unparalleled
比類なき
他に並ぶものがないほど優れている、卓越しているという意味。特に実績、才能、美しさなどが非常に高く評価される状況で使われる。類義語:matchless, peerless
The view from the mountain top was truly unparalleled.
山頂からの眺めは本当に比類なきものでした。
※ この例文は、旅行中に息をのむような絶景を見た時の感動を表しています。「unparalleled」は、自然の壮大さや美しさを表現する際によく使われます。ここでは、「比類ないほど素晴らしい」という感情が伝わります。
Her singing skill is unparalleled; she can touch everyone's heart.
彼女の歌の技術は比類なく、みんなの心に触れることができます。
※ この例文は、ある人の特別な才能や能力を褒め称える場面で使われます。「unparalleled skill/talent」のように、特定の能力が飛び抜けて優れていることを表現するのにぴったりです。セミコロン(;)は、関連する二つの文をつなぐときに使われます。
The taste of this chocolate cake is unparalleled; it's the best I've ever had.
このチョコレートケーキの味は比類ない。今までで一番おいしい。
※ この例文は、食べ物やサービスなど、提供されるものの質が非常に高いことを表現するのに適しています。一口食べた瞬間に「これは今まで経験したことのないレベルだ!」と感じるような感動を伝えます。「It's the best I've ever had.」は、「今まで食べた中で一番」という、とても自然な褒め言葉です。
空前の
過去に例がないほど規模が大きい、または重要であるという意味。歴史的な出来事や記録、成果などを表現する際に用いられる。類義語:unprecedented
When she sang, her voice had an unparalleled beauty that filled the whole hall.
彼女が歌ったとき、その声はホール全体を満たすような、空前の美しさを持っていました。
※ この例文は、歌手の素晴らしい歌声が会場全体に響き渡り、その美しさが「他に類を見ない」ほどだった感動的な情景を描いています。芸術や才能が極めて優れていることを表現する際によく使われる、典型的な使い方です。「unparalleled beauty(比類ない美しさ)」のように、形容詞として名詞を修飾する形で使うことが多いです。
Standing on the mountain, I saw a view of the ocean that was truly unparalleled.
山の上に立つと、本当に空前の、他に類を見ない海の景色が見えました。
※ この例文は、山頂から広がる壮大な海の景色を見て、その美しさに息をのむ瞬間を表現しています。自然の景色の壮大さや美しさが、他のどんな景色とも比べ物にならないほど素晴らしい、という文脈で「unparalleled」を使うのは非常に自然です。「Standing on the mountain, ...」のように、文頭にing形を置くことで「~しながら」という状況を説明できます。
The chef prepared a meal with unparalleled flavors, making us all smile happily.
シェフは空前の美味しさの料理を用意し、私たち全員を幸せな笑顔にしました。
※ この例文は、シェフが作った料理の味が「他に比類ない」ほど素晴らしく、食べた人全員が笑顔になったという楽しい食事の場面を描いています。サービスや体験の質が極めて高いことを表現する際に「unparalleled」はよく使われます。例えば、「unparalleled service(比類ないサービス)」や「unparalleled experience(比類ない体験)」などです。
コロケーション
他に類を見ない成功、比類なき成功
※ 「unparalleled」は文字通り「並ぶものがない」という意味ですが、「success」と組み合わせることで、単なる成功ではなく、歴史に残るような、あるいは業界全体を揺るがすような圧倒的な成功を指します。ビジネスシーンでよく用いられ、新製品の発売、大規模プロジェクトの完了、企業の業績報告などで、その成果を強調する際に使われます。例えば、「The company achieved unparalleled success with its innovative marketing campaign.(その会社は革新的なマーケティングキャンペーンで比類なき成功を収めた)」のように使います。類似表現としては「unprecedented success」がありますが、「unparalleled」は質的な唯一性を、「unprecedented」は量的な記録更新を強調する傾向があります。
またとない機会、絶好のチャンス
※ 「opportunity」との組み合わせは、逃せば二度と訪れないような、非常に貴重な機会を意味します。キャリアアップ、投資、国際的なプロジェクトへの参加など、人生を大きく左右する可能性を秘めた状況で使われることが多いです。例えば、「This internship offers an unparalleled opportunity to work with leading experts in the field.(このインターンシップは、その分野の第一人者たちと働くまたとない機会を提供する)」のように使います。この表現は、相手に強く訴えかける力があり、広告や勧誘などでも効果的に用いられます。類似表現としては「golden opportunity」がありますが、「unparalleled」の方がよりフォーマルで、客観的な評価に基づいたニュアンスを含みます。
比類なき美しさ、他に並ぶものがない美しさ
※ 「beauty」と組み合わせることで、言葉では表現しきれないほどの、圧倒的な美しさを意味します。自然景観、芸術作品、人物など、美の対象は多岐にわたります。文学的な表現としてもよく用いられ、読者の想像力を掻き立てる効果があります。例えば、「The sunset over the ocean presented a scene of unparalleled beauty.(海に沈む夕日は、比類なき美しさの光景を呈した)」のように使います。類似表現としては「exquisite beauty」がありますが、「unparalleled」は美しさの絶対的なレベルを、「exquisite」は洗練された美しさを強調します。
比類なき専門知識、他に匹敵するもののない専門性
※ 「expertise」との組み合わせは、長年の経験や深い知識に裏打ちされた、他の追随を許さない専門性を意味します。特定の分野における高度なスキルや知識を持つ人物を称賛する際に使われます。ビジネスシーンや学術的な文脈でよく用いられ、信頼性や権威性を高める効果があります。例えば、「Dr. Smith possesses unparalleled expertise in the field of genetic engineering.(スミス博士は遺伝子工学の分野において比類なき専門知識を持っている)」のように使います。類似表現としては「exceptional expertise」がありますが、「unparalleled」の方がより卓越した、唯一無二の専門性を強調します。
比類なき規模、他に例を見ない規模
※ 「scale」と組み合わせることで、プロジェクト、イベント、現象などが、前例のないほど大規模であることを強調します。この表現は、建設プロジェクト、自然災害、経済現象など、さまざまな文脈で使用できます。例えば、「The construction of the Great Wall was a project of unparalleled scale.(万里の長城の建設は、比類なき規模のプロジェクトだった)」のように使われます。「unparalleled scale」は、その規模の大きさが他に匹敵するものがないことを示唆し、圧倒的な印象を与えます。類似表現としては「unprecedented scale」がありますが、「unparalleled」は質的な唯一性を、「unprecedented」は量的な記録更新を強調する傾向があります。
比類なきアクセス、他に例を見ないアクセス権
※ 「access」と組み合わせることで、通常は許可されない、または非常に限られた人しか得られない特別なアクセス権を意味します。この表現は、情報、場所、人物など、様々な対象へのアクセスについて使用できます。例えば、「The journalist was granted unparalleled access to the president's inner circle.(そのジャーナリストは、大統領の側近への比類なきアクセス権を与えられた)」のように使われます。「unparalleled access」は、そのアクセス権が非常に貴重であり、他の誰もが容易には得られないものであることを示唆します。この表現は、独占的な情報や機会を強調する際に効果的です。
使用シーン
学術論文や研究発表で、特に新規性や独自性を強調する際に用いられます。例えば、「〜に関する前例のない(unparalleled)研究成果」のように、研究の重要性を示す文脈で使用されます。文語的な表現であり、専門分野によっては頻繁に見られます。
ビジネスシーンでは、製品の革新性や市場での優位性をアピールする際に、マーケティング資料やプレゼンテーションなどで用いられます。例:「比類なき(unparalleled)顧客体験を提供する」のように、競合他社との差別化を強調する際に使用されます。ややフォーマルな表現です。
日常会話ではほとんど使用されませんが、ニュース記事やドキュメンタリー番組などで、歴史的な出来事や偉業を称賛する際に用いられることがあります。例:「空前の(unparalleled)成功を収めた」のように、稀に見聞きする程度です。普段の会話で使うと、少し大げさな印象を与える可能性があります。
関連語
類義語
- matchless
比類なき、無敵の。競争や比較において、他の追随を許さない卓越性を指す。文学的、あるいはやや古風な響きを持つ。 【ニュアンスの違い】"unparalleled" が過去から現在までの実績や状況を包括的に見て他に並ぶものがないことを強調するのに対し、"matchless" は競争や比較という文脈において、その卓越性が際立っていることを強調する。"matchless" は、しばしば芸術作品、才能、美しさなど、主観的な評価が可能なものに対して使われる。 【混同しやすい点】"matchless" はしばしば抽象的な概念や性質(例:matchless beauty, matchless skill)に対して用いられ、具体的な事例や実績に対しては "unparalleled" の方がより適切である場合がある。また、"matchless" は "unparalleled" よりも使用頻度が低い。
- peerless
同等の者がいない、無比の。特に才能、技術、美しさなどが非常に優れており、並ぶものがいない状態を指す。文学的、またはやや形式ばった響きを持つ。 【ニュアンスの違い】"unparalleled" が客観的な事実に基づいて他に並ぶものがないことを示すのに対し、"peerless" は主観的な評価、特に才能や技術の高さにおいて他の追随を許さないことを強調する。"peerless" は、しばしば尊敬や賞賛の念を込めて用いられる。 【混同しやすい点】"peerless" は通常、人やその能力を指す場合に用いられ、具体的な実績や状況を指す "unparalleled" とは対象が異なる場合がある。例えば、「前例のない経済成長」を "peerless economic growth" と表現することは不自然である。
- incomparable
比較できないほど素晴らしい、比類なき。非常に優れており、他のものと比較すること自体が無意味であるというニュアンスを含む。日常会話からフォーマルな場面まで幅広く使用される。 【ニュアンスの違い】"unparalleled" が客観的に見て他に並ぶものがないことを示すのに対し、"incomparable" は主観的な評価に基づき、その価値や素晴らしさが比較を超越していることを強調する。"incomparable" は、しばしば感情的なニュアンスを伴い、強い賞賛や愛情を表現する際に用いられる。 【混同しやすい点】"incomparable" は、しばしば抽象的な概念や性質(例:incomparable beauty, incomparable joy)に対して用いられ、具体的な事例や実績に対しては "unparalleled" の方がより適切である場合がある。また、"incomparable" は "beyond comparison" という意味合いが強く、比較の対象が存在しないというニュアンスを含む。
- unrivaled
競争相手がいない、無敵の。競争や争いにおいて、他の追随を許さない強さや優位性を指す。ビジネス、スポーツ、軍事など、競争的な文脈でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】"unparalleled" が過去から現在までの実績や状況を包括的に見て他に並ぶものがないことを強調するのに対し、"unrivaled" は特定の競争や争いにおいて、その優位性が揺るがないことを強調する。"unrivaled" は、しばしば力強さや支配力を伴う。 【混同しやすい点】"unrivaled" は競争や争いという文脈に限定されるため、単に他に並ぶものがないという意味で "unparalleled" を使うべき場面では不適切である。例えば、「前例のない自然災害」を "unrivaled natural disaster" と表現することは不自然である。
前例のない、空前の。過去に例がない、初めての出来事を指す。ニュース報道、歴史、科学など、幅広い分野で使用される。 【ニュアンスの違い】"unparalleled" は質的な卓越性を示唆するのに対し、"unprecedented" は単に過去に例がないという事実を述べる。"unprecedented" は、必ずしも良い意味で使われるとは限らず、悪い出来事に対しても用いられる。 【混同しやすい点】"unparalleled" は比較対象が存在するが、比較の結果、並ぶものがないという意味合いを含むのに対し、"unprecedented" は比較の対象となる前例自体が存在しないという点が大きく異なる。例えば、「前例のない成功」は "unparalleled success" と "unprecedented success" のどちらでも表現できるが、"unprecedented disaster" は "unparalleled disaster" とはニュアンスが異なる。
最高の、至高の。品質、地位、権力などが最も高いレベルにあることを指す。フォーマルな場面や文学的な表現でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】"unparalleled" が他に並ぶものがないという客観的な事実を述べるのに対し、"supreme" は主観的な評価に基づき、その価値や重要性が最高であると断言する。"supreme" は、しばしば権威や支配力を伴う。 【混同しやすい点】"supreme" は抽象的な概念や性質(例:supreme happiness, supreme power)に対して用いられることが多く、具体的な事例や実績に対しては "unparalleled" の方がより適切である場合がある。また、"supreme" は形容詞として名詞を修飾するだけでなく、名詞としても用いられる(例:the Supreme Court)。
派生語
『平行な』という意味の形容詞。元々は『並んだ』状態を表し、『un-』が付くことで否定され、比べるものがないほど唯一であることを強調。幾何学や比喩表現でも用いられる。
- parallelism
『類似性』や『並行性』を意味する名詞。文法用語としては『対句法』を指す。学術論文や文学作品の分析で使われ、抽象的な概念を表現する。
- parallelogram
『平行四辺形』を意味する幾何学用語。図形が平行であるという性質を具体的に示す。数学や物理学の分野で使用頻度が高い。
反意語
『ありふれた』、『普通の』という意味の形容詞。『unparalleled』が並ぶものがないほど特別であることを示すのに対し、『common』は一般的に見られる状態を表す。日常会話で頻繁に使用。
『通常の』、『平凡な』という意味の形容詞。『unparalleled』が卓越しているのに対し、『ordinary』は特別ではない状態を示す。ビジネスやニュース記事でもよく使われる。
『典型的な』という意味の形容詞。『unparalleled』が唯一無二であるのに対し、『typical』は特定の種類やグループによく見られる特徴を持つことを示す。統計や分析でよく用いられる。
語源
"unparalleled"は「比類なき」「空前の」という意味ですが、その語源は接頭辞「un-」と動詞「parallel」に分解できます。「un-」は否定を表す接頭辞で、日本語の「非〜」や「不〜」に相当します。一方、「parallel」は「平行な」という意味で、ギリシャ語の「para(並んで)」と「allelos(互いに)」に由来します。つまり、「unparalleled」は直訳すると「並ぶものがない」となり、他に匹敵するものがないほど優れている、という意味合いを持ちます。例えば、日本の戦国時代に「比類なき」武将と称された織田信長を英語で表現する際に、"an unparalleled warlord like Oda Nobunaga"のように使うことができます。身近な例では、「彼女の才能は比類なきものだ」を"Her talent is unparalleled."と表現できます。
暗記法
「unparalleled」は、単に「比類なき」という意味を超え、歴史の中で頂点を極めた存在や、飽くなき探求心と結びついてきました。中世の騎士道物語からルネサンスの万能の天才、そして産業革命以降の技術革新まで、「unparalleled」は人間の限界を超えようとする情熱の証です。それは単なる優位性ではなく、唯一無二の価値を意味し、私たちに感動と希望を与えてくれるのです。
混同しやすい単語
『unparalleled』と『unprecedented』は、どちらも「前例がない」という意味合いを持つ形容詞ですが、ニュアンスが異なります。『unparalleled』は「比類なき、並ぶものがない」という意味で、質的な唯一性を強調します。一方、『unprecedented』は「前例がない、異例の」という意味で、単に過去に例がないことを指します。スペルも似ており、prefixの 'un-' に続く部分が混乱しやすいです。日本人学習者は、それぞれの単語がどのような文脈で使われるかを意識し、質的な唯一性を表すのか、単なる前例の有無を表すのかを見極める必要があります。
『unparalleled』から接頭辞 'un-' を取り除いた形です。『parallel』は「平行な」「類似の」という意味を持ちます。『unparalleled』を学習する際に、接頭辞 'un-' が意味を反転させることを理解していないと、意味を誤解する可能性があります。また、スペルの類似性から、タイプミスも起こりやすいです。接頭辞 'un-' の有無が意味に与える影響を意識することが重要です。
『unparalleled』とは意味も品詞も異なりますが、接頭辞 'un-' が共通しており、スペルも一部似ているため、視覚的に混同しやすい単語です。『unravel』は「(糸などを)ほどく」「解明する」という意味の動詞です。特に、動詞と形容詞の区別があいまいな学習者は注意が必要です。文脈から品詞を判断し、意味の違いを明確に理解する必要があります。
『unparalleled』とはスペルも発音も大きく異なりますが、音節数と語感が似ているため、特にリスニング時に混同する可能性があります。『imperial』は「帝国の」「皇帝の」という意味の形容詞です。発音記号を確認し、それぞれの単語の音の違いを意識して学習することが重要です。また、語源も異なり、 'imperial' は 'empire' (帝国) に関連する単語であることを知っておくと、記憶の助けになります。
『unparalleled』と同様に接頭辞 'un-' を持つ単語であり、'un-' に続く部分のスペルも一部似ているため、視覚的に混同しやすいです。『unexplored』は「未開拓の」「未調査の」という意味の形容詞で、地理的な場所や未知の領域を指すことが多いです。'explore' (探検する) という動詞を知っていれば、意味を推測しやすいかもしれません。
これも接頭辞 'un-' が共通しており、発音が部分的に似ています。'pleasant' (楽しい、心地よい) という基本的な単語を知っていれば、『unpleasant』(不快な、嫌な) の意味を推測できますが、'unparalleled' との発音の違いを意識する必要があります。特に、語尾の子音の発音に注意して区別しましょう。
誤用例
「unparalleled」は「比類なき」「並ぶものがない」という意味で、非常に強い肯定表現です。日常的な場面、特に小さなレストランのサービスを表現する際には、大げさに聞こえる可能性があります。日本人学習者は、日本語の「他にない」という言葉を安易に「unparalleled」に置き換えてしまいがちですが、英語では「exceptional(並外れた)」や「outstanding(傑出した)」といった表現の方が自然で適切です。英語では、過剰な表現を避け、状況に合った適切な強度で表現することが重要です。日本語の「素晴らしい」を何でも「unparalleled」と訳すのではなく、文脈に合った語彙を選ぶようにしましょう。
「unparalleled」は、通常、ポジティブで客観的に評価できる事柄に対して使われます。謙虚さは美徳ですが、それを「比類なき」と表現すると、皮肉や嫌味に聞こえる可能性があります。英語では、謙虚さは内面的な性質として捉えられ、「genuine humility(心からの謙虚さ)」のように表現するのが一般的です。日本人学習者は、「謙虚さ」を過剰に評価する文化的な背景から、「unparalleled」を使って強調しようとしがちですが、英語では、感情や内面的な性質を強調する際には、より直接的でシンプルな表現が好まれます。また、英語では、過度な謙遜は不誠実と捉えられることもあるため、注意が必要です。
「unparalleled」は「並ぶものがない」という意味合いが強く、類似の事柄と比較して優れていることを強調する場合に使われます。一方、「unprecedented」は「前例がない」という意味で、過去に例のない規模や性質の出来事を指す場合に適切です。大災害のような事態は、通常、過去の類似の災害と比較するよりも、その前例のなさを強調する方が適切です。日本人学習者は、「unparalleled」を「非常に大きい」「他に例を見ない」という意味で安易に使ってしまうことがありますが、英語では、出来事の性質や規模に応じて適切な語彙を選ぶ必要があります。特に災害のようなネガティブな事象に対しては、「unprecedented」の方がより自然で、客観的な印象を与えます。
文化的背景
「unparalleled(比類なき)」は、単に「他に並ぶものがない」という意味を超え、歴史や文化の中で、頂点を極めた存在、あるいはそれを目指す人間の飽くなき探求心と結びついてきました。王侯貴族や芸術家、科学者などが、自身の業績を「unparalleled」と形容することで、その独自性と卓越性を強く主張してきたのです。
中世ヨーロッパにおいて、王や騎士の武勇伝は「unparalleled」な英雄譚として語り継がれました。アーサー王伝説における円卓の騎士たちは、それぞれの武勲を誇り、互いに「unparalleled」な存在であろうと競い合いました。これは、単なる戦闘能力だけでなく、騎士道精神、忠誠心、慈悲深さなど、総合的な人間性における卓越性を意味しました。また、ルネサンス期には、レオナルド・ダ・ヴィンチのような万能の天才が現れ、絵画、彫刻、建築、科学など、あらゆる分野で「unparalleled」な才能を発揮しました。彼の作品は、それまでの芸術の常識を覆し、後世の芸術家たちに多大な影響を与えました。
産業革命以降、「unparalleled」は技術革新の分野でも頻繁に使われるようになりました。発明家たちは、自身の発明品を「unparalleled」とアピールすることで、その革新性と市場における優位性を主張しました。例えば、ライト兄弟による飛行機の開発は、「unparalleled」な技術的偉業として、人々の移動手段を根本的に変えました。現代においても、AIやバイオテクノロジーなどの分野で、「unparalleled」な技術が次々と生まれており、社会に大きな変革をもたらしています。
「unparalleled」という言葉は、人間の限界を超えようとする情熱、そしてその結果として生まれる創造性と革新性を象徴しています。それは、単なる比較優位ではなく、唯一無二の価値を意味し、人々に感動と希望を与える力を持っています。だからこそ、私たちは「unparalleled」な存在を目指し、自身の可能性を追求し続けるのかもしれません。
試験傾向
- 出題形式: 主に長文読解、稀に語彙問題
- 頻度と級・パート: 準1級以上でまれに出題。1級でやや頻度があがる
- 文脈・例題の特徴: アカデミックな内容、または社会問題に関する文章で使われることが多い。
- 学習者への注意点・アドバイス: 「比類なき」「他に並ぶものがない」という意味を理解し、文脈から適切な訳語を選ぶ練習が必要。類義語(unique, matchless)との使い分けも意識。
- 出題形式: 主に長文読解(Part 7)
- 頻度と級・パート: Part 7で稀に出題される程度。頻度は高くない。
- 文脈・例題の特徴: ビジネス文書、特に製品やサービスの紹介、実績報告などで使われることがある。
- 学習者への注意点・アドバイス: ビジネスシーンにおける「他に例を見ない」「画期的な」といったニュアンスを理解する。同義語の「exceptional」や「outstanding」も合わせて覚えておくと役立つ。
- 出題形式: 主に長文読解
- 頻度と級・パート: リーディングセクションで中程度の頻度で出題される。
- 文脈・例題の特徴: 学術的な文章で、研究、発見、技術革新などを説明する際に用いられることが多い。
- 学習者への注意点・アドバイス: 抽象的な概念を説明する文脈で使われることが多いため、文脈全体を把握することが重要。同義語の「unmatched」や「unequaled」も理解しておく。
- 出題形式: 主に長文読解
- 頻度と級・パート: 難関大学の入試でまれに出題される。標準的なレベルの大学では出題頻度は低い。
- 文脈・例題の特徴: 評論文や論説文で、社会問題や科学技術に関する議論の中で使われることが多い。
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する練習が重要。「比類なき」という意味を理解し、文章全体の主張を理解する手がかりとする。派生語(unparalleled successなど)も覚えておく。