donkey
第一音節に強勢があります。母音 /ɒ/ は日本語の『オ』よりも口を大きく開け、喉の奥から出すような音です。『ン』は舌先をどこにもつけずに鼻に抜ける音を意識しましょう。最後の 'ki' は、日本語の『キ』よりもやや弱く、軽く発音するとより自然になります。
頑固者
愚直で頑固な人を指す。融通が利かない、意固地な様子を表す際に使われる。元々はロバの性質から連想された比喩表現。
My boss is such a donkey; he won't listen to any new ideas for the project.
私の上司は本当に頑固者で、プロジェクトの新しいアイデアを全く聞こうとしません。
※ この例文は、会議や職場などで、上司が自分の意見を頑として曲げず、周囲の提案に耳を傾けない状況を描写しています。話者の「またか…」という呆れや不満の気持ちが伝わります。'such a donkey' は「本当に頑固なやつだ」という強い呆れや不満を表すときに使われる典型的な表現です。
My grandpa is a real donkey about using his old phone, refusing to try a smartphone.
うちのおじいちゃんは古い携帯電話を使うことに関しては筋金入りの頑固者で、スマートフォンを試そうとしません。
※ この例文は、新しい技術や習慣を受け入れず、昔ながらのやり方に固執する家族の姿を描いています。話者の「どうしようもないな」という諦めや、少し困ったような愛情が感じられます。'a real donkey' は、「生粋の」「筋金入りの」といったニュアンスで、その人の性格が非常に頑固であることを強調します。
When the boy decided to wear shorts in winter, his mom called him a little donkey.
その男の子が冬に半ズボンを履くと決めたとき、お母さんは彼を「小さな頑固者」と呼びました。
※ この例文は、子供が親の言うことを聞かず、自分の意思を強く押し通そうとする、少し微笑ましいけれど困った状況を描いています。'a little donkey' は、愛情を込めて、あるいは呆れながら「ちょっとした頑固者」と呼ぶ際に使われます。'stubborn'(頑固な)という形容詞と組み合わせて 'stubborn donkey' と言うこともよくあります。
苦労人
骨身を惜しまず働く人、特に地道な作業を黙々とこなす人を指す。ロバが重い荷物を運ぶイメージから派生。
Sarah always takes on the difficult tasks no one else wants; she's truly the donkey of our department.
サラはいつも、誰もやりたがらない難しい仕事を引き受けてくれます。まさに私たちの部署の苦労人です。
※ この例文は、職場で地味で大変な役割を黙々とこなす人、特に「嫌な仕事」を進んで引き受ける人に対して使われる典型的な場面を描写しています。同僚がサラの努力を認め、ねぎらう気持ちが込められています。 「be the donkey of ~」で「~の苦労人である」という意味になります。
My mother is the donkey of our family, always cooking and cleaning for everyone.
私の母は家族の苦労人で、いつもみんなのために料理や掃除をしてくれます。
※ 家庭内で、家族のために一番大変な家事や世話を一人でこなしている人に対して使う、愛情や感謝の気持ちがこもった表現です。ロバが重い荷物を運ぶイメージから、「重労働をこなす人」という意味で使われています。 「always doing ~ for everyone」で「いつもみんなのために~している」という献身的な様子が伝わります。
In our class project, Leo was the donkey, doing all the boring data input by himself.
クラスのプロジェクトで、レオは苦労人でした。退屈なデータ入力を全て一人でやってくれたからです。
※ この例文は、グループやチームの中で、地味で時間がかかり、あまり目立たないけれど重要な作業を担う人に対して使われる場面です。レオが文句も言わずに面倒な仕事をこなす姿が目に浮かびます。 「do by oneself」で「一人でやる」という意味です。誰かの努力を認め、感謝する時に使ってみましょう。
コロケーション
非常に頑固である
※ ロバは一般的に辛抱強く、粘り強い動物ですが、同時に非常に頑固であるという認識があります。このフレーズは、人が非常に意固地で、意見や行動を変えようとしない様子を指すときに使われます。日常会話でよく使われる表現で、相手の頑固さを少しユーモラスに指摘するニュアンスがあります。似た表現に『as stubborn as a mule (ラバのように頑固)』があります。
退屈で骨の折れる仕事、つまらない雑用
※ ロバが重い荷物を運ぶイメージから派生した表現で、単調で面白みのない、しかし必要な作業を指します。たとえば、データ入力、書類整理、単純な繰り返し作業などが該当します。ビジネスシーンや日常会話で、自分の仕事の一部を謙遜して表現する際にも使えます。類義語としては 'grunt work' がありますが、'donkey work' の方がやや丁寧な印象を与えます。
投票用紙で、候補者の名前がリストされた順に上から順に投票すること。政治的信念に基づかない投票行動
※ 特に政治的な知識や関心が低い人が、投票用紙の上から順に機械的に投票する行為を指します。候補者の名前がアルファベット順に並んでいる場合によく起こります。選挙制度や有権者の意識に関する議論で用いられることがあります。政治学や社会学の研究で使われることもあります。
ばかげた振る舞いをする、恥をかく
※ 「ass」も「donkey」も、ここでは「愚か者」という意味合いで使用され、どちらの表現もほぼ同じ意味で使えます。公の場で愚かな行動をしたり、失言をしたりして、周囲を不快にさせたり、自分の評判を落としたりする状況を指します。口語表現で、やや強い非難のニュアンスが含まれます。フォーマルな場面では避けるべき表現です。
ロバのように懸命に働く、骨身を惜しまず働く
※ ロバが重い荷物を運ぶイメージから、人が非常に一生懸命、長時間働く様子を指します。必ずしも効率が良いとは限らず、ただひたすらに肉体労働に励むようなニュアンスが含まれることがあります。日常会話で、自分の労働状況を誇張したり、苦労をアピールしたりする際に使われます。類義語としては 'work like a dog' がありますが、'work like a donkey' の方が、より地道な労働をイメージさせます。
非常に長い年月、何年も
※ イギリス英語のスラングで、非常に長い時間を意味します。正確な語源は不明ですが、ロバの寿命が長いことから連想されたという説があります。日常会話で、久しぶりに会った人に対して「donkey's years since I last saw you!(最後に会ってからずいぶん経つね!)」のように使われます。フォーマルな場面では避けるべき表現です。
使用シーン
学術的な文脈では、「頑固者」という意味よりも、比喩的に「愚か者」や「ばか正直な人」を指す際に用いられることがあります。例えば、経済学の研究で、非合理的な行動をとる主体を指して「donkeyのような行動原理を持つ」と表現することが稀にあります。ただし、直接的な侮辱を避けるために、より婉曲的な表現が好まれる傾向にあります。
ビジネスシーンでは、直接的に人を「donkey」と呼ぶことは非常に失礼にあたります。しかし、プロジェクトの進行が遅れている状況などを指して、比喩的に「まるでdonkeyのように動かない」と表現することが、内輪の会話や会議で稀に用いられることがあります。ただし、公式な文書やプレゼンテーションでは避けるべき表現です。
日常会話では、「頑固者」や「苦労人」といった意味で使われることがあります。例えば、友人が自分の意見を全く曲げない場合に、「彼は本当にdonkeyだ」と冗談交じりに言うことがあります。また、長時間労働で疲弊している人を指して、「彼はまるでdonkeyのように働いている」と同情する意味で使うこともあります。ただし、相手によっては不快に感じる可能性もあるため、親しい間柄でのみ使用するのが適切です。
関連語
類義語
- ass
ロバを指す最も一般的な言葉の一つ。日常会話で使われる。また、人を指して『愚か者』という意味でも使われる。 【ニュアンスの違い】"donkey"よりもややくだけた言い方で、場合によっては侮蔑的なニュアンスを含む。米語ではこちらが一般的。 【混同しやすい点】イギリス英語では人を指す侮辱語として"arse"が一般的。"ass"を使うとアメリカ英語の影響が感じられる。また、"make an ass of oneself"(恥をかく)というイディオムも重要。
雄のロバと雌の馬の交配種。ロバよりも大きく、丈夫で、荷運びや農作業に使われる。 【ニュアンスの違い】ロバと馬のハイブリッドであるという点が重要。ロバの単なる類義語ではない。比喩的に『頑固な人』を指す場合もあるが、ロバほど一般的ではない。 【混同しやすい点】ロバ(donkey/ass)と馬(horse)が混ざった動物であるという生物学的な知識が必要。また、繁殖能力がない。
- jackass
雄のロバを指す言葉。また、人を指して『ばか者』『まぬけ』という意味でも使われる。かなり侮蔑的なニュアンスを含む。 【ニュアンスの違い】"ass"よりもさらに強い侮蔑のニュアンスを持つ。人を指す場合は、相手を強く非難する意味合いがある。 【混同しやすい点】人を指す場合は、非常に失礼な言葉なので、使用する場面には注意が必要。親しい間柄でも避けるべき。
『愚か者』『ばか者』という意味で、人を指す一般的な言葉。様々な場面で使われる。 【ニュアンスの違い】"donkey"が動物のロバを指すのに対し、"fool"は完全に人を指す。ただし、"donkey"も人を指して『愚か者』という意味で使われることがある。 【混同しやすい点】"fool"は"donkey"よりも広い意味で使われる。"fool around"(ふざける)のように、動詞としても使われる。
『ばか』『まぬけ』という意味で、人を指す言葉。侮蔑的なニュアンスを含む。 【ニュアンスの違い】"donkey"と同様に人を指して『愚か者』という意味で使われるが、"idiot"の方がより強い侮蔑のニュアンスを持つことが多い。 【混同しやすい点】"idiot"は医学用語としても使われていた歴史があり、知的障害者を指す言葉として差別的な意味合いを持つ場合がある。使用には注意が必要。
派生語
- donkeywork
『骨の折れる退屈な仕事』という意味の名詞。ドンキー(ロバ)が重い荷物を運ぶイメージから派生し、反復的で面白みのない作業を指す。日常会話よりも、仕事やプロジェクトに関する文脈で使われることが多い。
- donkey's years
『非常に長い年月』を意味する口語表現。正確な語源は不明だが、donkey(ロバ)の寿命の長さや、ロバが長く働き続けるイメージが背景にあると考えられる。日常会話で、誇張表現として使われる。
- jackass
『ばか者、まぬけ』を意味する軽蔑的な表現。jack(雄ロバ)に由来し、ロバの頑固さや愚鈍さを擬人化したもの。フォーマルな場面では不適切だが、親しい間柄での冗談や、怒りの感情を表す際に用いられる。
語源
「donkey」の語源ははっきりとはしていませんが、有力な説として、13世紀頃に使われていた「Dun」という、くすんだ灰褐色の色を表す言葉に関連があると考えられています。当時、ロバの多くがそのような色をしていたため、「Dun」に指小辞の「-ky」がついて「dun-ky」となり、それが「donkey」へと変化したという説です。つまり、最初はロバの色を表す言葉が、そのままロバ自体を指すようになったと考えられます。直接的な語源とは言えませんが、「don」という敬称がつくことで、ロバの持つ従順さや、時に見せる頑固さといった特性が、少し皮肉を込めて表現されていると解釈することもできます。苦労人や頑固者といった比喩的な意味合いは、ロバが古来より重労働に使役されてきた歴史的背景から生まれたものでしょう。
暗記法
ロバは忍耐と勤勉さの象徴である一方、頑固さや愚かさの代名詞でもあります。聖書では謙虚さの象徴として登場する一方で、「ラバのように頑固」という表現も。ドン・キホーテの愛ロバはユーモアを添え、夏の夜の夢ではロバ頭に変身させられる人物も。アメリカ民主党のシンボルにも使われ、侮蔑と親しみの両方の顔を持つ、人間社会を映す鏡のような存在なのです。
混同しやすい単語
『donkey』と『monkey』は、どちらも動物の名前で、語尾の '-key' の部分が共通しているため、発音とスペリングの両方で混同しやすいです。『monkey』は『猿』を意味し、名詞として使われます。特に、会話のスピードが速いと聞き間違えやすいので、注意が必要です。また、monkeyには「いたずら好き」といった意味合いがあることも覚えておくと良いでしょう。
『donkey』と『turkey』もまた、語尾が '-key' で終わる単語であり、発音の類似性から混同されることがあります。『turkey』は『七面鳥』を意味し、こちらも名詞です。特に、アメリカ英語では『turkey』の発音が『ダーキー』のように聞こえる場合もあり、聞き取りにくいことがあります。感謝祭(Thanksgiving)の料理として有名です。
『donkey』と『dinky』は、語頭の『don-』と『din-』が似ているため、発音とスペリングの両面で混同されることがあります。『dinky』は『小さい、ちゃちな』といった意味の形容詞で、しばしば軽蔑的なニュアンスを含みます。例えば、『dinky car』(小型車)のように使われます。発音記号を確認し、母音の違いを意識することが重要です。
『donkey』の最初の部分『don』と『dunk』は、発音が非常に似ています。『dunk』は『(液体に)浸す』という意味の動詞で、バスケットボールの『ダンクシュート』としても知られています。文脈が全く異なるため、意味で混同することは少ないかもしれませんが、リスニングの際には注意が必要です。
『donkey』と『dingy』は、母音と子音の組み合わせが似ており、特に曖昧母音の発音に慣れていない日本人学習者にとっては混同しやすい単語です。『dingy』は『薄汚い、陰気な』という意味の形容詞で、場所や雰囲気を表す際に使われます。発音記号を確認し、それぞれの単語の音の違いを意識することが大切です。
『donkey』と『ducky』は、どちらも親しみを込めた表現に使われることがありますが、意味は大きく異なります。『ducky』は『かわいい』『元気?』といった意味で、主にイギリス英語で使われます。例えば、『Are you ducky?』(元気?)のように使われます。語尾が同じ '-ky' であるため、発音に注意が必要です。
誤用例
『donkey』は日本語の『馬車馬』のように使えると誤解されがちですが、英語では単に『愚か者』『頑固者』というニュアンスが強く、努力家に対して使うと侮辱的な意味合いになります。ここでは、同じように重労働をこなすイメージでも、『workhorse』を使う方が適切です。日本語の『馬車馬』という表現を直訳しようとする際に陥りやすい誤りです。
『donkey』も『mule(ラバ)』も頑固な動物として知られていますが、英語圏では『mule』の方が『頑固』の代名詞として一般的です。これは、ラバが家畜として使役される歴史が長く、人間の指示に従わないイメージが定着しているためです。日本語の『頑固』という言葉から直接動物を連想する場合、文化的背景の違いから不自然な表現になることがあります。また、donkeyは間抜けなイメージも含むため、深刻な頑固さを表すにはmuleが適しています。
『donkey』を『馬鹿』という意味で使うことは可能ですが、かなり直接的で失礼な表現です。特に、目上の人やフォーマルな場面では避けるべきです。より穏当な表現としては、『daft』(間抜けな)や『foolish』(愚かな)を使う方が適切です。日本語の『馬鹿』を安易に英語に置き換えようとすると、相手に不快感を与える可能性があります。状況や相手との関係性を考慮し、より丁寧な表現を選ぶことが重要です。また、日本語の「バカ」は親しみを込めて使われることもありますが、英語のdonkeyはそういったニュアンスは含みません。
文化的背景
ロバ(donkey)は、忍耐力と勤勉さの象徴である一方で、頑固さや愚かさの代名詞としても扱われてきました。この二面性は、ロバが歴史を通じて担ってきた役割と、それに対する人々の複雑な感情を反映しています。
ロバは古くから人間の生活を支えてきた家畜であり、重い荷物を運び、農作業を手伝うなど、その労働力は貴重でした。聖書にもロバが登場し、イエス・キリストがエルサレムに入城する際にロバに乗ったという記述は有名です。この場面では、ロバは謙虚さや平和の象徴として描かれています。しかし、一方で、ロバはしばしば愚鈍さや頑固さの象徴としても用いられます。英語の表現「as stubborn as a mule(ラバのように頑固)」は、ロバの従順さと反抗心の両面を表しています。
文学作品においても、ロバは多様なキャラクターとして登場します。セルバンテスの『ドン・キホーテ』に登場するサンチョ・パンサの愛ロバ、ルシオは、主人の冒険に付き従いながらも、現実的な視点を提供し、物語にユーモアと人間味を加えています。また、シェイクスピアの『夏の夜の夢』では、妖精パックによってロバの頭に変えられたボトムが登場し、滑稽な状況を生み出します。これらの例からもわかるように、ロバは単なる動物ではなく、人間の性格や社会状況を反映する鏡のような存在として描かれてきました。
現代においても、ロバは政治的な風刺やユーモアの対象として用いられることがあります。アメリカ合衆国では、民主党のシンボルとしてロバが使用されており、これは19世紀にアンドリュー・ジャクソン大統領が批判者から「ジャックアス(間抜けなロバ)」と呼ばれたことに由来します。ジャクソン大統領はこれを逆手に取り、ロバを自身の支持者の象徴として利用しました。このように、ロバは侮蔑的な意味合いを持つ一方で、親しみやすさや庶民的なイメージを象徴する存在としても認識されています。ロバに対する多様なイメージは、私たちが他者や社会をどのように認識し、評価するかを考える上で、示唆に富む事例を提供してくれるでしょう。
試験傾向
この単語が直接問われることは稀ですが、比喩表現として使われることがあります。例えば、準1級以上の長文読解で「愚か者」といった意味合いで使われる可能性があります。直接的な語彙問題での出題は少ないでしょう。
TOEICでは、直接的な語彙問題として「donkey」が出題される可能性は低いですが、比喩表現やイディオムの一部としてビジネス以外の文脈で登場する可能性はあります。例えば、「work like a donkey(ロバのように働く)」といった表現です。
TOEFLのアカデミックな文脈では、「donkey」が直接出題される可能性は非常に低いと考えられます。比喩表現として使われることも稀でしょう。
大学受験でも、「donkey」という単語そのものが直接問われる可能性は低いですが、英文和訳や長文読解の中で、比喩表現として登場する可能性はあります。文脈から意味を推測する能力が重要になります。