spellbound
第一音節にアクセントがあります。/ɛ/ は日本語の「エ」よりも口を少し横に開いて発音します。/baʊ/ は二重母音で、「バ」と「アウ」を繋げるように発音します。最後の /nd/ は、舌先を上の歯茎につけて /n/ の音を出した後、すぐに口を閉じ /d/ の音を出すことを意識しましょう。
心を奪われた
魔法にかけられたように、美しさや魅力に強く引きつけられ、思考や行動が一時的に停止するような状態。物語や芸術作品、パフォーマンスなどに対して使われることが多い。
The audience was completely spellbound by her beautiful singing voice.
聴衆は彼女の美しい歌声にすっかり心を奪われていました。
※ コンサート会場で、歌手の歌声が響き渡り、聴衆が息をのんで聴き入っている様子を描写しています。素晴らしいパフォーマンスや芸術作品に感動して「心を奪われる」状況でよく使われる、とても典型的な例文です。「be spellbound by 〜」で「〜に心を奪われる」という形で非常によく使われます。「completely」は「完全に」という意味で、感動の深さを強調します。
We stood there, spellbound by the countless stars in the night sky.
私たちはそこに立ち尽くし、夜空に広がる無数の星に心を奪われていました。
※ 暗闇の中、見上げた夜空に無数の星が輝き、その美しさに言葉を失い、立ち尽くしている様子が目に浮かびます。壮大な自然の景色や、息をのむような光景に感動して「心を奪われる」ときに使う、非常に自然な表現です。「We stood there, spellbound...」のように、動詞の後にカンマを置いて「〜しながら」という状態を表すこともできます。
All the children were spellbound as the teacher told a fascinating story.
先生が魅力的な物語を語り始めると、子どもたちは皆、心を奪われていました。
※ 教室や集会で、先生が語る物語に、子どもたちが目を輝かせ、身を乗り出して聞き入っている様子を描いています。面白い話や魅力的なプレゼンテーションなどに引き込まれて、聞き手が夢中になっている状況で使われる、日常的で分かりやすい例文です。「as S + V」は「〜するときに」という意味で、同時に起こる状況を表します。「fascinating」は「魅惑的な」「とても面白い」という意味です。
釘付けにされた
強い興味や関心を抱き、注意を完全に集中させている状態。恐怖、驚き、興奮など、感情的な刺激によって動けなくなるニュアンスを含む。
The children sat quietly, completely spellbound by the magician's amazing tricks.
子供たちは静かに座り、マジシャンの素晴らしい手品にすっかり釘付けになっていました。
※ この例文は、子供たちがマジックショーに夢中になり、息をのんで見入っている鮮やかな情景を描いています。ショーやパフォーマンスに心を奪われる様子を表すのに「spellbound」はぴったりの単語です。「completely」を加えることで、「完全に釘付けになった」という状態の強さを強調しています。
I stood on the hill, completely spellbound by the breathtaking view of the sunset.
私は丘の上に立ち、息をのむような夕日の眺めにすっかり心を奪われていました。
※ ここでは、壮大な自然の美しさに感動し、動けなくなるほどの状態を表しています。視覚を通して心が「釘付けにされる」典型的な使い方です。「breathtaking view(息をのむような眺め)」という表現は、その美しさがどれほど素晴らしいかを伝えています。
The audience became spellbound as the old storyteller began his fascinating tale.
老いた語り部が魅力的な物語を語り始めると、聴衆は皆、すっかり引き込まれていきました。
※ この例文は、話し手の魅力的な言葉や物語に聴衆が引き込まれ、集中して聞き入っている様子を描いています。「spellbound」は、視覚だけでなく、話や音楽など、聴覚を通して心が奪われる場合にも使われます。「became spellbound」は「釘付けになった」という状態の変化を表す自然な表現です。
コロケーション
観客が魅了され、言葉を失うほど夢中になっている状態
※ これは非常によく使われるコロケーションで、演劇、音楽、講演など、パフォーマンスに対する観客の反応を表す際に頻繁に登場します。「spellbound」が形容詞として「audience」を修飾し、観客がまるで魔法にかけられたかのように、完全に心を奪われている様子を表現します。ビジネスシーンでのプレゼンテーションや、文学作品の読者に対しても使えます。類語としては「captivated audience」がありますが、「spellbound」はより非日常的で、強い陶酔感を含意します。
息をのむような静寂、魅了されて物音一つ立てない状態
※ 何かが非常に魅力的、あるいは衝撃的で、周囲が完全に静まり返る様子を指します。「silence」が「spellbound」によって修飾され、ただの静けさではなく、畏敬の念や驚きによって生まれた静寂であることを強調します。例えば、感動的な音楽演奏の後や、衝撃的なニュースを聞いた後の沈黙などに使われます。類似の表現に「pin-drop silence」がありますが、「spellbound silence」は感情的な高まりを含んでいる点が異なります。文学作品や映画など、感情を豊かに表現する場面で効果的です。
~に魅了される、~に心を奪われる
※ 「be spellbound by + 名詞/人」の形で、何かに心を奪われ、魅了される状態を表します。受動態の形を取ることで、主体的な行動ではなく、外部からの強い影響によって心を奪われるニュアンスが強調されます。例えば、「She was spellbound by his words.(彼女は彼の言葉に魅了された)」のように使います。類似の表現に「be captivated by」がありますが、「spellbound」はより魔法的な、あるいは非日常的な魅力によって心を奪われる状況を示唆します。フォーマルな場面でも使用可能です。
誰かを魅了する、誰かの心を奪う
※ 「hold + 目的語 + spellbound」の形で、誰かを魅了し、その人の注意を完全に引きつけることを意味します。能動態の形を取り、主体的に魅了する側の力が強調されます。例えば、「The storyteller held the children spellbound.(語り手は子供たちを魅了した)」のように使われます。類似の表現に「captivate someone」がありますが、「hold someone spellbound」はより強い影響力や、まるで魔法をかけたかのように相手を魅了するニュアンスを含みます。講演やパフォーマンスなど、聴衆を引き込む必要がある場面で効果的です。
魅了された視線、心を奪われたまなざし
※ 「gaze」は「見つめる」という意味で、「spellbound gaze」は、何かに心を奪われ、目を離せない状態を表します。「spellbound」が「gaze」を修飾することで、ただ見つめているだけでなく、強い感情を伴った視線であることを強調します。例えば、美しい景色や魅力的な人物を見つめる際に使われます。類似の表現に「captivated gaze」がありますが、「spellbound gaze」はよりロマンチックで、非日常的な状況で用いられることが多いです。文学作品や映画など、感情的なシーンを表現するのに適しています。
魅了された観客は聞き入った
※ このフレーズは、パフォーマンスやスピーチの状況で、観客が完全に魅了され、注意深く聞き入っている様子を描写します。「spellbound」は形容詞として「audience」を修飾し、その状態を強調します。「listened」という動詞と組み合わさることで、観客がただそこにいるだけでなく、積極的に聞き入っている様子が伝わります。類似の表現に「a captivated audience listened」がありますが、「spellbound」はより強い陶酔感や非日常的な魅力を暗示します。演劇、音楽、講演など、観客の集中力が必要な場面で効果的です。
使用シーン
学術論文や文学作品の分析などで使用されます。例えば、文学研究において「読者は登場人物の魅力にspellboundされる」のように、作品の読者への影響を分析する際に用いられます。心理学の研究では、「被験者は特定の刺激にspellboundされた」のように、注意や集中に関する実験結果を説明する際に使われることがあります。
プレゼンテーションやスピーチなど、聴衆を引き込むことを目的とした場面で使われることがあります。例えば、「顧客は我々の革新的な技術にspellboundされた」のように、製品やサービスの影響力を強調する際に用いられます。ただし、日常的なビジネス文書やメールでは、より直接的な表現が好まれるため、頻度は低いです。
日常会話ではあまり使われませんが、映画や演劇、音楽などの芸術作品について語る際に、感情を込めて表現する際に使われることがあります。例えば、「そのコンサートは観客をspellboundにした」のように、感動的な体験を共有する際に用いられます。また、ニュース記事やドキュメンタリーで、特定の出来事や人物の魅力について語る際に、比喩的に使われることもあります。
関連語
類義語
- captivated
魅了された、心を奪われたという意味で、人や物事に強い興味や関心を持ち、その魅力に引き込まれる状態を表します。日常会話や文学作品でよく用いられます。 【ニュアンスの違い】"spellbound"と同様に、良い意味で使われますが、"captivated"はより能動的な印象を与えます。つまり、人が意識的に何か(例えば芸術作品やパフォーマンス)に心を奪われる様子を表すことが多いです。一方、"spellbound"は魔法にかけられたように、より受動的な印象を与えます。 【混同しやすい点】"captivated"は他動詞の受動態で使われることが多く、"be captivated by"という形で使われます。"spellbound"は形容詞として使われることが多いですが、動詞としても使えます。また、"captivated"は人に対して使うことが多いですが、"spellbound"は物事や状況に対しても使えます。
- enthralled
夢中にさせる、心を奪うという意味で、非常に強い興味や喜びを感じ、完全に心を奪われている状態を表します。ややフォーマルな表現で、文学作品や演劇のレビューなどでよく用いられます。 【ニュアンスの違い】"spellbound"よりも強い感情を表し、完全に心を奪われている状態を強調します。また、"enthralled"は良い意味で使われることがほとんどですが、"spellbound"は状況によっては、恐怖や畏怖の念を含むこともあります。 【混同しやすい点】"enthralled"は他動詞の受動態で使われることが多く、"be enthralled by"という形で使われます。"spellbound"も同様に受動態で使えますが、形容詞としても使えます。また、"enthralled"は、ある種の権威や才能を持つ人物や作品に対して使われることが多いです。
- mesmerized
催眠術をかけられたように、見入ってしまう、魅了されるという意味で、強い魅力や力によって、意識を奪われ、見入ってしまう状態を表します。心理学や文学作品でよく用いられます。 【ニュアンスの違い】"spellbound"と似た意味ですが、"mesmerized"は、まるで催眠術にかけられたかのように、意識を奪われ、動きが取れなくなるようなニュアンスがあります。一方、"spellbound"は、より広い意味で、魅了された状態を表します。 【混同しやすい点】"mesmerized"は他動詞の受動態で使われることが多く、"be mesmerized by"という形で使われます。"spellbound"も同様に受動態で使えますが、形容詞としても使えます。また、"mesmerized"は、視覚的な魅力や力に対して使われることが多いです。
魅了された、興味津々であるという意味で、強い興味や関心を持ち、その魅力に引き込まれる状態を表します。日常会話から学術的な場面まで幅広く用いられます。 【ニュアンスの違い】"spellbound"よりもやや弱い感情を表し、知的な好奇心や興味を含むことが多いです。一方、"spellbound"は、より感情的な魅力を表します。 【混同しやすい点】"fascinated"は他動詞の受動態で使われることが多く、"be fascinated by"という形で使われます。"spellbound"も同様に受動態で使えますが、形容詞としても使えます。また、"fascinated"は、人、物、事柄など、幅広い対象に対して使うことができます。
- enchanted
魔法にかけられた、魅了されたという意味で、魔法のような魅力によって、心を奪われる状態を表します。おとぎ話やファンタジー作品でよく用いられます。 【ニュアンスの違い】"spellbound"と非常に似た意味ですが、"enchanted"は、よりロマンチックで、魔法のような雰囲気を強調します。一方、"spellbound"は、より広い意味で、魅了された状態を表します。 【混同しやすい点】"enchanted"は形容詞として使われることが多く、"enchanted forest"(魔法の森)のように、名詞を修飾します。"spellbound"も形容詞として使えますが、動詞としても使えます。また、"enchanted"は、おとぎ話やファンタジー作品など、特定の文脈で使われることが多いです。
- riveted
釘付けにされた、目を離せないという意味で、強い興味や関心を持ち、その魅力に引き込まれ、注意を奪われる状態を表します。ニュース記事やレビューなどでよく用いられます。 【ニュアンスの違い】"spellbound"よりも、視覚的な印象が強く、注意が一点に集中している状態を表します。また、"riveted"は、ネガティブな状況(例えば、事故現場)に対しても使うことができます。 【混同しやすい点】"riveted"は他動詞の受動態で使われることが多く、"be riveted to"という形で使われます。"spellbound"も同様に受動態で使えますが、形容詞としても使えます。また、"riveted"は、ある出来事や状況に注意が集中していることを強調します。
派生語
名詞としては『呪文』、動詞としては『呪文をかける』という意味。spellboundの語源であり、もともと良い意味ではなく、悪い魔法で人を支配するという意味合いが強い。日常会話でも使われる。
- speller
『呪文を唱える人』、転じて『スペルを綴る人』という意味。spellという語が持つ『文字を並べる』という意味合いが強調された派生語。教育現場などで使われる。
- misspell
接頭辞『mis-(誤った)』がつき、『スペルを間違える』という意味。spellの『文字を綴る』という意味に特化し、誤りを表す接頭辞が付いたもの。ビジネス文書や教育現場で使われる。
反意語
- unimpressed
接頭辞『un-(否定)』がつき、『感銘を受けない』という意味。spellboundが強い魅了を表すのに対し、unimpressedは何の感情も動かされない状態を示す。日常会話でよく使われる。
- disenchanted
接頭辞『dis-(分離・否定)』がつき、『魔法が解けた』、『幻滅した』という意味。spellboundが魔法にかけられた状態であるのに対し、disenchantedはその状態から解放された状態を表す。比喩的な意味合いで使われることが多い。
接頭辞『in-(否定)』がつき、『無関心な』という意味。spellboundが対象に強く心を奪われている状態を表すのに対し、indifferentは対象に全く興味がない状態を示す。日常会話から学術的な文脈まで幅広く使われる。
語源
"spellbound"は、「魔法にかけられた」という意味で、文字通りには「呪文(spell)によって縛られた(bound)」状態を表します。"spell"は古英語の"spellian"(物語る、語る)に由来し、言葉が持つ力、特に呪文や魔法の言葉としての意味合いを持ちます。一方、"bound"は"bind"(縛る)の過去分詞形で、物理的な束縛だけでなく、義務や運命によって縛られている状態も意味します。したがって、"spellbound"は、まるで魔法の言葉によって身動きが取れなくなったかのように、強い魅力や驚きによって心を奪われ、釘付けにされた状態を指します。日本語で例えるなら、「狐につままれた」ような感覚に近いかもしれません。言葉の力が、人を文字通り縛り付けるというイメージです。
暗記法
「spellbound」は、中世の魔法信仰に根ざし、呪文で縛られたような魅了状態を指します。美しい歌声や物語、カリスマ的な言葉は、人々を魔法にかけたように心を奪い、畏怖と憧憬の念を抱かせました。アーサー王物語やシェイクスピア作品にも登場し、愛や欲望、恐怖といった感情の極致を表現。現代でも映画や音楽など、心を揺さぶる体験を「spellbound」と表現し、日常から解放される特別な感覚を呼び起こします。
混同しやすい単語
「spellbound」の語幹である「spell」自体も混同されやすい単語です。「spell」は「呪文」や「綴る」という意味を持ちますが、「spellbound」はその過去分詞形が形容詞化したもので、「魔法にかけられた」「魅了された」という意味になります。発音は似ていますが、文脈によって意味が大きく異なるため注意が必要です。特に動詞の「spell」(綴る)と名詞の「spell」(呪文)の区別も重要です。
「spellbound」と「spend」は、最初の音が /sp/ と共通しており、その後ろに続く母音と子音の組み合わせが似ているため、発音を聞き間違える可能性があります。「spend」は「お金や時間を費やす」という意味の動詞であり、品詞も意味も大きく異なります。特に過去形・過去分詞形の「spent」との混同に注意が必要です。
「splendour」は「壮麗さ」「輝き」という意味の名詞で、「spellbound」とは意味的な関連性は薄いものの、語頭の「spl-」という綴りが視覚的に似ているため、混同される可能性があります。また、発音も最初の部分が似ているため、聞き間違いにも注意が必要です。特に、イギリス英語では「-our」で終わる名詞が多いため、スペルミスに注意が必要です。
「speed」は「速度」という意味の名詞または「加速する」という意味の動詞で、意味は全く異なりますが、語頭の「sp」の音と、続く母音の響きが似ているため、発音を聞き間違える可能性があります。特に、早口で話された場合や、音声品質が悪い場合に混同しやすくなります。
「steel band」はカリブ海音楽で使われる打楽器のことで、「spellbound」とは全く異なる文脈で使用されます。しかし、英語のリスニング学習者は、特に早口で話された場合に、これらの単語を誤って聞き取ることがあります。カタカナ英語の「スティールパン」として知っている場合は特に注意が必要です。
「self-bound」は、「自分自身を束縛する」という意味合いで、比喩的に使われることがあります。「spellbound」と異なり、何かに魅了されるのではなく、自らの意志や状況によって行動が制限されている状態を指します。発音もスペルも一部共通していますが、意味は大きく異なるため、文脈をよく理解することが重要です。
誤用例
「spellbound」は、魔法にかけられたように魅了されるニュアンスが強く、超自然的な力や、非常に強い影響力を持つ人物(カリスマ的なリーダーなど)に対して使われることが多いです。単に美しさに心を奪われた状況では、「mesmerized」の方が自然です。日本人が「美しさに見惚れた」という状況を直訳的に表現しようとすると、つい「spellbound」を選んでしまうことがありますが、日常的な美しさの描写にはやや大げさな印象を与えます。
「spellbound」は人や状況が魅了される状態を表し、物が何かで満たされている状態には使いません。「laden」は「(重いものを)積んでいる」「(困難などを)抱えている」という意味で、契約書が専門用語で埋め尽くされている状況を表すのに適切です。日本人が「契約書は専門用語で呪文のように書かれていた」というイメージから「spellbound」を選んでしまうことが考えられますが、これは比喩の方向性が誤っています。
「spellbound」は、文字通り「魔法にかけられた」ように、畏怖の念やある種の強制力を伴う魅了を意味することがあります。マジシャンのパフォーマンスに感銘を受けたという文脈では、「captivated(魅了された)」がより適切です。スタンディングオベーションは感動や興奮の表れであり、必ずしも魔法のような力によるものではないためです。日本人が「観客は魔法にかけられたように魅了された」という表現を好む傾向がありますが、英語では文脈によってより適切な表現を選ぶ必要があります。
文化的背景
「spellbound」は、魔法にかけられたように、強い魅力や力によって心を奪われ、身動きが取れなくなる状態を表します。この言葉は、単なる魅了を超え、まるで呪文によって自由を奪われたかのような、神秘的で圧倒的な感覚を伴います。
この言葉が持つ文化的背景を紐解くと、中世ヨーロッパにおける魔法信仰と深く結びついていることがわかります。当時、人々は魔法使いや妖精が、言葉や呪文によって人々の運命を操ると信じていました。「spell」という単語自体が「呪文」を意味し、「bound」は「束縛された」状態を示すことから、「spellbound」は文字通り「呪文によって縛られた」状態を指します。人々は、美しい歌声や魅力的な物語、あるいはカリスマ的な指導者の言葉によって、まるで魔法にかけられたかのように心を奪われ、その影響下から抜け出せなくなることを恐れ、同時に憧憬の念を抱いていました。
文学作品における「spellbound」の登場は、この言葉の持つ神秘性をさらに強調します。例えば、アーサー王物語に登場する魔法使いマーリンは、その強力な魔法で人々を魅了し、時には操ります。シェイクスピアの作品においても、「spellbound」は愛や欲望、あるいは恐怖といった感情が極限まで高まった状態を描写するために用いられます。これらの作品を通して、「spellbound」は単なる感情の描写を超え、人間の心の奥底に潜む、制御不能な力への畏怖の念を表現する言葉として定着していきました。
現代においても、「spellbound」は、映画、音楽、演劇など、様々な芸術分野で使用されています。例えば、息をのむようなパフォーマンスや、心を揺さぶる映画を見た後、私たちは「spellbound」という言葉でその感動を表現します。それは、単なる娯楽体験を超え、私たちの心を深く捉え、日常から一時的に解放してくれるような、特別な体験を意味します。このように、「spellbound」は、時代や文化を超えて、人間の心を魅了し、束縛する力に対する普遍的な感覚を表す言葉として、今もなお生き続けているのです。
試験傾向
1. 出題形式: 主に語彙問題、長文読解。
2. 頻度と級・パート: 準1級以上でまれに出題。1級でやや頻出。
3. 文脈・例題の特徴: 物語、伝記、またはやや詩的な文章で使われることが多い。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 「魅了された」「魔法にかけられた」といった意味合いで、良い意味で使われることが多い。類義語(fascinated, captivated)とのニュアンスの違いを理解すること。
1. 出題形式: 長文読解。
2. 頻度と級・パート: 出題頻度は比較的低い。
3. 文脈・例題の特徴: ビジネスシーンではまれに、プレゼンテーションや製品発表などで、聴衆が「魅了された」状況を描写する際に使われることがある。
4. 学習者への注意点・アドバイス: TOEIC対策としては優先度は低いが、読解力を高めるために、意味を理解しておくことは重要。
1. 出題形式: 長文読解。
2. 頻度と級・パート: アカデミックな文章でまれに出題。
3. 文脈・例題の特徴: 歴史、文学、芸術などの分野で、特定の人物や作品が人々に与えた影響を説明する際に使用されることがある。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 抽象的な文脈で使われることが多いので、文脈から意味を推測する練習が必要。類義語との使い分けも意識すること。
1. 出題形式: 長文読解。
2. 頻度と級・パート: 難関大学の入試でまれに出題。
3. 文脈・例題の特徴: 文学作品、歴史、文化に関する文章で、登場人物や出来事が読者や聴衆を「魅了する」様子を描写する際に使われることがある。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する力が重要。単語帳だけでなく、長文読解を通じて語彙力を高めることが大切。