lung
母音 /ʌ/ は日本語の『ア』と『オ』の中間のような音で、口をリラックスさせて短く発音します。『ン』は、舌先をどこにもつけずに、口を閉じて鼻から息を出す音です。語尾の 'ng' は、日本語の通常の『ン』よりも、喉の奥を意識して発音するとよりネイティブに近い響きになります。
専門的な内容に関するご注意
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肺
呼吸を行うための主要な器官。通常は左右一対で存在し、酸素を取り込み二酸化炭素を排出する役割を持つ。医学的な文脈や、呼吸器系の話題で頻繁に使われる。
The doctor told me my lungs were healthy, and I felt relieved.
医者は私の肺が健康だと言ってくれて、私はホッとしました。
※ 健康診断や検査の結果を医師から聞く場面です。不安な気持ちで待っていた患者さんが、自分の肺が健康だと聞いて、心から安心する様子が伝わります。「lungs」は左右に2つあるので、通常は複数形で使われます。
After the long climb, I took a deep breath, feeling my lungs fill with fresh air.
長い上りの後、私は深呼吸をして、肺が新鮮な空気で満たされるのを感じました。
※ 山道を登りきった後、大きく深呼吸をして、新鮮な空気が体中に満ちる爽快感を味わっている場面です。運動後や自然の中で感じる、体の感覚を表現する際によく使われる典型的な表現です。「fill with ~」は「~で満たされる」という意味になります。
Smoking is very bad for your lungs, so please try to quit.
喫煙は肺にとても悪いので、やめるようにしてください。
※ 友人が喫煙習慣のある人に対して、健康を気遣いながら忠告している場面です。喫煙と健康の関連を話す際に、「肺」は最も頻繁に引き合いに出される体の部位の一つです。「bad for ~」は「~にとって悪い」という、健康や影響について話す際によく使う表現です。
コロケーション
肺がん
※ 肺に発生する悪性腫瘍。喫煙が主要な原因として知られています。医学的な文脈で頻繁に使用され、公共広告や健康に関する記事など、幅広い場面で見られます。'lung'と'cancer'は非常に一般的な組み合わせで、肺がんに関する情報を伝える上で直接的かつ明確な表現です。
肺活量
※ 肺が一度に吸い込むことのできる空気の量。スポーツ医学や呼吸器系の健康状態を評価する際に用いられます。肺活量の測定は、呼吸機能検査の重要な一部であり、アスリートのトレーニングや呼吸器疾患の診断に役立ちます。'capacity'は『容量』や『能力』を意味し、肺の機能を定量的に評価する際に適した言葉です。
肺疾患
※ 肺に影響を与える様々な病気の総称。肺炎、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などが含まれます。医学的な文脈で広く使用され、患者への説明や医療記録などで頻繁に見られます。'disease'は『病気』を意味し、特定の病名が不明な場合や、複数の肺の病気をまとめて指す場合に便利な表現です。
咳払いをする、肺をきれいにする
※ 咳をして、肺や気道から痰や異物を取り除く行為。風邪を引いた時や、喫煙者がよく行う行為です。'clear'は『きれいにする』という意味で、肺の中の不要物を取り除くイメージを表しています。日常会話でよく使われる表現で、咳払いの動作を伴うことが多いです。
力の限り、全身全霊で
※ 文字通りには「肺の中のすべての呼吸とともに」という意味ですが、比喩的に「力の限り」「全身全霊で」という意味で使われます。強い決意や感情を表現する際に用いられ、文学作品やスピーチなどで見られます。'breath'は『呼吸』を意味し、生命力や情熱を象徴する言葉として使われています。
肺を損傷する
※ 喫煙、大気汚染、有害物質の吸入などによって肺が損傷を受けること。健康に関する警告や記事で頻繁に使用されます。'damage'は『損傷』を意味し、肺の機能が低下する状態を表します。特に喫煙の害を伝える際に、具体的な健康被害として言及されることが多いです。
肺を膨らませる
※ 呼吸によって肺に空気を入れて膨らませる行為。医学的な文脈や、呼吸に関する説明で用いられます。人工呼吸器や蘇生術の説明などでも使われます。'inflate'は『膨らませる』という意味で、肺が空気で満たされる様子を具体的に表しています。
使用シーン
医学、生物学、獣医学などの分野の研究論文や教科書で頻繁に使用されます。肺の構造、機能、疾患に関する議論で不可欠な単語です。例えば、「肺癌の発生メカニズムに関する研究」や「呼吸器系の生理学的機能」といった文脈で登場します。
医療機器メーカーや製薬会社など、特定の業界のビジネスシーンで使われることがあります。例えば、新薬の臨床試験結果を報告する際や、呼吸器系の疾患治療に関するプレゼンテーションなどで使用されます。しかし、一般的なビジネスシーンではほとんど使用されません。
健康に関する話題やニュース記事、ドキュメンタリーなどで比較的よく登場します。例えば、「喫煙が肺に与える影響」や「大気汚染と肺疾患の関連性」といった文脈で使われます。また、医療機関を受診した際に、医師から肺の状態について説明を受ける際にも使われることがあります。
関連語
類義語
- pulmonary
医学や生物学の分野で『肺の』『肺に関する』という意味を持つ形容詞。肺疾患や肺機能の研究など、専門的な文脈で使用される。 【ニュアンスの違い】"lung"が一般的な名詞であるのに対し、"pulmonary"はより専門的で学術的な形容詞。日常会話ではほとんど使われない。 【混同しやすい点】名詞の"lung"と形容詞の"pulmonary"の品詞の違いを理解する必要がある。例えば、「肺疾患」は"lung disease"または"pulmonary disease"と表現できるが、後者の方がより専門的な印象を与える。
- respiratory organ
『呼吸器官』という意味の複合名詞。肺だけでなく、気管、気管支など、呼吸に関わるすべての器官を指す。 【ニュアンスの違い】"lung"が特定の臓器である肺を指すのに対し、"respiratory organ"はより広範なシステム全体を指す。生物学や医学の解説でよく用いられる。 【混同しやすい点】"lung"は"respiratory organ"の一部であるという包含関係を理解する必要がある。呼吸器系の病気について議論する場合、「肺」に限定するのか、「呼吸器系全体」を指すのかで使い分ける。
『胸』『胸部』という意味の名詞。肺を含む胸郭全体を指す。医学的な文脈だけでなく、日常会話でも広く使われる。 【ニュアンスの違い】"lung"が具体的な臓器を指すのに対し、"chest"はより広い範囲の身体部位を指す。痛みや違和感の場所を大まかに示す際に用いられる。 【混同しやすい点】"chest pain"(胸痛)のように、症状の場所を特定する際には"chest"が適切だが、肺の病気について具体的に述べる場合は"lung"を使う必要がある。
- thorax
解剖学において『胸郭』を意味する専門用語。肋骨、胸椎、胸骨など、肺を保護する骨格構造を含む。 【ニュアンスの違い】"lung"が呼吸機能を持つ臓器を指すのに対し、"thorax"はそれを保護する骨格構造を指す。医学論文や教科書で用いられる。 【混同しやすい点】"chest"よりもさらに専門的な用語であり、一般の人が日常会話で使用することはほとんどない。"thorax"は骨格構造に焦点を当てている点が"chest"と異なる。
- airsac
鳥類の呼吸器系における『気嚢』を指す言葉。哺乳類の肺とは構造が異なる。 【ニュアンスの違い】"lung"は哺乳類の肺を指すのに対し、"airsac"は鳥類の呼吸器系に特有の構造を指す。生物学の文脈で使用される。 【混同しやすい点】鳥類と哺乳類で呼吸器系の構造が異なるため、"lung"を鳥類に対して使用するのは不適切。"airsac"は鳥類特有の用語であることを理解する必要がある。
派生語
- pulmonary
『肺の』という意味の形容詞。ラテン語の『pulmo(肺)』に由来し、医学・生物学分野で、肺に関連する事柄を指す際に用いられる。例えば、『pulmonary artery(肺動脈)』のように使われる。日常会話での使用頻度は低いが、医学論文や教科書では頻出。
- pulmonologist
『肺臓専門医』を意味する名詞。『pulmonary』に、専門家を意味する接尾辞『-ologist』が付いたもの。医学分野で使われ、肺疾患の診断・治療を行う医師を指す。一般的な会話ではあまり使われない。
- pulmonic
『肺の』または『肺に関する』という意味の形容詞。こちらもラテン語の『pulmo』に由来し、『pulmonary』と同様に医学的な文脈で使用される。例えば、『pulmonic valve(肺動脈弁)』のように使われる。
反意語
- gill
『えら』を意味する名詞。『lung(肺)』が陸上動物の呼吸器官であるのに対し、『gill』は水生動物の呼吸器官を指す。生物学的な文脈で、呼吸の方法の違いを明確に示す対義語として用いられる。
- suffocation
『窒息』を意味する名詞。『lung』が正常に機能している状態(呼吸)に対する、機能不全の状態を表す。事故、病気、犯罪など、さまざまな文脈で使用される。
- exhalation
『息を吐き出すこと』を意味する名詞。『lung』が呼吸を行う器官であることに対して、呼吸のフェーズの一つである『呼気』に着目した対義語。生理学的な文脈や、呼吸法に関する記述などで使用される。
語源
「lung」(肺)の語源は、古代ゲルマン祖語の「*lungōn」(軽いもの、肺)に遡ります。これは、肺が空気を含んで軽いことに由来すると考えられます。さらに遡ると、インド・ヨーロッパ祖語の語根「*lē̆ngʷʰ-」(軽い、動きやすい)に行き着きます。この語根は、「light」(軽い)という単語とも関連があります。つまり、「lung」は、その機能的な特徴である「軽さ」から名付けられたと考えられます。日本語で例えるなら、「風船」が空気で膨らむ様子から「空気袋」と呼ばれるような、直接的なイメージに基づいた命名と言えるでしょう。このように、肺という臓器の特性が、その名前の由来に深く関わっているのです。
暗記法
肺は単なる呼吸器官を超え、文化の中で多様な意味を帯びてきました。古代では魂の座とされ、呼吸は生命エネルギーの交換と信じられました。中世には肺病が蔓延し、死の象徴ともなりました。英語の慣用句「at the top of one's lungs(声を限りに)」は感情の高ぶりを表します。現代では、健康意識の高まりと共に、肺は自己管理の象徴として、その健康が人生の豊かさにつながることを示唆しています。
混同しやすい単語
『lung』と『long』は、発音が非常に似ており、特に語尾の子音の違い(/ŋ/か/ŋg/に近いか)が日本人には聞き分けにくい場合があります。また、スペルも一文字違いのため、視覚的にも混同しやすいです。『long』は『長い』という意味の形容詞であり、品詞が異なる点も注意が必要です。母音は同じ /ɔː/ ですが、発音記号を意識して区別すると良いでしょう。
『lung』と『lunge』は、スペルが似ており、発音も母音は同じ /ʌ/ ですが、語尾が異なります。『lunge』は『(剣術などの)突き』という意味の名詞、または『(剣術などで)突く』という意味の動詞です。文章中での役割が大きく異なるため、文脈から判断することが重要です。また、『lunge』は、日本語の『突進』という言葉にも通じるイメージを持つと覚えやすいでしょう。
『lung』と『lunch』は、発音が似ている上に、スペルも一部が共通しているため、混同しやすいです。特に、/ʌ/ の音は日本語の『ア』に近い音なので、区別が曖昧になりがちです。『lunch』は『昼食』という意味の名詞です。食事に関する話題であれば『lunch』、呼吸器系の話題であれば『lung』と、文脈で判断することが大切です。
『languid』は、『だるい、気力のない』という意味の形容詞で、発音は /lˈæŋɡwɪd/ です。最初の音節が『lang』で始まるため、『lung』とスペルと発音の一部が似ており、混同される可能性があります。意味が全く異なるため、文脈から判断する必要があります。また、『languid』はラテン語の『languere(弱る)』に由来し、語源を知っておくと記憶の助けになります。
『plunge』は『(水などに)突っ込む、急落する』という意味の動詞または名詞で、発音は /plʌndʒ/ です。『lung』と同様に /ʌ/ の音を含むため、発音が似ていると感じることがあります。また、語尾の '-unge' の部分も共通しているため、スペルも混同しやすいです。意味は全く異なるため、文脈から判断することが重要です。『plunge』は、何か勢いよく突入するイメージで捉えると覚えやすいでしょう。
『slung』は『sling(吊るす、投げる)』の過去形・過去分詞で、発音は /slʌŋ/ です。『lung』と母音が同じ /ʌ/ であり、語尾も似ているため、混同される可能性があります。特に、過去形・過去分詞は日常会話でよく使われるため、『sling - slung - slung』という活用をセットで覚えておくことが重要です。意味は『吊るされた』『投げられた』といった意味合いになります。
誤用例
日本語では『街の空気』という表現が自然ですが、英語で単に『air』と言うと、無色透明な空気そのものを指します。都市の空気について語る場合は、汚染されているという含みを持たせるために『air pollution』とするのがより適切です。また、ここでは『air』が抽象的すぎるため、具体的な原因を伴わないと、まるで都市そのものが悪影響を及ぼしているかのような印象を与えてしまいます。日本語の『空気が合わない』のような表現を直訳すると不自然になる典型例です。
『weak lungs』は直訳としては理解できますが、ネイティブスピーカーは通常、『lung condition』や『respiratory illness』のような、より具体的な医学的状態を指す表現を使います。日本語では『肺が弱い』という曖昧な表現が許容されますが、英語では具体的な病状や状態を伝える方が自然です。また、『weak』という言葉が持つニュアンス(精神的な弱さなど)を避ける意味でも、より医学的な用語を使う方が適切です。
肺は通常、左右一対で存在するため、複数形の『lungs』を使うのが一般的です。もちろん、片方の肺に問題がある場合や、手術で片肺になった場合などは単数形が適切ですが、一般的な健康診断の文脈では複数形が自然です。日本語では『肺の音を聞く』のように単数形で表現することが多いため、英語でも同様に考えてしまうミスが起こりやすいです。英語では可算名詞の単数形を使う場合、a/an/theなどの冠詞が必要になる点も考慮すると、複数形を用いるのが無難です。
文化的背景
肺(lung)は、生命維持に不可欠な呼吸を司る臓器であるため、生命力や活力の象徴として古くから様々な文化で捉えられてきました。特に、肺を「魂の座」と考える文化圏も存在し、呼吸を通じて生命エネルギーが出入りすると信じられてきました。
古代ギリシャでは、肺はプネウマ(霊的な空気)を取り込む器官とされ、精神や魂と深く結びつけられていました。哲学者たちは、呼吸を通じて得られるプネウマが思考や感情に影響を与えると信じていました。また、錬金術の分野では、肺は四大元素の一つである「空気」を象徴し、生命の根源的な要素として扱われました。中世ヨーロッパでは、肺病(結核など)が蔓延し、肺は死の影を落とす臓器としても認識されました。病に冒された肺は、生命力の衰退、そして死そのものを象徴し、文学作品や絵画にもそのイメージが反映されています。
英語圏では、「at the top of one's lungs」という慣用句があり、これは「声を限りに」という意味で使われます。肺活量を最大限に活用して大声を出す様子から、感情の高ぶりや必死さを表現する際に用いられます。また、シェイクスピアの作品には、肺に関する言及がいくつか見られ、人間の脆弱さや生命の儚さを象徴するイメージとして描かれています。例えば、『ハムレット』では、肺病で亡くなった人物が登場し、死の必然性を暗示する役割を担っています。
現代社会においては、喫煙や大気汚染などによって肺の健康が脅かされることが多くなりました。そのため、肺は健康意識の高まりとともに、自己管理や予防の重要性を訴える象徴としても機能しています。肺がん撲滅キャンペーンなどでは、肺の健康を守ることが、豊かな人生を送るための不可欠な要素として強調されています。このように、肺は単なる呼吸器官としてだけでなく、生命、精神、感情、そして健康といった、人間にとって根源的な価値と深く結びついた文化的意味を持つ言葉なのです。
試験傾向
長文読解問題で稀に出題される可能性があります。医学・健康関連のテーマで扱われる可能性があり、主に2級以上で問われることがあります。ただし、lungそのものが直接問われるよりも、lungに関連する病気や症状に関する語彙とセットで理解しておくことが重要です。例えば、pneumonia(肺炎)、asthma(喘息)といった単語との関連性を意識しましょう。
TOEICでは、lungという単語が直接問われることは少ないですが、健康診断や労働環境に関する文章で間接的に登場する可能性があります。Part 7(長文読解)で、労働者の健康管理に関する記述の中で、肺の機能や呼吸器系の疾患について触れられる場合があります。ビジネス文脈での健康関連語彙として覚えておくと良いでしょう。
TOEFLのリーディングセクションでは、科学的な文章や医学的な論文からの抜粋で出題される可能性があります。呼吸器系の研究や環境汚染が肺に与える影響など、アカデミックな文脈で登場します。同義語であるpulmonary(肺の)といった単語と関連付けて覚えておくと良いでしょう。また、文章全体の内容を把握する能力が問われるため、単語の意味だけでなく、文脈における役割を理解することが重要です。
大学受験の長文読解問題では、医学部や看護学部など、医療系の学部で出題される可能性が比較的高くなります。環境問題や公害問題に関する文章でも、肺への影響という形で言及されることがあります。文脈から意味を推測する問題や、lungを含む熟語・慣用句(例:at the top of one's lungs)の意味を問う問題も考えられます。医学系のテーマに慣れておくことが対策となります。