seniority-based
年功序列の
勤続年数や年齢に基づいて、地位や給与などが決定される制度やシステムを指す。実力主義と対比されることが多い。
He understood that his promotion was seniority-based, so he patiently waited for his turn.
彼は自分の昇進が年功序列だと理解していたので、辛抱強く自分の番を待った。
※ 会社などで、経験や勤続年数が長い人から順に昇進する仕組みを説明しています。「seniority-based」は「年功(勤続年数)に基づく」という意味で、ここでは昇進制度を表します。「patiently waited」から、彼の気持ちが伝わりますね。
Many traditional Japanese companies still use a seniority-based salary system.
多くの伝統的な日本企業は、今でも年功序列の給与制度を採用しています。
※ 日本の会社の特徴として年功序列の給与制度を説明する場面です。この例文は、ある社会や組織の仕組みを客観的に伝えるときに「seniority-based system」がよく使われる典型例です。「salary system」と合わせて使うことで、より具体的なイメージが湧きますね。
This modern company prefers a performance-based system, not a seniority-based one.
この現代的な会社は、年功序列ではなく、成果主義のシステムを好んでいます。
※ 新しい会社が、昔ながらの年功序列ではなく、社員の成果で評価する仕組みを選んでいる状況を描写しています。「not a seniority-based one」のように、「one」を使って「system」の繰り返しを避けるのは、自然な英語表現のテクニックです。対比が分かりやすいですね。
先輩優位の
経験や在籍期間が長い人が有利になる状況を表す。必ずしも制度化されているわけではなく、慣習や文化として存在する。
He felt frustrated because the company's promotion system was seniority-based.
会社の昇進制度が先輩優位だったので、彼は不満を感じた。
※ この例文は、会社や組織の中で、実力よりも経験年数や在籍期間が重視される「年功序列」のシステムを表現しています。若い社員が、努力してもなかなか昇進できない、というような不満を感じている情景が浮かびますね。
New students in the club noticed a seniority-based system for team roles.
そのクラブの新入生たちは、チームの役割が先輩優位のシステムになっていることに気づいた。
※ 学校の部活動やサークルなどで、入部したばかりの生徒が、チーム内の役割分担やポジション決めが、実力よりも先輩の年次によって決まっていることに気づく場面です。少し戸惑いや納得がいかない気持ちが伝わってきますね。
Many traditional Japanese companies often have a seniority-based culture.
多くの伝統的な日本企業は、しばしば先輩優位の文化を持っています。
※ この例文は、日本の伝統的な企業文化を説明する際によく使われる表現です。年功序列が根強く残る企業では、若手よりもベテラン社員が優遇されたり、意見が通りやすかったりする様子が想像できます。海外の人に日本の文化を紹介する時にも使えます。
コロケーション
年功序列型の昇進
※ 企業や組織において、個人の能力や業績ではなく、在籍年数や年齢に基づいて昇進させる制度を指します。これは、長年の経験を尊重する文化や、組織の安定を重視する考え方に根ざしています。ただし、現代では能力主義への移行が進み、この制度を見直す動きも多く見られます。ビジネスシーンでよく用いられる表現です。形容詞+名詞の組み合わせの典型例です。
年功序列制度
※ 昇進、給与、配置など、人事に関する様々な決定が、従業員の勤続年数に基づいて行われる制度全般を指します。終身雇用制度と密接に関連しており、日本の企業文化に深く根ざしていましたが、近年では成果主義の導入により、その影響力は弱まっています。この制度は、従業員の安定感と組織への忠誠心を高める一方で、若手社員のモチベーション低下や組織の硬直化を招く可能性も指摘されています。フォーマルな文脈でよく使用されます。
年功序列型の給与体系
※ 給与が、従業員の年齢や勤続年数に応じて上昇する体系を指します。この体系は、経験豊富な従業員の知識やスキルを評価し、長期的な貢献を促すことを目的としています。しかし、能力や成果が給与に反映されにくいという批判もあり、近年では成果連動型の給与体系への移行が進んでいます。ビジネスシーンで頻繁に使われる表現です。
年功序列による解雇
※ 人員削減(レイオフ)を行う際に、勤続年数の短い従業員から優先的に解雇する方法を指します。これは、長年会社に貢献してきた従業員を保護することを目的としていますが、若手社員の機会を奪うという批判もあります。労働組合が強い企業などで見られることがあります。ネガティブな意味合いで使われることが多いです。
年功序列制度に基づいて
※ 何らかの決定やプロセスが年功序列制度に則って行われることを示す表現です。例えば、「昇進は年功序列制度に基づいて行われる (Promotions are made on a seniority-based system.)」のように使われます。この表現は、制度やプロセスの運用方法を説明する際に便利です。前置詞句 + 名詞の組み合わせです。
能力主義 vs. 年功序列
※ 人事評価や昇進の基準として、能力主義と年功序列を対比させる際に用いられる表現です。「merit-based」は個人の能力や業績を重視するのに対し、「seniority-based」は勤続年数を重視します。この対比は、人事制度改革や組織文化の変化を議論する上で重要な概念です。ビジネスシーンでよく用いられる表現です。
年功序列制度への挑戦
※ 既存の年功序列制度に対して、その有効性や公平性を疑問視し、改革を求める動きを指します。これは、グローバル化や競争激化の中で、企業の競争力を高めるために、より柔軟で成果主義的な人事制度を導入する必要性が高まっていることが背景にあります。フォーマルな文脈でよく使用されます。
使用シーン
社会学や経営学の研究論文で、組織構造や人事制度を分析する際に使用されます。例えば、「日本の企業における意思決定は、依然として年功序列に基づいている(seniority-based)」といった文脈で、客観的な分析を示すために用いられます。
人事評価制度や昇進制度に関する社内文書や報告書で用いられます。例:「当社の昇進制度は、完全な成果主義ではなく、年功序列の要素も考慮している(seniority-based elements)」のように、制度設計の説明や現状分析に使われることがあります。会議での議論など、フォーマルな場面で使われることが多いです。
ニュースやドキュメンタリー番組で、企業文化や社会構造を解説する際に使われることがあります。例えば、「この会社は、いまだに年功序列が色濃く残っている(seniority-based)」というように、組織の体質を批判的に描写する文脈で見かけることがあります。日常会話で積極的に使うことは少ないでしょう。
関連語
類義語
- tenure-based
在職期間に基づいて評価や決定がなされることを指します。主に大学や研究機関など、長期的な雇用が前提となる組織で用いられます。昇進、昇給、研究費の配分などに影響します。 【ニュアンスの違い】"seniority-based"とほぼ同義ですが、よりフォーマルで、アカデミックな文脈で使われる傾向があります。また、単に勤続年数だけでなく、役職や資格なども考慮されるニュアンスが含まれることがあります。 【混同しやすい点】日常会話ではほとんど使われません。"seniority-based"はビジネスシーンでも比較的使われますが、"tenure-based"はより限定的な場面で使われることを意識する必要があります。
- experience-based
経験に基づいて評価や決定がなされることを指します。ビジネスシーン全般で広く使われ、採用、昇進、プロジェクトへのアサインなどに影響します。 【ニュアンスの違い】"seniority-based"が勤続年数に重きを置くのに対し、"experience-based"は実際にどのような経験を積んできたかを重視します。必ずしも勤続年数と経験が比例するとは限りません。 【混同しやすい点】"experience-based"は、単に年功序列ではなく、実務経験やスキルを評価する際に使われます。"seniority-based"と混同すると、誤解を招く可能性があります。
- length-of-service-based
勤務期間に基づいて評価や決定がなされることを指します。人事評価や給与体系など、組織運営に関わる場面で用いられます。ややフォーマルな表現です。 【ニュアンスの違い】"seniority-based"と非常に近い意味ですが、より客観的な「勤務期間」という事実を強調するニュアンスがあります。主観的な要素(能力、貢献度など)を排除したい場合に用いられることがあります。 【混同しやすい点】日常会話ではあまり使われず、ビジネス文書や契約書などで見かけることが多い表現です。"seniority-based"よりもさらにフォーマルな印象を与えるため、使用場面を選ぶ必要があります。
- years-of-service-based
勤務年数に基づいて評価や決定がなされることを指します。人事評価や給与体系など、組織運営に関わる場面で用いられます。"length-of-service-based"とほぼ同義です。 【ニュアンスの違い】"seniority-based"と非常に近い意味ですが、より具体的な「勤務年数」という数値を強調するニュアンスがあります。客観的な評価基準であることを示したい場合に用いられることがあります。 【混同しやすい点】"length-of-service-based"とほぼ同じ意味で使われますが、"years-of-service-based"の方がより口語的な印象を与えます。ただし、どちらも日常会話ではあまり使われません。
- rank-based
階級や役職に基づいて評価や決定がなされることを指します。軍隊、警察、官僚組織など、階級制度が明確な組織で用いられます。昇進、権限、待遇などに影響します。 【ニュアンスの違い】"seniority-based"が勤続年数を重視するのに対し、"rank-based"は組織内での地位を重視します。必ずしも勤続年数と階級が比例するとは限りません。 【混同しやすい点】"seniority-based"は、年功序列的な要素を含みますが、"rank-based"は、組織構造における地位に基づいた評価です。組織文化によっては、年功序列と階級が結びついている場合もあります。
- time-in-grade-based
特定の階級や役職に在籍した期間に基づいて評価や決定がなされることを指します。主に公務員制度や軍隊などで用いられます。昇進の条件として、特定の階級に一定期間在籍していることが求められる場合があります。 【ニュアンスの違い】"seniority-based"よりもさらに限定的な意味で、特定の階級にどれだけ長くいたかを重視します。昇進の足切りラインとして使われることが多いです。 【混同しやすい点】非常に専門的な用語で、日常会話や一般的なビジネスシーンではほとんど使われません。公務員制度や軍隊の内部事情に詳しい場合にのみ使用を検討すべきです。
派生語
『年上の』『上級の』という意味の形容詞。また、『先輩』『高齢者』という意味の名詞としても使われる。ラテン語の『senex(年老いた)』に由来し、序列の基準となる概念を示す。日常会話からビジネスシーンまで幅広く使用される。
- seniority
『年功』『在職期間』という意味の名詞。形容詞『senior』に名詞化の接尾辞『-ity』が付いた形。組織内での地位や権利が在職期間に基づいて決定されることを指す。人事制度や労働協約に関する文書で頻繁に用いられる。
『元老院』『上院』という意味の名詞。古代ローマの元老院(senatus)に由来し、年長者(senes)によって構成された議決機関を指す。現代では、多くの国で議会の上院を意味し、政治・法律関連の文脈で使用される。
反意語
- merit-based
『能力主義の』という意味の形容詞。『merit(能力、功績)』に基づいて評価・決定されることを指す。『seniority-based』が在職期間を重視するのに対し、『merit-based』は個人の能力や実績を重視する。人事評価や昇進制度において対比される概念であり、ビジネスや組織論の文脈で用いられる。
『業績主義の』という意味の形容詞。個人の業績(performance)に応じて評価や報酬が決定されることを意味する。『seniority-based』が年功序列的な評価であるのに対し、『performance-based』は成果を重視する。近年、多くの企業で導入されている人事評価制度であり、ビジネス関連の文書で頻繁に見られる。
語源
"Seniority-based"は、「年功序列の」「先輩優位の」という意味を表します。この単語は、中心となる"seniority"(年功、先輩であること)に、形容詞を作る接尾辞"-based"(~に基づいた)が付いた形です。さらに遡ると、"seniority"は「年上の、年長の」を意味する"senior"に、名詞を作る接尾辞"-ity"が付いたものです。"Senior"自体は、ラテン語の"senior"(より年上の)に由来し、これは"senex"(老人)という言葉の比較級です。つまり、"seniority-based"は、文字通りには「年長者であることに基づいた」という意味合いを持ち、組織や社会における地位や待遇が、年齢や経験年数によって決定されるシステムを指す言葉として使われます。日本語で例えるなら、「古株(ふるかぶ)優先」というニュアンスに近いかもしれません。
暗記法
「seniority-based(年功序列)」は、単なる人事制度ではなく、日本社会の安定と調和を支えた文化的価値観の象徴です。高度経済成長を支えましたが、バブル崩壊後には硬直化を招く要因にもなりました。グローバル化の中で見直されつつも、経験や知識伝承の重要性は残っています。過去の教訓を活かし、変化に対応できる組織づくりが求められています。
混同しやすい単語
『seniority-based』の基となる名詞『seniority(年功序列、先輩であること)』。発音もスペルも非常に似ており、形容詞が必要な場面で名詞を使ってしまうという誤りが起こりやすい。『seniority-based』は形容詞で、年功序列**に基**づいているという意味合いを明確にする必要がある。
発音が似ており、特に語尾の『-ity』と『-ivity』の部分で混同しやすい。また、どちらも抽象的な概念に関連するため、意味の取り違えも起こりうる。『sensitivity-based』は『感受性に基づいた』という意味で、文脈が大きく異なる。
『seniority』と『sanity』の最初の部分の音が似ているため、発音を聞き間違える可能性がある。また、どちらも抽象的な概念であるため、文脈によっては意味を取り違える可能性もある。『sanity-based』は『正気に基づいた』という意味で、全く異なる概念を指す。
『seniority』と『sincerity』は、どちらも『-ity』で終わる抽象名詞であり、発音とスペルが部分的に似ているため、混同しやすい。『sincerity-based』は『誠実さに基づいた』という意味で、評価基準や判断基準を表す場合に用いられる。
『superiority』は『優越性』という意味で、発音のイントネーションや語尾の『-ity』が『seniority』と似ているため、聞き間違いや言い間違いが起こりやすい。『superiority-based』は『優越性に基づいた』という意味で、競争や比較の文脈で使われることが多い。
『seniority-based』と『standard-based』は、どちらも『-based』という共通の語尾を持つため、文脈によっては混同しやすい。『standard-based』は『基準に基づいた』という意味で、品質管理や評価の文脈でよく用いられる。
誤用例
多くの日本企業では年功序列制度が終身雇用と結びついているため、「年功序列=良いこと」という固定観念が生まれがちです。しかし、欧米企業(特にアメリカ)では、年功序列は必ずしもポジティブな意味合いを持ちません。能力主義が重視される文脈では、むしろ「実力のない高齢者が高給を得ている」といった批判的なニュアンスを含むこともあります。そのため、安易に "very good thing" と評価してしまうと、文化的な背景のずれから誤解を招く可能性があります。歴史的背景や変化を理解した上で、客観的な記述に留めるのが賢明です。
"seniority-based" は制度やシステムを指す形容詞であり、人の経験を直接修飾する用法は不自然です。日本語の「年功序列の経験がある」という発想から直訳するとこのような誤りが起こりやすいですが、英語では経験の豊富さを表す場合は "extensive experience" や "years of service" などを用いるのが自然です。また、"seniority-based experience" という表現は、経験の内容よりも在籍期間の長さを強調しているように聞こえ、能力主義の文脈ではネガティブに捉えられる可能性もあります。よりポジティブな評価を伝えるためには、経験の内容や成果を具体的に示すべきです。
"seniority-based" はあくまで年功序列『制度に基づく』という意味であり、世界そのものを修飾するような使い方は不適切です。日本語の「世の中年功序列だから仕方ない」という感覚を英語に直訳しようとする際に起こりがちな誤りです。英語では、制度やシステムそのものを指す場合は単に "the system" を用いるのが一般的です。また、"that's just how the world seniority-based works" という表現は非常に不自然で、ネイティブスピーカーには意味が通じにくいでしょう。
文化的背景
「seniority-based(年功序列)」という言葉は、単なる勤続年数に基づく昇進制度を指すだけでなく、組織における経験、忠誠心、そして暗黙の了解への順応を重んじる文化的価値観を象徴しています。特に終身雇用制度と結びついた日本企業において、年功序列は単なる人事制度を超え、組織の安定と調和を保つための社会的な契約としての側面を持っていました。
年功序列制度は、高度経済成長期における日本企業の成功を支えた要因の一つとしてしばしば語られます。長期間にわたる雇用保障と、年齢や勤続年数に応じて昇進・昇給する仕組みは、従業員の会社への忠誠心を高め、組織全体の結束力を強める効果がありました。また、経験豊富なベテラン社員が若手社員を指導・育成することで、技術や知識が組織内で継承され、持続的な成長を可能にする基盤となりました。しかし、バブル崩壊後、経済状況が変化するにつれて、年功序列制度の弊害も顕在化しました。能力や実績に関わらず、勤続年数だけで昇進・昇給が決まることは、若手社員のモチベーション低下や、組織全体の硬直化を招く要因となりました。
近年では、グローバル化の進展や、労働市場の流動化に伴い、日本企業においても年功序列制度の見直しが進んでいます。成果主義や能力主義を導入する企業が増え、年功序列制度は徐々にその役割を終えつつあります。しかし、年功序列制度が長年にわたって日本社会に根付いてきた文化的背景を考慮すると、完全に廃止することは容易ではありません。経験や知識の蓄積を重視する価値観は依然として存在し、組織における年長者の役割も重要です。そのため、多くの企業は、年功序列制度のメリットとデメリットを考慮しながら、より柔軟で多様な人事制度を模索しています。
「seniority-based」という言葉は、単に過去の制度を指すだけでなく、組織における経験の価値、世代間の知識伝承、そして変化への適応という、現代社会における重要な課題を想起させる言葉として、その文化的意義を保ち続けています。過去の成功体験にとらわれず、変化する社会に対応できる組織を築くために、年功序列制度の教訓を活かすことが求められています。
試験傾向
この単語が直接問われることは少ないですが、組織や人事に関する長文読解問題で、背景知識として知っておくと文脈理解に役立つことがあります。特に準1級以上で、社会問題やビジネス関連のテーマで出題される可能性はあります。
Part 5(短文穴埋め問題)やPart 7(長文読解問題)で、人事制度や労働条件に関する文章で登場する可能性があります。ビジネスシーンでよく使われる単語なので、関連語句(promotion, compensation, performance reviewなど)と合わせて覚えておくと良いでしょう。
アカデミックな文章で、社会学、経済学、経営学などの分野で組織論や労働経済を扱う際に登場する可能性があります。ただし、TOEFLは直接的な語彙知識よりも文脈理解を重視するため、この単語の意味を直接問う問題は少ないと考えられます。
大学受験の長文読解問題で、社会科学系のテーマ(組織論、人事制度、労働問題など)を扱った文章で登場する可能性があります。文脈から意味を推測できるように、基本的な語彙力と読解力を養っておきましょう。