dissonant
不協和な
音、意見、考えなどが調和せず、衝突や不快感を生じさせる状態。音楽においては、不安定で解決を求めるような響きを指す。比喩的に、意見の対立や感情的な不一致を表す際にも用いられる。
The young student's violin produced a rather dissonant sound during practice.
若い生徒のバイオリンは、練習中にかなり不協和な音を出しました。
※ 【情景】音楽教室で、まだ楽器に慣れていない生徒が一生懸命練習している場面です。音程が合わず、耳に障るような音が聞こえてくる様子が目に浮かびます。 【ポイント】`dissonant`は「不協和な音」を表現するのに非常によく使われます。特に音楽の文脈で頻出です。`rather`は「かなり」「むしろ」という意味で、不協和な度合いを強調しています。
The old piano in the corner made a dissonant chord when I pressed the keys.
隅にあった古いピアノは、私が鍵盤を押すと不協和な和音を出しました。
※ 【情景】埃をかぶった古いピアノを見つけ、試しに鍵盤を押してみると、調律が狂っていて耳障りな音が響いた、という場面です。期待とは違う音がして、少しがっかりする気持ちも伝わります。 【ポイント】`chord`は「和音」という意味です。複数の音が同時に鳴って不協和な状態を表すのに適しています。`make a dissonant sound/chord`は「不協和な音(和音)を出す」という典型的な表現です。
After the argument, their voices sounded dissonant and full of tension.
口論の後、彼らの声は不協和で、緊張に満ちているように聞こえました。
※ 【情景】激しい口論の後、まだお互いの気持ちが収まらず、会話が噛み合わない、あるいは声のトーンが険しい状態を表しています。言葉自体は普通でも、声の「調和」がとれていない様子が伝わります。 【ポイント】`dissonant`は、音だけでなく、声のトーンや会話の雰囲気が「調和していない」「耳障りだ」と感じる場合にも使われます。ここでは、感情的な不和が声に表れている様子を描写しています。
矛盾した
複数の要素や考え方が一致せず、論理的な整合性がない状態。一貫性がなく、互いに相容れない状況を指す。
His new idea sounded dissonant with the team's original plan.
彼の新しいアイデアは、チームの当初の計画と矛盾しているように聞こえた。
※ 会議で新しいアイデアが出たとき、それが元の計画と合わないと感じる場面です。例えば、チームが「コスト削減」を目標にしているのに、新しいアイデアが「高価な新技術の導入」だったりする場合に、この「矛盾している」という感覚が生まれます。「sounded dissonant with...」で「~と矛盾しているように聞こえる」という自然な表現です。
Her cheerful words felt dissonant with her sad eyes.
彼女の明るい言葉は、その悲しそうな目と矛盾しているように感じられた。
※ 人の言動と感情が一致しない、という状況を描写しています。例えば、笑顔で「大丈夫!」と言っているけれど、目が悲しそうに見える、といった場面です。見ている人が「あれ?何か違うな」と感じる心の動きが伝わります。「felt dissonant with...」で「~と矛盾しているように感じられる」という、心に響く表現です。
The new policy felt dissonant with the company's core values.
その新しい方針は、会社の核となる価値観と矛盾していると感じられた。
※ 会社や組織で、新しい方針やルールが、これまで大切にしてきた理念(価値観)と合わないと感じる場面です。例えば、会社が「顧客第一」を掲げているのに、新しい方針が顧客サービスを軽視する内容だった場合などに使えます。「dissonant with」は、このように「~と調和しない」「~と食い違う」という意味でよく使われます。
コロケーション
不協和音
※ 音楽用語として最も基本的なコロケーションです。単に『耳障りな音』という意味だけでなく、音楽理論における特定の音の組み合わせを指します。比喩的に、意見や感情の対立、不調和な状態を表す際にも使われます。例えば、『dissonant chords in the political debate』のように、政治的な議論における意見の衝突を表現できます。
異なる意見、調和しない声
※ 文字通り、複数の声が調和していない状態を指しますが、比喩的に、組織やグループ内での意見の不一致、対立する主張を表します。『The project failed due to dissonant voices within the team』(チーム内の意見の不一致が原因でプロジェクトは失敗した)のように使われます。ビジネスシーンや政治的な文脈で頻繁に見られます。
相容れない見解、対立する意見
※ 意見や見解が一致せず、対立している状態を表します。『dissonant voices』と似ていますが、より抽象的な概念や思想の対立を指すことが多いです。『dissonant views on climate change』のように、気候変動に関する対立する見解を表現できます。学術的な議論や社会問題に関する議論でよく用いられます。
~と調和しない、~と矛盾する
※ 前置詞『with』を伴い、『~と一致しない』『~と矛盾する』という意味を表します。『His actions were dissonant with his words』(彼の行動は彼の言葉と矛盾していた)のように使われます。倫理的な問題や道徳的な判断に関する文脈でよく用いられます。フォーマルな場面や書き言葉で好まれます。
認知的不協和
※ 心理学用語で、人が矛盾する認知(信念、態度、行動など)を抱えたときに感じる不快感や葛藤を指します。この不快感を解消するために、人は自分の認知を修正しようとします。『He experienced cognitive dissonance after buying the expensive car』(彼は高価な車を買った後、認知的不協和を経験した)のように使われます。心理学、社会学、マーケティングなどの分野で頻繁に用いられます。
場違いな言動、不調和な要素
※ 文字通りの音楽的な意味合いから転じて、比喩的に、全体的な調和を乱す要素や、場にそぐわない言動を指します。『His inappropriate joke struck a dissonant note at the solemn ceremony』(彼の不適切な冗談は、厳粛な式典で場違いな響きを立てた)のように使われます。比較的フォーマルな場面や書き言葉で用いられます。
矛盾に満ちた現実
※ 理想と現実が大きくかけ離れている、矛盾や不調和に満ちた状態を表します。社会の不公平、政治的な腐敗、個人の理想と現実のギャップなどを表現する際に用いられます。『The film portrays a dissonant reality of poverty and inequality』(その映画は貧困と不平等に満ちた矛盾だらけの現実を描いている)のように使われます。文学作品や社会批評などでよく見られます。
使用シーン
学術論文や研究発表で、意見やデータ間の不一致、理論的な矛盾などを説明する際に用いられます。心理学の研究で、認知的不協和(cognitive dissonance)という概念を説明する時や、社会学の研究で、異なる社会階層間の価値観のずれを分析する際に使われることがあります。文語的な表現です。
ビジネスシーンでは、戦略の矛盾、部門間の対立、企業文化の不一致などを指摘する際に、ややフォーマルな文脈で使用されます。例えば、経営戦略会議で「市場のニーズと製品開発の方向性にdissonanceが見られる」と指摘したり、組織改革の報告書で「部門間の連携にdissonanceが生じている」と記述したりすることが考えられます。文語的な表現が中心です。
日常会話ではあまり使われませんが、ニュース記事やドキュメンタリー番組などで、意見の対立や社会的な矛盾を説明する際に用いられることがあります。例えば、「政治家の発言と行動にdissonanceがある」といった報道や、「理想と現実のdissonanceに苦しむ若者たち」といったドキュメンタリー番組で見かけることがあります。やや硬い表現のため、日常会話では「食い違い」や「矛盾」といった言葉で言い換えるのが一般的です。
関連語
類義語
- discordant
『不協和な』『調和しない』という意味で、音、意見、考え方などが一致しない状態を表す。学術的な文脈やフォーマルな場面で使われることが多い。 【ニュアンスの違い】"Dissonant"と非常に近い意味を持つが、"discordant"の方がより強い不快感や対立を暗示することがある。音楽だけでなく、人間関係や社会的な状況にも用いられる。 【混同しやすい点】"Discordant"は、単に意見が違うだけでなく、それが深刻な対立や不和につながる可能性を示唆する点に注意。"Dissonant"よりもネガティブな意味合いが強い場合がある。
『不釣り合いな』『場違いな』という意味で、見た目や状況、行動などが調和していない状態を表す。日常会話からフォーマルな文脈まで幅広く使われる。 【ニュアンスの違い】"Dissonant"が音や意見の不一致を指すのに対し、"incongruous"はより広範な不調和、特に美的感覚や論理的な整合性の欠如を指す。視覚的な不調和や、状況にそぐわない行動などを表現するのに適している。 【混同しやすい点】"Incongruous"は、必ずしも不快感を与えるわけではない。単に『似合わない』『場違い』というニュアンスで使われることも多い。"Dissonant"のような強い対立や不快感を表すわけではない点に注意。
『耳障りな』『不快な』という意味で、感覚を刺激するような不快な音や光、または衝撃的な出来事を表す。日常会話でよく使われる。 【ニュアンスの違い】"Dissonant"が抽象的な不協和音を指すのに対し、"jarring"はより直接的で感覚的な不快感を伴う。騒音や不快な光など、五感に訴えるような刺激に対して使われることが多い。 【混同しやすい点】"Jarring"は、音だけでなく、視覚的なものや精神的な衝撃にも用いられる。「jarring experience(衝撃的な経験)」のように、比喩的な意味でも使われる点に注意。
- clashing
『衝突する』『矛盾する』という意味で、色、意見、性格などがぶつかり合う状態を表す。日常会話で非常によく使われる。 【ニュアンスの違い】"Dissonant"が形式的な不協和音を指すのに対し、"clashing"はより直接的で具体的な衝突を意味する。色や柄がぶつかり合ったり、意見が対立したりする状況を表現するのに適している。 【混同しやすい点】"Clashing"は、必ずしも深刻な対立を意味するわけではない。単に「合わない」「ぶつかる」という程度のニュアンスで使われることも多い。"Dissonant"のような強い不快感や対立を表すわけではない点に注意。
- at odds
『対立している』『不和である』という意味で、意見や目標などが一致しない状態を表す。フォーマルな文脈でも日常会話でも使われる。 【ニュアンスの違い】"Dissonant"が抽象的な不協和音を指すのに対し、"at odds"はより具体的な対立関係を意味する。人々の意見や目標が対立している状況を表現するのに適している。 【混同しやすい点】"At odds"は、人や組織が主語になることが多い。「be at odds with」の形で使われ、何と何が対立しているのかを明確にする必要がある。"Dissonant"のように形容詞として単独で使うことはできない点に注意。
『矛盾する』『両立しない』という意味で、情報、意見、感情などが互いに矛盾している状態を表す。学術的な文脈やフォーマルな場面でよく使われる。 【ニュアンスの違い】"Dissonant"が音や意見の不協和を指すのに対し、"conflicting"はより論理的な矛盾や対立を意味する。情報や証拠が矛盾している状況を表現するのに適している。 【混同しやすい点】"Conflicting"は、しばしば名詞の前に置かれて形容詞として使われる(例:conflicting reports)。感情や意見の対立にも使えるが、論理的な矛盾を指すことが多い点に注意。"Dissonant"よりも客観的な状況を説明する際に適している。
派生語
- assonance
『母音調和』や『類似音』を意味する名詞。元々は『共に響く』という意味合いで、dissonantが『分離して響く』のとは対照的。詩や音楽の分野で、音の響き合いを表現する際に用いられる。日常会話での使用頻度は低いが、文学や音楽の批評においては重要な概念。
『共鳴』や『反響』を意味する名詞。物理的な音の共鳴だけでなく、感情的な共感や影響力も表す。dissonantが不協和音や意見の衝突を表すのに対し、resonanceは調和や共感を強調する。ビジネスシーンでは、メッセージの『反響』や『共感』を呼ぶ力を示す際に用いられる。
- sonorous
『よく響く』や『朗々とした』という意味の形容詞。dissonantが不快な響きを伴うのに対し、sonorousは心地よく、豊かで、力強い響きを表す。演説や音楽の描写、あるいは人の声の質を表現する際に用いられる。学術的な文脈よりも、文学的な表現や音楽の分野でより一般的。
反意語
『一致する』、『調和する』という意味の形容詞。dissonantが不協和音や意見の不一致を示すのに対し、consonantは調和や一致、適合を表す。音楽の分野では『協和音』を意味する。比喩的には、意見や行動が『一致している』状態を表す際に用いられる。学術論文やビジネス文書でも使用される。
『調和のとれた』、『仲の良い』という意味の形容詞。dissonantが不協和音や対立を表すのに対し、harmoniousは調和、協調、平和な状態を示す。人間関係や社会的な状況、あるいは音楽や色彩の調和を表現する際に用いられる。日常会話からビジネスシーンまで幅広く使用される。
- accordant
『一致する』、『調和する』という意味の形容詞。consonantと類似しているが、accordantは特に意見や声明、報告などが『一致している』状態を強調する。dissonantが意見の不一致や矛盾を示すのに対し、accordantは合意や調和を意味する。学術論文や法的な文書でよく見られる。
語源
"Dissonant"は、ラテン語の"dissonans"(不協和な)に由来します。これは、"dis-"(分離、否定)と"sonare"(音を立てる、響く)という2つの要素から構成されています。つまり、直訳すると「音が一致しない」「調和しない」という意味になります。"sonare"は、英語の"sound"(音)の語源でもあります。音楽用語としては、不協和音を指し、比喩的には意見や考え方が一致しない、矛盾しているといった意味合いで使用されます。例えば、会議で意見が対立し、議論が紛糾する状況を「dissonant voices」と表現することができます。日本語の「不協和音」という言葉とほぼ同じニュアンスで理解できます。
暗記法
「dissonant」は、単なる不協和音ではなく、社会や文化における調和の欠如を象徴します。中世では宇宙の秩序を乱すとされ制限されましたが、時代と共に感情表現の手段として進化。現代音楽では表現力を高める要素です。文化的文脈では、規範からの逸脱や少数派の意見を指し、社会の多様性を示唆します。必ずしもネガティブな意味ではなく、新しい視点や創造性を生み出す原動力にもなり得る、奥深い言葉です。
混同しやすい単語
『dissonant』と語尾が同じ '-sonant' であり、スペルが非常に似ているため混同しやすい。意味は『共鳴する』、『反響する』であり、調和を表すニュアンスがある。『dis-』(分離) と『re-』(再び) という接頭辞の違いに着目すると区別しやすいでしょう。
発音の強勢が似た位置にあり(『dissonant』は dis-、『descendant』は de-)、スペルも一部重なっているため、リスニング時に混同しやすい。意味は『子孫』であり、系統を表す名詞。形容詞形の『descendant』は『下向きの』という意味も持ちます。発音と意味の両面で注意が必要です。
語尾の '-sonant' の部分が '-sident' に変わるだけで、発音が似ているため、特に早口の英語では聞き間違えやすい。意味は『居住者』、『滞在者』であり、場所に関連する名詞。接頭辞 're-' は『再び』ではなく『中に』という意味合いがあり、語源的に『座って住む人』というイメージです。
『dissonant』の語根である 'son-' は『音』を意味し、『sonnet』も『ソネット』(十四行詩)という音に関わる言葉であるため、意味の連想から混同する可能性があります。スペルも一部類似しています。音楽用語と文学用語という違いを意識しましょう。
語尾の '-sonant' と '-sistent' が似ており、どちらも形容詞であるため文法的な位置づけも似ています。意味は『一貫した』、『矛盾がない』であり、調和や論理的な整合性を表します。『dissonant』が不協和音を表すのとは対照的です。
『dissonant』との違いは、接頭辞が『dis-』(分離)か『con-』(共に)かという点のみで、スペルが非常に似ています。意味は『子音』であり、音声学の用語。母音(vowel)と対比して覚えると良いでしょう。音楽における協和音(consonance)と不協和音(dissonance)の関係性も理解しておくと、より記憶に残りやすくなります。
誤用例
日本語の『不協和音』という言葉から、意見の不一致を『dissonant opinion』と表現してしまうのは、直訳的な誤りです。確かにdissonantは『不協和な』という意味を持ちますが、これは主に音楽や音響に関して使われます。意見や見解の対立を指す場合は、『conflicting』や『divergent』を用いるのが適切です。背景として、英語では音楽用語を比喩として意見に用いることは稀であり、意見の対立はより直接的に表現します。日本人が『不協和音』という言葉に含ませる、対立の深刻さや感情的なニュアンスは、英語では文脈によって別途表現する必要があります。日本語の『意見がぶつかり合う』という表現を直訳しようとする際に陥りやすい誤りです。
ここでも『dissonant』を『協調性がない』『周囲と調和しない』という意味で使おうとしていますが、これは不適切です。Dissonantは音の不協和を指すため、人の行動に対して使うと非常に奇妙な印象を与えます。人の行動が周囲に悪影響を及ぼし、非難されるような場合は『disruptive』が適切です。この誤用は、日本人が『不協和音』という言葉を比喩的に広範囲に捉えがちなことに起因します。英語では、行動の不調和はより直接的に『disruptive』(妨害的)、『antisocial』(反社会的)、『inappropriate』(不適切)などの言葉で表現します。また、日本人が『浮いている』状態を表現しようとする際に、安易に『dissonant』を選んでしまう傾向があります。
Dissonantは、色に関して使用できないわけではありませんが、非常に限定的です。通常、色の組み合わせが不快感を与える場合は『clashing』がより自然です。Dissonantは、色の組み合わせが意図的に不調和を生み出し、何らかの芸術的な効果を狙っているような場合に、限定的に使用されることがあります。この誤用は、日本人が色彩感覚を表現する際に、直接的な言葉を避け、抽象的な表現を選びがちなことに起因します。英語では、色の不調和はより直接的に『clashing』(衝突する)、『garish』(けばけばしい)、『unharmonious』(調和しない)などの言葉で表現します。また、日本人が『センスがない』状態を表現しようとする際に、安易に『dissonant』を選んでしまう傾向があります。
文化的背景
「dissonant(不協和な)」という言葉は、単に音の不調和を表すだけでなく、社会や文化における調和の欠如、意見の衝突、あるいは受け入れがたい異質な存在を象徴します。特に西洋音楽においては、長らく不協和音は解決を必要とする不安定な状態とみなされ、文化的な規範からの逸脱や緊張感のメタファーとして用いられてきました。
音楽史を遡ると、中世やルネサンス期の音楽では、協和音程が重視され、不協和音程の使用は厳しく制限されていました。これは、当時の宇宙観や社会秩序における調和の概念が反映されたもので、音楽は神の創造した秩序を模倣するものと考えられていたからです。しかし、時代が進むにつれて、音楽家たちは不協和音を積極的に取り入れるようになり、バロック時代には、感情表現の手段として不協和音が効果的に用いられるようになりました。さらに、ロマン派音楽や現代音楽においては、不協和音は音楽の表現力を高めるための重要な要素となり、調性の崩壊や無調音楽の誕生を促しました。シェーンベルクの十二音技法などは、まさに「dissonant」な響きを積極的に追求した例と言えるでしょう。
文化的な文脈においては、「dissonant」はしばしば、社会的な規範や期待に反する行動や意見を指す言葉として用いられます。例えば、ある社会において少数派の意見や、既存の権力構造に挑戦するような思想は、「dissonant」と見なされることがあります。文学や映画においては、主人公が社会の主流から逸脱し、葛藤を抱えながら自己を確立していく過程を描く際に、「dissonant」な要素が重要な役割を果たします。また、政治的な文脈においては、「dissonant voices」という表現が、異なる意見や批判的な声を指す言葉として用いられることがあります。これは、民主主義社会における多様性の重要性を示す一方で、社会の分断や対立の可能性を示唆するものでもあります。
現代社会においては、「dissonant」は、必ずしもネガティブな意味合いを持つとは限りません。むしろ、既存の価値観や慣習にとらわれず、新しい視点や創造的な発想を生み出す原動力となることもあります。音楽においても、不協和音は、単なる不快な響きではなく、緊張感や感情の深みを表現するための重要な要素として認識されています。このように、「dissonant」という言葉は、時代や文化によってその意味合いが変化し、多様な解釈を許容する奥深い概念であると言えるでしょう。
試験傾向
1. 出題形式: 主に長文読解、稀に語彙問題。2. 頻度と級・パート: 準1級以上でまれに出題。3. 文脈・例題の特徴: 環境問題、社会問題などアカデミックな内容の長文で使われることが多い。4. 学習者への注意点・アドバイス: 「不協和な」「調和しない」という意味を理解し、文脈から判断できるようにする。他のdis-で始まる否定的な意味の単語と混同しないように。
1. 出題形式: 長文読解(Part 7)で稀に出題。2. 頻度と級・パート: ほとんど出題されない。3. 文脈・例題の特徴: 組織内の意見の不一致、プロジェクトの進捗のずれなどビジネス関連の文脈で使われる可能性がある。4. 学習者への注意点・アドバイス: TOEICでは優先度の低い単語。時間に余裕があれば意味を確認程度で良い。
1. 出題形式: 主にリーディングセクション。2. 頻度と級・パート: アカデミックな文章で比較的頻繁に出題される。3. 文脈・例題の特徴: 音楽、心理学、社会学など、様々な分野の学術的な文章で使われる。意見や感情の対立、理論の矛盾などを表す際に用いられる。4. 学習者への注意点・アドバイス: 「不協和音」という音楽用語から連想しやすく、意味を推測しやすい。ただし、比喩的な意味でも使われるため、文脈をよく理解することが重要。
1. 出題形式: 主に長文読解。2. 頻度と級・パート: 難関大学で出題される可能性がある。3. 文脈・例題の特徴: 社会問題、文化、歴史など、幅広いテーマの評論や説明文で使われる。4. 学習者への注意点・アドバイス: 文脈の中で意味を推測する練習が必要。「discordant」など類似の単語も覚えておくと役立つ。