values
価値観
個人や社会が大切にしている信念や原則。何が重要か、何が良いことかを判断する基準となる。例:moral values(道徳的価値観)
My friend told me that family and honesty are his most important values in life.
私の友人は、人生で家族と正直さが最も大切な価値観だと言いました。
※ 友人が真剣に自分の人生観を語っている場面です。人はそれぞれ大切にしているもの(価値観)が違いますが、この文では「家族」や「正直さ」が彼にとっての重要な価値観だとわかります。「values」は複数形ですが、これは「多くの価値」ではなく「複数の価値観」という意味で使われます。個人の内面を表す際によく使われる表現です。
Our family always teaches us to respect elders, which is one of our core values.
私たちの家族はいつも、年長者を敬うことを教えてくれます。それが私たちの中心となる価値観の一つです。
※ 家族が代々大切にしている教えや考え方が伝わる場面です。家族や会社など、集団で共有される「価値観」を表す典型的な使い方です。「core values」は「核となる価値観」「最も重要な価値観」という意味でよく使われます。「respect elders(年長者を敬う)」のように、具体的な行動や考え方が「価値観」として示されます。
When I started my new job, I realized their company values were quite different from my old one.
新しい仕事を始めた時、その会社の価値観が以前の会社とはかなり違うことに気づきました。
※ 新しい環境に飛び込み、戸惑いながらもその場所の文化や考え方を理解しようとしている場面です。組織や集団の「価値観」が異なることを表現する際によく使われます。「company values」は「会社の価値観」という意味で、ビジネスシーンで頻繁に使われます。「different from A」で「Aと異なる」という比較の表現も学べます。
価格
商品やサービスの金銭的な価値。経済学やビジネスの文脈で頻繁に使用される。例:property values(不動産価格)
The expert carefully examined the old vase and estimated its values were very high.
専門家はその古い花瓶を慎重に調べ、その価格が非常に高いと見積もりました。
※ この例文は、美術館や鑑定の場面で、専門家が美術品や骨董品の『評価額』や『鑑定価格』を判断する情景を描いています。ここでは、単に値段というよりは、専門的な見地から見た『価値ある価格』といったニュアンスで使われています。複数形の 'values' は、その物の持つ様々な側面からの評価価格を指すことがあります。
In this popular area, house values tend to increase steadily year by year.
この人気の地域では、住宅の価格は毎年着実に上昇する傾向にあります。
※ 不動産の『市場価格』や『資産価値』について話す際によく使われる例文です。人々が住みたいと考える人気のある場所では、家の値段がじわじわと上がっていく様子が目に浮かびますね。『house values』のように、何かの『価格』を指す場合によく使われます。'tend to' は「〜する傾向がある」という意味で、自然な流れを表します。
Before buying, I always compare the values of different brands to get the best quality.
買う前にはいつも、最高の品質を得るために、異なるブランドの価格(価値)を比較します。
※ この例文は、買い物をする人が、ただ安いだけでなく、品質も考慮して賢く商品を選ぼうとしている場面を表しています。『compare the values』で「価格を比較する」という日常的な行動を描写しています。ここでは単に『price』ではなく『values』を使うことで、品質に対する価格、つまり『価格に見合った価値』というニュアンスも感じられます。
重んじる
何かを重要だと考え、尊重する行為。意見や貢献、関係性などを高く評価する意味合いで使用される。例:I value your opinion.(あなたの意見を重んじます。)
I truly value the time I spend with my family on weekends.
私は週末に家族と過ごす時間を心から大切にしています。
※ この例文では、仕事で忙しい大人が、週末に家族と食卓を囲んだり、一緒に公園で笑い合ったりする温かい情景が目に浮かびます。「value」を使うことで、単に「好きだ」というだけでなく、その時間を非常に重要でかけがえのないものだと考えている気持ちが伝わります。個人的な価値観や、自分が大切にしているものを表現する際にぴったりの使い方です。
Our company always values customer trust and tries to provide the best service.
私たちの会社は常にお客様の信頼を重んじ、最高のサービスを提供しようと努めています。
※ この例文は、企業や組織が「何を最も大切にしているか」を説明するビジネスシーンを思い描かせます。顧客の期待に応えようと、社員一人ひとりが真剣に仕事に取り組む姿が見えますね。「value」は、このように組織の理念や行動原則として「〜を重んじる」「〜を高く評価する」という意味で非常によく使われます。会社のウェブサイトやパンフレットでも見かける典型的な表現です。
My wise old neighbor always told me that we should value honesty above all else.
私の賢い老いた隣人は、何よりも正直さを重んじるべきだといつも私に言いました。
※ この例文からは、人生経験豊かな隣人が、穏やかな口調で大切な教訓を語りかけている情景が目に浮かびます。「value」は、このように「人間として大切にすべきこと」や「普遍的な価値観」を表現する際にもよく用いられます。アドバイスや教えとして「〜を大切にしなさい」と伝えるときに「should value」の形で使うのは、とても自然で典型的な表現です。
コロケーション
核となる価値観、最重要の価値基準
※ 組織や個人にとって最も大切で、行動や意思決定の基盤となる価値観を指します。企業理念や個人の倫理観を語る際によく用いられます。単に『大切にしていること』というだけでなく、『揺るぎない信念』というニュアンスを含みます。例えば、企業のウェブサイトで『Our core values are innovation, integrity, and customer satisfaction.(当社の核となる価値観は、革新性、誠実さ、顧客満足です)』のように使われます。形容詞+名詞の典型的なコロケーションです。
個人の価値観、個人的な信条
※ 個人が大切にしている価値観や信念のこと。幸福感や満足感、行動の選択に影響を与えます。例えば、『respect for others』(他人への尊敬) や『honesty』(正直さ) など。キャリアカウンセリングや自己啓発の文脈でよく使われます。求職活動で企業との相性を測る際にも重要な要素となります。形容詞+名詞のコロケーションで、フォーマルな場面でもカジュアルな場面でも使用可能です。
社会的な価値観、社会通念
※ 社会全体で共有されている価値観や規範のこと。公正さ、平等、自由などが含まれます。社会の秩序を維持し、人々の行動を方向づける役割を果たします。政治学や社会学の議論で頻繁に登場する表現です。『Changing social values(変化する社会通念)』のように、社会の変化を語る際によく用いられます。形容詞+名詞のコロケーションで、学術的な文脈やニュース記事などでよく見られます。
文化的価値観、文化的な規範
※ 特定の文化圏において共有されている価値観や信念のこと。言語、宗教、習慣などに影響されます。異文化理解や国際交流の文脈で重要な概念です。『Different cultural values can lead to misunderstandings.(異なる文化的価値観は誤解を生む可能性がある)』のように、異文化間のコミュニケーションにおける課題を説明する際にも用いられます。形容詞+名詞のコロケーションです。
道徳的価値観、倫理観
※ 善悪の判断基準となる価値観のこと。正直さ、誠実さ、公正さなどが含まれます。個人の行動や社会の規範を律する上で重要な役割を果たします。哲学や倫理学の議論でよく用いられる表現です。『Upholding moral values(道徳的価値観を守る)』のように、倫理的な行動を促す際に使われます。形容詞+名詞のコロケーションで、ややフォーマルな響きがあります。
経済的価値、経済的な価値観
※ 経済活動における価値の基準。効率性、生産性、利益などが含まれます。経済政策やビジネス戦略を評価する上で重要な概念です。『Maximizing economic values(経済的価値を最大化する)』のように、経済的な目標を達成する際に使われます。形容詞+名詞のコロケーションで、経済学やビジネスの文脈で頻繁に用いられます。
政治的価値観、政治的な信条
※ 政治的な立場やイデオロギーの基盤となる価値観。自由、平等、民主主義などが含まれます。政治的な議論や政策決定に影響を与えます。『Conflicting political values(対立する政治的価値観)』のように、政治的な対立を説明する際に使われます。形容詞+名詞のコロケーションで、政治学やジャーナリズムの文脈でよく見られます。
使用シーン
学術論文や研究発表で頻繁に使用されます。特に社会科学、心理学、経済学などの分野で、「価値観」「価値基準」といった意味で用いられます。例:『本研究では、消費者の環境に対するvaluesが購買行動に与える影響を分析する』のように、研究テーマや仮説を説明する際に使われます。また、『valuesの多様性』といった概念を議論する際にも重要です。
企業の経営理念や行動規範、CSR報告書などで、「企業価値」「倫理観」といった意味で用いられます。例:『弊社は、顧客第一主義というvaluesを重視し、高品質なサービスを提供する』のように、企業が大切にしている価値観を表明する際に使われます。また、M&Aの文脈で企業の「評価額」を指す場合もあります。
日常会話では、改まった場面や議論において、「価値観」「大切にしていること」といった意味で用いられます。例:『私たちが共有するvaluesに基づいて、より良い社会を築いていこう』のように、共通の理念や目標を強調する際に使われます。ただし、よりカジュアルな場面では、「what's important to you?(あなたにとって大切なことは?)」のような表現が好まれます。
関連語
類義語
- principles
個人や組織が行動の指針とする基本的な信条や道徳律。倫理的、道徳的な文脈で用いられることが多い。ビジネス、政治、哲学など、フォーマルな場面でよく使われる。 【ニュアンスの違い】"Values"が個人の好みや重要視する事柄を含むのに対し、"principles"はより普遍的で客観的な基準を指す。また、"principles"は一貫性と倫理観を強く示唆する。 【混同しやすい点】"Values"は複数形で使われることが多いが、"principles"も複数形であり、単数形では意味が大きく異なる場合がある。また、"values"は動詞としても使われるが、"principles"は通常名詞としてのみ用いられる。
- beliefs
何かを真実だと信じること。宗教、政治、個人的な意見など、幅広い分野で使用される。日常会話でも頻繁に使われる。 【ニュアンスの違い】"Values"は重要視する事柄や優先順位を意味するのに対し、"beliefs"は真実だと信じている事柄を指す。"Values"は行動に影響を与えるが、"beliefs"は世界観や考え方に影響を与える。 【混同しやすい点】"Beliefs"は主観的な意見や信仰に基づいていることが多く、客観的な事実とは異なる場合がある。一方、"values"は必ずしも真実である必要はなく、単に重要だと考えるものを示す。
- morals
善悪を判断する基準となる道徳的な原則。倫理学や宗教の文脈でよく使われる。フォーマルな場面や、倫理的な議論で用いられることが多い。 【ニュアンスの違い】"Values"は個人的な優先順位や好みを含むのに対し、"morals"は社会的に受け入れられている善悪の基準を指す。"Morals"はより普遍的で客観的な道徳律を意味することが多い。 【混同しやすい点】"Morals"はしばしば社会的な規範や道徳律を指すため、個人の価値観(values)と衝突することがある。また、"morals"は法律や規則と関連付けられることが多い。
行動の正しさや道徳的な義務に関する一連の原則。ビジネス、医療、法律など、専門分野における倫理的な基準を指すことが多い。非常にフォーマルな場面で使用される。 【ニュアンスの違い】"Values"が個人の優先順位を反映するのに対し、"ethics"は特定の集団や職業における行動規範を指す。"Ethics"はしばしば成文化された規則として存在する。 【混同しやすい点】"Ethics"は特定の状況や専門分野に特有の倫理的な原則を指すため、個人の価値観(values)とは異なる場合がある。例えば、企業倫理や医療倫理など。
- ideals
理想的な状態や目標。個人的な願望や社会的な目標など、高尚な概念を表す際に用いられる。文学的な表現や、理想を語る場面でよく使われる。 【ニュアンスの違い】"Values"は現実的な優先順位を指すのに対し、"ideals"は理想的な状態や目標を指す。"Ideals"はしばしば達成困難な目標として提示される。 【混同しやすい点】"Ideals"は抽象的な概念であり、具体的な行動指針とは異なる場合がある。一方、"values"は具体的な行動や意思決定に影響を与える。
- standards
あるべき水準や基準。品質、性能、行動など、さまざまな分野で使用される。ビジネス、科学、教育など、客観的な評価基準が必要な場面でよく使われる。 【ニュアンスの違い】"Values"は重要視する事柄を指すのに対し、"standards"は達成すべき基準を指す。"Standards"はしばしば客観的な測定基準によって評価される。 【混同しやすい点】"Standards"は客観的な基準であるため、個人の価値観(values)とは異なる場合がある。例えば、品質基準や安全基準など。
派生語
- valuate
『評価する』という意味の動詞。『value』に動詞化の接尾辞『-ate』が付加。ビジネスシーン(特に金融や不動産)で、資産や企業価値を査定する際に頻繁に使用される。単に価値を認めるだけでなく、具体的な金額や数値を算定するニュアンスを含む。
『価値のある』という意味の形容詞。『value』に形容詞化の接尾辞『-able』が付加。物理的な物から抽象的な概念まで、幅広い対象に対してその重要性や有用性を強調する際に用いられる。日常会話からビジネス文書、学術論文まで、あらゆる場面で登場する。
『評価』という意味の名詞。『valuate』から派生し、さらに名詞化の接尾辞『-ion』が付加。単に価値を判断するだけでなく、体系的な分析や査定プロセス全体を指すことが多い。教育、人事、プロジェクト管理など、様々な分野で用いられる。
反意語
- worthlessness
『価値がないこと』を意味する名詞。『worth』(価値)に否定の接尾辞『-less』と名詞化の『-ness』が付いた形。『value』が肯定的な価値を指すのに対し、これは完全に価値がない状態を表す。日常会話よりも、ややフォーマルな文脈や抽象的な議論で用いられることが多い。
- uselessness
『役に立たないこと』を意味する名詞。『useful』(役に立つ)に否定の接尾辞『-less』と名詞化の『-ness』が付いた形。『value』が有用性や重要性を含むのに対し、これは全く役に立たない状態を指す。道具やスキルなど、具体的な対象に対して用いられることが多い。
- inutility
『無用』や『無益』を意味する名詞。接頭辞『in-』(否定)と『utility』(有用性)が組み合わさった語。フォーマルな文脈や学術的な議論で、特に抽象的な概念やシステムが役に立たないことを強調する際に用いられる。『utility』が何らかの目的を果たす能力を指すのに対し、『inutility』はその能力が欠如している状態を示す。
語源
"Values"は、古フランス語の"valoir"(価値がある、強い)に由来し、さらに遡るとラテン語の"valere"(強い、価値がある、健康である)にたどり着きます。このラテン語の動詞は、物理的な強さだけでなく、道徳的な価値や重要性も表していました。英語の"value"が「価値観」や「重んじる」という意味を持つのは、このラテン語の多義性に由来します。例えば、"valid"(有効な)や"valor"(勇気)も同じ語源を持ち、これらは「強さ」や「価値」という根本的な概念を共有しています。日本語で例えるなら、「値打ちがある」という表現が、価格だけでなく、そのものの持つ重要性や意義を示唆するのと似ています。このように、"values"は、単なる価格を超えた、人間が大切にする様々な価値を表す言葉として、歴史を通じて意味を深めてきたのです。
暗記法
「values」は単なる価値ではなく、社会や個人が大切にする規範、道徳、美意識といった文化的信念体系です。古代ギリシャ哲学からキリスト教、ルネサンスを経て、個人の信念と社会規範を包含する概念へと発展しました。現代では企業倫理や政治、教育にも影響を与え、多様な価値観の尊重が重要視されています。変化し続ける「values」は、私たちの生き方や社会を問い直すキーワードなのです。
混同しやすい単語
スペルが似ており、接尾辞 '-less' がつくことで意味が反対になるため混同しやすい。『価値がない』という意味で、形容詞。'values' は名詞(価値観、価値)または動詞(評価する)であり、品詞が異なる点に注意。
発音が似ており、特に語尾の '-s' の音が曖昧になりやすい。スペルも 'valu-' と 'volu-' の部分が似ているため、視覚的にも混同しやすい。『量』や『冊』という意味の名詞で、'values' とは意味が大きく異なる。文脈で判断することが重要。
発音の母音部分が似ており、綴りも 'v' から始まる点が共通しているため、混同しやすい。『美徳』という意味の名詞で、道徳的な価値を表す。意味が似ている場合もあるが、'values' がより広い意味での価値観を指すのに対し、'virtues' は道徳的な善を指す点で異なる。
スペルが似ており、特に語頭の 'val-' の部分が共通しているため、視覚的に混同しやすい。『妥当な』『有効な』という意味の形容詞で、'values' (価値観) が名詞であるのに対し、'valid' は形容詞である点が異なる。論理や議論において使われることが多い。
発音が似ており、特に語尾の '-ges' の音が共通しているため、混同しやすい。スペルも 'v' で始まる点が共通している。『村』という意味の名詞で、'values' とは全く異なる意味を持つ。文脈から判断することが重要。
『価値のバランス』のような文脈で意味が近くなる場合があり、混同しやすい。『バランス』『均衡』という意味の名詞または動詞。'values' が個々の価値観を指すのに対し、'balance' はそれらの間の均衡を指す点で異なる。語源的には、天秤の皿(balance)が語源であり、価値を測るという連想から意味が近くなることがある。
誤用例
日本語の『価値観』を直訳すると 'values' となりがちですが、英語では抽象的な概念を列挙する際に複数形の 'values' を使うと、漠然とした印象を与え、具体性に欠けることがあります。より明確にするためには、'core values' (核となる価値観) という表現を用いるか、'kindness and honesty' のように具体的な名詞で表現する方が自然です。また、'to be' はやや形式ばった印象を与えるため、名詞を直接使う方が簡潔で現代的な英語として好まれます。日本人が『〜であること』という表現を好む傾向が、この誤用につながっていると考えられます。
英語では、原因と結果の順序が重要です。日本語では『彼が家族を大切にした。だから彼は一生懸命働いた』のように、結果を先に述べることも自然ですが、英語では 'because' を使って原因を先に述べる方が論理的な流れになります。 'value' は『評価する』という意味合いが強く、家族を大切にする気持ちの根源として捉える場合、原因として先に提示することで、文全体の意味がより明確になります。日本人が結論を先に述べる習慣が、英語の論理構造と衝突する例です。
『〜と(価値観が)違う』を 'with' で表現するのは、英語としては不自然です。価値観や意見の相違を表す場合は、'from' を使うのが一般的です。 'with' は『〜と一緒に』という意味合いが強く、価値観が共有されているニュアンスを与えてしまいます。また、'about' よりも 'regarding' の方が、フォーマルな場面やビジネスシーンでより適切です。日本人が『〜と一緒に』という表現を安易に 'with' に置き換えてしまうことが、この誤用の原因と考えられます。
文化的背景
「values」は、単に「価値」を意味するだけでなく、社会や個人が大切にする規範、道徳、美意識など、行動や判断の基盤となる深い文化的信念体系を指します。その意味合いは、時代や社会構造の変化とともに変遷し、個人のアイデンティティや社会の結束を形成する上で重要な役割を果たしてきました。
歴史的に見ると、「values」という概念は、宗教的、哲学的思想と深く結びついて発展してきました。古代ギリシャの哲学者たちは、善、美、真実といった普遍的な価値を追求し、それが西洋文明の価値観の根幹を形成しました。中世ヨーロッパにおいては、キリスト教の教えが社会の価値観を大きく左右し、信仰、慈善、謙虚さなどが重視されました。ルネサンス期には、人間の尊厳や個性が再評価され、芸術や文化における価値観の多様性が広がりました。これらの歴史的な変遷を経て、「values」は、個人の内面的な信念体系と、社会全体の規範意識の両方を包含する概念として確立していきました。
現代社会においては、「values」は、政治、経済、教育など、あらゆる分野で重要な意味を持ちます。企業は、倫理的な行動規範や社会的責任を重視するようになり、企業の「values」を明確にすることで、ブランドイメージの向上や従業員のモチベーション向上を図っています。政治においては、「values」は、政策の方向性や社会のあり方を決定する上で重要な要素となり、異なる価値観を持つ人々との対話や合意形成が求められます。教育においては、「values」教育を通じて、子供たちが社会の一員として責任ある行動をとれるように、道徳的な判断力や倫理観を養うことが重視されています。
「values」は、時代や社会の変化とともに常に変化し続けるものであり、その多様性を理解し、尊重することが、現代社会において不可欠です。例えば、環境保護や人権尊重といった新しい価値観が台頭する一方で、伝統的な家族観や愛国心といった価値観も依然として重要な意味を持っています。異なる価値観を持つ人々が互いに理解し、協力することで、より豊かな社会を築き上げることができるでしょう。「values」という言葉は、単なる「価値」を超えて、私たち自身の生き方や社会のあり方を深く問い直すための、重要なキーワードなのです。
試験傾向
準1級・1級の長文読解で頻出。文脈から「価値観」「価値」といった意味を推測させる問題が多い。ライティングでの使用も考慮し、複数形/単数形の使い分け、動詞としての用法(value A as B)も意識する。
Part 5, 6, 7 で登場。ビジネスシーンでの「価値」「重要性」の意味で使われることが多い。同義語(importance, significance)との選択問題に注意。金銭的な「価値」を指す場合もある。
リーディングセクションで頻出。アカデミックな文脈で「価値観」「価値」の意味で使用される。同意語や言い換え表現(principles, ethics, worth)も覚えておくと役立つ。ライティングでも使用を意識。
難関大学の長文読解で頻出。抽象的な概念を扱う文章でよく見られる。「価値観」「重要性」といった意味を文脈から判断する必要がある。和訳問題では適切な日本語を選ぶ必要がある。