な意味合いはあまりありませんが、専門的な文章では正確な用語として重要です。類似の表現に 'artillery shell' がありますが、'cannon shell' はより特定の大砲に関連付けられます。
礼砲
※ 儀式や祝典の際に、敬意を表して大砲を発射すること。軍事的なイベントや国家的行事で用いられます。例えば、国賓を迎える際などに行われます。比喩的な意味合いは薄く、文字通りの意味で使われますが、格式高い場面を連想させます。動詞としては 'fire a cannon salute' となります。
大砲を向ける、狙いを定める
※ 文字通り大砲の向きを調整し、標的に狙いを定める行為。物理的な行為を示すだけでなく、比喩的に『攻撃の準備をする』という意味でも使われます。例えば、『They pointed a cannon at the enemy.(彼らは敵に大砲を向けた)』のように使われます。動詞+名詞の組み合わせで、具体的な行動を描写します。
古式の大砲
※ 時代遅れになった大砲を指し、歴史的な遺物や博物館の展示物として扱われることが多いです。比喩的に『時代遅れのもの』や『旧弊な考え方』を指すこともあります。例えば、『His ideas are like an old cannon.(彼の考え方は時代遅れだ)』のように使われます。形容詞+名詞の組み合わせで、時間的な経過や陳腐化を表します。
真鍮製の大砲
※ 過去には真鍮製の大砲が存在し、装飾的な意味合いや素材の特性から特定の時代や用途で使用されました。現代ではあまり使われませんが、歴史的な文脈で登場することがあります。材質を特定する表現で、具体的なイメージを喚起します。他の材質(iron cannon, steel cannonなど)も同様に使えます。
大砲を沈黙させる、砲撃を止める
※ 文字通り大砲の発射を停止させることを指します。戦争や紛争の終結、または一時的な休戦を意味することがあります。比喩的に『論争や批判を鎮める』という意味でも使われます。例えば、『The agreement helped to silence the cannons.(その合意は砲火を鎮めるのに役立った)』のように使われます。動詞+名詞の組み合わせで、状況の変化を表します。
使用シーン
歴史学や軍事学の研究論文で頻繁に見られます。特に、近世・近代の戦争や兵器に関する論文では、大砲の種類、構造、戦術における役割などを記述する際に用いられます。例:「〇〇戦争におけるcannonの有効射程距離と戦局への影響について分析する。」
ビジネスシーンでは、比喩表現として使われることがあります。新規事業やプロジェクト推進における強力な手段や戦略を指す際に、「〇〇社の新製品は、市場に一石を投じるcannonとなるだろう。」のように用いられます。直接的な大砲の意味で使用されることは稀です。
日常会話で「cannon」という単語が文字通り大砲の意味で使用されることはほとんどありません。歴史映画やゲーム、ニュースなどで大砲が登場する際に、その説明として使われることがあります。例えば、「この映画に出てくる大砲は、〇〇時代のcannonを忠実に再現している。」といった使われ方をします。
関連語
類義語
大砲、火砲。軍事的な文脈で、組織的な火器システム全体を指す。学術的な議論や歴史的な記述でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】"cannon"が個々の大砲を指すのに対し、"artillery"はより広範な兵器システムを指す。フォーマルで専門的な響きを持つ。 【混同しやすい点】"cannon"は可算名詞だが、"artillery"は集合名詞として扱われることが多い("a piece of artillery"のように)。また、"artillery"は個々の大砲の種類(榴弾砲、迫撃砲など)を包括する概念である。
銃、砲。最も一般的な語で、口径の大きい火器全般を指す。日常会話、ニュース、軍事など幅広い場面で使用される。 【ニュアンスの違い】"cannon"よりも広い意味を持ち、ライフルやピストルなどの小型火器も含む。より一般的で中立的な表現。 【混同しやすい点】"gun"は非常に広い意味を持つため、文脈によって意味が大きく異なる。"cannon"は特定の種類の大型火器を指すため、より限定的である。
- ordnance
軍需品、兵器。特に政府や軍が所有する火器や弾薬を指す。公式文書や軍事関連の文脈で用いられる。 【ニュアンスの違い】"cannon"が特定の火器を指すのに対し、"ordnance"はより広範な兵器や軍需品全般を指す。非常にフォーマルで専門的な語。 【混同しやすい点】"ordnance"は、大砲だけでなく、ミサイル、爆弾、弾薬など、あらゆる種類の軍需品を含む。"cannon"はあくまでも大砲という特定の種類の火器である。
- howitzer
榴弾砲。比較的大口径で、高角度で砲弾を発射する火砲。軍事的な文脈で使用される。 【ニュアンスの違い】"cannon"が大砲全般を指すのに対し、"howitzer"は特定の種類の火砲を指す。専門的な知識が必要となる。 【混同しやすい点】"howitzer"は、大砲の中でも特に榴弾砲という種類を指す。射程や発射角度など、他の種類の大砲とは異なる特徴を持つ。
迫撃砲。短射程で、高角度で砲弾を発射する火砲。主に歩兵部隊が使用する。軍事的な文脈で使用される。 【ニュアンスの違い】"cannon"が大砲全般を指すのに対し、"mortar"は特定の種類の火砲を指す。より小型で、近距離での支援に適している。 【混同しやすい点】"mortar"は、大砲の中でも特に迫撃砲という種類を指す。射程が短く、隠れた目標を攻撃するのに適している。
派生語
- cannonade
『砲撃』という意味の名詞、または『砲撃する』という意味の動詞。「cannon」に動作や行為を表す接尾辞「-ade」が付加された。大規模な砲撃戦や、比喩的に激しい非難の集中を指す場合にも用いられる。軍事史やニュース記事などで見られる。
『規範』『規則』『正典』といった意味を持つ名詞。「cannon」と語源を共有するが、もともとは『標準的な尺度』を意味し、そこから『基準』『規則』へと意味が変化した。宗教、法律、芸術などの分野で、守るべき基準や原則を指す。学術論文や専門書でよく用いられる。
- canonical
『正典の』『規範的な』という意味の形容詞。「canon」に形容詞化する接尾辞「-ical」が付いた形。特定の分野で広く認められ、模範とすべきもの、あるいは最も重要なものを示す。学術的な文脈や、特定の分野の専門家が使用する。
語源
「cannon(大砲)」の語源は、ラテン語の「canna(葦、管)」に遡ります。葦や管のような筒状のものを指す言葉が、中世ラテン語で「cannon(大きな管)」という意味に発展し、それが古フランス語を経て英語に取り入れられました。初期の大砲がまさに筒状の構造をしていたことから、この名がつけられたのは自然な流れです。身近な例で言えば、水道管も同様の筒状構造を持ち、水を運ぶ役割を果たします。このように、もともとは単なる筒を意味していた言葉が、技術の進歩とともに強力な武器を指す言葉へと意味を変えていったのです。この語源を知ることで、大砲が単なる鉄の塊ではなく、人類の技術史における「管」の応用の一つの到達点であることが理解できます。
暗記法
大砲(cannon)は、単なる武器を超え、歴史を動かす象徴でした。中世末期、城壁を打ち破り、封建社会から中央集権国家への移行を後押ししました。大航海時代には植民地支配の道具となり、ヨーロッパ列強の世界分割を支えました。文学作品では冒険の象徴として、戦争映画では破壊の象徴として描かれます。現代では、博物館で過去の記憶を語り、祭りの祝砲として新たな始まりを祝福します。大砲は、技術革新、権力、そして人間の感情が複雑に絡み合った、多面的なシンボルなのです。
混同しやすい単語
『canon』は『正典』、『規範』、『教会法』といった意味を持ちます。発音は『キャノン』とほぼ同じですが、スペルが非常に似ているため混同しやすいです。文脈によって意味が大きく異なるため注意が必要です。元々はギリシャ語の『定規』を意味する言葉に由来し、そこから『基準』『規範』といった意味に発展しました。
『canyon』は『峡谷』という意味です。発音は『キャニオン』で、『cannon』と似ています。スペルも 'n' の数が一つ違うだけで、視覚的に紛らわしいです。アメリカの地名などに出てくる単語なので、地理的な文脈で登場した場合は『峡谷』の意味だと判断できます。
『cannonball』は『砲丸』という意味で、『cannon』に『ball』が付いた複合語です。単独で使うことは少ないですが、『cannon』とセットで覚えることで、『cannon』の意味をより深く理解できます。スイミングの飛び込み方の一種を指すこともあります。
『cotton』は『綿』という意味で、発音は異なりますが、スペルに 'on' が含まれているため、視覚的に混同する可能性があります。特に、筆記体で書く場合に 'tt' と 'nn' が似て見えることがあります。繊維に関する文脈で登場した場合は『綿』の意味だと判断できます。
『common』は『共通の』、『普通の』という意味で、発音は異なりますが、スペルに 'on' が含まれているため、視覚的に混同する可能性があります。特に、語尾の 'mon' の部分が似ています。日常会話で頻繁に使われる単語なので、意味をしっかり区別することが重要です。ラテン語の『共同の』という意味の言葉に由来します。
『onion』は『玉ねぎ』という意味です。発音は全く異なりますが、スペルに 'on' が含まれているため、視覚的に混同する可能性があります。食べ物に関する文脈で登場した場合は『玉ねぎ』の意味だと判断できます。
誤用例
『cannon』は文字通り大砲を指し、比喩的に『強力な手段』を表すこともありますが、新製品の発表のように、多数のものを勢いよく出す状況では『barrage(弾幕、集中砲火)』がより適切です。日本人が『大砲』のイメージから『勢いよく』という意味合いを連想しがちですが、英語では『cannon』は単発的な強い攻撃を連想させ、多数の製品発表には合いません。むしろ、日本語の『怒涛の〜』のようなニュアンスを表現するには『barrage』が適しています。
『cannon』は確かに大きな音と破壊力を持ちますが、議論や意見に対して使う場合、やや時代がかった印象を与え、現代的な文脈では不自然です。より適切な比喩としては、相手の意見を粉砕するような力強さを表す『sledgehammer(大型ハンマー)』が挙げられます。日本人は『大砲』のイメージから『強力な反論』を連想しがちですが、英語では『cannon』は古く、洗練されていない印象を与える可能性があります。現代的なビジネスシーンや議論の場では、『sledgehammer』の方が適切です。
『cannon』を『選挙に勝つための手段』として使う場合、文字通りの武器の使用を連想させ、比喩としても不適切です。より適切な表現は、不正な手段や策略を意味する『underhanded tactics』です。日本人は『大砲』のイメージから『強力な手段』を連想し、それが必ずしも倫理的でない文脈でも使用してしまうことがあります。英語では、不正な手段を明確に表現するためには、『underhanded tactics』のような表現を使う必要があります。また、この文脈で『cannon』を使うと、ユーモラスな効果を狙っていると解釈される可能性もあります。
文化的背景
大砲(cannon)は、単なる兵器ではなく、権力、征服、そして技術革新の象徴として、歴史に深く刻まれています。その轟音は、城壁を打ち砕き、新たな時代の到来を告げるものであり、王侯貴族から革命家まで、あらゆる権力者がその力を利用しようとしました。
大砲が歴史の舞台に登場したのは、中世末期のことです。それまで、城壁は難攻不落の要塞でしたが、大砲の出現によって、その神話は崩れ去りました。大砲は、封建領主の力を弱め、中央集権的な国家の成立を後押しする原動力となりました。また、大航海時代には、大砲を搭載した船が世界中を航海し、植民地支配の道具として利用されました。大砲の存在は、ヨーロッパ列強による世界分割の歴史と不可分に結びついているのです。
文学や映画においても、大砲はしばしば重要な役割を果たします。例えば、ジュール・ヴェルヌの冒険小説では、大砲は未知の世界への扉を開く道具として描かれています。また、戦争映画では、大砲の轟音は、戦場の悲惨さや破壊力を象徴するものとして表現されます。大砲は、英雄的な活躍の背景にある暴力性や、技術進歩の光と影を同時に映し出す鏡なのです。
現代社会においても、大砲は、その過去の遺産を背負いながら、様々な形で存在感を示しています。博物館に展示された大砲は、過去の戦争の記憶を語り継ぎ、平和の尊さを教えてくれます。また、祭りのイベントで使われる祝砲は、新たな始まりを祝福し、人々に希望を与える役割を果たします。大砲は、単なる兵器ではなく、歴史、文化、そして人間の感情が複雑に絡み合った、多面的なシンボルなのです。
試験傾向
この単語の英検での出題頻度は低めです。ただし、準1級以上の長文読解で、比喩表現として「(問題を解決するための)強力な手段」のような意味合いで登場する可能性はあります。その場合、文脈から意味を推測する必要があります。
この単語がTOEICで直接問われる可能性は低いですが、軍事や歴史関連の話題が扱われた際に、読解問題の背景知識として登場する可能性はあります。ただし、語彙問題として直接問われることは稀です。
TOEFLのアカデミックな文章で、比喩表現として「(影響力のある)手段」「(強力な)影響」といった意味で使われることがあります。例:The study used advanced statistical methods as a cannon to address the research question. (その研究は、研究課題に取り組むための強力な手段として高度な統計手法を用いた。) 名詞としての意味だけでなく、比喩的な用法も理解しておく必要があります。
大学受験の英文で、特に歴史や社会科学系のテーマで出題される可能性があります。直接的な語彙問題として問われることは少ないかもしれませんが、長文読解の中で文脈理解を助ける知識として役立ちます。比喩表現として使われる場合もあるので、文脈から意味を推測する練習が必要です。