denominated
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通貨や単位で金額・価値を示すこと。契約書や会計報告などで、どの通貨で金額が示されているかを明示する際に使われる。例:'The bond is denominated in US dollars.'(その債券は米ドル建てである。)
When I checked the menu, all prices were denominated in the local currency.
メニューを確認すると、全ての値段が現地の通貨で表示されていました。
※ 海外のレストランで、メニューの値段がどの国の通貨で書かれているのか確認する場面です。この例文のように、お金の単位を示す際に「denominated in (通貨名)」という形で使われるのが最も典型的で自然です。受動態(be denominated)で「〜単位で表示される」という意味になります。
This map shows distances denominated in miles, not kilometers.
この地図は、距離がキロメートルではなく、マイルで表示されています。
※ 海外で地図を見た時に、距離の単位がいつも使っているキロメートルではなく、マイルで書かれていることに気づく場面です。通貨だけでなく、距離や重さなどの測定単位を示す際にも「denominated in (単位名)」の形で使われます。これも「〜単位で示されている」という受動的なニュアンスです。
At our company, this new project is denominated as a 'special mission'.
私たちの会社では、この新しいプロジェクトは「特別任務」と呼ばれています。
※ 社内で新しいプロジェクトが特定の名称で呼ばれているのを聞く場面です。この場合、「denominated as (名称)」で「〜という名称で呼ばれる」「〜として分類される」という意味になります。金融以外の文脈で、特定のカテゴリやグループに分類・命名される際にも使われることがあります。
〜建ての
特定の通貨や単位で価値が定められていることを表す。金融取引や国際ビジネスの文脈でよく使われる。例:'a dollar-denominated account'(ドル建て口座)
The souvenir's price was clearly denominated in the local currency.
そのお土産の値段は、はっきりと現地通貨建てでした。
※ 海外旅行でお土産を買うとき、値段がその国の通貨で書かれているのは当たり前ですが、「〜建て」という状態を表現するのにぴったりの場面です。この文では、"in the local currency"(現地通貨で)という形で、何建てなのかを具体的に示しています。
My savings account is denominated in Japanese Yen, which feels safe.
私の貯蓄口座は日本円建てなので、安心感があります。
※ 銀行口座や投資の話でよく使われる表現です。「〜建て」はその資産がどの通貨で価値を持つかを示します。ここでは「日本円建て」なので、日本では為替変動の心配が少なく安心できる、という気持ちを加えてみました。
The international invoice specified the amount was denominated in Euros.
その国際的な請求書には、金額がユーロ建てであると明記されていました。
※ 国際的な取引では、どの国の通貨で支払いを行うかが非常に重要になります。この例文では、請求書(invoice)という具体的な書類を通じて、取引の「〜建て」を表現しています。ビジネスシーンでよく使われる形です。
コロケーション
[通貨]建ての
※ 金融や経済の分野で非常によく使われる表現です。債券、預金、ローンなどの金融商品が特定の通貨で価値表示されていることを示します。例えば、「a bond denominated in US dollars」は「米ドル建ての債券」という意味になります。この構文は非常に一般的で、ビジネスシーンやニュース記事などで頻繁に目にします。単に『価値がある』という意味ではなく、その価値がどの通貨で評価されているかを明確にする点が重要です。
額面価格
※ こちらも金融用語で、債券や株式などの証券に記載された、発行時の価格を指します。必ずしも市場価格と一致するわけではありません。例えば、債券の投資判断をする際に、『denominated value(額面価格)に対して現在価格がどれだけ乖離しているか』を分析することがあります。ビジネスシーンで頻繁に使われる専門用語です。
〜と名付けられる、〜と呼ばれる
※ ややフォーマルな表現で、何かを特定の名前やカテゴリーで呼ぶことを意味します。例えば、「This area is denominated as a conservation area.(この地域は保護地域と名付けられています)」のように使われます。日常会話よりは、公式文書や報道などで用いられることが多いでしょう。より口語的な表現としては 'called' や 'known as' があります。
(特定の通貨で)表示された口座
※ 銀行口座や投資口座が特定の通貨で管理されていることを指します。例えば、「dollar-denominated accounts(ドル建て口座)」は、口座の残高が米ドルで表示・取引される口座のことです。グローバルな金融取引を行う際に、どの通貨で口座を管理するかは非常に重要になるため、この表現もビジネスの現場でよく使われます。
外貨建て資産
※ 企業や個人が保有する資産のうち、外国の通貨で価値が評価されるものを指します。例えば、外国の株式や債券、外貨預金などが該当します。為替レートの変動によって価値が変わるため、リスク管理が重要になります。経済ニュースや投資関連の記事で頻繁に見られる表現です。
円建て負債
※ 企業や個人が抱える負債のうち、日本円で返済義務があるものを指します。例えば、日本円で借り入れたローンなどが該当します。為替レートの変動リスクを考慮する必要がないため、外貨建ての負債に比べてリスクが低いとされます。企業の財務分析などで用いられる専門的な表現です。
使用シーン
経済学や金融学の論文で、通貨建ての金額や資産について議論する際に使用されることが多いです。例えば、「この債券は米ドル建てである (This bond is denominated in US dollars)」のように使われます。また、統計学の分野でも、特定の単位で表示されたデータについて言及する際に用いられることがあります。
国際取引や会計報告書で、通貨建ての契約や財務諸表を説明する際に使われます。例えば、「契約金額はユーロ建てで表示されている (The contract amount is denominated in euros)」のように使われます。また、外貨建ての資産や負債を評価する際にも用いられます。
日常会話ではほとんど使われませんが、ニュース記事や金融に関する解説記事などで見かけることがあります。例えば、「この投資信託は複数の通貨建てで運用されている」といった文脈で使用されることがあります。一般的には、より平易な表現(例:~で表示されている、~建て)が好まれます。
関連語
類義語
- expressed in
『〜で表される』という意味で、通貨や単位などを用いて価値や量を表現する際に使われる。学術的な文脈や、公式文書でよく見られる。 【ニュアンスの違い】『denominated』が指定された通貨や単位を持つことを強調するのに対し、『expressed in』は単に表現方法を示す。より中立的で客観的な表現。 【混同しやすい点】『denominated』は通常、通貨や単位が名詞の前に置かれる(例:a dollar-denominated bond)。『expressed in』は名詞の後に置かれることが多い(例:The price is expressed in yen.)。
- valued at
『〜の価値がある』という意味で、特定の価格や評価額を持つことを示す。不動産、美術品、株などの評価に使われることが多い。 【ニュアンスの違い】『denominated』が通貨や単位の種類を示すのに対し、『valued at』は具体的な金額や価値を示す。評価額に焦点を当てた表現。 【混同しやすい点】『denominated』は、価値の基準となる通貨や単位そのものを示すのに対し、『valued at』は、評価された結果としての金額を示す。したがって、文脈によって使い分ける必要がある。
- stated in
『〜で記述される』という意味で、契約書、法律、報告書などの文書で特定の条件や条項が記述されていることを示す。フォーマルな文脈で使用される。 【ニュアンスの違い】『denominated』が通貨や単位の指定に特化しているのに対し、『stated in』はより広範な情報を記述する際に用いられる。より一般的な表現。 【混同しやすい点】『denominated』は金額や単位に関連する文脈でのみ使用できるが、『stated in』はそれ以外の様々な情報(条件、規則、事実など)を記述する際に使用できる。
- labeled
『〜と表示される』という意味で、製品、容器、書類などに特定の情報が表示されていることを示す。日常会話からビジネスまで幅広く使われる。 【ニュアンスの違い】『denominated』が金額や単位の指定に限定されるのに対し、『labeled』はより一般的な表示や分類を指す。対象物の種類も幅広い。 【混同しやすい点】『denominated』は価値や金額に関連する文脈で使用されるが、『labeled』は製品名、成分、警告など、より多様な情報を表示する際に用いられる。
- specified in
『〜で明記される』という意味で、契約書、仕様書、指示書などで特定の要件や詳細が明確に記述されていることを示す。フォーマルな文脈で使用される。 【ニュアンスの違い】『denominated』が通貨や単位の指定に限定されるのに対し、『specified in』はより詳細な条件や要件を明示する際に用いられる。より厳密な表現。 【混同しやすい点】『denominated』は金額や単位に関連する文脈で使用されるが、『specified in』は品質、数量、手順など、より多様な要件を明記する際に用いられる。
- identified as
『〜として識別される』という意味で、特定のカテゴリー、種類、性質などに基づいて何かを分類または認識する際に使われる。学術的な文脈や、調査報告書などでよく見られる。 【ニュアンスの違い】『denominated』は通貨や単位の指定に特化しているのに対し、『identified as』はより広範な分類や識別を指す。より客観的な表現。 【混同しやすい点】『denominated』は金額や単位に関連する文脈でのみ使用できるが、『identified as』は生物学的な種、化学物質の種類、犯罪の種類など、より多様な対象を識別する際に使用できる。
派生語
『指名する』『推薦する』という意味の動詞。『名(name)』を意味する語根から派生し、名前を挙げて特定することを表す。ビジネスや政治の文脈で、候補者を指名する際によく用いられる。
- nomenclature
『命名法』『学名』という意味の名詞。科学、特に生物学や化学の分野で、体系的に名前を付ける方法論を指す。学術論文や専門書で頻繁に見られる。
『分母』を意味する名詞。数学における分数の下部に位置し、全体がいくつに分割されているかを示す。基礎的な数学教育から、より高度な数理科学まで幅広く用いられる。
反意語
『特定されていない』『明示されていない』という意味の形容詞。『specified(特定された)』に否定の接頭辞『un-』が付いた形。契約書や技術仕様書など、詳細がまだ決定していない状態を表す際によく使用される。
- innominate
『無名の』『名前のない』という意味の形容詞。接頭辞『in-』は否定を表し、医学用語や解剖学で特定の名前が与えられていない骨や動脈などを指すことがある。日常会話での使用頻度は低いが、専門分野では必要となる。
語源
"Denominate"は、ラテン語の"dēnomināre"(名前をつける、指定する)に由来します。これは、"dē-"(〜から、〜を離れて)と"nomināre"(名前を呼ぶ、名付ける)という二つの要素から構成されています。"Nomināre"自体は、"nōmen"(名前)という語根から派生しており、これは「ノミネート」という言葉にも繋がります。つまり、"denominate"は、文字通りには「名前を外に向かって示す」という意味合いを持ちます。このことから、「〜建ての」という語義は、特定の単位や通貨で名前をつけて示す、つまり「指定する」という原義から発展したと考えられます。例えば、「円建て」は、円という名前を使って価値を示すことを意味します。
暗記法
「Denominated」は、単に名付けられた以上の意味を持ち、価値や種類が公式に定められた状態を表します。金融の世界では、通貨建ての債券のように、発行体の信用によって価値が保証されることを示唆します。文学作品では、人物や時代が特定の価値観によって特徴づけられる様子を表現します。現代社会においては、グローバル化の中で価値基準を明確にする重要な概念であり、信頼のあり方を問い直す言葉として、その意味は深まり続けています。
混同しやすい単語
『denominated』と語尾が似ており、発音も似通っているため混同しやすい。意味は『指名された』であり、受動態で使われることが多い。スペルも非常に似ているため、文脈で判断する必要がある。接頭辞 'de-' と 'nom-' の意味の違い('de-' は『完全に』、'nom-' は『名前』に関連する)を意識すると区別しやすい。
『denominated』と語幹が似ており、発音も似ているため混同しやすい。意味は『支配された』であり、これも受動態で使われることが多い。スペルも似ているため、文脈での判断が重要。'dominate' はラテン語の 'domus'(家)に由来し、『家長が支配する』というイメージを持つと覚えやすい。
『denominated』と語源が同じで、スペルも似ているため混同しやすい。『分母』という意味の名詞であり、数学の文脈でよく使われる。『denominate』が動詞であるのに対し、こちらは名詞である点に注意。共通の語源 'nom-'(名前)から、『名前を付けるもの』という意味合いがあることを理解すると、関連性を覚えやすい。
発音が一部似ており、特に語尾の 'mined' の部分が曖昧母音化すると混同しやすい。意味は『決定された』『決意した』であり、文脈によって使い分けが必要。スペルも一部似ているため注意が必要。『determine』は『完全に終える』という意味合いがあり、'de-' と 'termine'(終点)の組み合わせで考えると理解しやすい。
スペルの一部('inated')が共通しており、発音も似ているため混同しやすい。意味は『除去された』であり、競争や選考の文脈でよく使われる。『eliminate』は『外に出す』という意味合いがあり、'e-'(外へ)と 'limen'(敷居)の組み合わせで考えると覚えやすい。
語尾の発音が似ており、スペルにも共通部分があるため混同しやすい。意味は『ラミネート加工された』であり、主に紙や写真などを保護する際に使われる。『laminate』は『薄い層を重ねる』という意味合いがあり、'lamina'(薄板)に由来する。
誤用例
日本語の『〜建て』という表現を直訳しようとして、通貨単位ではなく抽象的な名詞(ここでは『respect(尊敬)』)を置いてしまう誤用です。'denominated' は、通貨または特定の単位で金額が示されていることを意味します。契約書や金融取引においては、どの通貨で金額が定められているかを明確にする必要があり、'denominated in' の後には具体的な通貨名(例:U.S. dollars, euros, yen)が続きます。日本人が『建て』という言葉を安易に使うように、英語でも具体的な単位を明示することが重要です。この誤りは、日本語の抽象的な表現をそのまま英語に当てはめようとする際に発生しやすいです。
『denominated』を『〜と評価される』『〜と名付けられている』のように解釈し、受動態にして使用する誤用です。確かに『denominate』には『〜と呼ぶ、〜と名付ける』という意味もありますが、この意味で受動態が用いられることは稀です。一般的な用法としては、金額や価値が特定の単位で示されていることを表します。問題の難易度を評価する場合には、『considered』や『regarded』を使うのが自然です。この誤りは、多義語の一部の意味だけを覚えて、文脈を考慮せずに適用してしまうことが原因です。日本語の『〜と称される』という表現に引きずられやすい点にも注意が必要です。
『denominate』を『意見を表明する』という意味で使うのは不適切です。この単語は、金額や価値が特定の単位で示される場合、または(まれに)名前を付ける場合に使われます。意見を表明する場合には、『voice』、『express』、『state』などの動詞を使用するのが適切です。この誤用は、日本語の『〜と称する』という表現を『denominate』に当てはめてしまい、かつ、より直接的な表現を避けて、やや硬い言い方をしようとする際に起こりがちです。英語では、直接的でシンプルな表現が好まれる場合が多いことを覚えておきましょう。
文化的背景
「Denominated」は、単に「〜と名付けられた」という意味を超え、特定の権威やシステムによって価値や種類が公式に定められたことを示唆します。この語は、貨幣制度や契約、法律など、社会的な合意と秩序を必要とする場面で頻繁に用いられ、その背後には、価値の標準化と信頼の構築という文化的要請が見て取れます。
「Denominated」が最も頻繁に登場するのは、金融の世界でしょう。例えば、「米ドル建ての債券」は「USD denominated bond」と表現されます。これは単に「米ドルで支払われる」という意味だけでなく、その債券がアメリカという国家、あるいはアメリカの金融システムによって保証された価値を持つことを示唆します。同様に、「ユーロ建ての取引」は、欧州中央銀行(ECB)の信用と安定性によって支えられています。このように、通貨や金融商品は、発行体の権威と安定性によって「denominated(価値が定められる)」されるのです。この背景には、古代から続く貨幣の歴史があります。かつては金や銀といった貴金属が貨幣の価値を裏付けていましたが、現代においては、国家や中央銀行の信用がその役割を担っています。したがって、「denominated」という言葉は、単なる名称以上の、信頼の証としての重みを持っていると言えるでしょう。
文学作品における「denominated」の使用例は、金融用語としての直接的な登場よりも、比喩的な意味合いで用いられることが多いかもしれません。例えば、ある人物の行動や性格が「勇気」や「知恵」といった特定の価値観によって「denominated(特徴づけられる)」と表現されることがあります。これは、その人物が社会的に認められた価値基準に沿って行動し、評価されることを意味します。また、ある時代や社会が特定のイデオロギーや価値観によって「denominated(支配される)」と表現されることもあります。例えば、「冷戦時代はイデオロギーによってdenominatedされた」というように。この場合、「denominated」は、単なる名前ではなく、その時代や社会を特徴づける支配的な価値観や権力を示唆します。このように、「denominated」は、社会的な価値基準や権力構造を反映する言葉として、文学作品においても重要な役割を果たしています。
現代社会において、「denominated」は、グローバル化と金融の複雑化とともに、ますます重要な意味を持つようになっています。異なる通貨建ての取引や、複雑な金融商品が登場する中で、「denominated」は、価値の基準を明確にし、リスクを管理するための重要な概念となっています。また、仮想通貨のように、国家の信用に裏付けられない新しい形態の通貨が登場する中で、「denominated」の意味は、再び問い直されています。誰が、あるいは何が、その価値を「denominated(定める)」のか。この問いは、現代社会における価値の基準と信頼のあり方を考える上で、避けて通れない問題と言えるでしょう。
試験傾向
この単語が直接問われる頻度は低いですが、経済や金融に関するテーマの長文読解で、専門用語の一部として出てくる可能性があります。特に準1級以上では、文章全体の理解を深めるために、関連語彙と合わせて覚えておくと良いでしょう。
Part 7(読解)で、金融・経済関連の記事やビジネス文書に登場する可能性があります。例えば、「○○ denominated bonds」(○○建ての債券)のような形で使われます。文脈から意味を推測する練習をしておきましょう。
アカデミックな文章、特に経済学や金融学に関連する内容で登場する可能性があります。通貨や金額が特定されていることを示す場合に使われます。読解問題で、文章全体の意味を理解する上で重要なキーワードとなることがあります。
経済学部や国際関係学部など、専門的な分野を扱う長文読解で出題される可能性があります。文脈から意味を推測する能力が求められます。関連語句(currency, valueなど)と一緒に覚えておくと役立ちます。